ハイスクールD×D ~審判を超えし者~【凍結】   作:メラニン

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今回は連投です。


実は以前の更新から遅れたのは、この話が原因です。
あの人たちに、能力持たせるかどうかで悩んで、持たせたら持たせたで、何にしようか悩んで・・・
もうね・・・本当に考えるの苦労した・・・
でも、活躍の場少ない・・・


さてさて、今回は一応新キャラも登場です!

ではどうぞ!


第10話 『禍の団』の襲撃です!!

―― 一誠side

 

 

どういう事だ?周りの時間がまとめて停止されている。この力は――

 

 

「おう、お前は無事なようだな赤龍帝。まぁ、当り前か」

 

 

今動いているのは、父さんを含めたトップ陣営とグレイフィアさん。オカ研だと、俺とミラ、部長に聖魔剣を発現している木場、デュランダルを召喚しているゼノヴィアだけだ。堕天使陣営は全員動いている(福山は聖剣を発動)し、天界陣営のイリナも『擬態の聖剣』を発動して防いだみたいだ。

 

 

「にしても、まさかこういう風に仕掛けてくるとはな……」

 

 

「アザゼル、これが――いえ、彼らがあなたの言っていた脅威ですか?」

 

 

「いいや、あいつらはまだまだ下っ端だ。氷山の一角にすぎねえよ」

 

 

外を見ると、次々と暗い色のローブを目深に被った集団が空に描かれた巨大な魔方陣から出現してきた。

 

 

「あいつらは…?」

 

 

「魔術師の連中だよ、赤龍帝。ま、所謂テロリスト共だ」

 

 

「テロ!?」

 

 

「ああ。これが俺がさっき言おうとしていた脅威の一つ、名前を『禍の団(カオス・ブリゲード)』。神器所有者や危険分子を集めて回ってるテロリスト集団さ。おい、ヴァーリ。俺はここを動けねえ。外に行って暴れて来い。こういうのは得意だろ?」

 

 

「はいはい。了解了解」

 

 

ヴァーリは軽く手を振ると窓から外に飛び立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テロリスト集団ね……

目的はこの和平会談の妨害。何処の世界でも、こういう会談ってのは狙われるのな。

 

 

『……そうだな、主。あのときもアルクノア、と言ったか。リーゼ・マクシアとエレンピオスの講和締結を妨害しに来ていたな』

 

 

『まったく、嘆かわしいことです』

 

 

『ふん、やはり人と言うのは理解できんな』

 

 

『そうだね、クロノス。けど、平和を受け付けられない人たちにも理由はあるはずだよ。人は理由なしには行動を起こさないからね、基本的に』

 

 

『この世界の魔術師はそれぞれの人外の陣営に利用された過去があるからな。今更それを忘れて和平など、言語道断なんだろうさ。で?どうする、相棒?』

 

 

決まってる。さっき言ったろ?降りかかる火の粉は払うさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おそらく、そこのサーゼクスの妹、リアス・グレモリーの眷属悪魔が利用されてるんだろ。あのハーフヴァンパイアの小僧、潜在能力はかなりのモノだったからな。何かしらの方法であいつの力を倍増してるんだろうよ」

 

 

「く…私の下僕がテロリストの武器に使われるなんて、これ以上の屈辱はないわ!!」

 

 

「し、白音も危ないにゃん!!」

 

 

外のテロリスト集団は各々が魔力や魔法による攻撃を始めた。

しかし、校舎は振動していても壊れる気配はない。ミカエルさんを始めとする首脳陣が防御結界を張っているからのようだ。それに、ヴァーリが外で暴れまわっている。

 

 

「いやぁ、それにしてもすごいねぇ。外に居た天使、堕天使、悪魔全員が時間停止されちゃってるよ。グレモリー眷属は末恐ろしいねぇ」

 

 

「お前だけサボんな、翔!空中の魔方陣を解析しとけ」

 

 

「はいはい。ったく、人使い荒いなぁ」

 

 

そう言うと福山の方はアザゼルに言われた通り、自前の魔方陣を展開して空中にある魔方陣の解析を始めた。

 

 

 

