ハイスクールD×D ~審判を超えし者~【凍結】   作:メラニン

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タイトル手抜き感満載・・・
許してください。


さて、今回は白音のケアですね。


では、どうぞ!


第6話 白猫のお話です!

―― 一誠side

 

 

さて、修行が始まって3日が経過した。修行期間はまだ10日以上ある。と言っても、実質はそこからマイナス3日だ。なんでも上級悪魔が集まるパーティ(?)があるらしく、それまでに帰らなければならない訳だ。ってなると、実質あと1週間とちょっとくらいしかない。

 

 

そして今日も朝から禁手を発動させた状態でぶっ続けで戦って、丁度切れてヘロヘロになったところに、アザゼル先生が差し入れを持ってヒョッコリ顔を出した。

 

 

「がっ…がっ…がっ……う、美味い!たった3日くらいしか経ってないけど、白米が1か月ぶりくらいに感じる!」

 

 

俺は差し入れだという、おにぎりを頬張りながら先生と向かい合うように座っていた。おにぎりの他にも重箱クラスの弁当が目の前に鎮座しているが、空腹過ぎて全て平らげそうな勢いで食っている。当のアザゼル先生は若干呆れた顔をしているが、しょうがない!ここ数日で改めて食の重要性というのが分かった気がするから!

 

 

「ごく……んむ?けど、何だか1個1個が微妙に味が違うな」

 

 

「あー、そりゃ俺がお前の所に行くって言ったら、リアスを筆頭に大急ぎで女どもが全員で作り出したからな。因みに作ったのはリアス、ミラ、朱乃、アーシア、ゼノヴィアだ。ま、お前が美味そうに食ってたと言えば、あいつらも満足だろ」

 

 

「へぇ……え、ゼノヴィアも作ってたのか?あ、そう言えば妙に固いやつがあったけど、それか。多分力加減を間違えたな……」

 

 

まぁ、それはそれで美味しくいただきましたが。そこで、先生は話題を修行の話に持って行く。

 

 

「ところで、どうだよ修行の調子は?」

 

 

話を聞いていたタンニーンが割り込んでくる。

 

 

「ふむ、今回の目的の一つである禁手の持続時間の延長は順調だ。フル稼働でも凡そ半日は保てるくらいにはいけそうだな」

 

 

「そうか。ってことは、基礎体力やらのステータスも上がってると期待できそうだな。ま、問題は……」

 

 

「悪いが、そっちは見通しが立たん」

 

 

「はぁ……まぁ、歴代の怨念を妙に刺激して『覇龍』になられても困るしな」

 

 

「ん?『覇龍』って、何ですか?」

 

 

「ああ、そういやお前にはまだ教えて無かったな。神器には強力な魔獣、神獣その他色々を宿したものがある物も多い。お前の持つ『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』やヴァーリの『白龍皇の光翼(ディヴァイン・ディヴァイディング)』なんかがいい例だ。その手の神器には強力な制御が掛けられているんだが、お前とヴァーリのはさらに強力な制御が掛けられている。それを強制的に解除して、封じられている力ほぼ全てを引き出すのが『覇龍』だ」

 

 

「……要は暴走状態ってこと?」

 

 

「まぁ、暴走ってのが可愛く思えるくらいに酷い状態になる。それにお前の場合はもっと酷いことになりそうだからなぁ…」

 

 

「え?」

 

 

「あー、前に俺か翔がチラッと言っただろ?お前の中に居るドラゴンに気をつけろ、ってな。お前の中に居る怨念は恐らく、歴代赤龍帝だけじゃない。何か別の物も混じってやがる」

 

 

「えっと、前に言われた俺自体が世界に降りかかる火の粉になるかもって言うのは……」

 

 

「あぁ、あれは揶揄なんかがじゃなく、言葉通りの意味だ。ま、火の粉程度で済めばかわいいもんだがな」

 

 

 

 

……オリジン達は知ってたのか?

