ハイスクールD×D ~審判を超えし者~【凍結】   作:メラニン

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さて、今回は後日談。



では、どうぞ!


第10話 騎士の誓いと戻った日常です!

 

―― 一誠side

 

 

チュンチュン……

 

 

差し込む朝日。窓の外には小鳥が鳴いて、何とも爽やかな朝だ。

そんな朝であるのに関わらず、俺、兵藤一誠は――

 

 

「はあぁぁぁ………」

 

 

目が死んでいた。

鏡を見なくても分かる。

 

 

原因は、一昨日のエクスカリバー奪還作戦だ。いや、正確にはその後起きた事が原因だ。

急に白龍皇である、ヴァーリが現れ事態を収束した。ここまではいい。

問題はその後。俺は内心、昔救った少女であるヴァーリが白龍皇だった事にショックを受けたが、彼女に戦闘の意思は無いと聞いて、喜んだ。

 

 

ただ、その喜びも束の間。あろうことか、ヴァーリがキスをしてきた。しかも俺が拘束されてたのをいい事に、かなり長時間。会長達がやって来るまでずっとだ!

 

 

会長達が来て、ようやく離れたヴァーリはかなり恍惚とした表情を浮かべていた。

………不覚にもこの時少しドキリとしたのは口が裂けても言えない。

 

 

『残念ね。本当はもっと一緒に居たいところだったけど。まあ、いいわ。近い内にまた会えるから。じゃあねイッセー♪』

 

 

そう言って、魔法陣で転移していった。それと同時に拘束も消えた。

フリードは福山が連れ去って行った。

 

 

 

一昨日は結局何があったのかというと、詰まる所俺への罰と尋問である。

 

 

 

――○●○――

 

 

コカビエル達が消えて、しばらく動けなかったが、俺は木場の元に駆け寄り、声を掛けた。

 

 

「無事か、木場?」

 

 

「ああ、イッセー君。君も大変だったね」

 

 

「言うな。思い出したくない」

 

 

「ははは……」

 

 

木場はボロボロだったが、なんとか自分でも立つ事は出来た。

目には以前のような危うさは消えている。

 

だけど……

 

 

「……あいつが、『白衣の襲撃者』だったのか」

 

 

「うん。白衣って特徴と、その時残されてた白い炎だけが証拠だけど、本人が施設を燃やしたのは自分だと言ったからね」

 

 

「……だけど、もう復讐は――」

 

 

「うん。するつもりは無いよ。さっきはカッとなっちゃったけど、今度会ったらもう少し問いただしてみるよ。復讐なんかしたって同士はきっと、逆に悲しむだろうから」

 

 

「そっか……」

 

 

本当に良かった。これでコイツは聖剣のしがらみから解放されるだろうからな。

まぁ、すぐにとは行かないまでも、前の様にコイツの剣の刃が曇る事は無いだろう。

 

 

「祐斗……」

 

 

いつの間にか、部長が俺と木場の後ろに居た。

 

 

「部長……申し訳ありませんでした!朱乃さんも、ミラさんも、アーシアさん、小猫ちゃん、黒歌さんも!僕の私怨に巻き込んでしまった!本当に申し訳ありません!」

 

 

木場は、頭を深々と下げた。

 

 

「顔を上げなさい、祐斗」

 

 

木場が顔を上げると、部長は木場を包み込む様に抱きしめた。

 

 

「……部長?」

 

 

「今まで、よく耐えたわね。そして、よく聖剣を超えたわ。私はあなたを誇りに思うわ」

 

 

「けど……僕はっ……!」

 

 

「あの、木場さん。また一緒に部活出来ますよね?」

 

 

オドオドしながら木場に話しかけたのはアーシアだ。本当に優しい子だな。自分だって神の不在を知って一杯一杯だろうに。

 

 

「っていうか、戻って来なさい。私はどうでもいいけど、アーシア悲しませたら承知しないわよ?」

 

 

……ミラは相変わらず素直じゃないな。

 

 

「祐斗君が居ないと、男女のバランスも悪いですしね。イッセー君が困ってしまいますわ」

 

 

「私も祐斗先輩には戻って来て欲しいです」

 

 

「だってさ、木場ちん。どーすんの?」

 