「さて何時までも、このままという訳にもいくまい。旧校舎に居るギャスパー君たちを助けなければ」

 

 

「しかしサーゼクス様、我々は防護結界で手が離せません」

 

 

「お兄様、私が行きます。自分の眷属くらい自分で取り戻して見せます!」

 

 

部長が意志の籠った目ではっきり言い切った。

けど、一人で行くのは無茶だ。

 

 

 

 

「わざわざ行く必要はない。既に手は打ってある」

 

 

「「「「「え?」」」」」

 

 

父さんの発言に、そこにいた全員の声が重なった。

当の父さんは時間が気になるのか、時計を気にし始めた。

 

 

「ふむ。どうやら上手くいったようだな、ユリウス」

 

 

「ああ、こっちは問題なかった、親父」

 

 

そこに空間を切り裂いて現れたのは兄さんだった!その後ろには、ノヴァさんに抱えられたギャスパーと、ヴェルさん、小猫ちゃんがいた!

 

 

「ふえぇぇぇぇええん!!ぶちょううぅぅ!せんぱあぁぁぁい!怖かったですうぅぅぅぅ!!」

 

 

「ギャ、ギャスパー!?」

 

 

「ぐほっ!?」

 

 

現れるなり、ヴェルさんから離れてギャスパーが飛びついて来た!

ってか、腹に頭突きかましてきやがった……

 

 

 

 

 

 

 

「こ、怖かったですぅぅ!いきなり怖い人きてまほうじんかけてめがぼうそうぎらぎらはつどうしちゃってみんなとまって――」

 

 

「お、落ち着け!ギャスパー!何言ってるのかさっぱり分からん!!ってか、何で兄さんやノヴァさん、ヴェルさんまで居るんだよ!?」

 

 

「やっほ、イッセー君。おっひさー♪」

 

 

「ノヴァ、しっかりとした挨拶をしてください。イッセー様、その質問には我々よりも社長にお聞きになった方がよろしいかと」

 

 

「父さんに?」

 

 

 

 

父さんは相変わらず椅子に腰かけ腕組みをしたまま姿勢を崩していなかった。

 

 

「……先日、この町に不穏分子が侵入した。それを捕獲したところ、『禍の団(カオス・ブリゲード)』ということが発覚した。その者からこの計画の大凡の概要を吐かせた。まぁ、下っ端だったので細かい部分までは掴めていなかったがな。そのため、予め手を打っておいたのだ」

 

 

 

 

…初耳だった。そんな事を父さんはやっていたのか。

そして、その言葉を聞いてミカエルさんが口を開いた。

 

 

「…それを何故、私たちに一言行って下さらなかったのですか?そうすれば――」

 

 

「対処できた、ですかな?しかし、それでは黒幕を誘き出すこともできなかったでしょうし、人外であるあなた方は我々人間をよく利用してきた歴史がある。その相手をどう信じろと?

それに、これは至極個人的な感情ですが――」

 

 

ビシッビシッ……

 

 

!?

父さんの闘気が漏れ出し、床に亀裂が入り始めた!?

 

 

「自分の子を殺され黙っている親が居るとお思いか?故に私は基本的には人外どもは信用していない!」

 

 

「おいおい、ここで戦り合うのは勘弁だぜ?外にはテロリスト共だって居るんだ。まずはそっちを何とかしてからにしてくれ」

 

 

「そうだな……済まなかった、総督殿。今はそれどころではないな」

 

 

父さんは闘気の放出を止めて、その場は治まった。

 

 

「それよりも、イッセー。お前の力でギャスパー君に掛けられている魔方陣を消してくれ」

 

 

「え?魔方陣?……本当だ。ギャスパー、その魔方陣は?」

 

 

ギャスパーの目にはおかしな魔方陣が掛かっていた。まるで、色んな系統魔術を混ぜこぜにした様な魔方陣だ。母さんから少し習ってるとはいえ、これは今まで見た事も無い。確かにこれじゃ、解呪は厳しい。

 

 

「その……ローブを被った人たちが来て、この魔方陣を僕の目に…」

 

 

「……すいませんでした、先輩。ギャー君の護衛は私の役目だったのに……」

 

 