 

 

『いや、今知ったよ。僕やクロノスも、時々起こしていた君の力の加減のミスはドライグから聞いていた歴代の赤龍帝のせいだと思っていたからね』

 

 

 

 

「なるほど。ドライグがずっと力に溺れるなって言ってきたのは、そういう事だったのか」

 

 

「まぁ、お前が怒り心頭になる事自体あまりないって話だしな。あまり心配はしていないんだが、念のため聞いといたってことだ。ま、そこはすぐに解決するとは思ってはいないから、追々な。それよりも、俺にはお前に聞きたいことがあってな。ってか、俺にとっちゃコッチがメインだ」

 

 

「はぁ」

 

 

アザゼル先生はバツが悪そうな表情をすると、改めて向き直って問いかけてきた。

 

 

「お前、朱乃のことをどう思ってる?」

 

 

「……は?」

 

 

完璧に予想していなかった人物の名前の登場に思考が一瞬フリーズする。

 

 

「うーん、総合的に評価しても良い先輩だと思います」

 

 

「違う、そうじゃなくて女としてのあいつを、どう思ってるかって話だ。重要な事なんだ。はぐらかしたりせず、正直に答えてくれ」

 

 

普段からは想像できないくらい真剣な眼で見てくる。雰囲気もどことなく、真剣だと分かるくらい先程と比べて変わっている。

 

 

「う、うーん………そりゃ、美人で優しくて、家庭的で魅力的だと思うってのが正直な感想です」

 

 

先生の方は腕を組みつつ、少し考え込むと再び向き直る。

 

 

「ふむふむ、まぁ女として魅力的に写ってるってんなら、今はそれでよしとしよう」

 

 

「な、何なんですか、いきなり?」

 

 

「あー…あいつの父親――バラキエルは俺の部下……っていうよりも、ずっと昔からつるんでるダチみてえなもんでな。俺にはそのダチの娘を見守んなきゃならねえって思ってる部分があんだよ」

 

 

「……普段の先生の様子からは全然想像できませんね」

 

 

「ケッ、ほっとけ」

 

 

不貞腐れた様に頬杖をついて横を向く。あれ、けど朱乃さんって確か……

 

 

「あの、言い難いんですけど、朱乃さんって確かお父さん……バラキエルさんや、堕天使全体を嫌ってませんでしたか?」

 

 

「まぁ、確かにな。あいつの堕天使嫌いは筋金入りだ。その癖、自分も半分堕天使だから、普段は隠しちゃいるが大分つらい思いをしている筈だぜ?ま、だからこそ、だ」

 

 

先生は俺を指す。

 

 

「お前に朱乃の事を頼みたい」

 

 

「へ?頼むって?」

 

 

「まぁ、親的な欲を言えば、お前の彼女にでもしてやってくれ」

 

 

「………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長い沈黙。……えっと、はい?この堕天使の総督様は今何と言った?もう一度脳内でリピート。

 

『まぁ、親的な欲を言えば、お前の彼女にでもしてやってくれ』

 

『欲を言えば、お前の彼女にでもしてやってくれ』

 

『彼女にでもしてやってくれ』

 

 

 

 

 

 

「は、はぁぁぁぁぁぁ!!?」

 

 

待て待て待て!何でそうなる!?今までの話の流れで何でそうなる!?

 

 

「んだよ、うっせーな。そんなに驚くことか?」

 

 

「驚くに決まってんだろぉが!!な、何をさらりと――」

 

 

「ま、そこは若いモン同士、イロイロあるだろうから、年寄りの世迷言だとでも思え。ただ、朱乃は生来ああゆう性格だからな。色々と自分の中に溜め込んじまうんだよ。それを少しでいい。お前が助けになってやってくれ、って事だ」

 

 

「そ、それなら、そう言ってくれれば良いじゃないっスか!!な、な何で彼女がどうのの話になるんですか!!?」

 

 

「そりゃ、彼氏彼女になるってのが、距離を縮める一番手っ取り早い方法だろ?」

 

 

「で、ですけど、朱乃さんは朱乃さんの気持ちがあるじゃないですか!それを勝手に話を進めるってなったら、ライザーの時の二の舞ですよ!?」

 

 

「……朱乃の気持ち、ねぇ。まぁ、だからさっき年寄りの世迷言って言っただろ?とにかく、朱乃のメンタルの面倒は任せたからな?」

 

 

な、何だか、押し売りされたような気分なんだけど……

い、いや、決して朱乃さんが嫌って訳ではなく……

 

 

「う、うーん、これは安請け合いしていいもんかどうか…」

 

 

「んだよ、お前はさっき朱乃の事を魅力的だとか言ってたじゃねえか」

 

 

「い、いや、言いましたけど……けど、それとこれ――」

 

 

 

『そりゃ、美人で優しくて、家庭的で魅力的だと思うってのが正直な感想です』

 

 

 

懐からアザゼル先生が出した、手の中に納まりきるくらいのサイズの機械から、俺の声が漏れ出す。ま さ か !!

