ハイスクールD×D ~審判を超えし者~【凍結】   作:メラニン

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え~、タイトルが訳分からんですね。

確かに、乳龍帝は出てきません。(基本的に)
ただ、変態は出てきます。
比較的ライトに書きました。
だから、多分大丈夫・・・


まぁ、取り敢えず、どうぞ!


番外編 下着ドロボーと新技です!

―― 一誠side

 

「やぁ、赤龍帝。いや、兵藤一誠」

 

 

「……………あれ、お前教会に帰ったんじゃなかったのか?あと、イッセーでいいって」

 

 

俺は昨日の全員で遊びに行った日から1日明けて、いつも通りに鍛錬後、学校へ行き、そして放課後はいつも通りに部室へやって来た。また、俺たちが最後で、何時ものメンバーにプラスでそこには居ないはずの人物が居た。

その人物とは、ソファに座ってお茶を飲むゼノヴィアだ。

 

 

「そうか、ではイッセーと私も呼ばせてもらおう。私は神の不在を知ってしまっただろう?それは教会にとって、不安材料にしかならないからね。それで追放されたんだ」

 

 

「………また、追放か。たかだか神の不在を知られたくらいで」

 

 

「まぁ、仕方ないんじゃない?知られると、世界が覆るような情報なんてザラにあるでしょ?」

 

 

と、隣に居るミラが言う。相変わらずドライというか……

 

 

「そうだな。君の言う通りだろう。だが、まず先にやっておかなければならない事がある」

 

 

ゼノヴィアはスクッと立って、ミラと同じく隣に居たアーシアの前まで来ると、深々と頭を下げた。

 

 

「え?え!?………」

 

 

当のアーシアは困惑している。

 

 

「すまなかった、アーシア・アルジェント。あの時は初対面であるにも関わらず、君を傷つけてしまった。心から非礼を詫びたい」

 

 

「あ、えと、その………私は大丈夫ですから、顔を上げてください、ゼノヴィアさん」

 

 

その言葉に従うように、ゼノヴィアはゆっくりと顔を上げた。

 

 

「私はそんなにあの時の事は気にしてません。事前にイッセーさんが教えてくださってましたから、何か言われる覚悟はしてました。だから、ゼノヴィアさんが気にすることは無いんです。

それに、私がやった事は確かに、主に対しての背徳行為に当たるのかもしれないですし」

 

 

「そうか………だが、本当にすまなかった。そうだな、ふむ………」

 

 

ゼノヴィアは顎に手を当てて少し考え込むと、いきなり片膝を付いて、その場にしゃがんだ。

 

 

「え……ゼノヴィアさん?」

 

 

「ここは、先の事件で木場がやっていた事を真似させてもらおう。

私はここに誓おう。私もこれから君たちを守る剣になろう。新たなリアス・グレモリーの『騎士(ナイト)』の称号を持つ者として」

 

 

「僕の誓いがパクられちゃったね……」

 

 

と、木場は若干苦笑い。まぁ、気にするな。

 

ん?ところで今、新たなリアス・グレモリーの『騎士』って………

ん?ん?

俺たちが訳の分からない顔をしていると、部長が説明を入れてくれた。

 

 

「そういえば、イッセー達には話してなかったわね。一昨日の午後と、昨日はゼノヴィアの勧誘に行っていたのよ。きっと、教会は神の不在を知ってしまったゼノヴィアを、そのまま教会に戻してくれるとは思わなくてね。そしたら案の定、空港でイリナさんを見送った後、上の空なゼノヴィアがいるじゃない?