「いや、小猫ちゃんのせいじゃないよ。今回攻めてきたのは魔術師連中だし、父さんの口振りからして相手はかなり綿密に計画を立ててたみたいだからな」

 

 

「……はい…」

 

 

「ああぁぁん!それよりも、白音が無事で良かったにゃぁぁぁん!!」

 

 

黒歌がすかさず小猫ちゃんに抱き着く。ホント、こいつのシスコンは特筆モンだよ。

 

 

「姉さまは離れて下さい」

 

 

「ぐはっ!?ひ、ひどいにゃん、白音……慰めようとしたのにぃぃ……」

 

 

黒歌は猫耳をペタンと降ろしてしまい、ブルーになった。

はぁ、これが終わったら慰めてやるか。

とにかく今は、ギャスパーに掛かってる魔方陣を何とかしないとな!いつも通り『無と連環の腕輪(オリジン・チェイン・バングル)』を発現し、ギャスパーの目に近付ける……

 

 

 

 

………………………

 

 

 

 

何も反応がない…

 

 

「んん??」

 

 

「あ、あの、先輩?」

 

 

「……オリジン?どういう事だ?」

 

 

『うーん、どうやら無効化は出来ているみたいなんだけど、無効化した後にまた同じものが作られて魔方陣が発動するようになってるね。多分外から力が送られ続けて、その原因を破壊しない限り解除できないだろうね』

 

 

「「「「「な!?」」」」」

 

 

「おいおい一体どういうこった、そりゃ?そんな高度なモンを一介のテロリスト連中が持ってるってのはおかしいぜ?この手の魔術は上級かそれ以上でないと扱えないはずだぜ?」

 

 

アザゼルは外に居る魔術師のテロリスト集団を憎々しげに睨みながらつぶやいた。ミカエルさんも、こちらに近付いてきて様子を伺っている。

 

 

「…我々が考えるよりも、その『禍の団(カオス・ブリゲード)』というのは大きな組織という事なんでしょうね、アザゼル。福山さん、どうですか?空中の魔方陣の解析は済みましたか?」

 

 

「あー………全部はまだですね。ただ、一部分かったのはあの空中魔方陣とそこの女装ヴァンパイアの魔方陣は連動してるみたいですね」

 

 

「ということは…」

 

 

「多分、空中の魔方陣を消せばソッチのも消えるかと」

 

 

 

 

「それだけ分かれば十分だわ。自分の眷属くらい自分で救うわ!」

 

 

「待ちなさい、リアス!――行ってしまったか。しょうがない。リアスの眷属たちよ、妹を頼む」

 

 

「「「「はい!」」」」

 

 

「ま、私は眷属じゃないけど、状況が状況だしね」

 

 

「も~、ミラちんは相変わらず素直じゃないにゃん。心配だって言えば良いのに」

 

 

「なっ!?く、黒歌!!」

 

 

「ふっふ~♪お先にぃ~~♪待ってぇぇ、白音ぇぇ」

 

 

 

――side out

 

 

 

 

 

 

 

 

――ユリウスside

 

 

さて、イッセーたちは行ったか。敵の戦力はかなりのものだ。相手のレベルは下級から高くても中級魔術師の中レベル。おそらくイッセーたちが後れをとる事は無いだろうが、如何せん数の暴力が凄まじい。

 

 

「ユリウス、お前も加勢に行け」

 

 

「俺がトップ陣営の護衛を離れる訳には行かないだろ?ここまでの事を計画している連中だ。この物量差だけで会談を潰すとは考えにくい。例えば、この場に刺客を送り込んでおいて暗殺とか……なぁっ!!」

 

 

ギン!

 

 

俺は何もない空間を『賢者の双刃(クルスニク・ツイン・エッジ)』で斬り付けた。双刃は空を斬る事なく、その場で金属音を立てて静止した。

 

 

追撃しようとして双刃を振うが今度は躱されたようだ。ち、今のは空気の揺らぎで気付いたが、気配は何となくでしか追えないからな。俺も仙術が使えれば良かったんだが……

 

 

「しょうがない。ヴェル!」

 

 

「もうやっています」

 

 

ヴェルは錐をこの部屋の四隅に投げつける。そして、それらを核とし結界が張られ、同時にヴェルが魔方陣を展開する!

