ハイスクールD×D ~審判を超えし者~【凍結】   作:メラニン

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お待たせしました!


今回からようやっと、新章突入です!
章の名前がアレ、違う?
と、思われた方がいらっしゃるかと思いますが、故意的にそうさせていただいてます。理由はまぁ・・・・・・お楽しみで。

ではどうぞ!


第6章 冥界合宿のヘルキャッツ
第1話 冥界訪問です!


 

 

―― 一誠side

 

皆さん、オハヨウゴザイマス。今日は早朝から最寄り駅のホームに来ている。

まぁ、これから部長の故郷である冥界に行くためだ。何でもこの駅の地下から向かうらしい。それで今は木場達を待っているというわけだ。既に俺の家に住んでいるオカ研部員達はイリナを除いて集合している。イリナ本人は天界側のルートから入って向こうで合流する予定だ。だから、今回悪魔側のルートから入るのは俺、部長、朱乃さん、小猫ちゃん、アーシア、ギャスパー、木場、ゼノヴィア、ミラ、黒歌だ。家を出る前に母さんが珍しく絡んでこなかったのが少し不安。

っと、木場とギャスパーが現れた。

 

 

「これで全員ですか?」

 

 

「いえ、実はアザゼルと福山も私たちと一緒に冥界入りするのだけれど、まだ来ていないわね」

 

 

「置いて行ってもいいんじゃない?一応堕天使のトップなら自力で冥界入りできるでしょう?」

 

 

「ミラの言う通りかもしれないわね。時間も押してるし、このまま――」

 

 

「待て待て待て!顧問の俺を置いてくな!」

 

 

と、そこにアザゼル先生が息を切らしながらやって来た。………簀巻きにしたフー先生を抱えて。アザゼル先生の方は所々に切り傷を負っている。

 

 

 

「………あの、そのミノムシみたいになってる人は如何したんですか?」

 

 

もしかして、行くのを渋ったから無理矢理連れて来たとか?そう思っていると、フー先生の方が口を開いた。

 

 

「うぅ………ア、アザゼル、助かった。もう俺……死ぬかと思った」

 

 

「ああ、俺も途中で真っ二つにされるかと思ってヒヤヒヤしたぜ」

 

 

ん?どうやら、俺の想像とは違ってる様だ。

 

 

「何があったんですか?」

 

 

「あぁ、コイツの白衣に盗聴器が仕込まれてたらしくてな」

 

 

「はぁ……」

 

 

「その盗聴器を仕掛けた本人ってのがコイツの嫁だったんだが………コイツはこの前、木場とお前、リアスを連れて北欧の方に行っただろ?」

 

 

「……行きましたね」

 

 

「そこでコイツが、気に食わなければ俺を殺せ的な事を言ったらしいな?」

 

 

「確かに、僕に聖剣を渡してそんな事を言いましたけど、斬ってないですよ?」

 

 

「ああ、そうなんだが、問題はこいつの嫁が重く受けとっちまった事でな。コイツが遅くになっても来ないもんだから様子を見に行ったら『私を残して死ぬつもり!?』って、まぁその事で大激怒してやがったんだよ」

 

 

「ほ、本当に死ぬかと思った………た、頼むから聖剣で薄皮一枚ずつ斬ってくのは勘弁………」

 

 

フー先生が珍しくこんなにブルブル震えてるって事はよっぽど怖いんだろうな。どんな人なんだろう?

