ハイスクールD×D ~審判を超えし者~【凍結】   作:メラニン

69 / 90
今回からバイト開始です!

まぁ、所々突っ込むところがありますけど、勘弁してください。


ではどうぞ!


第8話 目の回る忙しさです!

―― 一誠side

 

 

「2番さん、塩2、帰りで焼き2よ」

 

「芦屋さん、13番さん、ソース3、塩4、ラムネ7です」

 

「イッセー君!11番さん、お好み7で、コーラ5、帰りが焼き5よ!」

 

「岩2番さん、生4、チキン1、ソース3、帰りがフランク5ですわ」

 

「4番さん、生2、ビーフ2、帰りが塩2だ」

 

「はい、お待たせしました!6番でお待ちのお客様!」

 

「イッセー!こっちに、お好みと焼きが1ずつ足らないにゃん!」

 

 

「分かった!今できるの回して!」

 

「イッセー!2番さん追加でお好み2よ!」

 

「兵藤さん、空きを借りて、塩をもう一山焼きます!」

 

「了解!焼きのタレ漬けはやっとく!部長、コレ作ってあるのがあります!こっちを2番さんに!」

 

「8番さん、追加で生1、ウーロン1です!」

 

「真奥君!レジ大丈夫だから、生まとめて持って行って!」

 

「了解です!おい、漆原!回転上げろ!あと、ウーロン取れ!」

 

「もう無理!!限界!!」

 

「右に同じですぅ!!」

 

「バカヤロー!限界は自分で決めるもんじゃねえ!」

 

「「真奥(さん)の熱血バカー!!」」

 

 

「アーシア、盛り付けと対応私がやるから、ビーフ焼いて!」

 

「は、はい!分かりました!フランクも私がやっておきます!」

 

「お願いね!お待たせしました!チキンカレーお待ちのお客様ー!」

 

 

 

 

「イ、イッセー先輩!イチゴのシロップが切れましたぁ!」

 

「木場!これ持ってって!予備のシロップ!取り敢えず2本!あと、メロンも切れそうみたいだから、コッチも1本!」

 

「了解だよ、イッセー君!」

 

 

早朝の閑散とした海岸は何処へやら。今現在午前10時。オープンから僅か一時間で、ここ君ケ浜海岸で唯一の海の家『大黒屋』は戦場と化していた。因みにホールが言ってるソースってのはソースヤキソバの事で、塩は塩ヤキソバ、焼きは焼きトウモロコシ、お好みはお好み焼きって感じだ。他にもドリンクも省略して言っている。何だか訪れるお客さんが変な感じがするが、それすら気にしてる暇がない程忙しすぎる。

 

何でここまで忙しくなったかというと、原因はまず外にある鎌月さん作の『砂楼・蒼天蓋』だ。そこに人集りができて、それが人をさらに呼んだ。こうも思惑通りに機能を果たした『砂楼・蒼天蓋』はまさに大当たりだ。

で、ホールの子達が可愛いだとか、イケメンがいるとかでさらに人が増えた。まぁ、確かにホールで働いてるオカ研メンバーは素直に美人が多いし、木場は学園でも大人気だからな。因みになぜか、焼いている俺の方にも忙しいのにも関わらず、「スマイル下さい!」なんて言う子が来たりした。無下にする訳にもいかないので、一応はやりましたよ、はい………このオーダーを受けるのって◯ックだけじゃないんだな。本人達は嬉しそうにしてたからいいのか?ってか、忙しいのでイタズラ感覚でオーダーするのをやめていただきたい。

 

他にも木場が空中にキャベツを一玉投げて、持ち前の剣捌きで包丁を用いて微塵切りにするデモンストレーションを行ったことで、さらにギャラリーが増え、同時にそのギャラリーがそのままお客になる。何やってくれてんの、この『騎士』…………

