夢うつつのスパイ   作:駄雀

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連続で3話投稿するって宣言した中日って何書けばいいかわからないの。

ーーー笑えばいいと思うよ

ということで、読んでくださりありがとうございます。ニチャァ


決戦(前半)

ダンが負傷したという情報を得たのは、ちょうど店を出た時だった。店で全員がクラウスとダンを当てにしつい眠ってしまっていた。次に少女たちが目覚めた時クラウスから『侵入ルートの変更を指示する』という書き置きが残されていた。

ダンが任務を続けられない。この事実は少女たちを驚かし、奮い立たせるのに十分だった。

 

「ど、どうしましょう?ダンさんが怪我で抜けるなんて」

 

「落ち着け、リーダー。あいつ抜きで先生に挑んだこともあるだろ」

 

「そうよ、ダーリンがいなくても、私たちだけで任務を終了しちゃいましょう」

 

「うぇ、まだその呼び方してるの、気持ち悪いからやめてよ。それよりもダンがやられたんだ、僕たちも油断しないようにしないとね」

 

「そうですね、相手にも相当の実力者がいると考えるべきかと」

 

「姉貴達のいうとおりです。兄貴の仇取ってやりましょう!!」

 

「そうっすね、でもあくまで慎重にっすよ、無理はダメです」

 

少女達の意見は固まった。あくまで、慎重にその上で、必ずダンの仇を取るということに。

ただ彼も無傷で倒れたのではなかった。これまでの潜入で手に入れることのできなかった鍵の合鍵を作成してエミリーに持たせていた。

 

クラウスに相談はできない。敵国でスパイは容易に接触できない、その上襲撃まで一日を切っている。今回の作戦は相手に盗聴されて知られているというのが大前提である。ならば尚更、不自然な行動をとることができない。

その場では一度解散となったが少女たちは不安を胸に抱え夜を越すのだった。

 

ーーーーー

 

翌日、荷物持ちのジャンケンを少女達7人でしていた。

 

「おい、リリィ。グーで揃えるんじゃなかったのかよ」

 

「あれ、そうでしたっけ?それよりもジビアちゃん、敵をこぶし1発で倒す方法教えてくださいよ」

 

「そういうのはあいつに聞いたほうが、って今はいないんだったな、、、すまん」

 

「先生と違って、彼は教えるのは完璧でしたもんね」

 

ジビアとリリィが遠い目をしている。そして悲しげな視線の先には一番星が煌めき出していた。

 

「先輩方。ダン先輩はまだ亡くなってないっすよ」

 

「知ってますよ、まぁこれでみんなの緊張は解けたでしょう、ねっ、ジビアちゃん」

 

「まぁそうだな、リーダー。狙うところは急所だ。体の中心の線があるだろ、そこに急所が集中してる。だからあたしが戦う時は敵と正面に対せずに斜めに構えて戦うんだ」

 

「なるほど、これで放てますね」

 

「放つって何を?」

 

「ふふん、ジビアちゃんそれは内緒です。さぁ、任務開始です。」

 

リリィが楽しげな視線を廃工場に向け少女たちは闇に消えていく。

 

ーーーーー

 

「3人、15m、銃」

 

モニカが鏡の破片をいくつか放ることで、その場全体を彼女が把握する。彼女の能力で相手の位置は直ぐに把握される。位置がわかっている襲撃、そして相手が軍人ならばスパイは負けはしない。なんなら、少し遊ぶ余裕まである。

 

「ゴッドブロー:ゴッドブローとはリーダーの怒りと悲しみを乗せた必殺の拳、相手は死ぬ」

 

リリィの必殺の拳は相手の鳩尾を撃ち抜く。流石に死にはしないが、失神はさせたようだ。

 

「何言ってるんだ、リーダー、、、」

 

「いえ、これはダンさんの分です。神様が打てと言っていたような気がしたので」

 

「どこの女神様なんっすか?」

 

安定のサラのツッコミが入る。さすがは『灯』の常識枠。

 

「危険なのっ」

 

カバンの中の少女の呟きでジビアは回避行動をとる。そしてジビアのいた場所には銃弾が着弾していた。

「バーナード氏の監視を振り切った?!」

 

「てことは相手もスパイ、かなりの腕利の」

 

「応戦します」

 