 

 

 

「まぁ、揃ったならいいわ。取り敢えずここから降りましょう。まずは、私とイッセー、アーシア、ミラは初めてで慣れてないでしょうから一緒に来てちょうだい。慣れてる朱乃達は後から付いて来てくれるかしら。じゃあ、行くわよ」

 

 

そう言うと駅の一角にあるエレベーターに乗り込む。で、扉が閉まると部長は紅いカードを取り出して機械に翳す。するとエレベーターが認証したのか、ピッという音を立ててエレベーター特有の浮遊感に襲われる。

 

………大分降りてるな。結構なスピードで地下に潜ってるぞ。

 

 

 

しばらくすると、エレベーターの扉が開いて目的地に到着した。

 

 

そこには、紅い外装をベースにして、普通の列車では考えられないくらい鋭角なフォルムの列車が停まっていた。あ、よく見るとグレモリーの紋章もある。あと、ルシファーの紋章もあるって事は、これを作ったのはヤッパリ、サーゼクス様を筆頭にしたグレモリー家なんだろうな。

全員が地下のホームに集合したところで、列車に乗り込み俺たちは出発した。

 

 

 

 

 

――○●○――

 

 

俺たちの乗ってる列車は一車両がウチのリビングくらいの面積があるんじゃないか、ってくらい広い。列車の窓際には円形のソファが鎮座して、中心には丸テーブルがあり、そこに座って車内での旅行を満喫している。

 

アザゼル先生とフー先生はこことは少し離れた所のソファで足を投げ出して寝ている。なんやかんや、あの上司と部下は性格が似ている気がする。

 

 

 

で、少し離れて別の窓際でボーっとしているのが小猫ちゃんだ。声を掛けに行こうとしたら、意外なことにギャスパーが代わりに行ってくれた。やっぱ、同じ一年同士で何か通じるものがあるのかな?にしても、小猫ちゃんがボーっとするなんて珍しい。

 

 

「って思うんだけど、どうだろな、黒歌?」

 

 

「んー?なーにぃ?」

 

 

 

黒歌本人は今どういう状態かと言うと、俺の膝上に猫フォームで丸まっている。それを俺が撫でている状態だ。普通の猫は俺の膝上に乗ってくれないので、今の状態は結構気に入っている。あぁ、やっぱり猫って柔らかくていいなぁ…

 

 

「だから、白音の様子がおかしいだろ?あんな風にボーっとするなんて」

 

 

「んー………まぁ、アレは白音自身の問題にゃん。私には見守る事しかできないわ。あ、イッセー、もうちょ耳の後ろ」

 

 

「はいはい」

 

 

 

 

取り敢えず俺は黒歌の言った通りに耳の後ろを撫でつつ、首の辺りを掻いてやる。喉をゴロゴロ鳴らしてるあたり本当に猫なんだよな。俺も目一杯猫に触れるので、ここぞとばかりにモフモフ撫でている。

そんな事をしつつも、黒歌はさっきから視線が偶に白音の方に向いている。口ではあんな事を言っているが、行動を見る限り気にはしているんだろう。まぁ、俺も気にはなるけど、黒歌がああ言うんだから俺も見守るだけにしよう。原因は分かり切っているんだから。ただ、その原因というか問題はこの猫姉妹自身しか解決できない。いや、まぁ俺にも非はあるが、まずはこの俺の膝上で丸まっている黒猫と、窓際で黄昏ている白猫が歩み寄らないとな。

 

 

「あ、そうだわ。イッセー、アーシア、ゼノヴィア。ちょっと来てくれるかしら」

 

 

部長が俺たち3人を招集した。俺は黒歌を隣の席に移して部長の元に向かう。

 

 

「はい、何ですか、部長?」

 

 

「そう言えばあなた達に領土をあげてないって思い出してね。丁度いいからここで希望があれば聞こうと思ったのよ」

 

 

「「「……領土?」」」

 

 

何だか歴史の授業でしか聞かないような単語が出てきたぞ?

