ハイスクールD×D ~審判を超えし者~【凍結】   作:メラニン

41 / 90
どもども。最近、PCでタイピングしてると、指先が・・・


皆さんもお気を付け下さい。


今回は聖剣使い二人組が来校です。


では、どうぞ!


第4話 聖剣使い来校です!

―― 一誠side

 

 

 

「このメールは一体どういう事だい?イッセー君」

 

 

俺はいつも通りに登校して、午前の授業も終わり、昼休みに木場に呼び出されていた。

 

 

「そのままの意味だ。小猫ちゃんが事前に、お前が以前聖剣が絡んだ時に、学校にも暫く来なかったって聞いたから、その対策を打たせてもらっただけだ」

 

 

木場の目にはヤハリ言い様の無いくらいの憎しみの色が宿っていた。

まぁ、それもその筈だ。憎っくき聖剣に巡り会えるチャンスが来たんだからな。

 

 

 

俺が出したメールの内容はこうだ。

 

『聖剣の使い手が今この町に2人来ている。ただし、あちらが望んでいるのは対話だ。手を出さないという条件が呑めるのなら引き合わせてやる。詳しくは学校で話す』

 

 

「……イッセー君は知ってるのかい?僕が――」

 

 

「聖剣計画の被験者だった事、か?」

 

 

「その様子だと知ってるようだね。そう、僕は聖剣計画の被験者。そしてその計画の『失敗作』だ。だから『処分』された。僕の仲間達共々ね」

 

 

 

「…………そのお前の憎しみは俺には多分、分からない。だけどな、仲間を喪う苦しみなら分かる。お前の憎しみはきっと、お前自身も呑み込むぞ」

 

 

ああ、誰よりも分かってるはずだ。誰かを喪う悲しみや辛さは。

 

 

「………忠告は有難く受け取っておくよ、イッセー君。で、メールにあった聖剣の使い手の話だけど、いいよ。条件を呑むよ。折角こんな風に巡ってきたチャンスなんだ。メールにあった通り、僕からは手を出さない」

 

 

木場の目からは、いくらかは狂気に近いような憎しみの色は薄れていた。それでも、まだコイツは危ういと感じてしまうのが正直なところだ。

けどまぁ、言質も取ったし大丈夫か。

 

 

 

「分かった。なら、約束通り聖剣の使い手に引き合わせる。放課後いつも通り部室に来い。そこで会う手筈になっている」

 

 

「了解だよ。ところで、このメールにある聖剣使いが2人ってあるんだけど、1人じゃ無くて2人なんだね?」

 

 

「ん?どういう事だ?メールにある通り、今日引き合わせる聖剣使いは2人だぞ。まぁ、片方は俺の幼馴染なんだけど」

 

 

「………君は辛くないのかい?幼馴染が敵側な事に」

 

 

「………さてな」

 

 

「……分かった。深くは聞かないでおくよ。じゃあ、放課後に」

 

 

木場はそう言うと踵を返して戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――○●○――

 

 

 

 

そして、放課後を迎えた。部長たちには事前に部室で待機してもらっている。俺は約束通り2人を校門まで迎えに行った。

 

 

「あ、来た来た。やっほ、イッセー君。ここがイッセー君の通う学校なんだね」

 

 

「ああ、そうだ。じゃあ、付いて来てくれ。コッチだ」

 

 

俺は2人を案内して、旧校舎前の鬱蒼とした森に差し掛かったところで歩を止めた。

急に止まったもんだから、イリナが背中にぶつかって来た。

 

 

「わぷっ!?どうしたの、イッセー君?急に止まって」

 

 

俺は大きく深呼吸して、気持ちを落ち着かせる。

………よし。

 

 

「イリナ、お前には謝らないといけない事があるんだ」

 

 

「………なに?」

 

 

「俺は今年の4月に死んだ」

 

 

「………え、きゅ、急に何を言い出すの?でもイッセー君はここに――」

 

 

「離れろ、イリナ!」

 

 

ゼノヴィアが大きな包みを解いて抜き放ったのは、彼女の身の丈ほどもありそうな大剣だ。

それを、俺目掛けて振り下ろしてくる。

 

 

『Boost!』

 

 

俺はその一撃を『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』を発現させて防ぐ。

 

 

ドンッ!

 

 

衝撃の余波で俺の足下には小さなクレーターが出来た。

さっきの話が衝撃だったのか、イリナは心ここに非ずって感じだ。その彼女を衝撃から守る格好で防いだ。

ぐ……結構重いな、今の一撃。

 

 

「ふん!」

 

 

キン!