想定はしていた、だが戦いたくなかったギードとの戦闘が始まる。

 

「んん?あのバカ弟子が西から来るんじゃなかったのか?あぁ、直前で入れ替えたな」

 

「バカ弟子? ということはギードさん」

 

「あぁ?あいつそんなことまで話してたのか、口が軽いぜ」

 

ギードはあくまで軽口を叩く余裕を持っている。ただ本来ならばダンを加えても互角に戦えるかわからない状況だ。各々の特技を万全に生かしたとしても、必ず勝てるとは言えない相手だ。

 

「お前ら7人か?もう一人の男はどうした?クラウスの方に行ってるのか?いや、あいつは一人の方が動きやすいだろうから、ここの鍵を盗もうとして倒れたっていう男がいたがあいつだったのか。ここにいないってことは死んだか?あぁ報告には上がってないから負傷して先に帰ったか」

 

「くぅ」

 

「どうした、ダンの欠損がそんなに痛手か。スパイならそれくらい隠せ、まぁあいつでも俺には敵わないだろうがなぁ」

「ん?どうした、あの爆弾野郎去年俺に負けたはずだぞ」

 

ギードが話す間にも少女たちは状況を確認していく

「このまま個別に逃げれば各個撃破されてしまいます。倒すのが吉かと」

 

頼もしい参謀の声と共に散開する。ダンの指導は覚えている。チームで勝つために必要なこと、そして強敵に挑むために必要なこと。それらを意識しながらギードと対面する。リリィはギードを誘導し、時間稼ぎとしてワイヤートラップを使用する。

 

「ワイヤーか、お前らそれどこで習った?共和国の技術は通用しない」

 

それぐらいは承知だ。必要なのは思考を回させないこと。そしてメンバーをできる限り減らさないこと。

リリィと交代し、モニカが相手をする。モニカといえどもギードとは渡り合えない。ならば連携して倒すしかない。

 

ーー

ガルガド帝国に侵入する前のこと

「ねぇ、ダン、ボクに連携しろって無茶言わないでよ。あいつらがボクに合わせるなんて無理でしょ?」

 

「なら、あいつらが合わせやすいように動いてあげないとねー、それくらいできるでしょ、天才ちゃん」

 

「いくらボクでもできないことはあるよ」

 

「へぇー、それぐらいもできないのに天才名乗るとか。プークスクス」

ーーーー

 

「ほんと、無茶ばっかり言ってくれるよね」

 

メンバーが動きやすいように、工場を駆け回る。鏡の反射によりメンバーの位置、行動は把握できる。リリィの毒、ジビアの格闘技術を早い段階でギードに見せる。そして彼女らの警戒の必要性を感じさせる。視線の誘導はティアがやってくれる。アネットの発明品はグレーテによって分配され、サラの動物によって配分されていく。彼女らは近接先頭に向いていないため一箇所で止まらせる。彼女らの援助を行える位置でギードとの戦闘を常に続ける。

それがモニカの取った作戦だった。

ただし実力の差は存在する。何度か生傷を負わせることには成功したが、一人、また一人とやられ、残るはリリィ一人となる、リリィは毒を飛ばし、同時にギードに突っ込む。

「残念」

それだけ呟きリリィに当身をくらわせる。

ギードは全員を手錠で拘束し、一箇所にまとめる。「七人目」と呟きながリリィの元に向かうとまだ動けるようだ。

 

「あなたの狙いがわかりました。先生なんですよね」

 

「おぉ、正解だ」

 

ギードは拍手を送る。そして空に銃を向け発砲する。

 

「あいつはあまちゃんだ、仲間が殺されると思ってすぐにやってくる」

「おい、クラウス。早く来い。仲間を殺すぞ。」

 

しかし、なんの反応もない。いな、一つ反応はあった。それはギードの持つ無線装置だ。

 

《やぁ、師匠。無事に『奈落人形』はいただいたよ》

 

「おい、戻ってこいバカ弟子。お前の教え子は全員捕まえた。戻ってこないと殺すことになるぞ」

 

《ぼくが戻ったところで、アナタには勝てないよ。だからこのまま共和国へと帰還させてもらう。そうだ師匠、まだ少女が一人残っていると思うが、彼女たちを侮らないほうがいい。どの少女でもアナタはやられるだろう》

