ハイスクールD×D ~審判を超えし者~【凍結】   作:メラニン

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どもども、お久しぶりです。


今回はようやく会談がスタートです。
若干いらない話も入ってますが、目を瞑ってください。


ではどうぞ!


第9話 和平会談スタートです!

―― 一誠side

 

 

「は、はひぃ……せ、先輩たちは何で朝から、そんなに元気なんですかぁ……?」

 

 

ギンッ、キィン!

 

 

「っと、一旦ストップな、木場」

 

 

「OKだよ、イッセー君」

 

 

「ギャスパーさん、大丈夫ですか?」

 

 

「イッセー、木場との特訓は終わったか?なら次は是非私と頼む。デュランダルとアスカロン……どちらも伝説上の聖剣だ。その聖剣同士を戦わせてみたい」

 

 

「む……ゼノヴィア先輩ズルいです。私もギャーくんにニンニクを投げる役じゃなければ……」

 

 

「うぇえぇぇぇん……白音ぇ、私の相手もしてえぇぇ……」

 

 

 

 

 

 

「……ミラ。今日こそ決着を付けてやるわ」

 

 

「上等よ。コッチだってそろそろ決着付けなきゃと思ってたわ」

 

 

「うふふ、皆さん朝から元気ですわね。はい、イッセー君タオルですわ」

 

 

「あ、ど、どうも…」

 

 

俺たちは朝から我が家の地下室に集合して、トレーニングを行っていた。ってか、朱乃さんとは先日の出来事があったから少し顔を合わせずらい!

まぁそれはさておき、俺は先日手に入れたばかりのアスカロンが使えるかどうかの確認も含めて、木場に相手を頼んだ。初めはギャスパーの特訓を主体にやっていて、その後になったけど…

で、実際に木場と模擬戦をやってみた結果、まぁ感触としては悪くは無いんだが、やっぱり二刀逆手持ちの戦闘スタイルが身に付いてしまっているから、アスカロン単体だとどうしても、戦い方がずれてる感じがしてしょうがない。これだと普段の格闘スタイルの方が数段戦い易いし、しっくりくる。うーん、折角貰った物だけど今のままだと本当にオーラを纏わせるためだけの補助武器の役割にしかならない。

 

 

「さて、どうしたもんか」

 

 

「やっぱり、使うにしてもイッセー君にはもう一本必要みたいだね」

 

 

「ああ。けど、もう一本あってもアスカロンは刃渡りが大きいから、何やかんや使いにくいってのが正直な感想だな。せめて、今の3分の2くらいだったら使い易いんだけどさ。今のままだと逆手持ちにして戦うには長い分、技によっては自分を斬ってしまう可能性もある」

 

 

いくらアスカロンに認めてもらって所有者になったとしても聖剣は聖剣だ。もし斬ってしまったなら深刻なダメージは免れない。貰っておいてなんだけど俺にはある意味、無用の長物かもしれないな。

 

 

「うーん……なぁ、テミス。俺だけじゃなく、木場やゼノヴィアにも使えるようにはできないか?」

 

 

『可能だと思いますよ。ゼノヴィアさんはデュランダルを使いこなすほど、聖剣への適性が高いですし、それに木場さんの方もこの間の一件で聖剣への適性が上がってるみたいですし』

 

 

 

 

 

 

と、いう事でゼノヴィアと木場にそれぞれアスカロンを持ってもらって確かめて貰ったら、俺より上手く扱えそう。しかし今度はどっちがアスカロンを本格的に扱うかという話になった。

 

 

「やはり、木場よりもアスカロンのオーラを高める事の出来る私が使うべきだろう」

 

 

「いや、ゼノヴィアはこれ以上パワーに偏り過ぎると困るから、僕の方が良いんじゃないかな?」

 

 

と、この様に以外にも白熱していた。たかだか聖剣一本で……

いや、まぁ歴史を振り返っても強力な武器の取り合いで滅んだ話とかもあるから、ある意味頷けるのか?