それで、私の眷属に歓迎したの。これで、『騎士(ナイト)』の両翼が揃ったわ♪」

 

 

「我ながら、情けないと思うが、私は教会の為にしか生きてこなかった。だから、それが無くなってしまって、どうすればいいか分からなかったんだ。イリナにも、帰るよう誘われたが、そんな気分にもなれなかった。悪い事をしてしまったと思うよ。だが、きっと向こうに戻っても私は少なくとも歓迎はされないだろう。それで、リアス部長のお誘いを受けたのさ」

 

 

は、はぁ……

これまた随分と大胆な転身だな。

 

 

「いいんじゃない?組織が揺らぐような情報を持ってるんだから戻っても、良くて距離を置かれる、最悪殺されそうだしね」

 

 

「ミラ、そこまで言う事は無いだろう……」

 

 

「いや、いいんだ。彼女の言う通りになるだろうしな。………いや、しかし悪魔に転生したのはヤッパリ思い切りが過ぎたか?……いや、でも………

ああ、主よ。お教えくだ――あうっ!?」

 

 

「ゼ、ゼノヴィアさん、悪魔ですから主へのお祈りは、ダメージになってしまいます!」

 

 

「そ、そうだったね……コレは中々辛い」

 

 

その場の全員が苦笑していた。

 

 

「どこかで見た光景………」

 

 

と、相変わらずお菓子を食べる手を止めない小猫ちゃん。

 

 

「はぁ、本当にどこかで見た光景ね。悪魔がお祈りなんて……」

 

 

部長は椅子にもたれつつ、手を頭に当てて若干苦笑いを浮かべた。

まぁ、アーシアも悪魔に成り立ての時は毎日ダメージ喰らってたからな。

 

 

「ふふ、いいんじゃない?仲間が増えるんだし」

 

 

おや、ミラが意外な事を。

 

 

「………何よ?」

 

 

「いや、意外だなと思ってさ。ミラが仲間が増えて嬉しいなんて。てっきり、いつも通りに『ただでさえ狭い部室の人口が上がる』的な事を言うのかと――イタ!イタイよ、ミラ!」

 

 

ミラが無言でスネを蹴ってくる。地味に痛い………

 

 

「も〜〜、イッセーは鈍チンにゃん。ミラちんはツンデレってるだけ。あ、でもツンの方が割合的には多いかも。うーん、ツンツンツンデレ、みたいな感じ?(笑)――ちょ、ミ、ミラちん!冗談にゃん!だから、その絶対零度の目をヤメテ!」

 

 

 

うん、まぁ黒歌が言う事は大体分かる。確かにミラは普段はツンツンツンしてるからな。まぁ、75%ツンで25%デレってのは妥当なのか?俺の感覚的には四六時中ツンケンしてるイメージだけど。

 

 

「べ、別に私はゼノヴィアが入って、この眷属の力が上がるって思っただけよ!わ、私が嬉しいとは一言も言ってないでしょ!」

 

 

「そうか………君に認めてもらうよう、私も努力しよう……」

 

 

あ、ゼノヴィアが若干落ち込んだ。

それにより、ミラに視線が集まる。

 

 

「…………あーー、もう!……悪かったわよ!私だって、同じ部の仲間が増えて嬉しいわよ!」

 

 

ミラが赤くなりながら、少し叫ぶように謝罪した。

もう少し素直なら、いいのにな。

 

 

「うふふ、イッセー君たちもそこまでにして、今日の活動を始めましょう」

 

 

「そうね、朱乃の言う通りね。今日もいつも通り契約を取ってきてもらうわ。ゼノヴィアは悪魔の仕事は分かるわよね?」

 

 

「ああ、依頼者から受けた願いに応じて対価を受け取れば良いのだろう?」

 

 

「ええ、そうよ。ただ、念の為今日は誰かに付いて見学をしてもらいましょう。そうね………あなたは、誰の仕事を見学したいかしら?」

 

 

「そうだな………イッセーの仕事振りを見学させてもらおう」

 

 

「………一応理由を聞いておいていいかしら?」

 

 

「先ほどここの資料を少し見せてもらったが、イッセーは新人としては優秀な成績を持った悪魔だと分かった。私も同じく悪魔としては新人だ。だからこそ、同じ新人で優秀な成績を残しているイッセーの仕事振りを見てみたいんだ」

 

 

