ハイスクールD×D ~審判を超えし者~【凍結】 作:メラニン
いろいろと精神ライフがゴリゴリ削られる今日このごろ・・・どうお過ごしでしょうか?
さて、前置きは置いといて、今回はようやくパーティまで来ました。
では、どうぞ!
―― 一誠side
今は修行の報告が終わった翌日の夜。今日は上級悪魔が一堂に会するというパーティがあるという事で、俺たちオカ研メンバーはそれぞれ準備中だ。
「あの………こんなの貰っていいんですか?」
「何を仰いますか、若さま。今日は上級悪魔の方々が一堂に集まるのですよ?これくらいは当然です」
「う、うーん………それにしたって、髪もこう固められると落ち着かないというか……」
俺はこの前ヴェネラナさんにもらった服とは別に、また別の礼服に身を包んでいた。髪も普段とび跳ねている部分は固められてビシっとなっている。うーん、やっぱ落ち着かないなぁ。他にも細かい袖の直しだとかをメイドさん数名に現在進行形で行われている状況で、正直こそばゆい感じがするというか……
というか、上から下までこのセットいくらするんだろう?想像したくないな。
そんな風にメイドさんに手伝ってもらっていると、扉が開いてグレモリー卿が入ってきた。グレモリー卿が、頭を下げるメイドさんに下がる様に言うと、部屋には俺とグレモリー卿の2人のみになった。
「ふむ、さすがは刃紅殿のご子息といったところか。似合っているようで安心した。君の姿を見ていると、昔の刃紅殿の姿と重なるところがあるな。はっはっは」
「あ、ありがとうございます。ん?昔の父のって……グレモリー卿は昔に父と今日の様なパーティで会った事があるという事でしょうか?」
「うむ、その通りだ。あれは何時だったか………確か君の父上がクランスピア社を設立して少し経ってからのパーティで会った事があるのだよ。まぁ、あの時は君や君の兄君はまだ生まれてすら居ない時だったがね」
「そ、そうだったんですか」
もしかして、父さんはその時のコネで白音をグレモリー家に預けたのかな?充分に有りうるな。ってか、父さんのコネクションってどうなってるんだろう?聞いたらもっと色んなトコと繋がってそうだよな………
あれ?けど、それって俺もか?既に北欧の主神と知り合ってるよな。そう言えば昔こういうパーティにも出席した事がある様な?んー、何年前だったか………
「ははは、とにもかくにもこうして君がグレモリーに名を連ねてくれる事は大変喜ばしいよ。…………これであとは娘と後継者の問題を………」
「はい?」
「いやいや何でも無いよ、はっはっは!」
な、何だろうか?今一瞬だけグレモリー卿の目が獲物を見る様な目に変わった様な………
まぁ、気のせいか。今は普段通りだし。
「さて、では私と妻はまだ準備があるので、一誠君は娘たちと先に会場に行ってておくれ。確かタンニーン殿が会場まで送ってくれるのだったね」
「はい、その様に約束しています」
「では、娘とその眷属のエスコートを頼んだよ。なに、これも上級悪魔の社会を学ぶ勉強と思って肩の力を抜きなさい、はっはっは」
「は、はぁ」
グレモリー卿はそのまま俺の部屋を出て行った。
う、うーん、けどエスコートねぇ。どうすればいいんだか。
『簡単ですよ、主様。小難しい事は考えずに、相手に不快な思いをさせず楽しい時間が過ごせる様にリードすればいいんです』
リードねぇ………多分俺が苦手としている事なんだけど?
『そうだね。君はもう少し積極性というか、ぐいぐい行った方がいいよね』
『まぁ、異世界の同一人物と同様でも困るがな。その内、向こうのドライグは精神を病みそうだな』
『う、ううぅぅぅ………俺のパートナーが相棒で本当に良かった………ぐずっ』
あーもう、泣くなよドライグ。二天龍の名まで泣くぞ?
『まぁ、ドライグは放っておくとして、話を戻しますよ、主様?リードが難しいのであれば、相手を気遣う事を意識してください。それでしたら、主様の得意分野では無いですか?』
なるほど、確かにな。サンキュー、テミス。ってか、テミスが何でそんな事知ってるんだ?
『コーネリアさんから色々聞いているのですよ。主様がどこに出ても恥ずかしくない様に、各種マナーなんかもお手の物です』
い、何時の間に……
ま、まぁ、頼りにさせてもらうよ、テミス。
「さて、もう行くか。メンバーを待たせてる様じゃ早速エスコート失敗だろうしな」
こうして俺は準備を終えて外へ向かった。外に出るまでメイドさんに数回道を聞く羽目になったけどな……
本当にこの屋敷広すぎ!!