 

 

俺は大剣ごとゼノヴィアを弾き飛ばした。

 

 

「………何故、今そんな話をする?リアス・グレモリーに引き合わせるというのは罠か?」

 

 

「いや、ちゃんと引き合わせるさ。だけど、俺が付いていた嘘はこれから部室へ行ったら直ぐにバレてしまうだろうから、言っといた。ゼノヴィアは多分必要無かっただろうけど、イリナには必要だと感じたからさ」

 

 

「………そうか」

 

 

そう言って、ゼノヴィアは剣を納めてくれた。

 

 

「で、話の続きだが、俺は今年の4月に堕天使の一人に殺された」

 

 

「嘘!だって、イッセー君はアレだけ強かったじゃない!それなのに……!」

 

 

「偶然にも、その時俺の力は全部不調でな。まぁ、それでも一人を倒すくらい訳なかったんだけど、油断したところで槍に貫かれた。そんな時だ。お前たちがこれから会うリアス・グレモリーが現れて、俺を悪魔に転生して命を救ってくれた。言っただろ?『暴力沙汰だけは』って。

俺はもうリアス部長の眷属だから、もしお前たちが戦おうとすれば、俺も戦わなきゃならない。だけど、イリナ。正直な話、俺はお前とは戦いたくはない。だから今、念の為話しておいた。

俺は悪魔だ」

 

 

 

「………分かったわ。イッセー君が悪魔なら、私は主から与えられた使命の元、いずれはあなたを断罪するわ。

けど、私もイッセー君とは戦いたくないな……」

 

 

イリナの最後の方の言葉は今にも消え入りそうなくらい沈んだような調子だった。そんなイリナの肩にゼノヴィアが手を置いてイリナの表情を窺った。

 

……良い友達が出来たんだな、イリナ。

 

 

「………話は分かった。先ほどは攻撃してすまない。早とちりしてしまった。だが、これで君が敵であるとハッキリした。もしもの時は私が君を断罪しよう」

 

 

「ああ、頼むわ。ま、そうならない事を祈るよ」

 

 

「フッ、悪魔が何に祈るんだ?」

 

 

「ああ、そりゃそうか。うーん………魔王、とか?」

 

 

「ふふ、君は面白い男だな。イリナが自慢していたのも頷ける。ただし、悪魔で無ければね」

 

 

俺はそれに苦笑いしつつ、2人を部室へと案内した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――○●○――

 

 

「イッセー、先ほどの戦闘音は気のせいかしら?」

 

 

部室に着くなり、小猫ちゃんと黒歌に両腕を持たれて、強制的に部長の前に正座させられた。

 

 

「あの~、すいません。一応、敵側とはいえお客様がいらっしゃってるんですけども……」

 

 

「放っておきなさい」

 

 

え~~~……

ほら、入り口で待たされてるゼノヴィアとイリナも面食らっちゃってるよ!

 

 

「で、イッセー?もう一度聞いていいかしら。さっきの戦闘音は何?」

 

 

「えっとですね…………俺が悪魔だという事を、入り口にいる二人には黙っていたので、その事について話したら少し戦闘になりまして………あっ、でもほら!お互い怪我も無いですし――」

 

 

「イッセー?朝に私とリアスで説教したわよね?私たちの言ったこと覚えてられないの?」

 

 

同じくやや怒気を孕んだ様な声音で見下ろしてくるミラ。こ、怖いです、この2人。

 

 

「いや、覚えてたよ?でもほら、一応言っとくべきことは言っとかないと。で、その副次的な産物が小規模な戦闘だった訳で……」

 

 

「……あなたにはまだ言って聞かせないとダメみたいね」

 

 

「す、すいません……」

 

 

「はぁ………失礼。見苦しい所を見せたわ。改めて自己紹介させてもらうわね。

リアス・グレモリーよ。元七十ニ柱に名を連ねるグレモリー家次期当主。以後お見知りおきを」

 

 

「そうか。なら、こちらも名乗っておこう。教会から派遣されたゼノヴィアというものだ」

 

 

「…紫藤イリナよ…」

 

 

 

「そう。では、話し合いを始めましょうか。掛けてちょうだい」

 

 

部長は2人にそう促すと、2人は素直にソファに腰を掛けた。部長はそれに向かい合うようにしてテーブルを挟んで座った。

 

 

「あら、イッセー?誰が立っていいって言ったかしら?」

 

 

「え……」

 

 

俺は立ち上がろうとして、部長に止められた。

え、もしかしてこのまま……

 

 

「あの、部長?もしかして、まだ俺は……」

 

 

「ええ、座ってなさい。そのままの姿勢で」

 

 

部長がニッコリ笑って、そう指示を出す。

あんまりだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、そちらの要件を聞きましょうか」

 

 

「先日、教会側が保管していた聖剣エクスカリバーが3本奪われた」

 

 

ん?3本?エクスカリバーって、よく伝説で出てくるあの聖剣だよな?エクスカリバーって複数あるのか?