そこで、50人以上対応できる店内の席は満席御礼で、外には人、人、人。行列を作ってお客を待たせるのも悪いということで、外の岩場にレジャーシートを固定し、岩肌を隠して座席にして対応できるようにしたらこうなった。

 

しかも、カキ氷の作戦も成功だったらしく、漆原とギャスパーの前のカキ氷機には長蛇の列が………

お客さんも自分の好きな量でカキ氷を作れるし、自分の好きなシロップかけ放題というのが人気らしく、列が消える様子がない。それに、値段が安めに設定してあるので尚更行列に拍車を掛けている。

天祢さんも

「いやぁ、まさかここまでお客が入るとは……こんなの初めて。本当はホールの子達くらいは交代で遊べるくらいを想定してたのに、完璧想定外だわ」

と一人ゴチていた。

 

 

 

止まらない人の列を前に、大黒屋の対応できるキャパを超えつつあった。

かく言う俺も、他の場所にヘルプに行けない!お好み焼きのオーダーは捌ききっているが、焼きそばの人気が半端じゃない!隣の芦屋も焼きそばと必死に格闘を繰り広げていて、俺も今しがたソースの方を一山作り終えた。まぁ、この忙しさがあるので、懸念していたナンパなんかは起こっていない事だけが救い――

 

 

 

 

 

「ちょ、あの……困りますっ!どこ触ろうとしてるんですかっ!?」

 

 

「へっへへへ、いーじゃねえかよ。俺たち男だけで来てて寂しんだよ。一緒に遊ぼうぜ?ほら、お客様へのサービスって事でさぁ」

 

 

………前言撤回。騒音の中で声が聞こえ、視線を向けるとイリナが数名の刺青を入れたガラの悪そうな男達に絡まれていた。顔が赤いことから、酔っているんだろう。普段のイリナなら自分で対処するだろうが、今は人外特有の高い身体能力も、力も使えない。

まったく、このクソ忙しい時に(怒怒怒怒怒)………………

 

 

「スンマセン、対応に行ってきます。お好みはもうオーダー捌いたんで、焼きそばに半分使って下さい」

 

 

「はい、分かりました。お気をつけて」

 

 

 

 

芦屋が嘆息しながら了解をしてくれると、俺はイリナの元に駆け寄り、イリナの肩に触れていた男の手首を掴み捻り上げて後ろに回す。相手は四人か。バレない様に戦っても余裕で勝てるな。

 

 

「いでででっ!な、何すんだ、クソガキ!」

 

 

「お客様、あちらの張り紙はご覧になって頂けたでしょうか?」

 

 

笑みを崩さず問いかけると、男は何とか俺の手を振り解こうともがくが、その程度で離す訳がない。

 

 

「けっ、粋がりやがってガキが!あんなモン知るか!ガキのお前に俺たちが社会のルールってのを教えてやるよ」

 

 

「この店に書かれてるルールも守れない大人が社会のルールを知ってるんですかー。凄いですねぇ。そんなお客様たちでも渡っていける程社会は甘いんですかー。なるほどー、参考になりますねー。では、ぜひこの若輩者にご教授していただきましょう」

 

 

「ざけんなあっ!」

 

 

そう言って、抑えている男とは別の男が顔面の中心にストレートを放つが、俺にはゆっくり迫って来るように見える。普段から相手にしている父さんの拳は本気でやると、一挙動毎に衝撃波が出てたくらいだからな。それに比べたらミジンコもいいとこだ。

 

 

取り敢えず、迫って来る拳と俺の額がぶつかる様に顎を引く。

 

 

ゴンッ!