 

 

「……っ!?僕は……許されるのなら、リアス・グレモリーの『騎士』として、あなたとあなたの眷属を終生お護りする事を誓います」

 

 

木場は跪いて、剣を地面に突き立てて誓いを立てた。それを見た部長は嬉しそうな笑みを浮かべた。

 

 

「ええ、頼むわね、祐斗。おかえりなさい」

 

 

 

 

 

「うおぉぉぉん!良かったなぁ、木場ぁ!」

 

 

「ちょっと、サジ。汚いですよ」

 

 

「ですけど、会長ぉ!」

 

 

後ろでは結界を張っていた生徒会メンバーが集結していた。匙は感動のあまり号泣している。それを会長に突っ込まれているといった状況だ。けど、本当に良かった。これでいつものオカルト研究部に戻れるんだからな。

お帰り、我らが『騎士(ナイト)

 

 

 

 

 

「さてと、祐斗の方はこれでいいとして、イッセー?どこへ行くのかしら?」

 

 

……逃走失敗。俺は何となく木場の方はいい雰囲気で終わりそうだと思ったので、コッソリその場を後にしようとしていた。が、バレた。

背中に色んな視線が突き刺さる………

 

 

「アンタ、今回実はあまり戦って無いわよね?何やってたわけ?」

 

 

「い、いや、拘束されて身動きが……」

 

 

「そんなの何とかしなさいよ。それに、戦いが終わった後、随分お楽しみだったわよねぇ?」

 

 

「ミ、ミラ?その目やめて。めっちゃ怖いから……」

 

 

ミラの目は若干虹彩を失っている。何だか結構シャレにならない殺意がビシビシと……

 

 

「うふふ、妬けてしまいますわぁ。目の前であんな事をされたら」

 

 

「イ、イッセーさん!説明して下さい!」

 

 

「……私も説明を求めます」

 

 

「じゃないと、さっき魔物にやった攻撃をウッカリ、イッセーに使っちゃいそうにゃん♪」

 

 

黒歌がさっきの戦闘の様に手に黒々した気を纏い始めた。え、マジで?

俺は後ずさりしたが、当然逃げられる訳が無いわけでして……

 

 

「で、イッセー?何か言い残しておきたい事はあるかしら?」

 

 

部長のそれを皮切りに全員が魔力やら気やらを纏い始めた。

 

 

「………出来れば、穏便に済ませましょう」

 

 

「「「「「「無理♡」」」」」」

 

 

わぁ、いい笑顔。

 

 

チュドオォォォン!

 

 

 

 

 

 

――○●○――

 

 

コレが一昨日の事件後の顛末だった。

その後、部長達と耐久鬼ごっこ状態になり、会長達には、よく戦った後にそれだけ元気があるものだ、と呆れられた。匙と木場は合掌する始末。

それが取り敢えず、30分ぐらいだったか続いた後、俺は皆に尋問され、洗いざらい吐かされた。

その間に生徒会メンバーは校庭や校舎の修繕を始めて、俺たちは解散となった。

 

 

 

自宅に帰ると、母さんが出迎えてくれて、ぞれぞれが軽く食事をして後は、思い思いに自室に戻ったり寝たりしていた。

 

 

俺も軽くシャワーだけ浴びた後に自室に戻ると、机の上にあった手紙に気が付いた。

それはイリナから俺宛ての物だった。内容は任務を手伝ってくれた事と、治療してくれた事への感謝が書かれた内容だった。

そして、最後に一言『ゴメンね』とだけ書かれていた。それが何に対してだったのか分からないが、俺は複雑な気分だった。

謝るのはむしろ俺の方の筈なのに。

 

 

母さんによると、イリナが意識を取り戻した後にゼノヴィアが戻って来て、礼を言った後にこの手紙を置いて出て行ったらしい。

確かに、ゼノヴィアは木場が誓いを立てるときくらい迄は居たが、それ以降は見かけなかった。

多分二人とも、教会に帰ったんだろう。少し寂しくなるな。

そう思いながら眠りに就いた。

 

 

 

 

 

で、その翌日は皆ダウン。

それもその筈だ。全員があの結界で力を吸われていた上に、その後あれだけ暴れればそうなる。しかも俺は『龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)』の影響もあってか、より顕著に回復が遅れていた。何せ俺以外は午後にはもう動き回っていたからな。

で、さらに1日経って今に至る。金土に起こった事で本当に良かったよ。

 

 

 

 

さて、今日はどうするかな?