――○●○――
「お、来たな、兵藤一誠」
「ああ、今日はよろしくな、タンニーン」
外に出ると既にそこには約束通りタンニーンがやって来て待ってくれていた。
「なに、問題ないさ。俺も会場には向かうからな」
「タンニーンも会場に入れるのか?」
「ああ、このサイズの事を心配しているのか?それならば問題ないさ。悪魔というのは自分の容姿をある程度自由に変えられるからな」
なるほど。なら問題ないのか。
「そっちが今日送ってくれるっていうドラゴン?」
振り返ると、そこには白と赤を基調にしたパーティドレス姿のミラが立っていた。今日は髪を後ろで一つにまとめて、雪の結晶を思わせるような髪飾りが良く似合っている。
「…………」
「な、何よ?」
「え、いや、馬子にも衣装だn――痛!ご、ごめん、ミラ!!綺麗だよ!似合ってる!似合ってるって言おうとしたんだって!」
「な、なら、そう言いなさいよ!!馬子にも衣装ってなによ!?」
「ごめん!本当に似合ってるから!そろそろ叩くのヤメテ!」
「まったく………」
ミラは不貞腐れたようにそっぽを向いてしまった。ははは…………俺早速エスコート失敗してないか?そうしていると、タンニーンが呆れた声で首だけ下げながら話に加わった。
「痴話喧嘩はそこまででいいか?痴話喧嘩は犬どころかドラゴンも食わんからな」
「な!?ち、痴話喧嘩なんかじゃ無いわよ!」
「そうなのか?お前とこいつは前世からの付き合いなのだろう?」
「っ!?」
ミラの顔色が変わった。そして次の瞬間には俺の方を仇でも見る様な目で睨んできた。
「………悪い、その…………タンニーンには喋っちまった」
「な!?な、ななな何をしてんのよ、あんたは!!それは秘密にしないとエルたちのいる世界に――」
「安心しろ、ミラ・クルスニクとやら。俺はこれを当然口外するつもりは無い。そうしなければ俺自身が『ルドガー』の中に居るドラゴンに殺されるからな」
「…………その名前を口に出したって事は本当に知ってるみたいね」
「ああ、全て聞いた。何か問題が起こった時に話の分かる協力者は作っておくべきだろう?世界の秘密などお前たち若い二人だけで背負えるような秘密では無いと思うぞ?」
「………分かったわ。けど、本当に口外なんかするんじゃ無いわよ?」
「分かっているとも。だが万が一に備える必要性というのも分かるだろう?世界はお前たちが思うよりも優しくない。むしろ残酷だ……………っと、すまんな。歳を重ねるとついつい、説教っぽくなっていかんな」
「…………私の居ないところでまた話が進んでたのが不満だけど、タンニーンの言う事も分かるから良しとするわ」
まだミラは不機嫌そうだが、取り敢えずの納得はしてくれたみたいだ。
「さて、そっちの話はここまでにするとしよう。もう他の面子が来たようだぞ?」
タンニーンに言われて振り返るとグレモリー邸の入り口から続々とオカ研メンバーが出てきた。全員がパーティドレスで、朱乃さんと黒歌だけは黒の着物を着用している。部長は紅いドレス、朱乃さんは黒に紫の紫陽花の刺繍が入った着物で、白音とアーシアは白いドレス、ゼノヴィアは青のドレスだ。黒歌は黒に金の牡丹の花の刺繍が入った着物………を着崩している。
「はぁ………黒歌、お前これからどこに行くか分かってるか?」
「分かってるけど、私にはコッチの方が合ってるしぃ〜。ほらほら、イッセー欲情しないかにゃん?」
くっ付いてくる黒歌をやんわり離して、着物の裾を正す。
「欲情はしない。それに着物はキッチリ着た方が美人に見えるぞ?」
「む、むぅ〜〜……」
黒歌は不満そうに頬を膨らませると、渋々だが裾を自分で直してくれた。
「ははは、やっぱり黒歌さんはイッセー君に任せて正解だったね」
さらに部長たちの後ろから俺と同じようにフォーマルスーツに身を包んだ木場が出てきた。
「よ、木場。あれ?ギャスパーは?」
「あれ?さっきまでここに………あ、いた。ほら、ギャスパー君、コッチにおいでよ」
「う、うぅぅ……や、やっぱりこんな大きいドラゴン怖いですうぅぅぅ!!」
「「「「「「「「はぁ…………」」」」」」」」
ギャスパーはグレモリー邸の入り口から顔だけ出してこっちを覗いていた。はぁ、アイツの修行は一体なんだったのか。その様子に呆れていると、ギャスパーの背中を押してコッチへ連れて来てくれた人物がいた。
