ハイスクールD×D ~審判を超えし者~【凍結】   作:メラニン

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どうも!一か月ぶりの更新です!時間をかけてしまって申し訳ない!

実は新しく別作品の執筆を始めてしまいまして・・・


こっちの更新ももうちょい早くできるように頑張ります。


さて、今回はようやっと猫たちが仲直りです。


ではどうぞ!


第7話 猫たちの和解です!

 

―― 一誠side

 

 

 

「遅いです、先輩」

 

 

「わ、悪い………その、少しフリーズしてた」

 

 

白音が部屋から出て、少し経ってから俺は再起動して、外に向かった。そこには既に腕組みをして、待っている白音の姿があった。そして、そのすぐ側にはヴェネラナさんも居た。

 

 

「ふふ、やはりイッセーさんに任せて正解でしたわ。小猫さん、もう大丈夫ですか?」

 

 

「はい、ご迷惑をおかけしました」

 

 

「あら、いいんですよ、気にしなくて。娘の眷属なら、私の娘も同然です。あなたはもっと周りを頼りなさい」

 

 

「あ、ありがとうございます」

 

 

ヴェネラナさんが白音の頭に手を置いて、諭すように言うと、撫でられた本人は少し気恥ずかしそうに俯いた。さすがは部長の母親だ。血は争えないって事なのかな?

 

 

「はぁ…………まったく、捜索隊は出しているというのに、行くのでしょう?まぁ、気持ちは分かりますけど……さ、イッセーさん。これを」

 

 

「……これは?」

 

 

急にヴェネラナさんが向き直って、麻の紐で丸められた羊皮紙を差し出してきた。それを受け取って開いてみると、地図のようで所々が赤くなっていた。

 

 

「これは、今現在捜索隊が調査した場所を表す地図です。赤い部分は既に調査済み。まだ白い部分が捜索を行っていない場所です。まずは、ミラさんが同行している部隊に行くといいと思います。その近くは森も多くて隠れられる場所が多いですから」

 

 

…………凄いな。多分グレモリー領全域を示してるんだろうけど、既に4分の1くらいは捜索済みになっているぞ?

 

 

 

「ありがとうございます。けど、転移されてたりしたら、この地図は――」

 

 

「ああ、その事なら心配ありませんよ。今はグレモリー領全域に転移魔法を阻害する結界を張っていますから」

 

 

「え!?」

 

 

 

 

 

 

 

そんな魔法があるのか!?

 

 

『………恐らく本当だぞ、主。実際に空間に違和感を感じる。禁手なら問題ないだろうが、通常の状態だと分からんな』

 

 

ま、マジか!?なるほど、だから山からここに来るまで翼で飛んだのか。今更ながらに納得した。

 

 

 

 

 

 

「けど、何でそんな高度なモノをこんな短期間で……」

 

 

「ああ、その事ですか。実はこの結界は大分前からあったのですよ。黒歌さんは元はどういった境遇だったかお忘れですか?」

 

 

「…………SS級の指名手配犯」

 

 

「ふふふ、正解です。以前冥界内に逃げ込んでも、逃げられないようにと考案されて、実用化されたモノです。まさか、本当に使う日が来るとは思いませんでしたけど」

 

 

「…………愚姉が申し訳ありません」

 

 

「いいんですよ。こういった機会ででしか使えませんから。それに、黒歌さんの事は色々と聞いています。小猫さん、あなたのお姉様はあなたと同じくとっても心の優しい子です。それを分かってあげてくださいね」

 

 

「………はい」

 

 

ヴェネラナさんの優しい声かけに白音は素直に頷く。しかし俺の方は地図を眺めていて、ふとアレ?と疑問符が浮かんだ。ここ、グレモリー家別邸を中心に赤い捜索済みの色で塗られているが、全体に広がってる様に見えて、やや偏りがある。

 

 

 

 

 

 

 

「どうかしましたか、イッセーさん?」

 

 

「えっと、はい。少しオカシイと思いまして」

 

 

「オカシイ、とは?」

 

 

「転移が出来ない上に、こんな広範囲が捜索済みになっているのに、未だに見つから無いっていうのは少しオカシイと疑問に思いまして」

 

 

「黒歌さんは仙術の達人なのでしょう?なら、おかしく無いのではありませんか?実際に捜索隊の内、数隊は黒歌さんの幻術と思しき物に掛けられたと報告を受けていますし」

 

 

「その幻術を見たっていう捜索隊は、もしかしてこの辺に集中してませんでしたか?」

 

 

俺は突出している部分を指差す。ヴェネラナさんが覗き込んで確認すると、肯定してくれた。

 

 

「ええ、確かにそうですよ。捜索隊もソッチ方面に集中しています」

 

 

あー、コレはこのままじゃ、ずっと見つからないような気がしてきたぞ?

