ハイスクールD×D ~審判を超えし者~【凍結】   作:メラニン

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皆さんどうもお久しぶりです。

さて、今回はえーーーとですね・・・
ちょっと酷いです。前半部分が。いや、戦闘パートを考えてはいたんですが、改めて書こうとすると少し・・・
(多分あれです。何かに憑りつかれてたんです)


まぁ、とにかく今回は後半部分がメインです!

どうぞ!


第11話 赤と白の初対決です!

―― 木場side

 

 

イッセー君とヴァーリという白龍皇の少女が上空にて戦闘を開始した。イッセー君は悪魔の翼を、ヴァーリは『赤龍帝の籠手』の対の存在である『白龍皇の光翼』で空を舞い、魔力や肉弾戦による応酬を繰り広げている。

 

 

僕らの方は白龍皇の執事を名乗る”大門忍(だいもん しのぶ)”という少年と対峙していた。相手は忍者がよく使うようなクナイや鎖鎌などで完全武装している。そして、何より隙がない!流石は白龍皇の執事を名乗るだけはあるのかな?

けど、こちらも引くわけにはいかない!

 

 

「祐斗、小猫、黒歌、そっちは任せるわ」

 

 

「はい、部長。部長はどうなさるんですか?」

 

 

「上をどうにかしてくるわ」

 

 

そう言われて上空を確認してみると、再び魔術師たちの転送が再開されていた!まだ来るのか!?

 

 

「分かりました。気を付けてください」

 

 

「ええ。行くわよ、ミラ!」

 

 

「仕切るな!!」

 

 

 

ミラさんは不服の様子だが、渋々といった様子で攻撃の対象を上空の魔術師へと向ける。そう言えば、ミラさんは飛ぶ術がないんでしたね。

しかし、それでも大火力の攻撃を開始した!さすが、イッセー君を吹き飛ばしたことのある人だね。これは頼もしい。

部長は上空で新校舎の防御と攻撃の両方を行っている。先ほどまでと同様に上空では爆音が鳴り響き始めた。さて、僕の方も頑張らないと!

 

 

「お待たせしました。さぁ、こちらも始めま――ん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕はそこで一瞬フリーズしてしまった。というのも、執事の彼が……何と言うか、挙動不審だったからだ。息をどこぞの変態の様に、「ハァ、ハァ…」と荒げて、イッセー君と同じクラスの松田君や元浜君と同じような目をしている。何と言うか、獲物を狩る眼にも近しい気がするんだけど…

で、その視線の先に居るのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……何だか、異様な悪寒と若干のプレッシャーを感じます」

 

 

そう、僕らオカルト研究部のマスコット的存在である小猫ちゃんだ。ただ、当然こういった事に黙っておかない人が居る訳でして……

 

 

「白音、下がるにゃん!!この男危険にゃん!色んな意味でっ!」

 

 

「おっと、これは失礼しました。ところで、そちらの着物の女性の後ろにいらっしゃる儚げなレディの方のお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」

 

 

先程とは打って変わって、彼は佇まいを正し丁寧な口調で話し始める。しかし…

 

 

「……………生理的エマージェンシーコール発令中なので、私は待機でお願いします。祐斗先輩ファイトです」

 

 

「え、僕だけなの?黒歌さんは?」

 

 

「姉さまは私の壁です。今回ばかりは流石の私も前線で戦いたくないです」

 

 

「え~っと……黒歌さんはいいの?壁って言われてるけど?」

 

 

 

「………し、白音が私を頼ってる!?………うにゃぁぁぁん!いいよ、白音!お姉ちゃん幾らでも壁役になってあげるから!!って訳だから木場ちん、あとはよろしく!」

 

 

……イッセー君じゃないけど、僕も今だけは彼女の事を駄猫と思ってもいいと思う。いや、でも今回は小猫ちゃんのガードって事だから、しょうがないのかな?