 

 

俺の額に拳が当たる。当たった瞬間にワザと仰け反る。それを好機と見た男は俺に組みかかろうとして来るが、俺は相手のズレた重心を利用して、すれ違い様に足を引っ掛けて転ばせる。それを足で踏みつけて動けないようにする。

俺は天祢さんの方にアイコンタクトを取ると、腕組みをした天祢さんが、親指を立てた手をクイっと入り口に向ける。アレはいざという時の為に決めておいた、本当にナンパが起こったら、どうするかのサインだ。あのサインは、行動が悪質と天祢さんが判断した場合、張り紙にある通り退店させて良し、という合図だ。

 

 

俺は右手で一番初めに捕まえた男をそのまま、転んだ男の方は足を掴んで引き摺って店の外に放り出す。残りの2人もついでに、押し出すようにして外に追い出した。

 

 

「さて、もう入店しないで下さい。女の子に触れた事はまぁ、…………………………………………………………大目に見ましょう。それでは失礼します」

 

 

 

「フザケンナアァァァッ!」

 

 

 

俺が背を向けた瞬間に1人が襲いかかって来た。大きめに回転する様にしながら、後ろから飛んで来る拳を避けつつ後ろに回り込む。そして、後頭部を鷲掴みにして一気に灼熱の砂の上に叩きつける!

勢いが若干強すぎたのか、どっかのギャグ漫画みたいに頭が埋もれてるけどいいか。一応手がピクピク動いてるから生きてるだろ。

 

 

「この!よくもダチをやりやがったなっ!」

 

 

はぁ………どうしてこう、自分の言ったことがブーメランって分かんないですかねぇ?と俺は心中大きな溜息を吐きつつ、向かってくる男共を捌きにかかる。ただ、さすが酔っ払い。体の軸がズレまくってる。これなら、簡単に大人しくさせられると思い、一人は先ほどの様に砂浜に頭を埋めて、もう一人はすれ違い様に鳩尾に一発。最後の一人は殴ってきた腕を絡みとり、柔道の一本投げの原理プラス、投げると同時に軽く蹴って投げ飛ばす!

最後の一人はなんか2mくらい飛んで背中から落ちたけど、平気………だな。まだ動いてるから。ゲホゲホ言っててまだ意識もある。

 

 

 

 

 

 

投げ飛ばした奴に目線を合わせて、ワザとドスの効いた様な小声で話す事にした。

 

 

「おい、あそこの店で働いてる女の子達は俺の大切な存在だ。俺は仏じゃないんだ。我慢強くないから3回も許さんぞ?次も同じ様な事があれば…………分かってるよなぁ?」

 

 

「ひ………わ、わわ分かりましたっ!」

 

 

「とっとと、この砂浜からそこのゴミ連れて消えろ。二度とここへ来るな。もし次お前らが俺の視界に入ろうものなら……………………◯◯◯?」

 

 

サーっと顔が青くなった男は砂浜に頭を埋めている男二人をたたき起こし、腹を抑えてる男に肩を貸して足早に海岸を去って行った。男どもは近くに停めてあったらしい、車に乗り込み逃げる様に車を出した。

これにて解決………

 

 

 

 

 

 

 

 

じゃない。そこで、俺はハッと気付いた!自分がやり過ぎてしまった事に。学生が大の大人四人相手に大立ち回りすれば目立つ目立つ。最後の会話は多分声を小さくしてたから聞こえていないとは思うけど……

砂浜はシン……となり視線が俺に集まっていた。ヤヴァイ…………

 

 

 

パチパチパチ………

 

 

「え?」

 

 

俺が冷や汗をかいていると、ところどころで拍手が起き始めた。俺は訳が分からずキョロキョロしていると、今朝の食材を届けてくれた漁協のオッさんが近付いてきて、バンバンと俺の肩を叩きながら、褒め称えてくれた。

 

 

「よう、今朝のアンちゃん!いやぁ、胸がスカッとしたぜぇ!あの四人組には俺たちも毎年困ってたんだ!いつも女性客からのクレームの原因を作ってた連中だからな!何時もなら俺が注意勧告するだけなんだが、今日はアンちゃんが文字通りブッ飛ばしてくれたからな!いやぁ、爽快だったぜ!」

 

 

ワラワラと人集りができる。皆口々に褒めてくれる。結果としては良かったのか……?