「なるほどね……いいでしょう。なら、イッセー。今日はゼノヴィアと仕事に当たってちょうだい」

 

 

「はい、分かりました。じゃあ、よろしくな。ゼノヴィア」

 

 

「ああ、こちらも宜しく頼む」

 

 

こうして、今回俺はゼノヴィアと一緒に仕事に当たることになった。

 

 

 

 

 

 

――○●○――

 

 

 

 

 

「「下着ドロボー?」」

 

 

「そうだにょん。私が大事にしてた勝負下着が盗られちゃったにょん。悪魔さんには犯人を懲らしめて欲しいにょん。できれば、捕まえて私自身が罰を与えたいにょ」

 

 

今日の契約相手は、自称魔法少女こと、ミルたん。

筋肉隆々のおっさんなのに、何故か魔法少女のコスプレをしている。今までも何回か依頼を受けてきた。

 

ゼノヴィアはいきなり目の前にこのミルたんが出てきたときは、物凄く驚いてデュランダルを呼び出そうとまでしてしまった。

まぁ、この格好はインパクトが強いよね………

今は取り敢えず落ち着いてくれてるみたいだけど。

 

 

「下着ドロボーか……そう言えば最近この辺一帯でそんな事件が相次いでるな。って事は、ソイツにやられたのかもな」

 

 

「悪魔さん!何としても犯人を懲らしめて欲しいにゅ」

 

 

「分かりました。けど、少し長期の依頼になってしまうと思いますが大丈夫ですか?」

 

 

「そこは問題ないにゅ」

 

 

「はい、では確かに引き受けます」

 

 

そう言って、ミルたん宅を出て、早速犯人探しをする事に。

 

 

「それにしても、あの生物は一体何だったんだ?」

 

 

「おい、依頼者をそんな風に言うな!まぁ、言わんとしてることは分からなくも無いけど……」

 

 

「それで、どうするんだ?この地方都市は中々広いぞ。無闇に探しても、見つかる確率は極めて低い。それに、今ここにいるのは私と君だけだ。人手も足りないんじゃないか?」

 

 

「そこは大丈夫。さて、久々に使い魔としての職務を果たしてもらおうか」

 

 

俺は魔法陣を展開して、俺の使い魔を呼んだ。

そう、妖精さんである。取り敢えず、5人ほど。

 

 

「よばれて、とびでたー」「きょうは、いかがするとです?」「しんさくあいてむ、ごらんになる?」「じしんさくー」「ししゅんきだんしに、いちおし」

 

 

「いや、今日はアイテムは――って、なんだそれ?」

 

 

妖精さんが持っていたのは、『すてるす』と書かれたツバ付き帽子だ。

 

 

「すてるすきゃっぷ、いいます」「かぶるだけで、とうめい」「いんびじぶる!」「これでどこでも、しんにゅうかのう」「かっきてきでは?」

 

 

「便利だな……いや、そうじゃなくて!今回はみんなに人探しをして欲しいんだ。下着ドロボーしてる奴らしいんだけど」

 

 

そこで、1人が何処から出したのか、いつの間にか探偵服に着替えていた。口にはヨーロッパを思わせるオシャレなキセルを咥えている。

 

 

「わたしのでばんでは?」

 

 

その妖精さんはキメ顔でそう言いなさる。

 

 

「しんじつは、いつもひとつ」

「「「「わーーーーー!!!」」」」

 

 

すると、いつの間にか増えてる………

楽しいそうな気配を感じ取ったか?