とにかく協議の結果ゼノヴィアと木場それぞれが呼ぶ権利を得て、テミスと契約して念じれば召喚できるようになった。そのため、召喚に必要なテミスの龍鱗を二人にそれぞれ所持してもらう事にした。これで、龍鱗を通してアスカロンを召喚して使う事が可能になったわけだ。

 

 

「そっちの話し合いは終わったかしら?」

 

 

「ええ――ってボロボロ!?何やってんですか、ミラに部長。そんなになるまで」

 

 

「ミラが悪いのよ。手加減しないから」

 

 

「ほっほーう……言うわね、アンタ。手加減しなかったのはどっちよ?消滅の魔力を散弾銃みたいに飛ばして来ておいて」

 

 

「そういう、あなたは四属性同時で攻撃してきて、溶岩に水蒸気爆発と随分多彩な攻撃をしてくれたわよね?」

 

 

バチバチと火花を散らす部長とミラ。飽きませんね、本当に。

その所為で二人とも衣服がボロボロだ。特に今回は部長の方が優勢だったからなのか、ミラの服の方が損傷が激しい。

 

 

 

 

 

 

 

「いいねー。いいよー。あ、金髪の子の方はもう少し胸のとこを、はだけさせようか」

「おい、坊さん!それよりも、俺はあの生足で踏んでもらいたい!」

 

 

 

 

「「「「「「「「「「…………………」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

沈黙する事数秒。

そこには、バシャバシャとシャッターを押しまくっている、黒人僧侶のボビーとドM犬神が居た。

 

 

「……おい、何でここに居る?」

 

 

「乳ある所に、儂ありだ!」

「お姉様ある所に俺ありだぜ!」

 

 

思いっきりドヤ顔で言う二人に俺もさすがに頭にきた。

 

 

「ゴォゥーー、トゥーーーー……ヘーーーーーール!!!!」

 

 

ゴッ!!

 

 

「「ぐっばあぁぁぁ!!」」

 

 

ボビーの持っていたカメラごと俺は二人を拳で打ち抜いた。吹き飛んだ二人は壁に凄い衝突音を響かせてめり込んだ。

 

 

「今日は確か粗大ゴミの日だったなぁ。よし、出してこよう」

 

 

「イ、イッセーさん!今日は燃えるゴミの日です!!ですから、捨てられません!」

 

 

「アーシアさん!?突っ込むところが違うよ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――○●○――

 

 

まぁ、取り敢えず本当にゴミとして出すわけにも行かなかったので、二人は我が家に出入り禁止の誓約を結ばせて追っ払った。

本当に、任務とやらを遂行しろよ、バカ二人!!

 

 

 

「はぁ~~……余計な邪魔が入った」

 

 

「さ、さすがにビックリしたわね。でも一体どうやって忍び込んだのかしら?」

 

 

「一応あのドMの『犬』の方は腐り切って燃えるゴミのようでも、神であることには変わりないですし」

 

 

朱乃さん、言葉が辛辣すぎます……

 

 

 

 

 

 

 

「にしても、いよいよ今日ですね」

 

 

「ええ。でも大丈夫よ。今日までこの会談を成功させるために動いて来たんだもの。絶対に成功させるわ」

 

 

「…そんなに肩に力を入れてると失敗するわよ?」

 

 

腕組みをしつつ、そんな声を投げかけるミラ。しかし、一つ忘れている事が有る。それは、彼女たちの今の姿だ。

 

 

「って、何よ?いきなりあんたのジャージ羽織らせるなんて?」

 

 

「……あのなぁ、今の自分の姿を見てみろ」

 

 

「え?姿……――っ!?きゃあああああ!?」

 

 

そこで、ようやく自分の姿を見直せたのか、渡したジャージの前面のファスナーを急いで上げて、ジト目でこっちを睨み付けてくる。

 

 

「……大丈夫だって、見てないから。ん?ミラ少し手を切ってるな……少し見せてくれ」

 

 

「ん?いいけど、はい……って、ちょっ!?な、なな何掴んでるのよ!?」

 

 

「いいから、ジッとしてろって」

 

 

ミラの手を掴んで、『時の支配者たる時計』で傷を治す。

うん、流石にこっちの方が傷を治すのは早いな。

 

 

「あ、ありがとう……」

 

 

「いや、別にいいって」

 

 

「イッセー!!」

 

 

部長が凄い剣幕で迫って来ていた。ちょ、近いです。

 

 

「私もあちこち生傷だらけなのだけど?」

 

 

「は、はい…治させていただきます」

 

 

「先輩、私も疲れました。癒してください」

 

 