はぁ~、仕方ない。

 

 

 

「あの、申し訳ないですけど、今回は彼女が戦いたくないそうなので僕がお相手します」

 

 

「……テメエじゃ意味無えだろうがあぁぁぁぁあぁぁぁ!!」

 

 

かなり大声で叫ぶ執事。(しかも目から血を流しながら)しかし、こればかりは仕方がないと思う。こういった変態の部類を眷属に近付けないようにするのは『騎士(ナイト)』である僕の役目だろうからね。

 

 

「ああ……これでは戦闘中どさくさに紛れて、あの未成熟な体に触れる事すら叶わない。いつも周りは既に発育しきってしまった女性ばかり。私の嗜好は全体的にぺったんこな体だというのに……ああ、あのうすい胸、うすい腰、うすい尻……しかし、今私の目の前に居るのは女ですらない。これはなんたることか!!」

 

 

 

「………祐斗先輩。良い具合にボコッて私の前に引きずって来てください。…………………アイツコロシマス」

 

 

こ、小猫ちゃん!?そんなハイライトが消えたような獲物を狩る眼はヤメテ!!冗談抜きで、獲物を狩るネコ科の目になってるよ!?

 

 

「うん、白音に賛成ね。木場ちん?………ワカッテルヨネ?」

 

 

く、黒歌さん!?あなたもですか!?

こ、これは絶対に負けられない事になってしまった!!性質(タチ)悪いよ、この猫姉妹!!

 

 

「わ、分かってますよ。負けませんから、そんなプレッシャーを向けないで下さい」

 

 

とにかく僕はなぜか後に引けない状況になってしまった。…イッセー君。今なら君の普段から日常的に感じている危機感というものが分かります。

 

 

 

「はぁ~~……で、本当にあなたが相手なんですか?私としては、あちらの小さな少女の方が良かったのですが」

 

 

「ははは……申し訳ない。しかし、あなたの様な変質者から眷属を護るのも『騎士』たる僕の役目ですから」

 

 

僕は聖魔剣を一振り発現し構える。

 

 

 

 

「……やれやれ、この間の法令といい、どうしてこう私の様な存在に世間は厳しいのでしょうか……」

 

 

「法令、ですか…?」

 

 

「……木場さん、とおっしゃいましたか?あなたは東京都○少○健全○成条例○正案について、どう思いますか?」

 

 

んん?何だか話が変な方向に行ってる気が…

 

 

「あの……別に、ここ東京じゃないのであまり関心がないんですが」

 

 

「はぁ……残念です。ならば、私が普段吐露できない気持ちを今ここで言わせてください……

東京都○少○健全○成条例○正案反対いぃぃぃ!!表現を律する暇があるなら己の心を律する術を覚えよ!!漫画もネットもアニメも無い時代からロリコンは存在しているんだ!!そこに蓋をするではない向き合い律する心を育むことが大切じゃないのか!!因みに私はロリコンではないフェミニストです!!」

 

 

 

 

ドンッ、ドンッ、ドンッ!

 

 

 

 

……え?

 

 

「避けなさい、忍――って遅かったか……後で回収してあげるから、生きてなさい。さ、続きよ、イッセー!」

 

 

「ああ!!」

 

 

 

 

えーと……状況だけ整理すると、キメ顔でさっきのセリフを吐いた大門忍に上空からの魔力弾が直撃した。色からして、ヴァーリの魔力弾だろう。身内にやられた彼には同情を禁じ得ないと思う。

そして、この被害をもたらしたであろう本人たちは、上空で元気に戦っている。

 

………これはヒドイ。

 

 

 

 

 

……まぁ、少なくとも僕の命が助かったと思う事にしよう。ということで腹ペコな猫の様に目がギラギラと光っている猫姉妹に、この執事(イケニエ)を渡してしまおう。

 

取り敢えず、僕は倒れてしまった執事の少年を引き摺って猫姉妹の前に向かった。イケニエを肩代わりに自分の保身を考えるあたり悪魔らしいな、と内心僕は複雑な胸中だった。

 

 

 

あれ、僕の今回の見せ場はこれだけ?