 

 

「ええ、そうよ。あなた達は私の眷属なのだから、グレモリー領の一部をあげるわ。基本的にどの眷属悪魔も主から領土を貰えるのよ」

 

 

「……って事は、木場とかも?」

 

 

「うん、僕も持ってるよ」

 

 

「冥界は人間界と違って海が無いの。なのに、地球の表面と同等程度の面積があるから、実はそれぞれの貴族も自分の領土が広すぎて手付かずになってる事が多いのよ。それはグレモリー家も例外ではないわ」

 

 

「あの、因みにグレモリー領ってどの位の広さ何ですか?」

 

 

「確か日本の本州と同程度か少し広いくらいだった筈よ」

 

 

 

うわお。スケールデケー………

いや、ゴールデンウィークの時に土地が云々の話はしたけど、あれは個人が持ってるんじゃなくて、会社という組織で所有してるから、今回の話と少し違うわけで……

少し唖然としていると、部長が地図を出してきてテーブルの上に広げた。

 

 

「さ、選んでちょうだい。赤くなってる部分はもうダメだけど、それ以外の好きな所をあなた達にあげるわ」

 

 

 

………さすがは冥界のお姫様だよな。こんな風にポンと土地を与えてしまうあたり、改めてそれを実感させられるよ。

まぁ、取り敢えず周囲が森林にデッカい湖がある場所を選んだ。何をするにも水源は大事だし。そう、取り敢えず水源さえあれば、生活の最低条件は満たせる。それに木材があればイロイロと出来るから、という理由で選ばせて貰った。何だか日本の県1個分くらいの広さを貰っちゃったんですけど………

こんだけ貰ったら、そりゃ領土を持て余すよ………

 

 

俺はものの1分で決めてしまって、アーシアとゼノヴィアはまだ悩んでいるようだ。まぁ、2人には1番縁遠い話だっただろうからな。悩むのは当然か。

 

 

 

 

「ほっほっほ。あの小さかった姫様が眷属を引き連れて来るとは。長生きはするものですな」

 

 

いつの間にやら、白い顎鬚を生やして駅員のような帽子を被った初老の男性が座席の側に立っていた。

 

 

「お初にお目にかかります、眷属の皆様。私はこの列車の車掌をやらせて頂いております、レオナルドと申します。これから、入国に際しまして皆様に入国審査を受けていただきます」

 

 

「入国審査、ですか?」

 

 

 

「はい。まぁ、と言ってもすぐに終わりますので、そんなに緊張なさらないで下さい。これをやらずに冥界入りしてしまうと、違法入国になってしまうのです」

 

 

……マジでか。前に軽い気持ちで魔王様ってどんなのだろう、って冥界に行こうと思ったことがあるけど、実行しなくて良かった……

レオナルドさんは空港の手荷物検査で見るような機械を出してきて、俺、アーシア、ゼノヴィアの順でチェックしていく。警報音が鳴ったりしなかったので、全員がOKだったらしい。

 

 

 

「では、次にゲストの方々は、髪の毛を一本でいいので、頂いて宜しいでしょうか?」

 

 

「いいわよ、はい」

 

 

「いたっ………はいにゃん」

 

 

「どうも有難うございます」

 

 

レオナルドさんは今度は、ミラと黒歌の髪の毛をシリンダーの様な物に入れて、黒い別の機会にセットすると、画面に本人一致という文字が出てきたので問題無いようだ。

 

 

 

それから、別のソファで寝ている教師2人も髪の毛を引っこ抜かれてチェックされていた。取り敢えず全員が問題なく冥界入りを果たせることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――○●○――

 

 

 

 

『リアスお嬢様!お帰りなさいませ!!』

 

 

列車から降りると、その瞬間に部長の帰りを祝う声が聞こえ、祝砲が鳴らされた。上空には小型のワイバーンの様な生物に乗った人たちが旗を持って行ったり来たりして忙しく飛んでいる。冥界が初めての俺、ミラ、アーシア、ゼノヴィアは目を丸くして驚いた。すげえな、コレは。

因みにアザゼル先生とフー先生はあのまま魔王領まで行くと言って、列車で行ってしまった。

 

 

道の両端に部長を一目見ようと人が押しかけて、部長も「ありがとう」と、言ってそこを進んでいく。進んだ先にはメイドや執事が横一列でピシッと並んでいた。その中心に居るのはグレイフィアさんだ。グレイフィアさんは一歩前に出ると頭を下げて出迎えてくれた。

 

