夢うつつのスパイ   作:駄雀

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しれっとオリキャラ登場です。プラチナ目を見張れ


Case.15 後処理と後始末と後の祭り

打ち上げが終わった翌日、本来ならば休日といたことで朝寝坊を堪能している人がいようと自由であるのだが、今日だけはそういうわけにはいかなかった。昨夜の後片付けが理由ではない。否、後片付け『だけ』が理由ではない。

広間にはすでに反省中というプラカードを首からぶら下げ自身の広げた大風呂敷を片付けている。昨夜自分には毒は効かないと豪語し、素敵な葡萄ジュースをラッパ呑みしていたリリィは見事に潰れ、ぐったりしていたのだが、翌朝には二日酔いもなく元気に起き出し、掃除を始めていた。それ以外にも、昨夜のゴミの分別や、作戦中に溜めていた家事を終わらせていた。昨日の掃除としてまだ中身があるものは冷蔵庫にしまっていた。

家事が一通り終わったのち少女達は広間に集まっていた。先日の作戦の残りは店主にお金を渡すことだ。そしてもう一つ、社長の後ろにいた『悪いお友達』。社長には一度釘を刺しておいたが、それでももう一度嫌がらせを始めないとは限らない。そのため半グレ集団を潰す必要性があったのだ。

少女達は四人ずつのにチームに分かれた。ティア、サラ、エルナ、アネットの返金チーム。ダン、モニカ、ジビア、グレーテの戦闘チームだ。リリィは掃除の途中のためお留守番だ。

 

「私も連れて行ってくださいよー、ずっと一人で後片付けなんていやですよ」

 

ーーーーーーー

 

戦闘チームはこれまでに得ていた情報から湾岸部のスラム街に根城があると踏んでいた。スラム街には根城とする広い空間がないというのが参謀グレーテの認識だ。見通しの効かないスラム街、そして相手はそこを根城にしている。そのためグレーテは路地裏の入り口に止めた車の中に待機している。

 

「そんなことないぜ」

ジビアの発言に視線が集まる。

 

「不可能任務前にスリグループを捕まえたことがあっただろう、ほら、リリィがアタシごと唐辛子爆弾にした時の」

 

「そういえば、あのグループの使用していた建物は空き家のままでしたね。でしたらそこに潜んでいる可能性も十分あり得ます」

 

ジビアの案内でダンとモニカは複雑な路地裏をずんずん進んでいく、グレーテからの作戦は党首を確保し、警察へ引き渡す。最低限党首さえ確保してしまえば残りのメンバーは自然と散り散りになるだろうということだった。当然、メンバーも捕まえられる限りは捕まえるが今回において最も重要になってくるのは党首を逃さないようにすることだ。ジビアの案内により、表口にジビアとダン。裏口にモニカを配置する。

 

ドアに手を掛ける、左側のドアを左手を使って開く。右側の扉は鍵がかかっていたため使用できなかった。ドアが開き屋敷の中が見え始めた時、中から銃声が聞こえた。攻撃されている。しかし、人影はなく気配は一切していなかった。考えられるのはトラップが張られていたということ。中に入るならば、よりトラップへの警戒をするべきだろう。ダンは一歩中に足を踏み入れる。すると右から銃声。開いたドアを盾にするように隠れる。足元に別のワイヤーが張られていてまた別のトラップが作動する。上からの銃弾。今度は屋敷に踏み入ることで対応する。常に集中が必要となる高度なブービートラップだ。ただのチンピラが組み立ていいものではない。入り口で手間取っている侵入者に気付かないはずはないのだが、屋敷の内部からは誰かが出てくる様子もない。まるで人が一人もいないかのようだ。

 

「なぁ、まるで誰もいねぇみたいじゃねぇか?」

 

「百鬼もそう思う?自分もここまで煩くしといて誰も来ないのはおかしいと思うんよー」

 

「いや、お前のその何箇所もトラップ発動させながら平然としゃべってるのもおかしいんだけどな」

 

『こちら氷刃、中を見たところ人影はない。愛娘指示を出して』

 

グレーテからの返答はない。通信を聞いていないはずはない。車の中で待機しているはずで、本来応答できないということはない。

 