よく考えてみれば暇といえば暇だな。本当に松田達を誘って、遊びに行くか。

俺は布団を退けて、ベッドから降りようとしたら、腰のあたりに抱きつかれた。

 

 

「………うにゃん。イッセー……もうちょっと〜……」

 

 

………黒歌が全裸で抱きついていた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………落ち着け、俺。ここで取り乱してみろ。一昨日の二の舞だ。

取り敢えず――

 

 

「おい、起きろ、黒歌」

 

 

「う〜ん……もうちょっとぉ〜……」

 

 

黒歌は逃亡生活の影響なのか朝に弱い。まぁ、コレはしょうがないにしても、何で俺の部屋で寝てる!?

 

 

「黒歌?何でここで寝てるんだ?」

 

 

「……んにゃ?だって約束したでしょ?だからあともう少しぃ………」

 

 

「ちょ、黒歌……うおわっ!?」

 

 

ベッドからの逃亡に失敗した俺は、そのまま再び黒歌にベッドに引きずり戻された。そこから、必死に黒歌を起こして何とかベッドの上だが、正面に正座させる事に成功。服が無いので、黒歌には毛布を羽織らせている。

 

 

「言いたい事はイロイロあるが、何で俺の布団に入っていたんだ?」

 

 

「ふわぁ〜〜……んん、………だって、イッセーが約束してくれたでしょ?一緒に寝てくれるって」

 

 

「え、…………あっ、もしかして公園で約束したあれか!?」

 

 

「正解♪」

 

 

ぬおぉぉぉ、俺のバカ!

不用意にコイツとそんな約束したらこうなるだろ!

 

 

「いや、待て!あの約束はお前は猫の姿なら許すっていう内容だっただろ!思いっきり何時も通りじゃん!」

 

 

「『寝る時は』でしょ?寝起きと、寝てる最中は指定されてなかったしぃ、それにヤッパリこっちの姿の方が動き易いにゃん」

 

 

「………百歩譲ってそれはいい、いや良くはないけど!何で裸なんだ!」

 

 

「猫の姿でココまで来たからにゃん」

 

 

「いや、お前何時もの着物ごと変身出来るだろ?何でまた……」

 

 

「イッセーとは裸で寝たいからよ」

 

 

…………ダメだ、こいつに何を言っても話が通じない。

 

 

「………じゃあ、最後の質問だ。どうやってバレずにココまで入ってきた?少なくとも、ミラと部長、アーシアの部屋の前は通らなくちゃいけないだろ?」

 

 

「………仙術って便利ね」

 

 

高等技術を何に使ってんの、この猫おぉぉぉぉ!

 

 

 

「もういい、頭が痛くなって来るから。はぁ〜………とにかく、服を着ろ」

 

 

「………イッセーはこーんなスタイルのいい女の子が裸になってるのに、襲わないのかにゃん?」

 

 

「襲うか、ボケ」

 

 

ズビシィ!

 

 

「いだっ!………うぅ、なら私って魅力無し?」

 

 

デコピンを食らったデコを抑えながら、若干涙目になって聞いてくる、黒歌。

 

 

取り敢えず、俺は立ち上がって椅子に掛けてあったシャツを取って黒歌に放った。

 

 

「わぷっ!?」

 

 

「………魅力的だから、困るんだ………」

 

 

「え、何々!?もう一回!」

 

 

黒歌が目を爛々とさせて俺の腕に絡みつく。変り身早いな……

 

 

「二度は言わない!とにかく、それ着て自分の部屋に帰れよ!俺は出掛けるからな!」

 

 

バン!