「ごきげんよう、兵藤君」
「よっす、兵藤。俺たちも一緒に行かせてもらうぜ」
「ふえぇぇ!か、会長さん押さないで下さいいぃぃ!!」
そう、ギャスパーを押して来てくれたのは会長――ソーナ・シトリーだ。そしてそれに付き従うように匙や他の眷属も揃っている。
「ごめんなさい、ソーナ。私の眷属なのに背中を押して来てもらっちゃって」
「いえ、構いませんよ、リアス。こっちは相乗りさせてもらう身ですから、このくらいはどうと言うことはありません」
「う、うぅぅ、部長、会長さん、ごめんなさいですぅ……」
ギャスパーの謝罪に苦笑いしたが、俺はギャスパーの格好には突っ込まずにはいられなかった。
「ところで、お前は相変わらず女装してるのか」
「え、に、似合いませんか?」
「…………お前の場合、似合ってないと言えないから恐ろしいよな」
「あ、あはは、僕もイッセー君に同意するよ」
「………そういや、旧校舎裏で初めて見たときはコイツの格好に俺も騙されたな。あん時はデュランダルで追っかけ回されてたんだっけか。恐るべし、ギャスパー」
俺たち男性陣3人からの言葉を聞きつつギャスパーは照れたようにモジモジしている。だから、その仕草を止めろというに。
「そ、そんなぁ、照れますよぉ♪」
「「褒めてねえ!」」
俺と匙はそう突っ込まずにはいられなかった。いや、本当に何でコイツはこうなったんだろうな?
――○●○――
「さて、いいかしら、皆?ここは多くの上級悪魔が集まっているわ。くれぐれも言動には注意を払うこと。特に黒歌」
俺たちはタンニーンに会場近くまで送ってもらい、そこからは再びリムジンに乗って移動した。会長たちとはそこで別行動という事になった。そして、今は会場の入り口前を歩いているというわけだ。そして、部長に指摘された黒歌はイタズラっぽい笑みを浮かべると、コッチをチラッと確認した後口を開いた。
「ふふん、じゃあこのパーティの間イッセーを私の専属ガードにしてくれるなら考えなくもないにゃん♪」
「だ、ダメよ!イッセーには私に付いて挨拶回りをしてもらうんだから!」
「はいはい、じゃあ私もそれに付いてくにゃん。あ、白音も一緒ね」
「そういう事なら問題ないわ。じゃあ朱乃は祐斗、ゼノヴィア、アーシア、ギャスパーと一緒に他をお願いね」
「はい、部長」
「あと、ミラも一応不安だから私たちの方と同じグループよ」
「何よ、不安って?」
ミラは不機嫌そうに指摘してきた部長の方に視線を返す。
「あなたの場合、相手を吹き飛ばしかねないからよ」
「な!?馬鹿にしてるの!?私だって場の空気くらい読むわよ!」
「まぁ、ならいいのだけど。けど、念のためにもコッチにいて頂戴。貴方と黒歌は悪魔では無いのだから」
確かに上級悪魔の中には昔の凝り固まった考えの人だと、悪魔至上主義みたいに他の種族を馬鹿にする存在も居るらしいからな。そういう手合い相手にミラが取りそうな行動はなんとなく予想できる。というか、この前の会長の騒動の時に既に行動を起こしてたな。俺もだけど………
それに、部長の眷属候補っていう体でここには居るけど、それはつまりまだ何処にも属していないということだ。だからこそ眷属にスカウトされかねない。そういうのから保護するという目的でもあるわけだ。ミラもそれが分かってるらしく、部長に従ってくれるみたいだ。
「はぁ………分かったわよ。大人しくしとけばいいんでしょう?そうしとくわよ」
「なら問題ないわね。あと、会場内では『部長』は厳禁よ?さ、もう本会場よ」
そして、俺たちは巨大な扉をくぐって、会場入りした。中は大勢の人で溢れかえっていて、各テーブルには大量の料理が陳列され、フロアスタッフと思しき人達は参加している人たちの間を行っては来て動き回っている。会長たちは既に中央の方で上級悪魔の方々と思しき人達と挨拶を交わしている。うん、改めて緊張してきた。
「あれ?黒歌は以外と落ち着いてるな。何でだ?」
そう、以外と黒歌は予想に反して落ち着いた佇まいで後をついて来ていた。大人しくしてくれてるのは有り難いんだけどさ。しかも、何だかこういう雰囲気には慣れているとでも言わんばかりの落ち着きようだ。
「ああ、それは昔に何度かこういう華やかな席に紛れ込んだ事があるからにゃん。ほら、どうしても暖かい料理が恋しくなる事ってあるでしょ?」