『夢現、ちょっとマズいんじゃない?』

『監視の目、上に2、角にも2。そっちにもいるんじゃない?』

 

モニカからの通信で事態の深刻さに気付かされる。グレーテが人質に取られている上に囲まれている。グレーテの位置は通信の電波の位置からばれたのだろう。先ほどのブービートラップや通信の逆探知といいただのならずものの集まりではなさそうだ。後ろにまるでスパイ訓練を受けたものがあるかのようだった。

 

「氷刃と百鬼はその場に残って今いる監視者の捕獲と屋敷の中の捜索。夢現が愛娘の救出に向かう。」

 

「了解、無茶すんなよ」

『了解、僕には簡単すぎるね』

 

ダンが片道を駆け戻ろうとすると、物陰からこちらを狙った銃弾が撃ち込まれる。それを短刀で弾きながらグレーテの車に向かう。

車が見えてきた時、後部座席に誰かが乗っているのが見えた。グレーテは正面を向いたまま身動きを取らずに座っている。後ろから拳銃を突きつけられているのだろう。灯が使用している車は外からの攻撃には強いが、中で攻撃されることを想定していないため、おそらく座席のシートを貫通してグレーテを撃ち抜くだろう。窓を開けて、こちらに銃を向けてきた。乾いた音が響く。ダンにとって躱すことは造作もない。ダンにとって後部座席にいるのはかつて勝った顔だった。

 

「プラチナ懐かしい顔だぁ、この子と知り合いなのぉ。プラチナムカつくんだけどぉ」

 

かつて養成学校で相棒として過ごしていた元仲間で、ギードによる特別試験で心を折られ退学していったかつての親友だった。

 

「おひさー、愛娘から離れてもらえる?何で不良たちに混じってるのか教えてほしいにゃー」

 

「その喋り方プラチナ懐かしい、まぁ知り合いに会えたから今回は見逃してあげるよぉ。それと混ざってるっていうのはプラチナ誤解で俺が率いているのがプラチナ正しいんだよぉ」

 

背の低いダンとは異なり、対する青年は背が高く筋肉質でがっしりとしていた。彼は車から出てきた後ゆっくりとダンの元に向かい対峙した。

 

「でも、やってることがチンピラとおんなじだから落ちぶれたかと思ったよー」

 

「ハーレム生活送ってるみたいでプラチナムカつく、他の2人の女もツレなのぉ」

 

銃を構えたまま彼はダンに向かって話しかける。2人の間には殺気で満ちていてかつての親愛な雰囲気などは微塵も感じられなかった。彼とてかつては国を護るために訓練に励んでいた。スパイを辞めた後もその意思だけは残っていると思っていたが、不良に混じっているとは信じられ無かった。まずは目的を聞き出し、捕獲する逃亡に全力を割かれる前に決着をつけなければならない。

 

「ハーレムではないんよー、不良に混ざって何やってるの、随分つまんなくなったね。」

 

「知ったふうな口聞かないでくれる、プラチナ不愉快。この国は戦争で通り道にされただけで痛手を負ったんだよぉ。こんなプラチナ平和ボケしてたら直ぐにやられちゃうから、俺は市民からいつでも戦えるようにプラチナ鍛えてやることにしたんだぁ。プラチナ素敵でしょ」

 

「アホくさいにゃー、とりあえず捕まってくれる?」

 

「プラチナ嫌なんだけど、近づいたらあの車爆発させるよぉ」

 

ダンが車の方に視線を向けた時、「やっぱりクソムカつくから一発撃たせろ」と、ダンの注意がそれた瞬間に近づき右手に一発銃弾を撃ち込んでから煙幕で離れていった。

 

「おい、ダン。大丈夫か?銃声がしたから来てみたんだが、、、」

「やっぱり僕に任せといた方が良かったんじゃない?この様子だとグレーテは助けたけど、逃げられたの?」

 

ジビアとモニカが、屋敷内の殲滅も終了したため戻ってきたようだった。

 

「申し訳ありません、想定外でした。まさか不良集団のトップに養成学校の元生徒がいるとは」

 