 

 

 

「言ったよな?」

 

 

ニヤリと堕天使らしい邪悪な笑みを浮かべて、見下ろしてくるその様は、正に堕天使の総督という肩書にふさわしいくらいの邪悪さを纏っていた。そう、これこそが俺たちの顧問でもある、アザゼルという男なのだと改めて認識する。

 

まぁ、けど今やるべきなのは――

 

 

「ふざけんなあぁぁ!今すぐ、消せ!速やかに消せ!」

 

 

俺はボイスレコーダー目掛けて飛びかかるが、ヒョイヒョイと軽々避けられる。く、体力が全開の状態なら……

 

 

「はっはっは!いいじゃねえか。別に減るもんじゃねえだろ?」

 

 

「減るわ!俺の中の何かがゴリゴリ削られるわ!」

 

 

「まぁ、それはさておき」

 

 

「あ、また懐にしまうな!データを消せ!今すぐに!」

 

 

「朱乃の件はこれで良いとしても――」

 

 

「何が!?全然良くないんですけど!?」

 

 

「まぁ、聞けよ。小猫が倒れた」

 

 

「はぁっ!?」

 

 

俺は不意に放たれたその情報に耳を疑った。

 

 

「って、そっちの方が重要事項だろうがあぁぁぁ!!何で、そういう事を先に言わないんですか!!?マジで怒りますよ!?」

 

 

「落ち着けって。修行のオーバーワークが祟っただけだ。別に命に別状はないし、今は交代でリアス、朱乃、アーシアが看病している」

 

 

「で、ですけど……タンニーン、一回修業を中断してもいいか?」

 

 

見上げながら、話しかけるとタンニーンは溜息を吐きつつ、首をもたげながら返答してくれた。

 

 

「ふぅ……仕方あるまい。俺としても集中力の欠けたお前を修行するのは面白味に欠けるからな。俺の方も今日一日と明日は休むことにする」

 

 

「うん、ごめんな、タンニーン。恩に着るよ」

 

 

「ま、どちらにせよ、お前を連れ戻すように言われていたからな。俺としても都合がいい」

 

 

「え、誰に言われたんですか?」

 

 

「ヴェネラナ・グレモリーだ」

 

 

 

――○●○――

 

 

 

「はい、はい、次は1、2でターンですよ。はい、1、2!……うーん、普段からの動きの癖なのかしら?ターンの速度が速すぎるわ。もう少し女性に合わせるようになさい。では、今のところをもう一度行きますよ?はい、1、2……」

 

 

 

………俺はグレモリー領の別邸に来ていた。そこで待ち受けていたのは部長のお母様。つまりヴェネラナさんだ。戻るなり、汗を流してきなさいと言われたので、素直にシャワーを浴びた。で、用意された着替えに袖を通して、今はなぜか一緒にダンスのレッスンをしている。ってか、いいのか?こんな高そうな服貰って。よく、どこぞの貴族様が着そうなパーティ用の礼服っぽいんですけど……

 

 

「なるほど、確かにミリキャスの言う通り飲み込みが早いようですね。それに、器用な動作もできるようですし………これなら…」

 

 

 

「え、何ですか?」

 

 

「いえ、何でもありません。さ、続きですよ。次は、そこでステップ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからも暫くダンスのレッスンを受けて、何とか合格点を貰えた。……正直、修業とは別のベクトルで疲れた。

 

 

「ふぅ……つ、疲れた」

 

 

「あらあら、この程度で音を上げるようでは、社交界では恥をかきますよ?」

 

 

「うっ………ん?あれ、俺――いや、自分が社交界に出るのは決定なんですか?」

 

 

「はぁ、あなたはリアスの眷属なのですよ?上級悪魔の眷属というものは、否が応でもそういった場に引きずり出されます」

 

 

……言われてみれば確かに。そう言われれば、木場は『騎士』として、こういうのは身に付けてそうだし、ギャスパーはアレで名門の吸血鬼の出だからな。そういった社交界における立ち振る舞いを身に付けていてもおかしくは無い。ん?そういや、眷属じゃないけど今度のパーティにはミラや黒歌も出席するって言って無かったか?あの二人は平気なのか?