「うん、それは分かる。非常によく分かる」
修行中は何度そう思った事か。今思い出しても、あの時はひもじい思いをしたなぁ……
「それで、何処ぞのパーティに忍び込んでは無銭飲食してたにゃん。見た目は幻術で招待客っぽくしてねん♪ま、どうせパーティの料理って余るんだし、ちょっとくらい平気でしょ」
「…………もうすんなよ?」
「当ったり前にゃん。もう逃亡生活してる訳じゃ無いしね〜。それに今日は堂々と食べられるし楽しみ♪」
姉の今の言動に何かしら思ったのか、白音の方は大きなため息を吐いていた。まぁ、黒歌はいいとして、早速挨拶回りに行かないと。と、思っていたら早速部長に話しかけてきた男性が一人。グレモリー卿みたいにダンディーな男性で少し長めのブロンドヘアーだ。顔は誰かに似ているような……
「これはリアス嬢、ご機嫌麗しいようで何よりです。久方ぶりですな」
「ええ、フェニックス卿。お久しぶりです」
フェニックス卿って………え?もしかして……
「イッセー、こちらはフェニックス卿よ。フェニックス卿、私の最近加わった下僕を紹介しますわ。『
「おお、直接会うのは初めてだね。初めまして、赤龍帝殿」
え、ええぇぇぇ!?こ、この人がフェニックス卿!?って事は………ライザーの?き、気マズウゥゥ!!
「は、初めまして。兵藤一誠といいます。えっと………何と申しますか………申し訳ありませんでした」
俺の急な謝罪にフェニックス卿は一瞬キョトンとすると、声を上げて笑い始めた。
「はっはっはっは!そうか、ライザーの事を言っているのだね?大丈夫だ、息子にはいいクスリになった。君は気にしないでくれたまえ」
「は、はぁ」
そうは言っても気にするよ!よくよく考えてみたら、俺って他人の結婚式ブッ壊した様なもんだからなぁ………
「それに、あの一件は私やグレモリー卿にもいい教訓になったよ。我々は目の前の利益に目が眩んで、我が子達をよく見ていなかったからね。あの非公式のレーティングゲームの後、私もグレモリー卿も揃って妻に怒られてしまってねぇ。いやぁ、参った参った。はっはっはっは!」
快活に笑うフェニックス卿を見る限りフェニックス卿は本当に気にしてはいない様だ。そう言えばライザーってどうしてるんだ?
「っと、いかんいかん。私もまだあちこち回らなければ。では、失礼するよ」
「はい、お時間を取らせてしまいましたわ。では、また」
あ、ライザーの事を聞く前に行ってしまった。うーん、そう言えばアレだけの事をやっといて、見舞いにも行ってなかったな………
「さ、次へ行くわよ」
それからも俺たちは上級悪魔の人達と顔合わせを行った。行く先々で『赤龍帝』と呼ばれていたので、どうやら俺はだいぶ有名になっている様だ。
――○●○――
「だっはぁーー………疲れた………」
俺はパーティ会場の隅の方に設置された椅子に腰掛けていた。本当に挨拶回りは疲れた。いや、コネクション築くのが重要というのはよく分かるんですけどね………
それにしたって多過ぎるだろ。部長に連れられて1時間以上挨拶回りに費やした。そのため、当然料理とかは口にできていない。は、腹減った……
「ほらイッセー、取ってきたから食べなさいよ」
ふと顔を上げると、ミラが無造作に料理の乗った皿を突き出してきていた。俺は受け取りながらミラに礼を言う。
「サンキュー、ミラ。ミラは結構平気そうだな」
「ま、あんた程疲れてはいないわよ。あんたみたいにアッチコッチからの視線に気を遣ってたわけじゃ無いしね。そ、そのお陰で助かったけど……」
「ん、いいって」
まぁ、視線に気を遣うって普段はやら無いんだけど、こういう席だと上級悪魔の子供達と思しき人物たちにとっては見合いの意味も若干兼ねているらしくて、変な目で見てくる連中も居たんだよな。そういう連中の壁になる様に立って、視線を遮る様に移動してたからな。
「私達みたいな美少女に男の視線は釘付けになるからねぇ〜。ま、手を出して来たら返り討ちだけど♪」
「………姉様にはあまり視線は向けられてませんでしたよ?」
「白音、ひどいにゃん!そんな風に事実を突き付けなくてもいいじゃないっ!」
黒歌が不平を口にするが白音は取り合うつもりは無いらしい。けど、以前より黒歌と話す時の表情は落ち着いた雰囲気になっている。まだ素直になれていないだけで、本当は嬉しいんだろうな。と、そこで朱乃さん達のグループがコッチを見つけて近付いてきた。
