夢うつつのスパイ   作:駄雀

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アニメを見てすぐに原作を全て買いそのままの勢いで二次創作を書いております。



ガルガド帝国
Case.1 スパイと可能性


 彼はスパイ養成学校においては落ちこぼれだった。手先が器用でなく、鍵を開けるなどの細かい作業が全くできなかった。しかし彼には一つの特技があった。それは○○を使った戦闘、戦闘における能力は他の学生よりも頭ひとつ抜けて高かった。なぜか、いやだからこそ、彼は陽炎パレスへと足を踏み入れ奇妙な共同生活を送るようになった。

 

ーーー

 

「お前がなぜ『灯』に参加を求められているのか、私にはわからない。だが、生きて国へ帰ってこい、ダン」

 

養成学校校長が少年に向かって告げる。

 

「これは例外だ、普通ならば試験を受けねば卒業することはできない。お前の戦闘技術を当てにされたのかもしれないが、お前には技術がない。くれぐれも他のメンバーに迷惑はかけるなよ」

 

オカンかよ、と思いながらダンは答える。

 

「わかっております、校長。不肖ダン、国のために行ってまいります。」

 

「お前は将来有望なスパイとなるだろう。戻ってこいよ」

 

「はい」

 

「後、お前は人の話を聞く時は目を見て話せ、スパイは目を見ることも重要だ、、、」

 

お説教が始まったと思い、「挨拶しなければならないので失礼します」とだけいい、彼は校長との話を終え退出する。校長はまだ何か言っているだろうが、聞いていると終わりがないため、切り上げる。

ダンは新しい生活に胸を踊らせて、『灯』へと向かう。期待を持っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

期待をしていた時期もありました。陽炎パレスについてみると、自分と同じ年代の七人の少女達、そしてボスと名乗る、自称「世界最強のスパイ」が鍛えるといい、かつて会ったあのスパイのようにかっこいいスパイになれると思っていた。そんな時期もありました。ボスは教えることができず、周りの少女は自分と似た出来損ない、しまいには捨て駒だと話題になる程。ボスが出した答えは「僕を倒せ」。

アホかーい、ダンは一人呟く、指導をしろ、指導を。そう思いながら周りの少女達に合わせ、何度かの襲撃時の役割を果たしていく。

 

ーーー

 

「お遊びにもならないな」

 

目の前でつぶやく先生の前で彼は今日も訓練を行う。

 

「強すぎ、なんで素手で八人と戦えんの」

 

「お前達はもう少し頭をつかえ、特にダン、他のメンバーともう少し連携をとれ、お前は策が尽きたら真っ正面から突っ込んでくる癖を治せ、策がないのが丸わかりだ」

 

「…」

 

「12時間以内にもう一度襲撃をしに来い」

 

クラウスが去っていくと七人の少女と一人の少年は立ち上がり、大広間に向かいながら、すぐに反省会を開く。

 

ダンは他の少女を気にかけながら改善点を軽く述べる。

 

「あの人はワイヤーの罠を完璧に見抜いていた。やはり学校で習った知識どおりの襲撃では、意味がない」

 

「じゃあ、どうすればいいんでしょう?」

 

「それを考えなくちゃね、リーダー。自分は風呂入ってくるから先に考えといてねー、よろー」

 

「あ、ちょっと」

 

『花園』のリリィが声をかけるが、気にかける様子もなく、ダンは部屋を出てシャワー室に向かう。

 

「あいつってほんと勝手だよな」

 

「ほんと、僕だって参加してるのにね」

 

「俺様もそう思います」

 

「まぁまぁ、先輩方」

 

「一度私が誘惑して言いなりにしてやろうかしら?」

 

『百鬼』のジビアが呟き

『氷刃』のモニカ、『忘我』のアネットが賛同を示す

『草原』のサラが宥め

『夢語』のティアが思案する

 

「あの人がどうであれ、わたくしたちが考えなければならないのは事実です。」

『愛娘』のグレーテは議論を進める方へと、会話を誘導する。最後に自分に向けられた視線を思い返しながら

 

(まさか、あの人はわたしを気遣ってこの場を抜けたのでしょうか?)

 

そしてもう一人の少女は異なったことを思いこの場を見ていた。

 

ーーー

 

ダンは広間を出たあと、シャワー室へと向かう。

 

「ダン、お前は会話に混ざらなくていいのか?」

 

チーム『灯』のボスであり自分たちの先生、クラウスが声をかけてきた。

 

「自分がいたら、g、、、会話がうまく回らないでしょ、ほら、男女比1:7だしさ。それよりも襲撃抜きにして、スケッチ対決しない?勝った方が夜食を作るって条件で」

 



唐突な勝負をダンが仕掛ける。

 

「唐突だな、なぜだ」

 

「先生、油絵描いてたでしょ。スケッチはどれくらい上手いのかぁって」

 

「必要性が感じられない」

 

「自分気になって襲撃に集中できないかもなぁ」

 

「、、、わかった、30分だけなら付き合ってやろう」

 

「やったーー」

 

そして彼らはクラウスの部屋へと向かい、スケッチと鉛筆を用意し黙々と話を始める。

 

 

ーーー

 

(急にどうした?)