 

 

俺は勢いよく部屋を飛び出して、扉の前にズルズルと座り込んだ。

………ヤバかった。コレはとにかく反省だ。

 

 

「イッセーが魅力的って………うにゃーー!にゃははははは♪」

 

 

はぁ、扉の外まで聞こえてるってのに。

 

 

 

俺は立ち上がって、エレベーターで地下一階へ。そこで何時も通りトレーニングをした後に、朝食を摂って松田達に連絡を入れた。あとアイツ等も呼ばないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――○●○――

 

 

 

 

「うおぉぉぉぉ!美少女達と遊べるなんて夢みたいだぁ!今日ほどイッセーが友達で良かったと思った事はない!」

 

 

「そうだな、松田氏!我らが癒しの天使アーシアちゃんに、クールビューティーなミラさん、学園のマスコットの塔城小猫ちゃん!今日は至福の時だぁぁぁ!」

 

 

道の往来でそんな事を叫ぶバカな悪友2名。松田は後で拳骨の一発くらいはお見舞したいところだな。

今日は全員が私服だ。まぁ、休日だし。

アーシアは先日ミラと桐生と買い物に行ったらしく、その時のプロデュースで今日はゴスロリ衣装。さっきから目立ってしょうがない。

小猫ちゃんは淡い色のワンピースと、ジーパンを組み合わせている。ミラは何処で見つけてきたのか、前世の時とあまり大差がない様な服だ。まぁ、アレより現代風っぽいけど。肩の露出した服に、若干スリットの入ったミニスカートと長めのブーツ。

まぁ、確かに見様によってはクールビューティーってのはシックリ来るけど、何時もの様子を見てるとなぁ……

クールビューティーというよりは、くーるびゅーてぃー(笑)

 

 

バシン!

 

 

「いだっ!」

 

 

無言でミラに叩かれた。またバレた。

 

 

「ちょ〜っとぉ?その美少女の名前に私が羅列されてないって、どーいうことかしらぁ?」

 

 

若干青筋を立てながら怒っているのは、桐生藍華だ。

 

 

「うるさい!お前は美少女というか、エロメガネだろ!」

 

 

「そーだぞ!我々は美少女さえいればいい!君はお呼びじゃ――ぺうっ!?」

 

 

あ、元浜が叩かれた。

 

 

「にしても、大分大人数になったな」

 

 

「す、すいません、イッセーさん。どうしても遊ぶなら皆さんも一緒が良かったので……」

 

 

「いやいや、責めてるんじゃないよ、アーシア。それに賑やかなのは楽しいから大歓迎だしな」

 

 

「けど、アンタってカラオケにボーリングなんて出来たっけ?」

 

 

「あぁ。まあホドホドだけど」

 

 

「……先輩は器用貧乏」

 

 

「ちょっと、小猫ちゃん!?それ凄く失礼だからな!」

 

 

「アハハハハハハ!小猫の言う通りじゃない!そういえば何でも器用にこなす癖に、幸薄いものね!アハハハハハハ!」

 

 

ミラは大爆笑中。そうなんだよなぁ。前世の頃から大概は何でも出来るんだけど、どうにもパッとしないというか……

いや、逆に考えよう。何でも出来るってのは凄いことだ。変に落ち込まないようにしよう。

 

 

因みに、初めは男だけで遊びに行くのも悪くないかな、と思って松田達に声をかけた。電話をしてるところをアーシアに目撃されて、行きたいと言ったので、それを了承。で、それを聞きつけたミラ、小猫ちゃんも便乗して参加。黒歌にはアーシアが声を掛けたが、何だか部屋で嬉しそうにゴロゴロしていて、聞く耳を持たなかったらしい。

あの猫はまったく………

 

 

「よ、待たせたな、兵藤――げ、何で変態二人組まで居るんだ!?」

 

 

「「お前も同じだろ!」」

 

 

匙の発言に言い返す松田、元浜。自覚があるなら、やめればいいのに。

 

 

匙には迷惑を掛けてしまったから、そのお詫びとして奢るから、一緒に遊ばないか?と、連絡したら二つ返事でやってきた。何でも、会長のお説教から逃れたかったらしく渡りに船だったとの事。

 

 

「兵藤、これで全員か?」

 

 

「いや、あともう一人――おっ、来た来た」

 

 

「やぁ、イッセー君。お招きありがとう」

 

 

「って、あと一人ってイケメンかよ!イッセー、何で美少女じゃないんだ!?」

 

 

「そうだぞ、イッセー氏!出来れば、二大お姉様も呼んでおけ!」

 