 

 

 

――side out

 

 

 

 

 

―― 一誠side

 

 

 

何だか下の方は酷い終わり方をした気がするが、まあいい。今はこっちに集中だ。先ほどから俺たちは禁手を使わずに通常の神器のみの生身状態で戦闘を繰り広げている。

 

 

「……イッセー?もしかしなくても、手を抜いてるでしょ?」

 

 

「え、あ……うーん、そう感じるか?実はここのところ調子が悪くてな。まぁ、お前を相手にするくらいは大丈夫だ。何せ、ここで勝ったらお前は『禍の団(カオス・ブリゲード)』を抜けるって約束だからな。こんなチャンス逃さないさ」

 

 

「あら、私からの方から出した約束もあるのを覚えてる?」

 

 

「ああ。だからこそ勝たないとな」

 

 

「そう。じゃあ、お互いにここからは全力で――」

 

 

「ああ――」

 

 

「「禁手化(バランス・ブレイク)!」」

 

 

「――『赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)』」

「――『白龍(ディヴァイン・)皇の(ディヴァイディング・)(スケイルメイル)』」

 

 

 

俺とヴァーリはそれぞれ自分の鎧を纏った。『白龍皇の鎧』か、改めてみると凄いプレッシャーを放ってるな。『赤龍帝の鎧』と若干似ているが、俺のよりかはフォルムが丸みを帯びているというか、なめらかな感じがする。あれは性別の違いが影響してるのか?

ま、何はともあれ、やる事は変わんないか。

 

 

「さ、いくわよ?」

 

 

「ああ、掛かってこい」

 

 

それを合図に俺たちは再び戦闘を再開した。

 

 

まずは、互いにストレートを繰り出し、俺とヴァーリの拳がぶつかり合う!その瞬間に互いの能力が発動した。

 

 

『Divide!』

『Boost!』

 

 

急な脱力感の後、再び元に戻るがヴァーリの方が力が先程よりも、上がったように感じる。やっぱり厄介だな、白龍皇の力は……

 

 

「赤龍帝よりも、相手の力を自分に上乗せできる分、白龍皇の方が厄介じゃないか?」

 

 

「あら、じゃあ降参して私の物になってくれる?」

 

 

「冗談!」

 

 

空いている方の手で真っ直ぐ拳を放つが、僅かに力を逸らされて空を切る。それを隙と見たヴァーリは懐に入り込み、ゼロ距離によるアッパーを繰り出す!それを体を回転しながら避けつつ、その回転しているエネルギーを利用して、回し蹴りを腹部あたり目掛けて放つが、ガードされ互いに距離を取る。

しかも、蹴りがヒットする瞬間にまた半減を喰らった。今はこっちも倍加して元通りだが、あっちは今のでまた俺の力を自分に上乗せしている。戦いが長引くほどこっちが不利になりそうだ。

ヴァーリの動きは何と言うか、しなやかな動きだ。あれじゃ、攻撃を当てにくくてしょうがない。実際に俺の攻撃はしっかりとクリーンヒットしていない。テクニック面で俺はアイツに劣っているってことか……

これは、要注意だな。

 

 

「出し惜しみ出来る相手じゃないな」

 

 

「そうね。自分で言うのも何だけど、私結構強いわよ?『神の子を見張る者』でも、場合によっては実力はトップクラスだし」

 

 

「はは、だろうな。だから、しょうがない。本当は未完成だから使いたくないんだけどな」

 

 

俺は体内の魔力を一気に練り上げ、体のあらゆる組織に流す。血管、筋組織、内臓、骨、全てだ。その瞬間体中の血管が膨れ上がって破裂するような感覚に襲われるが、ぐっと耐えてさらに倍加をかける。体の内面を魔力を張り巡らせて、全体的な身体能力を向上させる技だ!