 

 

「うーん………なぁ、小猫ちゃん。仙術や妖術の中に、時間差で発動するものとか、超遠距離で発動するものってない?」

 

 

「私には分かりかねますけど、もしかしたら姉様なら………」

 

 

「はぁ………そうでしたわね。黒歌さんは元とはいえSS級の指名手配犯。それは実力故という事を失念していましたわ」

 

 

ヴェネラナさんが珍しく額に手を当てて溜息を吐く。仕草まで部長ソックリだな。って、感心している場合じゃない。

 

 

「とにかく、黒歌の事ですから単純な捜索じゃ見つからないはずです。多分捜索隊も黒歌にとってはイタズラでもする感覚で幻術に掛けて、本人は別の場所に逃げてると思います」

 

 

「つまり、幻術は見付からない為に見せていたのではなく、そっちに居ると思わせる為に見せていた、という訳ですか?幻術は囮ですか………しかし、そうなると迷宮入りですわね」

 

 

俺とヴェネラナさんは考え込むが、白音だけは上を向いて、急に悪魔の翼を広げて同時に白いネコの耳と尻尾を出した。急な行動に俺とヴェネラナさんが一瞬面食らっていると、耳が数回ピクピクと動いた後、白音は俺の手を掴んで――

 

 

「ヴェネラナ様、ありがとうございました。行きますよ、先輩」

 

 

「え、ちょ、どこ……にぃぃぃ!?」

 

 

上向きの急加速に、舌を噛まない様にしながら上空へ強制連行された。ああ、あっという間にグレモリー家の別邸が遥か下の方に………

ってか、白音さんや。一体いつからこんなに早く飛べる様に?そんな事を思っていると、あっという間に冥界の空の雲の上に来てしまった。そして、上昇を続けようとした所で透明な何かに激突した!

 

 

「がっ!?………い、痛ってぇ!!」

 

 

「くっ………額をぶつけました………姉様、後でぶっ飛ばします。さ、先輩お願いします」

 

 

「……なるほど、生物の死角は頭上って事か。オリジン」

 

 

『うん、分かったよ。この結界を消せば良いんだよね?じゃあ、やるよ』

 

 

俺は右腕に『無と連環の腕輪(オリジン・チェイン・バングル)』を発現して、結界をかき消す。そして、そこに黒歌は居た。けど、これは………

 

 

 

 

 

「むぅ〜〜……んにゃ………ムフフ………さぁ、イッセー覚悟してにゃん♪大丈夫、私も初めてだから………ふふ……ニャフフフフ………」

 

 

 

「「…………………………」」

 

 

 

居た事には居たが、目の前で魔法陣を展開してその上で寝息を立てている我が家の飼い猫を見て、俺と白音は沈黙した。皆さんに考えていただきたい。心配して来てみれば、平和そうに寝息を立てている捜索対象を。とにかく、俺と白音としては湧いてきた感情を発散させたい欲求に駆られ、寝ている黒歌の前まで来て同時に拳を振り上げる。

 

 

「おら」

「えい」

 

 

「ふにゃっ!?」

 

 

俺と白音は拳を同時に振り下ろして、黒歌の脳天に一撃を入れる。相当痛かったらしく、目元に薄っすら涙を浮かべながら、殴られた箇所を押さえて俺と白音を視界に捉える。

 

 

 

「にゃっ!?し、白音!?イ、イイッセー!?な、何でここに!?」

 

 

「「それはこっちのセリフだ(です)!!」」

 

 

未だに状況を飲み込み切れていないからなのか、黒歌は目を白黒させて俺たちを見る。段々頭の中で整理出来てきたからなのか、一瞬逃げようとする。が、俺と白音がそれを防ぐ。

 

 

「はぁ……とにもかくにも、まずは話すべきだろ。黒歌、何で逃げ出すなんて事したんだ?」

 

 

「そ、それは、白音とトレーニングの件でケンカしちゃったから……白音が仙術を学ぼうとしたけど、ちょっと意見が食い違っちゃったのが原因なんだけど」

 

 

「あー、白音もそれで間違いないか?」

 

 