 

 

と、人の波を掻き分けて天祢さんが来てくれた!ナイス救世主!

 

 

「兵藤君、大丈夫かい?…………ま、平気みたいだね。さてと………………皆さん!大変お騒がせしました!この子はそこの海の家で働いてくれてる学生君です!一目見たい方が居れば、是非すぐそこの『大黒屋』へ!スマイル要望したり、握手を要望したら応じてくれる素直な子です!是非お越しください!」

 

 

………ちゃっかり宣伝に使われた。ってか、天祢さん?俺の業務サラッと増やしませんでした?嫌ですよ?また「スマイル下さい」とか言われるの。あと、握手って何!?

とにかく、天祢さんの機転もあり俺は何とか人集りを脱した。大黒屋に戻ったら、中に居たお客さんから拍手喝采を受けて恥ずかしかった。何か黄色い声みたいのも聞こえた気がするけど、正直恥ずかしさの方が上回ってそれどころじゃなかった。

 

 

 

――○●○――

 

 

 

 

さて、痴漢騒動から少し経って、人が若干履けてきたと思ったら、また慌ただしくなってきた。それもその筈。今の時間から本格的なランチタイムな訳だし。しかし、人が履けた段階で何も手を打たなかった訳じゃない!

仕込みはやり直し、予想されるお客の人数に対応できるように準備もした。さらに、救世主が来てくれた!

 

 

「真奥さん!こっちのレジはやっておくので、伝票お願いします!」

 

「貞夫殿、私はミラ殿とアーシア殿のサポートに入る」

 

「いい!?勘違いするんじゃないわよ?コレは助けた訳じゃなくて、貸し一つだからね!」

 

 

「分ーってるよ!とにかく、ここは頼んだ!今急いで伝票の予備を持ってくる!」

 

 

そう言って真奥は足早に伝票の予備があるという離れに向かった。真奥が離れても問題無いようになったのは、水着姿の遊佐さん、鎌月さん、千穂さんが来てくれたからだ!千穂さんはオレンジのセパレーツタイプでフリルの付いた水着で、日焼け防止のためのバイザーを付けている。鎌月さんは黒いホルターネックタイプで、小さい白のリボンがアクセントで付いており、ミラたちと同じエプロン姿だ。遊佐さんは胸元に大きなリボンの付いた南国カラーの鮮やかな水着に同色のパレオを巻いている。そして、全員が俺が買ってきていた白のパーカーに『大黒屋』のシールを貼っている。

 

本格的なランチタイムに入る前に、なぜか人員が足りないだろうというのを予想して駆けつけてくれた。しかも、氷業会社に遊佐さんが連絡してくれてカキ氷機の追加リースとそれに伴うシロップのお試しサンプル、氷の追加もしてくれて先程のカキ氷機の前の行列が結構減っていく。

でも、何で人手が足りなくなるって予測できたんだ?試しにコッチのサポートに入ってくれた遊佐さんに聞いてみることにした。

 

 

「あの、遊佐さん。何で人手不足になるって分かったんですか?」

 

 

「ああ、コレよ。あなた有名になってるわよ?」

 

 

そう言って遊佐さんはスマホに映し出された画面を見せてくれた。そこには動画が流れており、その内容は俺が先ほどの刺青を入れた男どもを砂浜にめり込ませ、鳩尾に一撃を入れ、投げ飛ばす映像だった。

 

 

「誰か撮ってた人がいたみたいで、拡散されたのね。もしかしたら、もっと増えるかも」

 

 

「………………立場的に喜んでいいのか微妙です」

 

 

「まぁ、そうよね。何たって正体は異世界の悪魔だものね」

 

 

「いや、悪さとかしてませんから。敵意を向けんで下さい」

 

 

「………分かってるわよ」

 

 

渋々といった様子で、遊佐さんは後ろのバーベキューコンロのフランクフルトと焼きトウモロコシをひっくり返す。うーん、悪魔相手に肩肘張って疲れないのかね?いつか限界が来そう。

因みにアラス・ラムスは遊佐さんの頭の中。もとい聖剣と融合状態であるらしい。で、お昼寝中との事。まぁ、だから手伝えるんだろうけど。

 

 

とにかく、遊佐さんたちの登場で何とか危機は脱した。あとは、今居るお客を捌ききるだけだ!うおぉぉ!やってやらあぁぁぁ!