 

 

「そこです。もう逃がしませんよ?」

 

 

姿の見えない相手の居る床に魔方陣が展開される。

 

 

「ナイスだよ、ヴェル!」

 

 

ゴッ!キィン!

 

 

ノヴァは発現した自身の槌を横殴りに打撃を放った。それと同時に高音が発生し、透明だった賊が姿を現した。

 

 

「ぐ……む!」

 

 

現れたのはモジャモジャの髪に燕尾服に身を包んだ執事の恰好をした少年だ。身長はやや高いな。歳はイッセーと変わらないくらいか?

 

 

「く……まさか、私の侵入を見破られるどころか、姿まで晒されてしまうとは……

ここは、引かせていただきます!」

 

 

「な、お前はっ!?」

 

 

アザゼルが目を丸くしていたのも束の間。少年は次の行動に出た。

 

 

ドンッ!!

 

 

その少年は手榴弾をその場に叩きつけ爆発させることで、この場から消えた。俺たちはトップ陣営の防壁に守られて無事だったが、あの少年はどうなっている事やら……

 

 

「ち、さすがだな、あの野郎……自爆覚悟って腹かよ。厄介なのが敵に回ったぜ。って事は……」

 

 

 

「では、さらに厄介な相手をしていただきましょうか?」

 

 

煙の隙間から新たに現れた派手で、無駄に露出度の高い恰好をした女性の放った魔力砲により、俺たちは立て続けに爆発に巻き込まれた。

 

 

 

――side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―― 一誠side

 

 

ドンッ!!

 

 

俺たちが魔術師と戦闘をしている間に校舎の方で爆発が起きた。

さらに、立て続けに突如出現した女性の魔力砲により二度目の爆発が起きる。

 

 

「お兄様!!」

 

 

煙が晴れると中からは防御結界に守られた首脳陣が出てきた。まぁ余計な心配だったか。

 

 

「良かった……お兄様たちは無事ね」

 

 

防衛結界の中からアザゼルが出てきて、何か話している。そして、そのまま戦闘に入るようだ。あれは一体誰だ?

 

 

 

 

 

「にしても、キリが無いわね。これだけ潰しても次から次へと……ああ!邪魔!!」

 

 

「うにゃあぁぁぁあぁぁ!!メンドクサイにゃん!!イッセー、ひとっ飛びしてアレ消して来て!!」

 

 

「お前、この弾幕の中行けって鬼か!?」

 

 

「鬼じゃなくて、猫にゃん!」

 

 

「姉さまは、口より手を動かして下さい」

 

 

「やってるにゃん!?」

 

 

「けど、本当に動きにくいね。特に僕やゼノヴィア、小猫ちゃんなんかの近接戦闘の方が得意なタイプは尚更だね。距離を取られて戦いにくい!」

 

 

「イッセー!早速アスカロンを借り受けるぞ!」

 

 

「分かった!ゼノヴィア!」

 

 

しかし、本当に厄介だ!少しでも誰かがこの場所を動けば、多分パワーバランスが崩れる。それに俺たちが動きにくいように、それぞれが絶妙な場所に攻撃を加えて、陣形を崩しにかかってくる!

しかも、こちらの攻撃も上手く通らない。ちゃんとした遠距離の攻撃法を持っているのは、ミラ、部長、黒歌だけだ。俺は精々魔力弾が手一杯だし、木場は聖魔剣を発現しては投擲している。小猫ちゃんは地面を叩き割って、巨大な土塊を投げつけている。ゼノヴィアはデュランダルとアスカロンの聖剣のオーラを斬撃にして飛ばしているが、あれは消耗が激しいはずだ。無限に連発はできない!

ヴァーリが上空で攪乱してくれているからまだ楽だが、これは明らかにただのテロリストの動きじゃない!まるで統率された軍隊だ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「燃え尽きろ」

 

 

ゴオォォォ!!