黒歌が仙術で周りの『気』を体内に取り込んで身体能力を上げる技を持っていたから魔力でも真似できないか試してみた。ぐ……苦しいな、結構。

 

 

『Boost!』

 

 

「……すごいわね。見た目は何も変わってないのに、威圧感が増した」

 

 

「初お披露目だ。さ、仕切り直しだ!」

 

 

それと同時に、俺はヴァーリに零距離まで接近する。

 

 

「な――」

 

 

「らぁっ!」

『Divide!』

ゴッ!

 

 

「ぐ…む……」

 

 

『Boost!』

 

 

俺がヴァーリの鳩尾目掛けて放ったボディブローはクリーンヒットした。まぁ、当たる瞬間に半減されたけど。今の一撃は多分ヴァーリは反応し切れてなかった。だとしたら、能力を使ったのは『白龍皇の光翼』の中に居る存在アルビオン、か?

ヴァーリはすぐさま距離を取ろうとするが、逃がさない様にがっちり肩を掴む。するとヴァーリは何とか俺を引き剥がそうと、高速でメチャクチャに飛び始めた!体に掛かるGで引き剥がすつもりだろうが、そうはいかない!

俺は手の中に追撃用の魔力弾を生成する。

 

 

「く…やらせないわよ!」

 

 

「どっちが、能力切れになるか勝負だ!烈波掌(れっぱしょう)!」

 

 

魔力弾を掌に維持したまま、掌底波の要領で攻撃を放つ!ヒットする瞬間、俺たちは互いの能力を最大限に引き出した!

 

 

『Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost!』

 

『Divide! Divide! Divide! Divide! Divide! Divide! Divide! Divide! Divide! Divide! Divide! Divide! Divide! Divide! Divide! Divide!』

 

 

ドゥッ!

 

 

「能力勝負は俺の勝ちだな」

 

 

結果として俺の魔力弾は消えずにヴァーリに当たり、校庭に一直線に吹き飛んだ!地面と衝突して、土煙で様子が見えなくなる。さて、やったか?

 

 

『……主、それは生存フラグだ』

 

 

あ……

いや、でも殺すつもりじゃないから、生きていてくれないと困る。だから、今回は正しい使い方をしたと思う!きっと!

 

って、うお!?

 

 

チッと、土煙の中から放たれたレーザー上の魔力弾が俺の傍を掠めた!さらに、追撃とばかりに同様の物が無数に飛来する!

土煙が晴れた中からは、当然ヴァーリがこの攻撃を行っていた。光翼から無数に飛ばしてるのか。まるで、羽根だな。

 

 

『Divide!』

 

「ぐ…ドライグ!」

 

『応!』

 

 

『Boost!』

 

 

俺は避け続けるが、同時に半減も受け続ける!それを倍加でプラマイゼロにするが、プラマイゼロになるのは俺だけだ。ヴァーリの方は、半減した力の分俺の能力を吸収し続けてるからこの魔力弾の弾幕は、俺の魔力が尽きるまで止むことは無い。

魔力も半減を受け続けてしまった所為で、かなり減って魔力による強化状態も解除されている。あれは、長続きしないからなぁ。まだ実践じゃ本格的に実用化は出来ないな。

 

 

ガンッ!

 

 

「く……」

 

 

遂に俺に魔力弾の内の一つが命中し、それを勝機と見たヴァーリは魔力弾の弾幕を俺へと絞る!

一斉に俺に魔力弾がガトリングのように襲い掛かる!これは、マズイ!

 

 

「オリジン!」

 

 

カッ!

 

 

俺は咄嗟に『無と連環の腕輪(オリジン・チェイン・バングル)』を発動し、魔力弾を次々無効化する!何となく『赤龍帝の鎧』だけで勝ちたかったが、しょうがない。

 

 

「このまま、突っ込むぞ!」

 

 

右腕の『無と連環の腕輪(オリジン・チェイン・バングル)』で魔力弾を掻い潜り、あっという間にヴァーリの目の前に躍り出た!

 

 

「喰らえ!衝波魔神拳!」

 

 

右腕にありったけの力を込める!

 

 

ゴウッ!!