 

 

「そうさ、そうさ!」「じんかいせんじゅつ、つかえます」「たいほだー!」「けんきょだー!」「ちょうえき?」「ばっきん?」「きょっけいも、てきようしては?」「ごー、ごー!」

 

 

さらに増えた……

どうやら、やる気は最高潮のようだ。

 

 

「じゃあ、今回は各自でそいつを探してくれ。報酬は各自にビスケット2枚ずつでどうだ?」

 

 

 

「わっほーい!」「はぶりいいです」「あんたも、すきねぇ」「でも、どないしてさがすです?」

 

 

「「「「「「「「「あ……」」」」」」」」」

 

 

 

そうだった。俺たちは犯人の人相なんか知らないんだった。

 

 

「うーん……変態っぽい奴?を基準にすればいいんじゃないか?あとは挙動不審な奴とか」

 

 

すると、妖精さんたちは円陣を組んで高速で話し始めた。どうやら作戦会議中だ。

 

 

「イッセー、彼らは?」

 

 

「ああ、そっか。ゼノヴィアは見るの初めてだったよな。こいつらは妖精さん。俺の使い魔だ」

 

 

「こ、これがか?私の思っていた使い魔のイメージとはまた少し違うな……」

 

 

「うーん、まぁ、コイツらは大分特殊な部類らしいから。そもそも遭遇する確率自体が低いんだってさ」

 

 

「そうなのか………」

 

 

「あくまさん、あくまさん」

 

 

「ん?どうした?」

 

 

因みに妖精さんによって俺の呼び方はマチマチだったりする。今まで呼ばれてきたのだと、

『ごしゅじん』『しゅくん』『ますたー』『かみさま』『にんげんさん』『かっか』『へいか』『まいろーど』などなど、etc………

 

幾つかは悪魔である俺がそう呼ばれるとマズイ呼ばれ方も入っていた。

さて、話題を戻そう。

 

 

「ていあん、よろしい?」

 

 

「ああ、いいぞ」

 

 

「へんたいれーだー」「「「「「ぱんぱかぱーん」」」」」」

 

 

「「……………………」」

 

 

俺とゼノヴィアは揃って沈黙した。

え、変態なに?

 

 

妖精さんは、ヘルメットの上にダウジングのような二本の棒がついた物を掲げている。

よく見ると、ライトに当たる部分はメーターのようになっていて、細かい数字が振られている。

 

 

「えっと、それ何?」

 

 

「へんたいどを、ちぇっくできます」「へんたいめーたー、たかいほどへんたいです」「ふりきったら、しゅうきまつ」「へんたいしゅうきまつだー」「どうすることも、できませぬ」「こじんの、ちぇっくもかのう」「せきららに、できますゆえ」「きせいひつよう?」「だいじょうぶだー」

 

 

とにかく、変態に反応する道具というのは分かった。だが、問題はそのダウジングの棒が俺に向けられ、微妙に針が揺れている点だ。どういうこと?

 

 

「なぁ、今それでもしかして俺の事を測ってないか?」

 

 

「つくったばかりですゆえ」「しうんてん、ひつようなり」「じしゅかいしゅうは、やりたくないです」「そのため、しうんてんためしましたが」

 

 

「へぇ……で、それで針がやや揺れているのはどういう事?」

 

 

妖精さん達は揃って、あー………、と言う。え、何?そんなに酷いの、俺?

いやいや!それなら、松田や元浜はどうなるんだ!?

 

 

「これは、かくれえろですなー」「まぁ、ふつー?」「ひどすぎる、へんたいとはちゃいます」「ひどすぎるの、これで、はかれませんゆえ」「あくまさんは、せーふ、とちゃいます?」「ただ、おもしろみにも、かけますが……」「しいていうなら、むっつり?」

 

 

………何だか物凄く俺は傷付いてんだけど。

妖精さんたちは容赦がない。そして、ラストのムッツリってのは要らないだろ!!