 

 

「お帰りなさいませ、お嬢様。そして、ようこそいらっしゃいました、眷属の皆様とご学友の方々。さ、馬車にお乗りください。本邸までご案内致します」

 

 

「ええ、ただいま、グレイフィア。案内頼むわね」

 

 

グレイフィアさんは馬車へと案内してくれた。そこにあったのは黒と紅塗りされた豪華な馬車だった。それぞれに世紀末覇者が乗るような巨大な馬が2頭ずつ繋がれている状態で待機していた。けど、馬車か………

 

 

 

「さ、お乗りください………あら?」

 

 

グレイフィアさんがオカシイと感じるのもその筈。なんたって、繋がれてる馬が蹄を地面に当てて明らかにコッチを警戒しているんだから。はぁ………

 

 

「………アンタ、冥界の動物にすら嫌われるのね」

 

 

ミラが容赦ない指摘をしてくる。

 

 

「ぐっ………ち、違うぞ!?コレは警戒されてるだけであって、嫌われてる訳じゃ……」

 

 

「はぁ……困ったわね。イッセーだけ歩かせる訳にも行かないのだけど……」

 

 

うぅ、こんな時にまで俺の動物除けスキルが………

 

 

「い、いいですよ!俺はテミスに乗って馬車の後ろを付いて行きますから!じゃあ、また後で!」

 

 

地上で具現化する訳にもいかないので、俺は悪魔の翼で急上昇してテミスを具現化する。急に現れたドラゴンに地上の人はどよめいてるが……

取り敢えず俺はテミスの背に胡座をかいて座った。

 

 

『ふふ♪災難でしたね、主様』

 

 

「うっせ………ほら、馬車が出るみたいだから遅れないようにな」

 

 

『いえ、むしろゆっくり飛ばないとウッカリ追い越してしまいそうです』

 

 

「あーそっか。じゃあ、程よく飛んでくれ」

 

 

『はい、主様。私も冥界の空は初めてですので、加減して飛びます』

 

 

テミスはそう言うと、下方にいる馬車を抜かさないように何時もよりゆっくり飛んでくれた。と、そこで俺の左手に宝玉が現れる。

 

 

『……主、なぜテミスなのだ?』

 

 

『あれ、レディオン嫉妬かい?』

 

 

『……違う』

 

 

「あぁ、そりゃ雄々しいレディオンやクロノスでもいいけど、今回は部長を迎えてくれた人達に合わせたんだよ。折角出迎えに来たのに畏怖させちゃったら、申し訳ないだろ?だから外見が宝石みたいな鏡の鱗のテミスがいいと思ったんだ」

 

 

『あら主様、嬉しい事を言って下さいますね♪』

 

 

「まぁ、事実だしな。ほら、実際に下に居る人達も怯えた目の人は居ないだろう?」

 

 

そう言って下を覗き込むと、どちらかと言うと見惚れてる様な目をした人の方が多い。子供なんかは追っかけてきてる。と、そうして暫く飛んでいると、何やら荘厳な城の様な……と言うか、城が見えてきた。まさか、アレが?

あ、どうやらそうらしいな。部長達の乗った馬車が入り口付近で止まっている。馬車の前にはメイドや執事がズラリ。テミスは城の上空から全体を見渡すようにしながら、ぐるりと一周してから静かに降り立った。まぁ、あまり激しく風を起こそうものなら、庭の植栽が傷みそうだったし。ってか、本当に庭か、コレ?地面に降りると何処から何処までが庭か分からないな。取り敢えずテミスには俺の中に戻ってもらって、入り口に駆け寄る。

 

 

「イッセー、どうだったかしら?冥界の空中散歩は?」

 

 

「まぁ、中々面白かったですよ。冥界の空って紫なのがまた普段と違う景色なので新鮮でした」

 

 

「ふふ、そう。なら良かったわ。さ、入ってちょうだい」

 

 

俺は案内されるまま扉をくぐった。と、同時に紅い髪をした少年が部長に飛びついてきた。

 

 

「お帰りなさい!リアス姉さま!」

 

 

「ただいま、ミリキャス。大きくなったわね」

 

 

部長が微笑みながら少年の頭を撫でている。少年と言う割には中性的な顔つきだけど。紅い髪って事はこの子もグレモリー家の悪魔なのかな?