 

 

 

「っと、そうだ。そう言えば、オーバーワークで小猫ちゃんが倒れたって聞いたんですけど」

 

 

「ああ、その事ですか。今はぐっすり寝ている筈です。命に別状はありません。今はこの別邸の一室で丁度リアスや朱乃さんが看病しています。時折魘されてるようですけど」

 

 

「あの……あともう一つだけ。黒歌はどうしてます?」

 

 

「………責任を感じてなのか、色々と抱え込んでいたからなのか、小猫さんが倒れた後に、看病を私たちに任せて何処かに姿を消しました」

 

 

「な!?い、今すぐ、探しに行きます!!」

 

 

あのバカは!!急いで、別邸を飛び出そうとする俺をヴェネラナさんが大声で制した。

 

「お待ちなさい!」

 

 

「っ、待ってなんかいられません!ようやく、再会できた家族とまた離れ離れになるなんて俺は絶対に嫌です!!」

 

 

「だから、待てと言ったのです。当てもなく探すつもりですか?今あなたを必要としている家族を置いて?」

 

 

「え?」

 

 

「はぁ……こちらが何も手を打たないとお思いですか?既に千人規模の捜索隊を派遣済みです。捜索にはミラさんも、お友達を探すという事で協力しています。それに、あなたの言う家族はまだ他にも居るでしょう?冷静になった上でよくお考えなさい」

 

 

ヴェネラナさんの言葉で冷や水を浴びたみたいに、一気に頭に上った血が下がった。確かに、黒歌も心配だが、白音の様子も気になる。黒歌が姿を消したのは今回の修業が原因だろうし、それを知っておかないと、むしろ黒歌を傷つける可能性がある。

 

 

 

 

「では、先に小猫ちゃんの様子を見に行っても?」

 

 

「ええ、構いませんよ。黒歌さんの捜索は引き続き此方で行っておきます。今は小猫さんのところへ行って差し上げなさい。あなたの家族なのでしょう?」

 

 

「はい!」

 

 

 

 

そして、呼ばれたメイドに案内されて、小猫ちゃんの居るという一室の前までやって来た。ノックすると、「どうぞ」という部長の返事が返って来て、俺は部屋の中に入った。そして、すぐに部長が出迎えてくれた。

 

 

「イッセー、来たのね。小猫の事なのだけれど……」

 

 

「大体の事情は聞きました。話をしても大丈夫ですか?」

 

 

「………そうね。今はあなたと話すのが小猫にとっては一番の薬になるかもしれないわね。じゃあ、私は戻るわ。あとを頼めるかしら?」

 

 

「はい、任せてください。家族の面倒は自分で見ます」

 

 

「ふふっ、頼もしいわね。………少し、小猫が羨ましいわ」

 

 

「え?」

 

 

「ううん、なんでもないわ。それじゃ、頼むわね」

 

 

部長はそう言うと、部屋を後にする。俺は扉から入って右手側の方に設置されている天蓋付きのベッドに歩み寄る。足音に気付いたのか、布団がモゾモゾと動いた。頭まで布団を被っているから、姿は見えないが、布団の中から声が聞こえる。

 

 

「………先輩ですか?」

 

 

「ああ、倒れたって聞いて帰って来たんだ。その………大丈夫か?」

 

 

「………はい、私は大丈夫です。あの……姉様は?」

 

 

「姿を消したって話だ。今はミラを含めた捜索部隊をヴェネラナさんが手配して捜してくれてる」

 

 

「………そう、ですか」

 

 

「…………で、俺から姿を隠す理由を聞いても?」

 

 

俺が入って来てからずっと、布団に包まったまま姿を見せない白音に問いかける。そして相変わらず布団の中からからくぐもった声がする。

 

 

「………今の私の姿を見られたくないだけです」

 

 

「何で見られたくないんだ?」

 

 

「そ、それは………」

 

 

「はぁ………白音、俺はお前と黒歌の事は家族だと思ってる。俺はそんなお前たちの事が心配なんだ。だから、せめて姿だけでも見せてくれないか?無事な姿を見なきゃ、俺だって安心できない」

 

 

「………先輩のバカ。ズルイです……」

 

 

悪態を吐きつつ、布団を退ける。そして、出てきたのは黒歌と同じように猫の耳と尻尾を生やした白音だった。そして、目が合った瞬間に目に涙を溜めて、遂には泣き出してしまった。

 

 