 

 

「イッセー、ムッツリとは何だ?」

 

 

「………お前は知らなくていいんだよ、ゼノヴィア」

 

 

「む………まぁ、今はそういう事にしておこう」

 

 

「はぁ………まぁ取り敢えず、それがあれば発見出来るんだな?」

 

 

「おやすい、ごよー」「よゆー、よゆー」「そっこくかいけつ」

 

 

「ふむ……これなら人海戦術で捜す必要はないな。分かった。じゃあ案内頼むな」

 

 

「「「「「「「「はーい!!」」」」」」」」

 

 

俺たちは揃ってその場を後にした。

 

 

 

 

――○●○――

 

 

 

 

「なぁ、本当にここか?」

 

 

「ここのちかく、すごいへんたい、いますが」「めーたーがほしょう」「ここにいます」「しんじつは、いつもひとつ」

 

 

と、自信満々に言う妖精さん。

だが、やっぱり疑わしい。なぜなら――

 

 

「ここ俺の家じゃん……」

 

 

「……なるほど、イッセーの家か。確かに、ここは女性が多いからな。ターゲットにされてもおかしくは無い。例えば、今にも塀を乗り越えようと――ん?乗り越え……ようと……」

 

 

ゼノヴィアが横に顔をやると今にも塀を越えそうな肩車をした不審者2名を発見。

その不審者と目が合う。

 

 

 

……………………………………………

 

 

 

 

沈黙する事数秒。

 

 

「撤退するぞ、犬神いぃぃぃぃ!」

 

 

急に上の方の不審者が声を張り上げて、下の奴がダッシュを始める。

俺とゼノヴィアは追跡を始めた。

 

 

 

「おいぃぃ!坊さん!どういう事だよ!この時間帯はこの家誰も居なかったんじゃ無かったのか!?」

 

 

「知るかぁぁ!とにかく、逃げるのだ、犬神!」

 

 

「いや、つうか降りろおぉぉぉぉ!」

 

 

あの、犬神って奴は本当に人間か!?走力が人とはかけ離れてるぞ!

 

 

「フハハ!見たか!これぞ、犬神の力だ!腐っても神ということだな!ハハハハハ」

 

 

「いいから、降りろやあぁぁぁぁ!」

 

 

まぁ、だけど追い付けるな。それに、今の会話………多分ただの人間じゃないんだろう。なら!

 

 

「逃がすか!」

 

 

『Kresnik!』

 

 

「げ!?」

「何!?」

 

 

俺は不審者2名の前に瞬間移動し、行く手を遮る!

後ろに後退しようとしたが、後ろにはゼノヴィアが構えていた。

二人の姿は、上は黒人で坊主の格好をしている。目測で、身長は190とかか?

下の犬神と呼ばれていた方はタンクトップに、ジーパン。首には赤いバンダナを巻いている。

 

 

 

「ぐ……こんなところで捕まる訳にはいかんのだ!何としても、あの家の女子の下着を手に入れるまでは!」

 

 

……言ってる事がまさしく下着ドロのそれだった。

犬神の方は下から坊主の方に話しかける。

 

 

「もういいだろ、何であそこにそんなに拘るんだよ!?」

 

 

「デッカい乳をした女子がいるからに決まっておるだろうがあぁぁぁ!!」

 

 

鼻血を噴き出しながら、熱弁する坊さん。

 

 

なんでだろ、なんかムカつく………

 

 

 

「あー、あそこ俺の家なんだけど、不法侵入しようとした理由はさっきの通りでいいか?」

 

 

「ぐ……こうなれば!戦うぞ、犬神よ!今こそお主の真価を見せる時!」

 

 

「えー、ヤダよ、坊さん!」

 

 

「何を言う!何としてもあの家の女子の下着を手に入れ、楽しんでくれるわあぁぁ!

そして、ゆくゆくはあの女子共を囲ってハーレムしたいんじゃあぁぁ!」

 

 

……プチッ

 

 

 

「坊さん……もう付いて行けないぜ……」

 

 

「ふ、これも我が覇道の一つなのだ……止めてくれるな、犬神よ!」

 

 

「いや、止めないよ。一人で行って」

 

 

「おい……」

 

 

俺の言葉に2人が振り向く。

 

 

「もし、俺の家に居る子たちに手を出してみろ?ただじゃ済まさないぞ?」

 

 

「ふん!関係あるかぁぁ!お主こそ女子を大量に囲いお――」

 

 

禁手化(バランス・ブレイク)

 

 

カッ!