「あー!白音ズルいにゃん!!イッセー、私もー!」

 

 

「なら、イッセー!私もだ!デュランダルで切った」

 

 

「嘘付け!!どこも傷無いじゃん!!」

 

 

「ぶ、部長さん!怪我でしたら私が治します!」

 

 

「うぅ……やっぱり、怖いですぅ…でも、先輩に段ボールは取り上げられちゃってるし……」

 

 

「あらあら、うふふ♪」

 

 

 

 

と、和平会談当日だというのに、賑やかに朝の鍛錬の時間は過ぎてゆく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――○●○――

 

 

 

 

 

「さて、皆準備はいいかしら?」

 

 

「と言っても、私たちは大して何もしないけどね」

 

 

「まぁ確かに今回は部長がコカビエルの一件の報告の証人としてしか、私たちの出番はありませんが、それでも各陣営のトップが集うのですわ。それを皆さん忘れないようにお願いしますね」

 

 

「そうですよね……」

 

 

「む……何かにゃん、イッセー?」

 

 

「黒歌、やっぱりギャスパーたちと留守番してくれない?」

 

 

「ひ、ヒドイにゃん!私だけ除け者は嫌にゃん!!」

 

 

どうやら付いて来るようである。話し合いの結果、ギャスパーと小猫ちゃんが留守番という事に。

まぁ、オカ研の人たちとはしっかり話せるようになったとはいえ、未だにギャスパーの対人恐怖症が治ったわけじゃ無い。いきなり、和平会談中に段ボールに籠り出す参加者を連れて行くわけにも行かず、今回は留守番という事にしてもらった。神器の件もあるしね。で、小猫ちゃんはその護衛。何でも、ジャンケンで決めたらしい。

 

 

「く…姉様に負けるなんて屈辱です」

 

 

「白音ひどいにゃん!!まーでも、白音ってグーを出す傾向が強いから、案外やりやすいのよねぇ」

 

 

「むぅ……」

 

 

「まぁまぁ、小猫ちゃん。帰ってきたら、何か奢るからさ。それで我慢してくれ」

 

 

「なら、先輩のお菓子を所望です」

 

 

う……この娘もですか。龍神様に引き続き人気だな……

この間作ったばかりなのに、またストックしておかないと。

 

 

「ああ、分かったよ。でも、今度な」

 

 

「??先輩はこの前大量にお菓子を作っていましたよね?」

 

 

「あー……あれは他の子に頼まれてさ」

 

 

「……誰ですか?」

 

 

「え?……えっと、知り合いの子?」

 

 

「……先輩、またですか?」

 

 

「またって何だよ!?」

 

 

「……まぁ、いいです。会談頑張ってください」

 

 

「イ、イッセー先輩!僕も応援してますぅ!頑張ってください!」

 

 

「はは……まぁ、頑張るのは部長だけどな。伝えておくよ」

 

 

俺は二人の元を離れて、部長たちの元に駆け寄る。

 

 

「話は終わったかしら?じゃあ、行くわよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――○●○――

 

 

部長がドアをノックし、許可を得て中に入る。ここは新校舎。今回の会談は新校舎の会議室で行われる事になった。それも、普段使われる会議室の方ではなく、こういった特殊な場合にのみ使うVIP用の会議室らしい。というか、こんなのが有るなんて俺も今日初めて知ったよ……

部屋の中は、各陣営のトップが豪華絢爛な一つのテーブルについていた。これだけでも、今回の会談を象徴していると言えなくもない画だろう。

 

 

悪魔側はサーゼクス様と、レヴィアタン様。さらに、グレイフィアさんがサーゼクス様の後ろに立っている。どうやら、給仕係のようだ。俺たちは、サーゼクス様の後ろに控える形で、レヴィアタン様の後ろには会長と副会長が控えている。

天界陣営はミカエルさんと、その後ろにはイリナが控えていた。一瞬目が合うが、少し複雑そうな表情をした後にふいっと、目を逸らされた。ここにイリナが居るという事は、どういう形であれ、神の不在を知らされたのかもしれない。そうじゃないと、この会談には出席できないはずだからな。

そして、堕天使陣営にはアザゼルが椅子に座り、その後ろにはヴァーリと福山がそれぞれ腕を組んで控えている。

そして、意外な人物が居て俺は目を見張った!