 

 

急に俺たちの上空を白炎が覆った。

校舎の方から来たのは、『不知火(しらぬい)』を持った福山だった!とにかく、さっきの一撃で一旦攻撃が止まった。

 

 

「やぁ、無事かね?ようやっと魔方陣の解析が終わったよ。それで、こっちに加勢するように頼まれた。まぁ、結論から言うとあの上空の魔方陣だけ破壊しても解決しない」

 

 

「ちょっと、それどういう事よ!?アンタさっき自分で上空の魔方陣を壊したら時間停止が止まるって言ってたわよね!?」

 

 

「ミラ、落ち着け。で、解決しないってのはどういう事だ?」

 

 

「あの魔方陣はこの結界内の数か所を起点として発動している。つまり魔方陣の核になるものを分裂させてる。だから、それらを壊さない限りあの魔方陣は消えない。それぞれの核から魔力が送られ続けてるからな。その分裂している核の位置ってのは、上空の魔方陣を中心に正六角形状に点在している」

 

 

「…………この用意周到性に、テロリストとは思えない戦略……」

 

 

「まぁ、確かに普通じゃな――ぐぶ…」

 

 

「「「「え?」」」」

 

 

そのとき、いきなり目の前の福山が口から血を吐いた。

 

 

「!?そこにゃん!!」

 

 

黒歌が仙術による一撃を放つがどうやら躱されたようだ。

福山の方の傷を見ると、後ろから何か鋭利な刃物で刺されたような傷が出来ていた。

 

 

「おい!大丈夫か!?」

 

 

「ぐ…く………油断した……やっぱりアイツが居るって事は、テロリストを招き入れたのは……」

 

 

そうしていると、ヴァーリの真下に先程福山を刺したであろう少年が現れた!

そして、大声で叫ぶ!

 

 

「お嬢様!カテレア様が行動を始めました!こちらも!」

 

 

その声を確認したヴァーリは上空でゆっくりと旋回し、こっちを見据えてくる。

 

 

「そうね、忍。あら、あなたも怪我してるの?」

 

 

「ええ。先ほどの爆発と、『不知火』の斬撃を受けました」

 

 

「あらら……あなた後でローエンに、たるんでるってどやされるわよ?」

 

 

「そ、それは……」

 

 

ヴァーリは地上に降りてきて、忍と呼ばれた燕尾服姿の少年に話しかけた。

 

 

「そうだ、紹介しておくわ。ローエンの弟子で、一応私の執事でもある大門忍よ」

 

 

「ヴァーリお嬢様の執事をやっております、大門忍と申します。皆様以後お見知りおきを」

 

 

丁寧にお辞儀をして挨拶する忍という少年。

いや、今はそれよりも確認しないとならない事がある。

 

 

「ヴァーリ……お前か?今回の主犯は?」

 

 

「違うわ。主犯は――」

 

 

「私ですよ。初めまして、赤龍帝。私はカテレア・レヴィアタン。先代のレヴィアタンの血を継ぐ正統なる末裔です」

 

 

 

 

 

 

 

先代の魔王の血縁者!?

前話に聞いていた旧魔王派ってやつか!?

 

 

「おいおい、翔。お前なにやられてんだよ?」

 

 

「……うっせ。忍の能力は厄介なんだよ。それは知ってんだろ?あいつ自身忍者みたいなんだし……

まぁ、俺も今回は油断してたわけだが…それでも、急所は避けてる。死ぬような怪我じゃねえよ。ま、戦闘は無理だから、見物だけさせてもらうわ」

 

 

「……テメェ、わざとじゃねえだろうな?」

 

 

「…………あー、いたいなー、もううごけないやー」

 

 

「この野郎……」

 

 

アザゼルも降りてきて、福山の心配をするかと思いきやそんな事は無いようである。

 

 

「はぁ……まあいい。で、カテレア?なぜこんな事をする?今の世界じゃ不満か?」

 

 

「ええ、不満ですね」

 

 

「そ、そんな、カテレアちゃん……」

 

 

 

 

 

 

 

いつの間にか、首脳陣は全員がグラウンドに降り立っていた。セラフォルー様がカテレアに声を掛けるが、無意味のようだ。

 

 

「黙りなさい、セラフォルー。よくもぬけぬけと……あなたのその居場所は、本来レヴィアタンの血を継ぐ私のものの筈だった!それを…」

 

 

 

「あー、分かった分かった。要はセラフォルーのやつに嫉妬してんだろ?レヴィアタンは確か人間の七つの大罪である嫉妬を司ってるんだっけか?