 

「いや、あの二人はなんか今日は用事があるっていう事で出掛けたよ」

 

 

「「クッソーーー!!」」

 

 

「よーし、バカ二人は放っておいて行こうか、皆」

 

 

「「待ってくれぇぇ!」」

 

 

そんな二人の叫び声を無視して俺たちは遊びに行った。

 

 

 

 

 

 

――○●○――

 

 

 

『今、来たる21世紀に名を馳せろ!英雄みたいに誇り高く

信じること誰かに伝えたい

この唄にのせてーー!』

 

 

「わぁ、松田さん、元浜さんお上手です!」

 

 

『『はっはー!聞いたか、イッセー!俺たちは、お前には負けん!』』

 

 

「はいはい」

 

 

俺たちはボーリングが終わった後、カラオケの一室に来て既に一時間くらい歌い通していた。

因みに、ボーリングはミラとアーシアが初めてという事もあり、教えながら色々と盛り上がった。

 

 

そして、今ちょうど松田と元浜が歌い終わったところだ。

 

 

小猫ちゃんは歌うのはそっちのけで、食べる事に専念している。本当に我が家の猫はよく食べますよ。ミラと桐生は選曲中。以外にも、二人は結構上手い。今の所、最高得点はミラの98点。高すぎるよ!

何だか、コッチに引っ越して来てから覚えた曲らしい。CMとかで流れてる曲を覚えてるとの事。

 

 

「くぅぅ、今日は会長のお説教から逃れられて、良かったぜ!ありがとうな兵藤!恩に着る!」

 

 

「いや、いいって。その説教の原因を作っちゃったのは俺なんだし」

 

 

何でも、匙は普段なら異性交遊を会長から禁止されているらしいが、今回は俺が居るから間違いも起こらないでしょう。という判断でお許しをいただいたらしい。

生徒会厳しいな……

 

未だに歌ってないのは、アーシアと木場だけで、木場の方はコーヒーを飲んでいる。

ってか、あれで何杯目だ?

 

『じゃあ、次はアーシアちゃん行ってみよう!』

 

 

「ふぇ!?わ、私ですか!?」

 

 

いきなりの、無茶振りにオドオドするアーシア。それに対して、当然黙ってない人物がいる訳で……

ミラがギラリと、無茶振りにをした元浜の方を睨み付ける。

 

 

『や、やっぱり大丈夫で〜す……』

 

 

はぁ………

大人気ないな、コイツ……

 

 

「ミ、ミラさん、私は大丈夫ですから!」

 

 

「そう?けど、アーシアって何か歌えるの?」

 

 

「せ、聖書の暗唱なら……」

 

 

「「「ダメッ!!」」」

 

 

全力で止めに入った。そりゃそうだ。だって、こんな所で聖書を大音量で、暗唱なんかされたら昇天する悪魔が4人も出てくる。

 

 

ブー、ブー……

 

 

と、そこで俺の携帯に着信が入った。着信の相手を見ると、それは兄さんだった。

 

 

「っと、ゴメン。ちょっと、電話に出てくる」

 

 

俺は部屋を抜け出して少し静かな自販機の近辺で、電話に出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『イッセーか?お前に頼まれていた件、調べておいたぞ』

 

 

「本当?随分早いね」

 

 

『ああ、結論から言って、黒だ。お前が遭遇した福山という男は、「白衣の襲撃者」で間違いないだろう』

 

 

「そうか。けど、何で施設を焼くなんて真似したんだ?」

 

 

『それは分かってない。だが、そいつの居場所……というか、所属している組織はやはり「神の子を見張る者」だ』

 

 

「やっぱりか……アザゼルの名前が出てきてたから予想はついてたんだけど」

 

 

『まぁ、そうだろうな。経歴は偽ってるみたいでな。所々アテにならん。だが、教会に一時期所属していた経歴がある。コッチは信用ができる情報だ。それによると、奴は教会で強力な聖剣を創ったらしい。だが今は全て行方知れずらしいがな。多分黒歌が言っていた3本の強力な聖剣ってのは、全部奴が創ったものなんだろうな。どうにも、聖剣使いとしてより、聖剣の研究の方が有名でな』