 

 

 

「おっ?イッセーが分かんない顔してるにゃん。あのね、エクスカリバーは既に一回折れちゃってるのよ。ボキッと」

 

 

疑問符を浮かべていた俺に黒歌が説明を入れる。

 

 

「折れた?なら、それが盗まれるってどういう事だ?」

 

 

「昔、三大陣営の三つ巴の大戦があった時に折れちゃったのよ。それを教会側が錬金術で打ち直して新たに制作されたのが7本。でも、その内の一本である『支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)』は大戦中にどっか行っちゃったみたいだけどね」

 

 

「何でそんな事知ってんだよ、黒歌」

 

 

「ふっふっふ、伊達に世界を回ってないにゃん♪」

 

 

「ああ、なるほど」

 

 

 

 

 

 

「まぁ、今説明にあったエクスカリバーが盗まれた。正教会、カトリック、プロテスタントにあった各2本ずつから1本ずつね。そして、私たちはそれらの回収、最悪できなければ破壊を命じられて、この地へ来た」

 

 

「事情は分かったわ。それで?そちらは私達に何を望むの?」

 

 

「簡単な事だ。これは教会の問題だ。この問題に一切の手出しをしないで欲しい」

 

 

その発言に場の空気が一瞬凍りついた。そりゃそうだ。

この町は部長の管轄だ。その自分の土地で起こりうる事件を傍観していろ、と言われてるようなものだ。

 

 

「……つまりは相互不干渉を望む訳ね。随分身勝手な物言いね。この町は私が魔王様から預けられた土地よ。その土地で教会側が勝手に持ち込んだ事件の舞台にするなんて容認出来ないわね」

 

 

「それに関しては、すまないと思っている。本来であれば我々も敵側にこんな事を依頼しには来ない。だが今回ばかりは相手が相手にだけ、そうぜざるを得なかった」

 

 

「そう言えば、盗んだ相手を聞いてなかったわね」

 

 

「エクスカリバーを盗んだのは『神の子を見張る者(グリゴリ)』だ。首謀者は、その中でも幹部に当たる堕天使コカビエル」

 

 

 

 

 

 

「……なるほど。思わぬビッグネームが出てきたわね。まさか、聖書にも載っている堕天使の一角が出てきてるなんてね。で、そちらの戦力はまさかあなた達2人だけじゃ無いわよね?」

 

 

「いや、私達だけだ」

 

 

「……堕天使の幹部相手に若い悪魔祓い(エクソシスト)2人のみ?死ぬつもりかしら?」

 

 

「できれば、私もイリナも生き残りたいとは思っている。だが同時にそんな希望を抱く事が、愚かだとも言える相手というのも承知している。だからこそ、少しでも確率を上げる為に、あなたには先程の話を了承してもらいたい」

 

 

部長は苦々しい表情を浮かべつつ嘆息すると、口を開けた。

 

 

「相変わらず、あなた達の信仰心というのは呆れるわ。それが狂気だとも思えてならないわね」

 

 

「なんと言われようと、我々の信仰心は揺るがない」

 

 

「死ぬわよ?」

 

 

「構わない。この命、主に捧げる所存だ」

 

 

「………本当に呆れたわ」

 

 

「それは、了承していただけたという事でいいのかな?では、私たちはこれで失礼するよ」

 

 

ゼノヴィアとイリナは立ち上がって、その場を後にしようとしたが、ゼノヴィアの視線がアーシアに注がれた。

 

 

 

「君はもしや、『魔女』のアーシア・アルジェントか?」

 

 

ピクリと部室に居た全員が反応した。

 

 

「………はい、確かに私はアーシア・アルジェントです」

 

 

「ゼノヴィア、行きましょう」

 

 

「まぁ、待ってくれイリナ。そうか、あなたが悪魔を治療したとして、異端の烙印を押されたアーシア・アルジェントか。君はまだ主への信仰心は失ってないみたいだな」

 

 

「何を言ってるの、ゼノヴィア?悪魔が信仰心を持つって……」

 

 

「私はそういうのに鋭いんだよ。それで、どうなのだろうか?」

 

 

アーシアは少しビクついた様子だが、それでも落ち着いたように見える。多分、事前にこうなる事を少しは予期していたんだろう。

 