「お、おいおい、白音!?どうした、何処か痛むのか?」

 

 

慌てて問いかけると、否定を示すように首を横に振る。

 

 

「だって………こんな…………こんな獣みたいな姿、先輩に見られたく……なかった、です」

 

 

「獣みたいって………ネコ耳が生えてる程度だろ?あと、尻尾も。全然変じゃない」

 

 

「で、でもっ!…………それでも――にゃ!?」

 

 

ネコ耳をペタンと垂らして、尻尾も力無く重力に従って垂れている姿を見て、俺はいても経っても居られず、白音を腕の中に抱き寄せて頭を優しく撫でる。

 

 

「どんな姿だろうと、お前は『塔城小猫』で、『白音』だろ?そして、さっきも言ったけど、俺の家族だ。俺だけじゃない。父さんや母さん、兄さんだって、白音の事は家族だって言うはずだぞ?だから、容姿程度でそんな顔して泣かないでくれ。家族にそんな顔されたら、不安になる」

 

 

「でも……」

 

 

「だぁぁーー、もう!それに今の白音の姿は可愛いよ!特に俺は猫が好きなんだし、出来ればその姿でいて欲しい!」

 

 

あー、くっそ!自分で言っといて何だけど、メチャクチャ恥ずい!!

しかし効果があったのか、ネコ耳がピクピクと動いて、さっきまで垂れていた尻尾もゆっくりとユラユラ降りはじめた。ははは、喜び方は変わらないんだな。

 

 

「本当ですか……?」

 

 

「ああ、本当だ」

 

 

俺がそう言うと、埋めてた顔を上げて視線が交わる。その瞬間、ボッと白音の顔が赤くなって、再び顔を埋めてしまった。

 

 

「家族………せ、先輩と私が……あ、あの先輩。い、いいつか私を本当の家族にして下さい」

 

 

「ん?んん?ん〜〜……?いや、だからもう家族だろ?」

 

 

「はぁ………今はいいです。けど、本当にいつか……だから先輩、今はもう少しこのままでいさせて下さい」

 

 

そう言うと、キュッと小さい手で俺の服を掴む。正直小恥ずかしいが、俺は変わらず頭を撫で続けた。

 

 

 

――○●○――

 

 

 

「そろそろいいか?」

 

 

「むぅ………いいですよ」

 

 

10分ぐらいそうしてただろうか?俺はまだ物足りないと言いたげな白音を離して、向き合う形を取る。

 

 

「じゃあ、行くか」

 

 

「………はい。先輩のおかげで私も落ち着きました。もう逃げるのは止めにします。本当の意味で姉様と向き合おうと思います」

 

 

「分かった。なら俺も協力しよう。手の掛かるもう一人の家族を迎えに行くぞ」

 

 

「はい!…………えっと、でもその前に、先輩わざわざ戻って来てくれてありがとうございました」

 

 

「ああ、いいさ。このくらい気にするな」

 

 

「あの………それで行く前に少し……勇気をもらう、というかお礼……というか……その……ゴニョゴニョ」

 

 

「ん?ごめん、よく聞こえな――ぐわっ!?」

 

 

俯きながら何かを口籠る白音。俺は身を屈めて、白音に顔を近付ける。その瞬間に首に腕を回されながら飛び付かれた。

 

 

チュ……

 

 

と、くすぐったいが、嫌じゃなく、柔らかい感触が俺の頬を襲った。

フリーズした俺の頬に、暫くソレはくっ付いて離れなかった。そして、少ししてから視線が合うようになった白音と向き合う。顔から火が噴きそうなくらい、俺の顔は赤くなってるっんだろうな。実際に顔が熱い……

しかし、白音の方もまた顔を赤くして、俺の事を見上げてくる。

 

 

「……私だって負けませんから。じゃ、先に行ってます」

 

 

それから俺は暫く動けなかった。

 

 

 







白音、宣戦布告?
って回でしたかね?



ま、後はアザゼルって面白い。


そういえば、リアルだとあと少しで七夕なんですよね。いつか、その話なんかもやりたい。(願望)


昔、百貨店(?)の七夕の短冊に『大切な人とまた必ず会えますように』って願い事が書いてあって、
な、何があったんだ!?って内心びっくりした記憶があります。(子供っぽい字でしたね。本当に何があった!?)


さてさて、では次回は黒猫の方ですね。


ではでは、また次回。
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