 

 

「聖剣の研究?」

 

 

『ああ、そうだ。聖剣で名のある悪魔を倒したんじゃなくて、それよりも聖剣を研究して強力なモノを創った事で有名だった。と言うか、そっちの情報しか出てこなかった。だが、強力故に使い手が殆どいなかったそうだ。聖剣計画ってのも元はと言えば、エクスカリバーに適応するんじゃなく、そっちの新たに創られた聖剣に適合するための計画の一端だったらしい。つまりは本番前の試作的な実験だったようだ』

 

 

あの計画が一端、か………

アレだけの犠牲を払っておいて……

 

 

「そっか、ありがとう兄さん」

 

 

 

『なに、いいさ。たまには弟の頼み事に付き合うのも悪くない。ところでイッセー。また新しい、女の子が増えたな。それも、随分熱烈にキスする子だったじゃないか』

 

 

「な……あ………ど、どこで知った!?」

 

 

 

『さてなぁ♪まぁ、甥っ子、姪っ子が大勢いるのも悪くないが責任だけはキッチリ取れよ。じゃあ、早めに帰ってこいよ。黒歌と母さんがうるさ―――って、ちょ!?』

 

 

『イッセー!ひどいにゃん!私を置いて行くなんて!拗ねてやるー!』

 

 

『イッちゃん!?何で、お母さんも呼んでくれなかったの!?私だって、イッちゃんと遊びに行きたかっ――』

 

 

ピ………

 

 

また、めんどくさい事になりそうだなぁ。

俺は若干現実逃避をした。

ってか、兄さんって本当に一体どこから情報を……

 

 

 

俺はふと、部屋の方に戻ろうとするも、途中で椅子に腰掛けていた木場と目が合った。

 

 

「どうしたよ、木場?歌わないのか?」

 

 

「うん、それよりも君にお礼が言いたくてね。同志達と話させてくれたのは君だろう?」

 

 

「………さあな?俺もよく分からん」

 

 

「………まぁ、そうだね。アレは奇跡だったんだろうね。ただ、僕はアレで救われた。同士の本当の意思を確認出来た。その切っ掛けを作ってくれたのは君だ。本当にありがとう」

 

 

「………これから、お前はどうするんだ?」

 

 

「言っただろ?僕は終生、グレモリー眷属を守る剣になる。この誓いだけは違える事は無いよ」

 

 

「そっか……さ、湿っぽい話はここまでにして、戻ろう。あまり、女の子を待たせると『騎士』失格だろ?」

 

 

「ははっ、そうだね。じゃあ、次は一緒に歌わないかい、イッセー君?」

 

 

「ああ、いいぞ。けど、何歌うかな?」

 

 

 

そんな他愛無い会話が、俺と木場の間に戻ってきた。これでようやくいつも通りだ。

 

 

 

それから、一曲だけ木場とデュエットしたが、それを後日プロジェクトISMのネタにされるとは思いもしなかった。

 

 

 

 

 

――side out

 

 

 

 

 

 

 

――Vali&Orphise

 

 

「どうだった?私の赤龍帝は?」

 

 

「いい奴。我にドーナッツ、くれた。他にも、いっぱい」

 

 

「ふふ、そう。優しいでしょ、彼?」

 

 

「優しい?」

 

 

「そ、困ってくれると、助けてくれたりしてくれるって事。オーフィスの場合はお菓子をくれたり、かな?」

 

 

「イッセー、お菓子くれた。いい奴。これ優しい?」

 

 

「うん、そうね」

 

 

「ヴァーリ、イッセーの事だけ、表情違う」

 

 

「うん、それは彼の事を愛してるから」

 

 

「愛?」

 

 

「そうよ。つまりね――」

 

 




まぁ、木場は元鞘って感じで良かったですね。

福山に関する情報開示は取り敢えず、今はこれくらいで・・・
因みに、名前はテキトーに付けてます。意味は無し。
アザゼルの研究仲間みたいなポジション?です。


そして最後は、白龍皇と龍神のガールズ(?)トークで締めさせていただきました。

次回は番外編です。

よく考えてみると、変態率が低いので、爆弾を投下しようかな、と考えております。



ではでは、乞うご期待!
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