その人物は兵藤刃紅。つまりは父さんだ!!一瞬困惑したが、この空気の中聞くわけにもいかず、俺は大人しく席に着いた。

 

 

「さて、これで本日参加する方々全員が集まりましたね」

 

 

「おい、ミカエル。聞いてねえぞ?誰だよ、この『怪物』を呼んだのは?」

 

 

アザゼルがミカエルさん相手に悪態を突くが、それに答えたのはサーゼクス様だった。

 

 

「申し訳ない、アザゼル殿。刃紅殿をお呼びしたのは私です。此度の会談は我ら三大勢力によるもの。その証人として、中立の勢力――すなわち人間陣営の代表者としてお呼びしたのですよ」

 

 

「これは挨拶が遅れましたな総督殿。お久しぶりです。此度の会談の様子は僭越ながら私が『人間代表』として、見届けさせていただきましょう。よろしいかな?」

 

 

「ちっ、また厄介なのを連れ込みやがったな……まぁいい。役者はそろったんだ。とっとと、始めようぜ」

 

 

それを皮切りに、会談がスタートした。内容は各陣営が現在の三大勢力の状況をどう考えているのかという事や、今後望む展望、それに対する課題、解決策の提案などだ。

まぁ要約すると、どの勢力も今は小競り合いで済んでいるが、このまま続けばいずれは戦争が起きてもおかしくは無く、もしその戦争が起こった場合は三大勢力は滅びるであろうというのが各陣営の現状と展望だ。それを起こさないための和平会談であるんだけど……

そして、いよいよ先日のコカビエルの一件の話になり、部長と会長が話し終え再び各陣営のトップによる協議が行われた。

 

 

「ご苦労だったね、リアス」

 

 

「ありがとね、ソーナちゃん♪」

 

 

ひとまず、部長たちが下がったところで再びミカエルさんが口を開いた。

 

 

「さて、今の報告を受けて事の発端である堕天使側の見解を聞きたいのですが」

 

 

「見解も何も、今の報告の通りだぜ?そっちにも報告書として、回しただろ?」

 

 

「ええ。説明の部類としては最低なものでしたが」

 

 

「同感だな」

 

 

「同感ね☆」

 

 

三者三様に意見が合い、アザゼルは大きな溜息をつく。

 

 

「はぁ~~……あー、メンドくせぇ。そこもウチんとこの研究員と、白龍皇を差し向けて解決しただろ?」

 

 

ひらひらと、手をこちらに振る福山。その行動に木場が若干色めき立つが、何とか堪えてくれた。

ヴァーリはその様子に溜息を一つ付いて、福山を小突いている。

 

 

 

「コカビエルの野郎は、コキュートスにて永久冷凍の罰を負った。もう二度と出てこれねえよ。他にも、コカビエルを利用して堕天使組織内の不穏分子の炙り出しには成功したって資料を渡したろ?」

 

 

「それで、被害が出ているようでは話にならないのでは?」

 

 

「ち、痛いところを突いてきやがるなぁ、お前も」

 

 

ミカエルさんとアザゼルは余程仲が悪いのか、先程から言い合いばかりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一つ聞きたい、アザゼル殿」

 

 

今まで静観を貫いていた父さんが初めて口を開いた。

 

 

「お?んだよ?今までダンマリ決め込んでた奴がここに来て質問か?」

 

 

「ここ数十年で神器(セイクリッド・ギア)をかき集めている理由を知りたい」

 

 

「あぁ、それか。それは研究のためさ。各陣営には一部資料を回したぜ?ま、お前は見て無えだろうがな」

 

 

「……本当に研究のためだけだろうか?私個人の見解としては、不可思議な点がいくつか見受けられるのだが。研究のためならば一種類の神器(セイクリッド・ギア)は一つから数個あれば事足りるだろう。それなのに、なぜ神器(セイクリッド・ギア)を集め続ける?集めている数が異常だ。

各陣営に戦争を仕掛けるつもりかとも思ったが先程の口ぶりからして、その可能性は低いと判断できる。それに、ここ数年で堕天使の陣営が宣戦布告した記憶もない。また、場合によっては神器(セイクリッド・ギア)の所有者に対して、()()()()()をしているようだが……