(先生に質問と相談)


(口頭ではダメだったのか?)


(不可能任務に関係してるんでしょ?色々と)

(例えば?)


(八人の少女を七人としてみたり、この屋敷が盗聴されてたりと)

(盗聴に気づいていたのか?)

(本気を出すなとか書かれてたら考えるよ、そりゃね)

(極上だ)

 

彼らは筆談によって話を進めていく。この屋敷は盗聴されている。それがダンが下した結論だった。初日に渡されたルールには以下の二項があった。

 

ルール26 男子一人と女子七人で協力して生活すること

ルール27 外出時に本気を出すこと

 

可能性があるなら、疑え。よく学校で言われていたことだ。なぜ分ける?8人と書いてしまえばそれで済むはずだ、なぜ男女の人数を指定して書く?まるで、男子か女子の人数が額面通りに受け取ってはいけないかのように。

そして屋内で本気を出すなとはどういうことだろう?自分の特技は屋内では使うなとよく言われているが、ルールに明記する必要性はないだろう。全員に特技があり、それを見聞きされてはいけないかのようだ。

 

その疑問は翌日に明らかになる。事故で到着が遅れた『愚人』のエルナの登場によって

 

(エルナが来たってことは女子八人いることを聞かれないようにするためにあらかじめルールを読ませたんでしょ?)


(そうだ、それで質問とは?)

(確認したかったっていうのが一つ、それと陽炎パレス周辺のどこからなら本気を出していいの?)


(屋敷内にしか盗聴器はない、音が聞こえないなら中庭でもいいだろう。ただ、頻繁に中庭に出ると怪しまれる必要最低限にしろよ)

(りょ)

(それで、相談とは?)


(グレーテに関して。)


(グレーテがどうした?)


(あの子、男が苦手なんじゃない、明らかに目に嫌悪感がある。)


(それで、僕になんとかしろと?)


(違う、グレーテが先生を見る目が明らかに変わった気がする、何かあった?)

(何もなかった。)


(ほんとに、書くのに躊躇いなかった??)


(そろそろ時間だ、たまになら付き合ってやろう、後盗聴器はこれからも気がついてないふりを続けてくれ。)

(おぉー、ありがとー、りょ。)

 

二人とも鉛筆を置く

「いやー、先生上手だねー、今回は自分の負けってことで、また今度勝負しようよ」

 

「極上だ、時間があれば付き合ってやろう」

 

「それじゃ、シャワー浴びてくる」

 

ダンが部屋を出ようとすると、

「待て」

 

「どしたん、先生、次の約束かにゃー?」

 

「賭けを忘れたとは言わないな」

 

「…マジ?」

 

この後、夜食を作る。二人で食材を選びながら、聞かれてもいい会話をする

「お前は料理できるのか?」

 

「できなかったら、賭けの条件にしないからねー、じゃがいもあるから、蒸してガレットみたいにしてみようか」

 

「不器用だと聞いていたが、、」

 

「養成学校から?なら、ちょっとだけ違うかなぁ、鍵アレルギーみたいなー、鍵開けるのだけは無理なんだよねー、先生食べれないものとかあるー?」

 

「いや、ないな。前半部分は訳がわからないが」

 

「そのうちわかるようになるよー。あっ、これから料理するから話しかけないでねー、集中してたら会話できないから」

 

「わかった」

 

「ありがとー」

 

 

 

「十分美味しかった」

 

「お粗末様でしたー」

 

「皿洗いは僕がやろう、シャワーでも浴びてくるといい」

 

「ありがとー」

 

やっと、シャワーを浴びれる。そう思いながら、少年はシャワー室に向かう。今日の襲撃の反省をする。考えながら歩く彼は違和感に気づかず、浴室に行く。脱衣所で服を脱ぐ前に、一度ドアを開け浴室の様子を見る。無意識に

そして、無警戒にドアを開けたダンは後悔する。ここは女子が八人もいる屋敷であったと、、、

 




読んでいただき、ありがとうございます。

オリ主君は秘密が多いです。全て明かすのは原作一巻終了ぐらいになるかと思います。多分、しらんけど。
中の人的にたまにネタに全ふりしたくなる瞬間がございます。
(一作目なので、真面目にやりました)

よろしければ、感想などお聞かせください。
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