 

 

俺は黒をメインに所々灰色で黄色く光るラインが入った、鎧を身に纏った。それと、同時に俺の所有している亜空間に引きずり込んだ。

 

 

「『賢者の完全龍骸殻(クルスニク・フル・ドラグニルアーマー)』……プラス、新技『奈落へ至る道(アビサル・ロード)』……」

 

 

「……って……?どこじゃ、ここ?」

 

 

ははは、なんか分からんけど、さっきからイライラしてしょうがないや。

 

 

『……まさか、主が下着ドロボー如きで、俺の力をもう一つ開くとは……

………泣きたいぞ』

 

 

『そ、その、レディオン?あまり落ち込まないでください?主様も悪気がある訳では……何故ドライグも若干悲しそうなのですか?』

 

 

『し、下着……パンツ……ブラ……おっぱい……乳……………………

ぐおおぉぉぉぉん!俺は乳龍帝なんかじゃないんだぁぁ!』

 

 

『……ドライグは一体どうしたんだい?』

 

 

『なんでも、この前悪夢を見たらしい。それの後遺症では無いのか?』

 

 

俺は不審者二人を亜空間に引きずり込んだ。

俺が昔、骸殻の時に使っていた空間だ。

 

 

「な、なんじゃこりゃあぁぁぁぁ!!」

 

 

「お、落ち着け、坊さん!どうやらコイツの力で亜空間に飛ばされちまったらしい」

 

 

「な、何じゃと!?」

 

 

俺は一歩一歩二人に近付く。

 

 

「ま、待て!話せば分かる!」

 

 

「そうだぞ!僕はイヤイヤ協力してただけで、犯人は坊さ――」

 

 

「犬神ぃぃ!裏切るか、貴様!」

 

 

「そもそも、こうなったのは坊さんが原因だろ!?僕は悪くねえ!」

 

 

「……さて、話はそこまでだ。覚悟は出来たか?」

 

 

「「スンマセンしたあぁぁぁぁ!!」」

 

 

全力で土下座する不審者2名。だけど、まぁ――

 

 

「うん、許さん♪」

 

 

「や、やめろ――ぎゃあぁぁ!」

「そ、そうだ!僕は男に殴られては喜ば――きゃいぃぃぃん!」

 

 

 

亜空間には不審者2名の叫びが響いた。

え、何をしたかって?ははは、秘密です。

 

 

 

 

 

――○●○――

 

 

 

 

 

俺は不審者二人を縄で縛り終えて、元の場所に戻った。

 

 

亜空間から出てきた俺をゼノヴィアが迎えてくれた。

 

 

「どうやら、大分懲らしめたようだな、イッセー」

 

 

「ああ、まあな。因みに、名前は懋毘威(ボビー)と、犬神桃央。取り敢えず、警察に突き出すか」

 

 

「ま、待てい!それだけは勘弁せい!こ、これには事情があるのだ!」

 

 

「事情?そんなの知らん。その事情とやらは警察の方で話せ」

 

 

「ぼ、僕からも頼む!これでも、僕は神様やってて今回もある重要な使命があって神界から来てるんだ!」

 

 

「あ、儂は普通の人間だぞ?」

 

 

「へぇー、その使命とやらが下着ドロボーとは……神と言っても変態神か?」

 

 

「ち、違うんだ!それはこっちの坊さんが勝手に暴走しただけなんだ!」

 

 

「はいはい、さぁ行こう。さて、110番」

 

 

「まって!天照を含めた日本の各界の主神からの命令なんだ!」

 

 

その言葉にピタリと俺の手は止まった。まさか、そんなビッグネームが出てくるとはな………

 

 

「それの証拠は?」

 

 

「僕のポケットの中に入ってる!」

 

 

俺は犬神のポケットから、小さい筒を取り出した。

 

 

「コレが?」

 

 

「ああ、そうだよ。その筒を開ければ命令書が入ってる。誰か日本の神に詳しい人が居れば一発で分かる」

 

 

「うーん、日本の神に詳しい人ねぇ。ゼノヴィア、分かるか?」

 

 

「おい、私は元々キリスト教徒だぞ!そんな異教の神の事は分からない!」

 

 

まぁ、そりゃそうだ。うーーん………

あ、あの人が居た!