 

…………そして、俺には一つの懸念事項がある。部室の隅の方で腕組みをしているミラだ。

口には出していないが、かなり怒ってらっしゃる。

 

 

「ずっと、持ってきたものですから………簡単には捨てられません」

 

 

「そうか。なら」

 

 

そう言って、ゼノヴィアは包みを解いて聖剣の切っ先をアーシアに突きつける。

 

 

「ここで、私に断罪されるといい。もし、信仰心を持っているのならば主もきっと悪魔といえど、煉獄に落とすという事はしないだろう。安心して逝け」

 

 

それでも、アーシアは視線を逸らさずに、ゼノヴィアを見据える。

 

 

「私は確かに主への信仰心を失っていません!それは、その教えが本当に素晴らしいと心から思えたからです!………確かに私は悪魔の方を治療して、破門されてしまいました。その結果、悪魔になってしまいました。それでも……誰かを助けるのが罪なのですか?………悪魔であっても、主への祈りが罪なのですか!………確かにこんな考えは異端と呼ばれるでしょう。蔑まれもするでしょう………ただ、それでも、信仰心を失わなわず、隣人を愛する事は罪なのでしょうか?」

 

 

「……君の言い分は分かった。けど、やはりそれは異端であるし、罪だと断言しよう。なぜなら――」

 

 

「くだらない」

 

 

ミラの一言にピクリと反応したのは、今度はゼノヴィアだ。

 

 

「私たちの信仰がくだらないと?」

 

 

 

「そうでしょ?寄ってたかって、まだ年端もいかなかったアーシアをやれ『聖女』だ、『魔女』だと勝手に祭り上げて、勝手に貶めて。それこそ、教会全体の罪じゃないの?

教会っていうのは人の人生をそんなに弄んで、それこそ神にでもなったつもりかしら?」

 

 

 

「そんなことは言ってない。私はただ――」

 

 

パンッ!

 

 

俺は手を叩いて会話を遮った。

 

 

「そこまでだ。これ以降はどこまで行っても平行線だ。取り敢えず、そちら側は要件を果たした。で、コッチはそれを了承した。そちらは、これ以上何を望むんだ?」

 

 

「アーシア・アルジェントの断罪だ」

 

 

ゼノヴィアが相変わらずハッキリと声にする。

 

 

「それはやらせない。言ったはずだぞ?暴力沙汰だけは避けるように。コレがそもそもの条件だ」

 

 

「コレは暴力なんかじゃない。粛清だ」

 

 

「尚更認められない。アーシアは俺の家族も同然だ。アーシアを手に掛けようものなら俺だって黙ってない。ケンカなら幾らだって買ってやる。今まで色んなモノを敵に回してきたんだ。それが、今更少し増えたって構いやしない」

 

 

ゼノヴィアはより一層表情を固くして俺を睨みつける。

 

 

「……その物言いは、いずれ世界でさえも敵に回すぞ?」

 

 

「望む所だ。世界を相手にするのには慣れてる。俺には世界よりも大切だと思えるものがあるんだ。それを守るためなら何だってやってやる!」

 

 

「イッセーさん………」

 

 

 

「………それだけ、真っ直ぐにモノを言えるのに、悪魔であるのが本当に惜しいな。だが、それでも――」

 

 

「そこまでにしなよ。所詮は相容れないんだよ、僕らは。それなら、ぶつかり合うしか無いんじゃないかな?」

 

 

今まで沈黙を貫いてきた木場が、腕組みを解いて前に出てきた。

 

 

「君は?」

 

 

「君たちの先輩だよ。ただし、『失敗作』のね」

 

 

ゼノヴィアが眉を顰めて、木場を注意深く観察していると、何かを感じ取ったらしい。

 

 

「僅かだが、私やイリナと少し近しい感じがする?まさか……」

 

 

 

「聖剣計画………僕はその被験者だ」

 

 

「なるほど。さっきからこちらに殺気を向けている理由が分かったよ。コイツが憎くてしょうが無いんだろうな。あの計画は教会内部でも忌避されていたからね。君には同情するよ」

 

 

 

「そんな安い同情は要らないさ。それよりも、これ以上は僕も相手になろう」

 

 

 

木場は少し狂気にも近しいモノが宿った目でそう言った。

 




予告ミスりました。

次回こそは戦います。



世界云々の言い回しは、TOX2が影響しています。
まぁ、ルドガーは世界を相手にして、いくつもぶっ壊してますからね。そりゃ、慣れてるでしょう。
悲しいですけど・・・


ではでは、これ以上暗くなる前にアデュ~♪
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。