「はい。けど、姉様のトレーニングだと緩過ぎましたから」

 

 

「なっ!?だから、アレは仙術の習得度合いと、白音の体の関係を考えての措置で――」

 

 

「あれじゃ足りません。だから、仙術以外の鍛錬もしようとして悪いですか?」

 

 

「悪いに決まってるにゃん!!トレーニングの時も言ったけど、仙術は周囲の気を取り込んで使う分燃費はいいけど、体にはそれなりの負担が掛かるって教えた筈でしょ!?」

 

 

「けど、体力は有り余ってました」

 

 

「だから、それはそう感じるだけで実際には消耗してるから――」

 

 

「私はもっと早く強くなりたいんです!だから、姉様に仙術の教えを頼んだのに――」

 

 

「その結果、倒れたじゃない!」

 

 

「次は倒れません!」

 

 

「絶対に倒れるにゃん!!」

 

 

「倒れません!!」

 

 

 

「…………」

 

 

 

俺はあっけに取られていた。黒歌は本音をイマイチ語ろうとしない部分はあるが、それでもここまで激情を表に出したことは無かった。白音も同様だ。いや、白音の方が普段はあまり感情自体を表に出さない分、珍しいか。特に声を荒げて怒るなんて事は今までは無かった。

って、観察してる場合じゃないよな。

 

 

「ストップだ、二人とも。取り敢えず、お互いのトレーニングの方針がかみ合って無いだけだろ?だったら、しっかり話し合って決めろ」

 

 

「……何も話してくれていない姉様となんか話し合いたくありません」

 

 

「なっ!!?わ、私はしっかり話してるにゃん!!仙術やトレーニングの事だって――」

 

 

「はぁ……そうじゃないです」

 

 

「え?ん?」

 

 

白音は俯いて、黒歌は疑問符を浮かべる。はぁ、しょうがない。助け船を出してやるか。

 

 

 

「黒歌、白音が言ってるのは、白音にまだ話していない事だよ」

 

 

「白音に話していない事?」

 

 

「ああ。12年前に、お前が何で白音を置いて行ったのか。それを白音はずっと聞きたがってたんだ。俺が教えても良かったんだけど、それは筋違いだろ?もう白音だって小っちゃいままじゃないんだ。昔、お前に何があったか話して良いんじゃないか?」

 

 

「う……けどぉ……」

 

 

「姉さま、話してください。先輩の言う通り私だって何時までも子供じゃありません」

 

 

「……白音、本当に後悔しない?」

 

 

「はい。というか、姉様が話してくれるのを、ずっと待ってました」

 

 

「そっか……じゃあ話すけど、その……私の事を嫌いにならないで欲しいにゃん」

 

 

白音はコクリと小さく頷くと、黒歌は一度深呼吸をおいて話し始めた。

 

 

「ふぅ~……えっとね、白音。私は――」

 

 

 

 

 

 

――○●○――

 

 

 

それから黒歌は白音にすべてを語った。12年前何があったのか、なぜ俺達家族の元から離れなければならなかったのか。その真相を全てを。

 

 

「――で、GWにも白音は見たと思うけど、あのバルボスってのにイッセーの家を見つけられちゃって、私なりに考えて囮になろうと決めたの。けど、そんな危険な囮に白音を巻き込みたくなかったにゃん。…………だから、あなたを置いて行った。それがどんなに白音を傷つける事になっても」

 

 

話し終わって、白音は肩を震わせて下唇を噛んでいた。そして、さっきよりも声を荒げて話し始めた。

 

 

「そ、それなら、私に一言くらい言ってくれても良かったじゃないですか!」

 

 

話し終わった黒歌を見据えて、白音はそう言った後に言葉を続ける。

 

 

「私は姉様と一緒に居たかった!ずっと一緒に居てくれるだけで私は良かった!姉様が傍に居てくれれば、辛い事だって耐えられた!あの日……姉様が姿を消した日に、私は先輩のお父様に手を引かれて、サーゼクス様とグレモリー卿の元に預けられました……その時、私はまだ何も分からなくて、ただ姉様が居なくなった事だけを知らされました。冥界のお屋敷に連れてこられた後も、誰に姉様の事を聞いてもはぐらかされてばかりで……そんなとき、姉様がSS級の指名手配になっている事を耳にしました。それから、人の目が気になって………部長たちが助けてくれたけど、いつも助けてくれた姉様は居なくて……私はそんな中で生きてきました!姉様に私の気持ちが分かりますか!!?」