そうなると、答えはいくつかに限られてくる。他にも色々と思う点はありますが、この程度にしておきましょう…………

さて、返答は慎重に行っていただきたい。敢えてこういう意味は、お分かりですな?」

 

 

父さんからは言い知れぬ気迫がビシビシと伝わる。それが、この会場の空気をより一層張りつめた状態にする。

 

 

「……本気か『怪物』?」

 

 

「ははは!ここで冗談を言う私ではありませんよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……備えるためだ」

 

 

「それは、何に対してですかな?」

 

 

「……はぁ、悪いがこれ以上は言えねえ。まだ憶測の段階で、確証を持ってる訳じゃねえからな。言えるとしても、そうだな………差し当たり、俺が予期している脅威がいくつかある。それに対抗するための手段として神器(セイクリッド・ギア)もしくは神器(セイクリッド・ギア)の所有者を集めてた。堕天使陣営は戦力的には三大勢力の中じゃ減少している一方だからな。だから戦力を蓄える必要があった。これじゃ不満か?」

 

 

「……いえ、結構だ」

 

 

ミカエルさんが小さく「ふぅ」と安堵するのが分かった。それだけ今の状況は緊迫していた証拠だ。実際に父さんが本気で戦っているのを見たことが無いから、もし仮にここで開戦なんかされようものなら、どうなるか内心冷や汗ものだった。

 

 

「ちっ、だから、こいつと話すのは嫌なんだ。ったく、恐ろしくてしょうがねえよ」

 

 

「まぁ、それはアザゼルの態度が悪いのですよ」

 

 

「あ!?何だと!?」

 

 

「その通りだな」

 

 

「その通りね☆」

 

 

ミカエルさんがアザゼルを非難し、それに悪魔陣営も乗っかる形になる。

 

 

「ったく、めんどくせーな、お前らも。神も魔王も居なくなって、もう少し話の分かる奴らがトップに就いたと思ったらこれだ。

あー、もういい。とっとと、和平を結ぼうぜ。お前たちも同じ腹だろ?」

 

 

一瞬ミカエルさん達首脳陣は面食らっていたが、微笑むと言葉を続けた。

 

 

「ええ、そうですね。こちらもそのつもりで来ました。これ以上争わないためにもそれは必須でしょう」

 

 

「それは我々悪魔も同様です。種を存続させるにはこれ以上無用な争いは避けたい」

 

 

「戦争の大本になっていた、神や魔王が居なくなったんだから、私たちは新しい道を拓いて行かないとね。後に続く子たちのためにも」

 

 

全員が真剣な面持ちで、和平を結ぶ方向に動き出した。これで、ようやく…

 

 

「はっはははは!そうだな!もう、神は居ない!魔王もだ!

だが、俺たちはこうして生きてる!神がいない世界は間違いだと思うか?衰退すると思うか?残念ながらそうじゃない。神が居なくても、俺たちは今日を生きている!この『世界』で!

――神が居なくても世界は回るのさ」

 

 

神が居なくても世界は回る、か。確かにそうなんだろうな。リーゼ・マクシアやエレンピオスでも、魂の循環を司っていたのは、オリジンやマクスウェルだった。少なくとも、あの時の旅では神なんて存在とは遭遇しなかった。

絶対的な存在がいなくても世界は機能していた。それを思えば今のアザゼルの発言は頷ける。

 

 

 

 

 

「と、こんなところだろうか?」

 

 

「そうですな。ここに和平が結ばれた。そう解釈してよろしいでしょう。あとは細かい擦り合わせを行い各陣営が納得のできる着地点を見つけることですかな」

 

 

そこで、サーゼクス様と父さんが頃合いを見計らったかのように、話に折り合いを付けた。

そこからは、父さんの言ったように和平を結ぶにあたって、様々な擦り合わせが行われた。内容は各陣営の戦力、経済、生活など様々な内容だ。それも一段落して、ミカエルさんが立ち上がってアーシア、ゼノヴィアの方に向き直った。

 

 

 

 

「一先ずはこれでいいでしょう。そして、私は個人的にそこのお二人には謝らなければなりませんね。世界の『システム』を護るためとはいえ、敬虔な信徒であったお二人には、残酷な仕打ちをしてしまいましたね。申し訳ありませんでした」

 

 

ミカエルさんの突然の謝罪に驚きを隠せないでいる、アーシアとゼノヴィア。

 