 

 

 

「すいません!握手とスマイルお願いします!」

 

 

 

…………前言撤回。早速入れ直した気合が音を立てて崩れ去るような気がした。そこから、俺は機械的に仕事をこなしたため、仕事の記憶がない。

 

 

 

――side out

 

 

 

 

 

――木場side

 

 

ふぅ、遊佐さん達のお陰で『大黒屋』の危機は脱せたね。まぁ、変わらず忙しいんだけどね。けど、午前中よりは大分マシだと思う。人自体は多いが、ホールの人数は増えたし、厨房の方もサポートが入った事でグッと楽になったからね。でも、イッセー君は機械的に仕事をこなしてるような感じがする。何故だろう?

 

 

「天祢さん、コッチは鉄板メニュー完売です!」

 

 

「げ、マジ!?うーん、じゃあ芦屋君たちはバーベキューコンロの方に専念して!ミラちゃん達はカレーに専念!あと、木場君!外のメニュー表に完売シール貼ってきて!」

 

 

「はい、分かりました!」

 

 

僕は外のメニュー表に書いてある、焼きそば2種類とお好み焼きにシールを貼って再び店内に戻る。今は午後1時ちょっと前。あと30分もすればランチタイムは終わり、客足も減るらしい。ここが正念場!

 

 

それから全員で奮闘し、ランチタイムを何とか乗り切ってようやく客足も途絶え始めた。結局カレーも完売してしまい、フード関連は大成功だった。まぁ、あのイッセー君やミラさんが料理したんだから、当たり前なのかな?芦屋さんも料理は上手だったし。

とにかく最終的に販売できるのは、焼きトウモロコシ、ドリンク各種、生ビール、カキ氷だけになってしまった。途中でフランクフルトも売り切れちゃったからね。ここまで、販売品目が少ないとさすがにお客さんももう余り来ていない。それで、僕らは本来の閉店時間午後4時よりもだいぶ早い午後1時半過ぎには仕事から解放されてしまった。今も残って働いてるのは天祢さん、真奥さん、芦屋さん、漆原だけだね。

 

 

そして、僕らは学生らしく海を満喫しなさいという天祢さんの計らいの元、砂浜で遊ぶ事になった。

 

 

 

――side out

 

 

 

 

 

―― 一誠side

 

 

 

「……セー………ッセー君!……………イッセー君!!」

 

 

「はぁっ!?な、何だ!?え、何?え?え?」

 

 

「うわ、本当に作業マシン状態だったのね。途中からオカシイと思ったけど」

 

 

「ま、まぁまぁ、ミラさん。イッセーさんも大変だったみたいですし」

 

 

俺は今、オカ研のメンバープラス、この世界の女性陣、遊佐さん、鎌月さん、千穂さんに囲まれた状態で意識を戻した。あれ、俺はバイトをしてたはず。何で砂浜に居るんだ?