 

「だそうだ、お前らのボスは見捨てたそうだぞ」

 

「あぁ、本当に絶望的ですね。私たちに救援がない状態で、動けるメンバーは私だけ。ところで『このお遊びにはいったいいつまで付き合えばいい?』ですか、ってえぇ?ダンさん?」

 

ダンは仕事服で、そして万全の状態でギードと捉えられた少女たちの間に現れた。

 

「さすがだにゃー、自分の負傷のニュースだけでギードさんに傷負わせるなんて」

 

「私たちを騙してたんですか」

 

「すまんって、ハロー、ギードさん、今回は前の仇取らせてもらうよ」

 

「お前の爆弾は正直見飽きた。俺に負けてから武器を変えたとは聞いていたが、なんだそれは棒か?また向いてなものを選んだんだな」

 

ギードは負ける気がしなかった。彼と戦った時に対策は見出している。爆弾で突っ込んでくるインファイター、一撃で沈めればなんのこともない。そして彼の得意としていたヒットアンドアウェイも棍のような重たい武器を使用しては生かしきれない。負ける要素は見当たらなかった。

後ろではリリィが毒泡を形成していた。麻痺毒を食らったままダンと渡り合いたくはない。ならば先に仕留める。

そう思って刀を振りかぶったギードは棍を火花を散らして思い違いに気付く。

(想像以上に一撃が重たい)

元々のヒットアンドアウェイからは想像できない力強さだった。そしてなすすべなく弾き返せれる。ただ、毒泡までは飛ばされないように勢いは殺した。立て直そうと周りを見た瞬間、足元に錆びたネジが落ちてきた。上を見上げると配管が落ちてくる。毒泡ギリギリまで跳躍する。途中でリリィが刺突してきたが、交わすことは容易い。そして気絶させることも忘れない。偶然の事故だろうか?だが、幸いダンとの距離は取れた。少し気を緩めれる。

 

 

はずだった。毒泡ないから刃物が飛び出し、自身の背中に深々と刺さった。

「九人目?」

 

《あぁ、言ってなかっただろうか陽炎パレスのルールの中に「八人で暮らす」という旨があった。これは盗聴を前提としたトリックだ》

 

自分が捨てた無線機から憎々しいバカ弟子の声が聞こえてくる。

 

《どうせアナタは全てを察したろうから、特別だ。メンバー紹介でもしてやろう。

一人目、喧々たる銀髪で、常にやかましいトラブルメーカー ーーーリリィ:特技は『毒』

二人目、凛然たる白髪で、リリィと仲が良い、口の悪い特攻隊長 ーーージビア:特技は『窃盗』

三人目、気弱な茶髪で、語尾に『っす』をつける心配性の常識人 ーーーサラ:特技は『調教』

四人目、優艶たる黒髪で、色仕掛けが得意でチームの実質的リーダー ーーーティア:特技は『交渉』

五人目、静粛たる赤髪で、お淑やかな口調で僕を『ボス』と呼ぶ参謀 ーーーグレーテ:特技は『変装』

六人目、不遜な蒼銀髪で、一人称が『ボク』の天才肌のエース ーーーモニカ:特技は『盗撮』

七人目、純真たる灰桃髪で、一人称が『俺様』の天真爛漫な癒し担当 ーーーアネット:特技は『工作』

八人目、淡然たる金髪で、事故で合流が遅れて当初孤立しがちだった ーーーエルナ:特技は『事故』

九人目、奔放な灰髪で、一人称が『自分』のボクを除くと唯一の男性 ーーーダン:特技は『強化』

僕はずっと『お前たち八人』と言っていたが、少年少女は実際には九人いたんだよ》

 

棍を構えたダンが近づいてくるところでギードの意識は途切れた。

 

 

 




間に合ってるのでしょうか、どうでしょうか?なんとなく後書きを先に書いてしまっているので、投稿が大丈夫なのか自身がございません。駄雀です。
とりあえずお読みいただきありがとうございます。

ダンの特技は『強化』です。クラウスの本質は『成長』でしたので、指定の関係が逆だったら両者とも化けてた可能性があります。ただクラウスの苦手な教えるということを補えるメンバーです。

ラスト1話で一巻を終了します。明日投稿できたらいいですね。多分きつい気がしますが、、、

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