 

 

俺は携帯を取り出して、電話を掛けた。

 

 

『はい、こちら姫島ですが』

 

 

「あ、朱乃さんですか?少しお聞きしたい事が有るんですけど、今お時間良いですか?」

 

 

『うふふ、イッセー君からのお電話なら、いつでも大丈夫ですわ♪』

 

 

「えっと、今回の依頼内容の関係で下着ドロボーを捕まえたんですが、コイツが実は天照を含む日本の神たちからの命令書のなるものを持っていまして………コレが本物かどうか判断がつかなくて困ってるんです」

 

 

『……なるほど、分かりましたわ。では、そちらに転移するので、少し待っていただけるかしら?』

 

 

「え、でも何か悪いような……」

 

 

『うふふ♪私は大丈夫ですわ』

 

 

 

 

 

 

 

それから、朱乃さんは直ぐに転移してきてくれた。何故かミラとミラの使い魔(?)であるミュウもミラの頭の上に乗った状態で転移してきた。

で、今は朱乃さんが筒から出した紙を入念にチェックしてくれている。

 

 

「ところで何で、ミラまで来てるんだよ?」

 

 

「何よ!悪い!?」

 

 

「いえ……」

 

 

「私も早めに仕事が終わったから、部室で待機してたのよ」

 

 

ん?

 

 

「え、ちょ、ちょっと待った、ミラ。仕事って?」

 

 

「あんたと一緒よ。契約を取ってるの」

 

 

「え………ええぇぇぇぇえ!?」

 

 

「うっさいわね!少し前から部室で待ってるのも暇だから、私もやってるのよ」

 

 

「そうなんですの!ミラさんは今日もお仕事頑張ってたですの!」

 

 

「お、久しぶりだな、ミュウ。ほら、クッキー食べる?」

 

 

「いただくですの!」

 

 

勢いよく俺の手に飛び移り、サクサクという快音をさせながらクッキーを頬張る。

あ、自分の方のにもやっとかないと。

 

 

「妖精さん、はい。コレが今回の報酬な」

 

 

俺は異空間からビスケットを取り出して、足元に居た彼らに2枚ずつ渡した。

 

 

「「「「「「「「「「わーーい!」」」」」」」」」」

 

 

取り敢えず、報酬を渡して俺は妖精さんたちを転移させた。また、ここで増えられるとマズイからな。

 

 

 

「イッセー君、よろしいかしら?」

 

 

「はい、朱乃さん」

 

 

「どうやら、本物のようですわ。コレには確かに天照大御神の紋が入っていますわ」

 

 

 

「……ありがとうございます。どうにも信じ難いですが、朱乃さんが言うなら間違いないですね」

 

 

「あらあら、嬉しい評価ですわね♪」

 

 

 

「ほら見ろ!分かったらコレを解けy――きゃいぃぃぃん!」

「何で儂までぇぇぇ!?あばばばばばば」

 

 

ガアァァァン!

 

 

という落雷の音と共に下着ドロボーの二人は黒焦げになった。

 

 

「あらあら、犯罪を犯しておきながら命令とはイケないですわぁ」

 

 

うわぁ、朱乃さんのドSスイッチ入っちゃったよ…………

 

 

「……も」

 

 

黒焦げになった犬神が口を開いた。

 

 

「もっと、お願いします!今の一撃最高でした!お姉さまと呼ばせて下さい!」

 

 

………目を爛々と輝かせた犬神が鼻血を噴き出しながら要求した。

コイツ………まさかの、ドM?

 

 

「あらあら、私を犬畜生如きが、お姉さま、なんて虫酸が走りますわ」

 

 

「ああ!ゴメンなさい!ゴメンなさい!この卑しい犬めにお詫びとして罰を――あばばばば」

「だ、だから何故儂まd――あばばばば」

 

 

本日二度目の雷撃が不審者2名に直撃。コレが本当に神の使い?