 

 

やけに、力が籠ってしまった!マズイ!

俺はそう思い、一瞬動きが遅くなる。そこを、第三者に突かれた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ソーンラプソディ」

 

 

キキキキキンッ!

 

 

突如俺目掛けて放たれてきた複数のナイフを弾く!防御には成功したが、ヴァーリへの攻撃は失敗してしまった。

けど、この技は……

 

 

「おっと、足元注意ですよ?」

 

 

先程の声がどこからともなく響く。その声に一瞬でも気を取られてしまったのが失敗だった。

 

 

「え――ぐあっ!」

 

 

俺の足元には小さな魔方陣があり、そこから地面が隆起し岩槍となって、背中に直撃した。

 

 

 

 

「さて、少し大人しくして頂きましょう。――搦め捕れ戒めの霊鎖!ソリッドコンドラクション!」

 

 

「やっぱり、これはっ――ぐ!?」

 

 

俺の四方に黄金の鎖が現れ、俺に巻き付いた!しかも、エレンピオスの方ではすぐに砕けて消えた鎖が、こちらの世界では持続性重視なのか、直ぐには消えない。それどころか、俺を縛り上げている!

 

 

「くそ、このくらい――」

 

 

「空破鉄槌!エアプレッシャー!」

 

 

「ぐ……体が…重い…!ぐあっ!?」

 

 

 

既に次の術の詠唱が終わり、次は俺を中心に重力場が形成され鎖ごと押し潰される!それと同時に、禁手も解除されてしまった!

くそっ!やっぱり、こっちの世界でもこの術の冴えか…!

俺はもうほぼほぼ力がスッカラカンだ。ヴァーリの半減が結構効いた。それに、魔力による身体強化も思いの外、負荷が掛かっていたみたいだ。いつも通りに上手く力が出ない!

そして、遂にこの術を掛けている本人が目の前に現れた魔方陣から出てきた。

 

 

 

 

「しばしお待ちください、お嬢様。今手当を致します。ヒーリングエチュード!」

 

 

現れた燕尾服の老人は、見た目は齢60歳を超えるくらいだろうか。背中まである長髪を後ろで一本に纏めて、良く手入れの行き届いているであろう顎鬚とメガネが優雅さと静けさを醸し出しているようにも感じる。そして、手には柄の部分に意匠が施され、刀身が細いレイピアをまるで指揮棒の様にして術を唱えている。

彼こそ、エレンピオスでは旅の仲間として同行し、そしてこの世界ではエレンピオスの彼とは別人だが、それでも同様の容姿をした存在――

 

 

「お久しぶりでございます、兵藤一誠様。再会がこの様な形になってしまい、申し訳ございません。しかし、お嬢様に仕えるが故の行動であるとご容赦いただきたい」

 

 

深々とお辞儀をするその老人は俺を一瞥すると、視線を俺の後方へ移した。そこには、今の状況を判断してだろうが、ミラや部長を始め、首脳陣たちも近寄って来ていた。

 

 

「これは、お久しぶりです、総督殿。ご健勝なようで何よりです」

 

 

「ああ、おかげさまでな。まぁ、ヴァーリがそっちに付いたってことで、予想してはいたが……お前も『禍の団』へ行くのかよ、ローエン・J・イルベルト?」

 

 

「ええ。お嬢様が向かわれるというならば、私はどこまでも共に参りましょう。それが、この方を生涯の主と決めた私の責務です」

 

 

「はっ、『責務』ね………」

 

 

「ほっほっほ、口は災いの元。寿命を縮めますぞ?ジジィからのアドバイスです」

 

 

ん?この世界のローエンについてアザゼルは何か知ってるのか?