お前はその名の通りって訳かよ。まぁ、いい。サーゼクス、ミカエル、こいつとは俺がやるぜ?良いよな?」

 

 

 

「……カテレア、本当に投降する気はないのか?」

 

 

「はっ、相変わらずお優しいわね、サーゼクス。だから、私達旧魔王派のような存在を生み出すのよ!

…丁度いいから教えておきましょう。私達旧魔王派はほぼ全てが『禍の団』に参加する事に決まったわ!」

 

 

!?

マジか!?旧魔王派がほぼ全員!?一人一人が強いのに、それが全員敵なのかよ……

カテレアの返答を聞き、サーゼクス様は瞑目したまま口を開いた。

 

 

「アザゼル、頼む」

 

 

「はいよ」

 

 

レヴィアタンも武器である杖を構える。

それと、同時に懐から取り出した小瓶を割って、その中から黒々した触手のようなものがカテレアの体に絡みついていく。それと同時に、カテレアから感じる力が跳ね上がった!

 

 

「おいおい何だよ、そのドーピングは?」

 

 

「貴様に応える必要はない」

 

 

「そうかよ。じゃあ、こっちも使わせてもらうぜ」

 

 

そう言ってアザゼルは懐から柄の部分に宝玉が填まった黄金の小さな槍を取り出した。

 

 

 

 

「それは?」

 

 

「俺の趣味は神器の研究でな。趣味が高じて、自分で人工神器なんてもんを作っちまった。こいつの名は『堕天龍の閃光槍(ダウン・フォール・ドラゴン・スピア)』。五大龍王の一角、『黄金龍君』ファーブニルを封じた人工神器だ。――禁手化(バランス・ブレイク)

 

 

 

その瞬間アザゼルは光に包まれ、次に出てきたのは金色の全身鎧を身に纏ったアザゼルの姿だった。俺の『赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)』よりも幾分か有機的なフォルムに、背には6対12枚の堕天使の翼が展開される。

 

 

「『|堕天龍の鎧《ダウン・フォール・ドラゴン・アナザー・アーマー》』これが俺の研究成果だ」

 

 

「く……堕ちた天使如きが!」

 

 

 

アザゼルが禁手(バランス・ブレイカ―)を発動したことで、アザゼルから発せられる力がカテレアの比ではないほどに膨れ上がった!

にしても、カテレアに巻き付いているあの蛇みたいなやつから感じる力は何となく覚えがあるな……

 

アザゼルは二股に分かれた光の槍を発現させる。カテレアの方もアザゼルを警戒し杖を構えた。

しかし、次の瞬間アザゼルは高速で移動し、すれ違いざまにカテレアを槍で貫いた!

 

 

「が…は………ぐ、カラスの親玉め…!」

 

 

「ははっ!そのカラスの親玉にやられてんのは、どこのどいつだよ?

どうする、まだ続けるかい?」

 

 

「ち…舐めるな!私も魔王の血を引く者。このままやられはしない!!」

 

 

「おっ!?」

 

 

カテレアの両腕が触手の様に分裂し、アザゼルに襲い掛かる!アザゼルは何本か躱すが、全てから逃れる事はできずに、左腕に触手が絡みついた!次の瞬間カテレアの全身に禍々しい刻印が現れ始め、魔力が急上昇し始めた。

 

 

「貴様も道連れにできれば、私のこの命も意味がありましょう!!」

 

 

「はっ、お前も自爆覚悟かよ。だが、お前と地獄への旅は御免被る、ぜ!」

 

 

「な!?」

 

 

アザゼルは光の槍で巻きつかれた方の腕を斬り落とした!