………世も末だな。

 

 

 

肉の焼けるような匂いが漂ってる。あれ、懋毘威(ボビー)の方縄が切れて――

 

 

「フハハハ!よくぞやってくれた!これで動き回れる!逃げる前にお主の乳をおぉぉぉ!」

 

 

そう言って、坊さんの方はミラに飛びかかろうとした。が、予想外の反撃が来た。

ミラの頭の上に乗ったミュウだ!

 

 

「ミュウゥゥ……………ファイアァァァァ!」

 

 

ゴオォォォォ!

 

 

「ぎゃああぁぁぁ!アチチチチ」

 

 

ミュウの口からかなり大容量の炎が吐き出された!

転げ回る坊さんに朱乃さんが魔力による水を掛けて鎮火し、大人しくなった。

 

 

「……ミュウ、こんな事出来たんだな」

 

 

「えっへんですの!それより、そこの焦げた人、ダメですの!ミラさんに触っていいのは、ミラさんがs――」

 

 

「ミュウ!余計な事言わないで!」

 

 

「むぐぐっ~~~~!」

 

 

ミラが必死にミュウの口を塞いでいる。すると、ミラがこっちに向き直って、指を指してくる。

 

 

「か、勘違いするんじゃないわよ!私は別にアンタの事なんか………アンタ…の事……なんか……」

 

 

ミラが真っ赤っかになっていた。

……どうしよう、少し面白い♪

 

 

「で、イッセー?こいつらは結局どうするんだ?」

 

 

「うーん、警察がマズイとは言っても、犯罪だからなぁ………じゃあ、ミルたんの家送りで」

 

 

「そ、そうか。あそこに送るのか……」

 

 

「ああ。ついでに、煮ても焼いても良いですって、張り紙も貼って送ろう」

 

 

「お、恐ろしい事を考えるな………」

 

 

「ねぇ、ちょっと。誰よ?そのミルたんって」

 

 

ゼノヴィアは顔を横に逸らしながら、若干俯いた。

 

 

「………知らない方がいい」

 

 

ミラと朱乃さんは揃って怪訝な顔をしたが、俺は紙とペンを取り出してさっき言った通りの事を書いて、2人の頭に貼り付け、『賢者の槍(クルスニク・スピア)』で空間を引き裂いた。

 

 

「お、おい、何をするのだ?」

 

 

「え?うーん……お仕置き部屋送り?かな」

 

 

「お仕置き!?わーい!あぁ、どんなお仕置きが待ってるんだろう?」

 

 

「嫌じゃあぁぁぁ!」

 

 

うわぁ、正反対の反応。

 

 

「じゃあな、お二人さん。生き延びてもまた、同じ事するなら取っ捕まえるからな。じゃあ、なっ!」

 

 

ドンっと、2人を蹴ると、空間の穴の中へと消えて行った。

 

 

 

 

 

 

因みに後日真っ白になった2人が目撃され、この街を騒がしていた下着ドロボーの話はスッカリ消えていた。

 

 

 

あと、今回の事でレディオンが暫く落ち込んでいた。

うん、なんかゴメンね。

 




はい、今回は少し強引でしたね。最近、骸殻使ってなかったんで、ここで登場させました。とにかく、今回で骸殻の力は元通りかな?

あと、いつだか言及しましたが、『賢者』シリーズ=骸殻です。
まぁ、分かりにくいですよね。申し訳ない。


さて、今回出てきた変態二人組。多分これから、二人の変態係数は酷くなると思います。(難しい方は、ボビーと読みます。)
『貧乏神が!』というのが原作です。そこから、数名出そうと画策中です。(今回までで3人出せました)


さてさて、今年も年の瀬が近付いてきましたね。自分は若干焦ってます(汗)



ではでは、次回もご期待頂ければ幸いです。
ではでは!
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