 

 

 

「では、私達はここを去らせていただきますよ。よろしいですね?」

 

 

「待っていただきたい、ローエン殿。貴方は、かつて『指揮者(コンダクター)』の二つ名で呼ばれ、先の大戦で英雄視されるほど功績を残した方と伺っております。そのあなたが何故……?」

 

 

ローエンを呼びとめたのはサーゼクス様だ。当のローエン本人はニッコリと笑うだけで、ヴァーリに視線を戻した。どうやら語る気はないらしい。

 

 

「さ、お嬢様行きましょう」

 

 

「ローエン、私はまだ――」

 

 

そこで、ヴァーリは口を噤んだ。それもそのはず。ローエンが笑いながら凄いプレッシャーを放っているんだから。ああ、こっちの世界の方が色々と重傷な気がするよ。そう言えば、ドロッセルもローエンの過保護なところには少し苦言を漏らしてたからなぁ。

 

 

 

「さぁ、お嬢様帰りましょう。いくらお嬢様と言えど、これ以上の我儘は認めません」

 

 

「く……うぅ……はぁ…、分かったわよ」

 

 

「お分かり頂けたようで何よりです。皆お嬢様をお待ちしております。さ、行きましょう」

 

 

「おい待てよ、ローエン」

 

 

「何でしょうか?」

 

 

「俺は一応はヴァーリの保護者代理をやって来た。だから、そいつの目的も何となく分かっている。お前の過去を知る分、お前の目的もな。まさかお前の目的のためにヴァーリを利用しようってんなら――」

 

 

何やら、アザゼルからは殺気と同時に堕天使特有の光の力が漏れ出す。ローエンはニッコリ笑って返答した。

 

 

「違いますよ。今の私にとっては、お嬢様が第一です。私の目的――それ即ちお嬢様の目的と同じでございます。では、今日はこれにて」

 

 

「はぁ………イッセー、今日は久しぶりに楽しめたわ。またやりましょう」

 

 

そう言って二人は魔方陣で消えて行った。

 

それと同時に駒王学園に張っていた結界と魔方陣が消えた。

俺は自分の拳を見つめつつ溜息をついていた。ここ最近、明らかにおかしくなりつつある俺の力は一体……

 

 

 

 

 

 

 

――side out

 

 

 

 

――agreement

 

駒王町において三大勢力の代表、『熾天使(セラフ)』ミカエル、『神の子を見張る者(グリゴリ)』総督アザゼル、『紅髪の魔王(クリムゾン・サタン)』サーゼクス・ルシファー、この三名の協議の元和平が結ばれた。

この和平の名を『駒王協定』とし、ここに三大勢力の和平が結ばれたことを認め、以後上記の勢力による協力体制が敷かれた地における一切の抗争を禁ずるものとする。

 

人間勢力代表――兵藤刃紅

 

 

 

――end

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――???side

 

 

「三大勢力が手を結んだか」

 

 

「そのようだな。しかし、お前もいつまで奴に従っているつもりだ?」

 

 

「……知れた事。我の目的を果たすまで」

 

 

「…何もかもが彼女のためと?」

 

 

「ああ。我はその事のみに殉ずる。何を犠牲にしようとも厭わない。お前させも切り捨てるかもしれんぞ?」

 

 

「ふん、構わん。俺は様々な者を見てみたいのだ。いずれ果たすべき俺の夢のために」

 

 

「貴様も目的のため、か。ガイアス」

 

 

「ああ、そうだ。貴様もそうだろう?」

 

 

 

 

 

 

「………愚問だな。そうとも……全ては『かんな』のため」

 




はい、てなわけでようやく、この章も終わりです。長かった・・・

今回出てきた一誠のパワーアップは全然未完成です。構想しているものとは大きくかけ離れております故、お楽しみに。

で、久々に登場のローエン。そして、最後に気になる名前が・・・

さてさて、作者自身もこの後どうなるかは分かりません(大まかな構想はできてるんですが細かい部分はちょっと・・・)

そういや、アニメは第三期絶賛やってますね。なんかオープニングとか見た感じ第5巻を無理やり潰して第7巻あたりの内容までやるんですかね?
ロキ出てきたし。
(アニメで本当にあのシーンやるとは・・・ドライグ、泣いてもいいと思う)


では、長くなりましたが、また次回!
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