 

 

「ま、まだ、イッセー先輩が状況が飲み込めていない顔をしてますぅ……」

 

 

「珍しいな、イッセーがそうなるとは。いや、もしかしたらチャンスだったのか?コレは惜しい事をしたな。よしイッセー、もう一度意識を失っておけ。その間に――」

 

 

「ゼ、ゼノヴィア!ストップ、ストォォップ!あなた、また変な事言おうとしたわね!?もう少し自分の言動を考えなさい!」

 

 

「む、イリナに言われたくはなかったんだが……」

 

 

「ちょっと、それどういう意味よ!?」

 

 

「もうやめなさい、あなた達。はぁ………頭が痛いわ」

 

 

「ふふ、そんな顔をしていたら、折角の海水浴が台無しですわよ、リアス」

 

 

「まぁ、そうね。折角天祢さんから、ご厚意で早めに切り上げられたんだもの。もっと、海を満喫しましょう」

 

 

「皆さーん!パラソル借りてきましたよ!」

 

 

声の方を見てみると、千穂さん達がパラソルを抱えてこっちに向かってきていた。その後ろをクーラーボックスを持った木場が付いてきている。

 

 

「あ、イッセー君、戻ったんだね。はい、天祢さんからの差し入れだよ」

 

 

そう言って木場が、一本の茶瓶を投げて渡してきた。

俺は、蓋を開けてキンキンに冷えたそれを一気に飲み干した。うん、元気ハツラツになるより、頭がキーンってする。けど、この炎天下でコレはありがたい。

 

 

「あ、起きそう。千穂ちゃん、悪いんだけどパラソルを横に広げて一瞬でいいから隠してくれる?」

 

 

「はい、いいですよー」

 

 

すると、千穂さんがパラソルを横に開いた一瞬で、遊佐さんの腕の中には光が溢れ出し、それが人の形を取っていく。そして、最終的にはイェソドの化身であるアラス・ラムスが出てきた。お昼寝中だった為か、眠そうな目をクシクシと擦りながら、意識を覚醒させる。

 

 

「おはよう、アラス・ラムス。オムツ大丈夫?」

 

 

「うゅ……あいじょぶ……」

 

 

大きく欠伸をし、真夏の太陽の眩しさにアラス・ラムスは目を細めている。

 

 

「それにしても便利そうね、今のは」

 

 

ミラがアラス・ラムスを覗き込みながら遊佐さんに呟くと、遊佐さんは辟易したように応答する。

 

 

「頭の中で常に夜泣きされてもいいなら、融合子育て記、とでも題してブログを始めてそこでレクチャーするわよ」

 

 

その返答に女性陣は全員苦笑い。皆便利そうだって考えてたのかな?

けど、確かに子供の鳴き声って独特だよな。なんというか精神に来る。

 

 

「まま!あお、いっぱい!けせど!ざぶーんであそぶ!?」

 

 

「そうね。じゃあ、着替えましょ。悪いけど、アラス・ラムスを着替えさせてくるわ。パラソルとか他にも色々の設営よろしく」

 

 

そう言うと遊佐さんはアラス・ラムスを抱えて、大黒屋の離れに向かった。

で、俺たちの方は早々に準備を終えて、海で遊び始めーーようとしたんだけど……

 

 

「ここだったら、前のプールでの勝負の再戦ができるかしら……?」

 

 

部長がボソッと呟いたその一言が聞こえたのか、ミラ、朱乃さん、黒歌、ゼノヴィアの表情が変わった。

 

 

「あの、部長?さすがにここでは辞めません?人も一杯いますし」

 

 

「大丈夫よ、イッセー。それに競泳で勝負するわけじゃないわ」

 

 

「え?じゃあ、何で勝負を……」

 

 

「ズバリ、ビーチバレーよ!折角海に来たんだもの。海らしい遊びで決着をつけましょう」

 

 

「あらあら、いいですわね。負けませんわ」

 

 

「いいわ。その勝負受けて立つ!」

 

 

「おおー、ミラちんもやる気にゃん。ま、私もだけど。ねね、リアスちん、どうせならチーム戦にしないかにゃん?」

 

 

その黒歌の案が快諾され、ビーチバレー勝負の開催が決定した。

 

 

…………不安だ。

 




次回はちょっとした小話ですね。


少し声優さんネタをば・・・


では、また次回お会いしましょう!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。