 

「ミ、ミカエル様!?」

 

 

その行動にイリナが驚いて、目を丸くしていた。

 

 

「いえ、ミカエル様、謝らないで下さい。私はこの歳になるまで教会に育てられた身です。多少の理不尽を感じてはいましたが、それを補ってなお余るほど今の生活には満足しています」

 

 

「私も同じ気持ちです、ミカエル様。確かに私は教会を追放されましたが、この地でとても大切なものがたくさんできました。イッセーさんやミラさん、部長さん、他にもここで私に良くして下さった沢山の人たちと出会えたのですから」

 

 

「あなたたちの寛大な心に感謝します」

 

 

 

 

 

「じゃあ、俺もここで一つ謝罪をしておこう。ウチの部下が独断で起した計画に巻き込まれて、そこの赤龍帝や嬢ちゃんを殺しちまったらしいな。すまなかった。

今さら謝っても後の祭りだが、言わせといてもらうぜ」

 

 

 

アザゼルも立ち上がって、頭を下げる。しかし、アーシアは立て続けにトップからの謝罪を受けて慌てふためいている様子だ。

 

 

 

 

 

「さて、と。これ以上嬢ちゃんを困らせてもしょうがねえな。ここらで、本当に世界にとんでもねえ影響を与えちまう最強のドラゴンどもから話を聞いとこうか。なぁ、赤龍帝に白龍皇。

まずは、白龍皇ヴァーリ。お前はこれからどうしたい?」

 

 

 

「強い奴と戦えればそれでいいわ。あとは、私の手に入れたいものを手に入れられれば満足よ」

 

 

「まぁ、前者はお前らしいが、後者の手に入れたいものってのは何だ?」

 

 

「赤龍帝、兵藤一誠よ」

 

 

何だかヴァーリが獲物を狩るような目で見て来るんですけど?

え、何?アイツの目的って俺の命?物騒すぎるんですけど!?

ってか、痛い痛い。俺の両手が部長とミラに握りつぶされてる。痛い……

 

 

 

 

 

 

「なるほどな。まぁ、そこは若いモン同士好きにやってくれ。で?お前はどうしたい、赤龍帝?」

 

 

あれ、俺今売られた?

いやそれよりも、どうしたいか、か……

 

 

「どうしたいか、ですか……そうですね、情けない話ですが分かりません。俺自身まだ何をしたいのか決めかねている状態です。ただヴァーリとは違って、俺は自分から戦いたいとは思いませんね。できれば、戦いたくはないです。差し当たり今ある平和を守りたいっていうのが今のやりたい事です。ま、降りかかる火の粉は払いますが」

 

 

俺が言葉を終えると、首脳陣は揃って苦笑いを浮かべた。何で?

 

 

「これは……驚きましたね」

 

 

「はは、そうですな」

 

 

「か~~……ったく、お前らはヤッパリ親子だよ」

 

 

 

 

??

訳が分からん。

 

 

「まぁいい。差し当たり、お前らは歴代の赤龍帝や白龍皇と比べて大人しい部類らしい。これなら、暫くは安心だ。さて、いい機会だ。俺がさっき言っていた幾つかの脅威について、ここで少し共有しておこうぜ」

 

 

「そうですね。先ほどあなたが言っていた脅威と言うのは、私も気になります」

 

 

「ああ。と言っても、確実に分かっている部分だけだがな……実は、神器を集めているのは俺たち堕天使陣営だけじゃねえ」

 

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

 

「ある情報を手に入れてな。とある組織が俺たち同様、神器所有者たちを集めてやがる。しかも神器所有者に限らず各陣営の危険分子まで集めてやがった。その組織の名は――」

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで、妙な違和感に襲われた。周りは軒並み時間が停止してしまっている。

その瞬間、文字通り世界が止まった。

 




はい、ってなわけで会談の内容でした。


会談の内容が薄いですが、あまり長くするのもなぁ・・・
と思い、この程度にしておきました。


さてさて、兵藤父が再び登場。そして、会談トップの席についている。
ここらで登場させておきたかったので、やりました。実はこの会談に出す予定は結構前からあったんですよね。確か前の章の中盤くらいから。


さて、次回はテロですね。物騒ですねぇ・・・


ではでは、また次回♪
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