 

 

「ほら、ミリキャス。私の眷属達に挨拶をして」

 

 

「はい!初めまして、眷属の皆さん!ミリキャス・グレモリーです」

 

 

「初めまして、『兵士』の兵藤一誠です。…………えっと、リアス様のご姉弟ですか?」

 

 

話を聞いていた部長がクスリと笑って、補足してくれた。

 

 

「この子は私の甥よ。お兄様の子供なのだけれど、今の魔王は世襲制だからこの子もグレモリー姓を名乗っているのよ。私に次ぐグレモリー家の次期当主候補よ」

 

 

なるほど。って事は、リアル王子様って訳だ。通りで挨拶一つ取っても立ち振る舞いに気品がある。

 

 

「お嬢様、眷属とご学友の皆様、お部屋の準備が出来ております。旦那様も奥様も今は外出中ですので、お顔合わせは夕餉の時にと」

 

 

「分かったわ。もう、荷物もそれぞれの部屋に運ばれてるのよね?」

 

 

「はい、各自のお部屋に運ばせていただきました」

 

 

「そう、分かったわ。じゃあ、各自部屋で自由時間よ。時間になったらそれぞれの部屋に使いを出すわ」

 

 

そういう事で各自解散となり、用意された部屋に向かった。ただ、入って絶句した。コレって『部屋』なんだよな?何で一部屋が4LDKなんだよ!?部屋の中にさらに部屋ですか!?リビング、ダイニング、キッチン完備で、冷蔵庫も開けたらちょっとした食材が入ってるよ!ここで普通に生活できるわ!!まさか、全部の部屋がこのレベル!?冥界の貴族恐るべしなんですけど!?

 

 

まぁ、正直落ち着かないよな。環境が違い過ぎる。取り敢えず大してする事も無いと思って途方に暮れていると、部屋がノックされた。え、まさかもう夕食の準備が出来たとか?時間的にも早過ぎじゃないか?とにかく、扉を開けて来訪者の正体を確認する。

すると、そこに立っていたのは紅い髪の少年、ミリキャスだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「急に訪ねてしまって申し訳ありません」

 

 

「いやいや、いいですよ。此方としても、する事が無くて途方に暮れてましたから………はい、どうぞ」

 

 

急な来訪に驚いたが、取り敢えず部屋に上がってもらって、今しがた部屋に置いてあった紅茶を淹れて出したところだ。流石に主の親族という事で、敬語で話している。

 

 

「有難うございます………美味しいですね……グレモリー家のメイドや執事でもこんな風に紅茶を淹れられる人は少ないです」

 

 

「はは、お口に合ったようで何よりです。それで、どういった要件でここに?」

 

 

「はい、先ほど一誠さんはドラゴンに乗っていましたよね?」

 

 

「ああーー………実は動物に怖がられる体質でして、馬車に乗れなかったんですよ。それでドラゴンを具現化してここまで飛んできましたね」

 

 

「なるほど………あの、それで………お願いと言うか、なんと言うか……」

 

 

ん?急に口籠ったな。あ、もしかして……

 

 

「えっと………良ければ乗りますか?ドラゴンに」

 

 

「い、いいのですか!?」

 

 

おお!一気に表情が輝いた。この辺はやっぱり普通の男の子なんだな。

 

 

「はい、いいですよ。正直夕食まで暇持て余してますし」

 

 

「はい!じゃあ、よろしくお願いします!あ、あと出来れば頭に角が生えていたドラゴンが良いのですが……」

 

 

「頭に角……あ、レディオンの事ですね?………って、外見を知ってるって事はもしかして、ライザーとのレーティングゲームは……」

 