 

 

「ち………やっぱ痛えな…あの世へは一人で行ってくれ。あばよ!」

 

 

「ぐ……アザゼルウゥゥゥゥゥ!!」

 

 

アザゼルは光の槍を投げつけ、それが直撃したカテレアは消滅した。

……圧倒的だな。これが堕天使のトップの力か。

 

 

そこでアザゼルを覆っていた鎧が解け、アザゼルの手には紫色の宝玉だけが残された。

 

 

「っと、まぁ無理矢理バースト状態にした様なモンだったから、持ったとしてもこんくらいか。まぁいい。これはこれで改良のし甲斐があるってもんだ。まだまだ、付き合ってももらうぜ、ファーブニル?」

 

 

アザゼルは手元の宝玉に呟きかけると、懐にしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さすがはアザゼル、かしら。まぁ、カテレア如きが相手じゃ当り前か」

 

 

ヴァーリはカテレアが消えた方をじっと見ながら、そう呟いた。こいつ…

 

 

「ヴァーリ、カテレアはお前の仲間じゃなかったのか?」

 

 

「違うわ。あいつも私も互いに利用し合っていただけ。同じ旧魔王の血を引く者と言っても、色々あるのよ」

 

 

「同じ旧魔王の血を引く者?……………ヴァーリ、お前はあの時俺にフルネームを言いかけてやめたよな?改めて、聞かせてくれないか?お前の名前を」

 

 

 

 

 

「そうね。もう隠しておく必要もないし。私の名前はヴァーリ・ルシファー。旧魔王ルシファーの孫である父と、人間の母の間に生まれた混血児よ」

 

 

 

!?

先代魔王の血筋!?

 

 

「そうか……人間との。通りで我々には分からなかったはずだ」

 

 

「まぁ、そう気を落とすなよ、サーゼクス。それよりもヴァーリ、言ったはずだぜ?世界を破壊する原因にだけはなるな、ってな。一体いつからだ?」

 

 

「この前の早朝、イッセーに会った後よ。アザゼルには内緒にしてたけどね」

 

 

 

 

「ちっ、そーかよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほどな。何であのときお前が悪魔に追われてたのかが分かった。あれは旧魔王の血筋だということで狙われてた訳か」

 

 

「そういうこと。さてと、じゃあ私もテロリストらしく暴れさせてもらおうかしら?」

 

 

俺たちは全員が警戒態勢を取っていた。

 

 

「はぁ……私が戦いたいのは、この場ではイッセーだけなのよね。他が邪魔ね。忍だけじゃここの相手全員はキツイだろうけど、頑張ってもらいましょう」

 

 

「……できる限り善処いたします」

 

 

忍と呼ばれた執事の少年はどこからか出した、クナイや鎖鎌などで武装する。そちらに立ちはだかるのは部長やミラだ。そして、俺は――

 

 

「さぁイッセー、始めましょう。赤と白の戦いを」

 

 

「……宿命やら運命やらには縛られたく無いんじゃなかったか?」

 

 

「これは、宿命なんかじゃない。私自身の私闘よ。宿命ごときに介入させないから安心して。それより、私が勝ったらどうするか、覚えてる?」

 

 

「あー……俺がお前の物になる、って話だったか?」

 

 

 

 

「「「「なっ!?」」」」

 

 

部長たちが揃って驚愕の声を上げた。

 

 

 

「ふふ、覚えててくれた♪じゃあ、その約束通りにね」

 

 

「ただし俺が勝ったら、『禍の団』を抜けてもらう!」

 

 

「ええ、いいわ。じゃあ始めましょう!!」

 

 

 

 

そして、ここ駒王学園で赤と白の戦いが始まった。

 




はい、ってなわけで、中途半端に切ってしまいました。

まぁ、蘇ったとはいえ、子供殺されて黙っている親は実際居ないでしょう。(大部分は・・・100%と言えないのが悲しいところ・・・)
刃紅が『禍の団』を捕えてたのは、前の章の早朝にイッセーとの鍛錬を終えた後です。こんな仕事もやってました。


で、ノヴァとヴェルにも力を持たせました。能力名等々はまたの機会に。


そして、登場した新キャラ、『大門忍』<だいもん しのぶ>と読みます。
『貧乏神が!』が原作のキャラクターです。ボビーと桃央を出したので、こいつも出したかった・・・
細かい人物紹介などは、また設定の部分で紹介します。


ではでは、次回は多分戦闘メインと、あのキャラが再登場。


アリーヴェデルチ!!
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