 

 

白音は涙を流しながら最後の方はもはや叫んでいた。多分、今まで誰に言う事も無く抱え込んできたんだろう。指名手配犯の妹という目で何度見られたのか、皆目見当もつかない。そして黒歌は白音が一気に漏らした本音を何も言わずに聞いていた。普段のおちゃらけた調子ではなく、ただ一人の『姉』として。

 

 

「………ごめんね、白音。私も分かってた。白音が引き取られた後どうなるか。予想は付いてた」

 

 

「なら、何で――」

 

 

「でも、やっぱり私の危険な道に白音を巻き込みたくなかった。白音も見たでしょう?GWのとき、私はあそこまで弱り切ってた。そんなのに白音を巻き込みたくなかった。巻き込んで、私と同じ目に遭わせたくなかった」

 

 

「それでも!私は姉様と一緒に居たかった!たった一人の家族だったから……なのに!何で私を置いて――」

 

 

「あなたを愛していたからよ、白音」

 

 

「っ!?」

 

 

黒歌は真っ直ぐ白音を見て、迷いなくそう言った。そして、言葉を続ける。

 

 

「そう、白音が言うように私はあなたのたった一人の家族で『姉』だもんね。だから、私が居なくなっちゃったら白音がどんな思いをするのか分かってた。でもね、どんな事があっても白音だけには安全に生きていて欲しかった。だって、白音も私のたった一人の家族で『妹』だから」

 

 

「そ、そんなの分かってました……」

 

 

白音の頬には涙が伝っていた。黒歌は目じりに涙を浮かべつつも変わらずに白音を見据える。

 

 

「分かってたんです……そんなの私の我儘だったことくらい、分かってました。けど……やっぱり私にとって姉様はこの世界でたった一人の『姉』だったから……だから……」

 

 

そこまで言った白音を黒歌はソッと引き寄せて、抱きしめた。

 

 

「ごめんね、白音。私白音に生きていて欲しいって思うだけで、ちゃんと白音の気持ちに寄り添えてなかった。ごめんねぇ………」

 

 

「ね、姉様…わ、私も我儘を言うばかりで……姉様がどんな気持ちだったのか………ごめんなさい…ごめんなさ…うぅぅ……うわぁぁぁぁ!」

 

 

 

そこから、黒歌も白音も抱き合って声を上げて泣き始めた。俺は二人をただ、二人の事を見守るだけ。そうするのが一番だと思った。その後も二人は泣き続けた。まるで、今まで一緒に居れなかった時間を埋めるように。これから、新しく二人で歩み出せるように。

そんな二人の泣き声を冥界の紫色の空が吸い込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――○●○――

 

 

 

「もういいのか、兵藤一誠?」

 

 

黒歌と白音は一通り泣いた後、俺がグレモリー家の別邸まで送り届けた。黒歌はヴェネラナさんに軽い説教を受けてたけど、白音と本当の意味で和解できたからか、清々しい顔をしていた。そして、その日は別邸で一晩過ごして山へとんぼ返りしてきたわけだ。因みに昨晩は和解できたという事で、黒歌が調子に乗って白音の布団の中に忍び込んだらしく、朝には布団で簀巻きにされた状態で発見された。白音曰く、若干なりとも貞操の危機を感じたとの事。黒歌の性格の方との和解はまだまだ先になるらしい。

それでも、あの姉妹はもう大丈夫だろう。ようやく、本当の意味であの二人はこれからなんだ。

 

 

 

さて、次は俺自身の問題の解決だ!黒歌が白音が頑張ってたんだ。俺だって負けていられない!

 

 

「ああ、用事は済んだからな。それに、一晩ゆっくり考える時間もできたから魔力を使った戦力向上のアイディアも浮かんだよ」

 

 

「ほう。では、早速試してみようではないか」

 

 

「ああ。じゃあ、行くぞ!!」

 

 

俺は考案したパワーアップ方法を用いて、タンニーンに突っ込んでいった。

 







はい、ってな感じで、黒歌と小猫は仲直り。(人の心情って書くのがムズイですね)
犯罪者の親族って大変なんでしょうね・・・・・・
この二人にはあまり長い事いがみ合って欲しくはありませんでしたから、ここでこうしました。


で、最後に一誠の神器無しでの新たな戦闘法を少し・・・
少しというか、全く書いてないですね、はい。すいません。レーティングゲームの時のお楽しみという事で。


では、次回で修行編終了です。


アディオス!
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