 

「はい!観戦させていただきました!」

 

 

うおぉぉ……………そうだった。そう言えばあのゲームは両家の人達全員が見てるんだった……

 

 

「あの……ダメでしょうか?」

 

 

「いや、大丈夫ですよ。な、レディオン?」

 

 

左手に話しかけると、宝玉が出てきて返事をくれる。

 

 

『………うむ、問題ない』

 

 

「では、早速行きましょう!あ、そうでした。一応内緒で部屋を抜け出してきたので見つからない様に、そこから外に出ましょう」

 

 

そう言って、ミリキャスはバルコニーに通じる窓を開けて外に出る。どうやら部長に次ぐグレモリー家次期党首候補様も中身は普通の少年と大差がないようだ。取り敢えず俺もそれの後に続いて外に出た。

 

 

 

 

 

――○●○――

 

 

 

 

 

「わぁっ!!これが、ドラゴンの背中から見る景色なんですね!」

 

 

外に出ると、ミリキャスが急かすように具現化を頼んできたので、言われるままリクエストにあったレディオンを具現化した。そして、現在は冥界の空の上ってワケだ。まぁ、一応グレモリー家の本邸から出ないようにしている。

ミリキャスの方は初めて乗るドラゴンの背にキャッキャ言いながらはしゃいでいる。次期当主候補の一人と言っても、まだ子供の部分もあるんだな。ま、当たり前か。

 

 

「気に入ってもらえましたか?」

 

 

「………そうですね。ドラゴンの背中は気に入りました。けど一誠さん、できれば敬語はやめて欲しいです」

 

 

「え!?うーん、一応立場というのがありますし……」

 

 

「ダメ、でしょうか……?」

 

 

 

 

 

はぁ………子供の頼みにはトコトン弱いな、俺。

 

 

「はぁ………分かったよ。けど、部長達が見てない時だけだぞ?」

 

 

「はい!それで、構いません!あと、一誠さんの事を、イッセー兄さまって呼んでいいですか?」

 

 

「え!?それまた、突然だな…………まぁ、呼び名には大して拘らないからいいけどさ」

 

 

「はい、有難うございます!レディオンさんも今日は乗せていただいて、ありがとうございます!」

 

 

『………ああ、礼を言われるほどの事じゃない』

 

 

「ははっ、レディオンが照れるなんて珍しいな」

 

 

「え、照れてるんですか?」

 

 

『………むぅ』

 

 

今の俺の発言が気に食わなかったのか、レディオンはさらに上昇して、雲に突っ込んだり、急降下や急上昇といったアクロバット飛行を始めてしまった。

 

 

「わぶっ、ぬ、濡れる!?レ、レディオン悪かった!だから――うおぉぉぉ!?」

 

 

「あはははははっ!!」

 

 

レディオンは錐揉み回転するように飛んで、俺とミリキャスは必死に背中にしがみ付いて剥がされないようにしていた。俺は目を回してしまったが、ミリキャスは終始笑って楽しんでいた様だった。

 

 

 

 

 

その後、空から降りて俺とミリキャスは説教を食らった。俺は部長から、ミリキャスはグレイフィアさんからだ。ミリキャスは黙って居なくなった事と、勝手に俺を連れ出した事。俺の方も黙って居なくなった事と、ミリキャスを連れ出した事を怒られた。まぁ、俺はゲンナリしてしまったが、ミリキャスの方は説教中もどこか楽しそうにしていた。

 

この日は一応俺に弟分(?)が出来た日になった。

 






はい、って感じでミリキャスと繋がりを持たせました。何となくやってみたかっただけです。


あと質問にあった武器に関してですが、一誠の戦闘スタイルは銃剣槌士をいずれ付加させます。ただ、それに見合う武器が無いもんかとネットサーf--悩んでいたところ、この前「あ、これならイケる!」と思い浮かんだので、やります!

まぁ、残念ながらこの章では出ないです、すんません。

ではでは
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