「あら、ここに居たんですの、イッセー君。リアスは何処に居るかご存知ですか?」
「お疲れ様です、朱乃さん。えっと、あそこの………ほら、少し先のテーブルで話してますよ。この前部ちょ――リアス様は冥界のさらなる発展って言ったじゃないですか?それをどこから聞いたのか、ああやって興味を示した上級悪魔の方が多いみたいで、一人一人対応してますよ。俺もさっきまで付いてたんですけど、ここはいいからって言われて、休憩中です」
「では、私もそちらへ参りますわ。アーシアちゃん達はイッセー君達と先に休んでいてください。慣れない席で疲れたでしょうから」
「僕はこういった席には慣れていますからご一緒させていただきます。じゃあまた後でね、イッセー君」
「ああ、また後でな」
それだけ言って朱乃さんと木場は部長の元へと足を運んだ。朱乃さん達を加えた事で話はまた盛り上がっているようだ。けど、部長の言ってた冥界のさらなる発展か………
ちょっと興味あるな。
「はふぅぅ〜〜………イッセー先輩、疲れました〜〜………」
「お疲れギャスパー。アーシア達もお疲れさん」
「イッセーさんもお疲れ様です」
「それにしても、思ってたよりも出席している上級悪魔の数が多いな。教会にいた間に72柱の悪魔の家は半分以上がほぼ断絶していると聞いていたから、上級悪魔はもっと少ないものと思っていたのだが」
「最近は残った家だけでなく、転生悪魔や番外悪魔が台頭してきた事で上級悪魔の数が増えてるみたいですから。ゼノヴィア先輩がそう感じてもおかしくは無いと思います」
「それは転生悪魔が上級悪魔への成り上がりが増えているという事かな?」
「はい、そう聞いています」
「なるほど。この前の会長の一件はそういった背景もあったのかもしれないな」
白音の説明にゼノヴィアは納得したように顎に手を当ててウンウンと頷いている。確かに今まで顔を効かせてきた旧家と新興勢力がカチ合うのは必然だったわけか。会長自身はシトリー家だけど、下僕は人間からの転生者が多いって訳だしな……
まぁ、それはグレモリー眷属もそうなんだけど。老人たちからしたら、若い連中に勝手されるのは気に食わないんだろうな。
「そう言えばそれで思い出したんだが、イッセーは上級悪魔にならないのか?」
「え?何だよゼノヴィア、藪から棒に」
「いや、実力的に見ればイッセーは上級悪魔でもおかしくは無いのではないか?」
「う、うーーん…………最上級悪魔であるタンニーン相手に何度も追い込まれたのが今の実力なんだぞ?これじゃ、上級悪魔ってのはまだまだじゃないか?それに上級悪魔って爵位持ちって事だろ?普通はそういうのを得るためには何かしらの功績を上げなきゃだろうし」
「そう言えばコカビエルも最終的には、フーちんが倒しちゃってたからねぇ。それなりにイッセーって結構戦っているイメージはあるけど、焼き鳥戦の時みたく表にあまり出せない様な戦いばっかだったねぇ〜」
「う、確かに……」
「で、でもでも、イッセーさんはお強いですから、きっと直ぐに上級悪魔にだってなれますよ!」
「ああ、ありがとうアーシア」
俺は慰めてくれたアーシアの頭を撫でて、アーシアはエヘヘと喜びながら受け入れてくれていた。
「ふーむ、なるほど。つまり、イッセーは上級悪魔になるつもりはあるんだな?なった後は部長から独立したりするのかい?」
「んー、実はサーゼクス様にも同じような事を聞かれたよ。あれから少し考えてみたけど、やっぱり一回は独立して自分で何かを作るって事をやってみたいな」
「その話は興味あります。先輩は何を作るつもりなんですか?」
「え?それはまだ考えてないけどさ」
「………あんた、それ何も知らない子供が突然、パイロットなる!って言うのとあまり変わんないレベルよ?」
「うぐ!?しょ、しょうがないだろ!悪魔になったのだって、つい3、4ヶ月前だってのに、それでその先の事なんか考えられるか!」
ミラに反論しつつも、俺自身は内心少し焦った。確かに何かを作るって言ったって何を作るんだ?それすら決めていない。さっきのミラの言葉を借りるならば、パイロットというなりたい職が決まっている子供の方が遥かにマシだ。う、うーん、取り敢えず大学には行くだろ?その後の就職は………
そう言えば、転生悪魔の進路ってどうなってるんだ?
「まぁ、小難しい事は私はよく分からないから良いんだが、とにかくイッセーは将来独立するつもりはあるんだな?」
「………まぁ今のところは、ある」
それだけ聞くと、ゼノヴィアは笑顔を浮かべて胸を張り、堂々と言葉を言い放った。
「ならば、私はイッセーに付いていく。君が独立した時には、君の眷属にしてほしい」
「は、はぁぁぁ!?あ、っとと…………何言ってるんだよ、お前は!?」
場も弁えず大声を上げてしまったため周囲から注目されてしまい、急いで声のトーンを落として話し始める。
「む!?ゼノヴィアちん抜け駆けは許さないにゃん!イッセーの眷属になる一番乗りは私にゃん!あ、2番手は白音ね?」
「………先輩が部長よりも遥かに成功したら考えてあげます」
そっぽを向く白音の頬を黒歌イタズラでもする様に突っつく。
「もう〜、白音は素直じゃないにゃん」
「………姉様がお気楽すぎるんです。それに、先輩のトコに行くとしても、しっかり部長の許可を得れたらです。けど、部長には恩もありますし、部長の事は好きなので100%先輩の眷属になるかは保証できないです」
「わ、私だって負けません!イッセーさん、私もイッセーさんにずっと付いて行きますからっ!!」
「お、おう。けど、アーシア周りには気をつけような」
アーシアは一瞬キョトンとした後に、周囲をキョロキョロ見回す。アーシアはさっきの俺と同様に結構大声で意思表明をした為に、周囲から注目を浴びていた。それに気付いたアーシアは真っ赤になって蹲ってしまった。
「はうぅぅぅ………」
「ショートしたアーシアちんは置いとくとして、ミラちんはどうかにゃん?」
「へ!?わ、私!?」
「うん、ミラちんもなるでしょ?イッセーの眷属」
「な、何で私がコイツの眷属なんかにならなきゃいけないのよ!?」
「え〜〜、私の口から理由を言っちゃっていいのぉ?」
「だ、ダメに決まってるでしょっ!!」
黒歌はイタズラっぽい笑みを浮かべながらミラをからかって、ミラは顔を赤くしながら黒歌と言い合いを始めてしまった。ミラもいちいち相手にしなければいいのに。黒歌の言うことの大半はふざけている事が多いんだし。はぁ、これは長くなりそうだよな………
「はは………この二人は少し放っておこうか。アーシア達は腹が減っただろう?何か取ってくるから座って待っててくれ」
「あ、私も行きます、イッセーさん」
「いいって。休んでろよ、アーシア。俺は一度休憩したから平気だしな。あ、そうだギャスパー。ちょっと」
俺はギャスパーを手招きすると、ギャスパーは若干おっかなビックリしながら近付いてきた。
「せ、先輩、行っちゃうんですか……?」
「料理取りに行くだけだって。その間女性陣のガード頼むぞ?」
「うぅ………自信無いですぅ……」
「最悪、しつこい相手は時間を停めておけ。後で俺が対処する。修行の成果を見せてみろよ、ギャスパー。お前も一応は男だろ?」
「ううぅぅぅ…………う、上手くできるか分からないですけど、頑張ります………」
「ああ、頼む。あの中だと波風あまり立てずに解決出来るのは多分お前だけだ。多分お前以外が対処しようとすると多分……」
「こ、怖いこと言わないでほしいですっ、イッセー先輩!」
「ははっ、じゃあよろしくな」
俺は背を向けて料理を取りに向かう。ホント、ギャスパー以外が対象しようとすると、最悪暴力沙汰になりかねないからな。
さて、じゃあ料理を選びに行くか。
や、やばい、あまり話が進まんかった・・・
次回こそは、もう少し話の内容を進める!(ように頑張ります・・・)
ではでは。