グレーテは冷や汗をかいて車から出てきた。苦手な男性と狭い車内で銃を押し付けられていたのなら仕方のないことだろう。

 

「ダンさん、それよりもお話を伺ってもよろしいですか?」

 

簡単な止血をしたのちグレーテから説明を要求される。ジビアが運転する車内でティア達返金チームを迎えにいっていた

 

「アイツはライン、おんなじ養成学校の出身で元々ナンバーワンツーを走ってたけど、ギードさんの特別訓練で心折られて養成学校を中退していった。元々武闘派の養成学校だったから今の自分でも勝てるかは五分五分かな、最後のコードネームは”矛弦”。槍を使わせたら教官にも勝てる奴だった」

 

「お前コードネームとおんなじなんだな」

 

「アイツが辞めていった後、矛弦のコードネームを一度引き継いだからね」

 

ダンの夢現というコードネームはラインの矛弦を引き継いだのち、改めて変更されたものだった。

 

「今後、とりあえず今回の任務に関する彼の危険性はどのようなものでしょうか?」

 

「それに関しては心配ないよー、資金繰りが目的だろうし今後追い出される社長は取引相手にすらなり得ない。だからおじいさんへの嫌がらせはないと考えていいよ」

 

車内が安堵とも不安とも取れる雰囲気になった後、ティア達と合流を果たした。

 

「すいません、私の計画不足が原因です」

「まぁ、不良グループにスパイ崩れがいるなんて想定出来ねぇだろうからしゃあねえって」

「自分の昔の知り合いがすいません」

「キミにとってどうしようもないんでしょ、まぁ弱ってるのを見るのはウケるけど」

 

戦闘グループとして区分けされた者達が落ち込んでる姿を見て返金グループはなんとも声をかけられずにいた。

 

「まぁ、解決したならとりあえずは良かったっす」

「そうなの、お姉ちゃん達は頑張ったと思うの」

「俺様も褒めてやります。手当てくらいはしてやってもいいですよ」

「新たな脅威が分かったことも手柄の一つよ、次に活かせばいいわ」 

 

何とか励ましの言葉を送るがいまいち雰囲気が改善されない、灯のムードメーカーである彼女の重要性を再認識していた時、屋敷に戻りドアを開けた

 

 

 

 

 

 

「何やってんだーーーーー」

「何してるのよーーーーーー」

ティアとモニカの怒号が部屋の内部を見ていない面々にも聞こえる嫌なことが起こっていることだけはわかる。恐る恐る部屋をのぞいてみると

 

「なんでふか、モニカひゃん、わらひにお酌してほひいんれふか?」

 

「違う、そうじゃない。何でまた酔っ払ってるのか聞いてるんだ」

 

「モニカひゃんはわらひがおひゃけのんららめらっていいたいんれふか?」

 

「そうだよ」

 

「じゃあついであげまふ」

 

「何でそうなる、みんなも止めなよ、、、っておい。どこ行く?僕を置いて扉を閉めるなーーー、鍵までかけるなよ、おい」

 

「なんれふか、モニカりゃんわたひのおしゃけはのめらいっていふふてふか?わらひひつもおもってるんれふねど、モニカちゃん、いやモニカはみんなからきょりとりふぎでふよ、きいてまふか、モニカー?」

 

「わかったよ、聞いてるからリリィ。それ以上ラッパ飲みしないでくれ、、、何でこっちに来る、おい。わぁぁぁぁぁーーーー」

 

尊い犠牲によりメンバーのとりあえずの空気はマシになった。時分も日が暮れ逢魔時に差し掛かってきた。笑う鬼がいる間に未来の話を始めよう

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

エルナ「エルナなの」

アネット「アネットです」

エルナ「エルナはキャラ被りを不安視しているの」

アネット「キャラ被りですか?」

エルナ「エルナはみんなのことをお姉ちゃん、お兄ちゃんって呼んでるの」

アネット「呼んでやがりますね」

エルナ「アネットはみんなを姉貴、兄貴って呼んでるの」

アネット「俺様呼んでます」

エルナ「2人とも妹ポジションなの、妹は2人も要らないの」

アネット「俺様どうでもいいですが面白そうなので爆発させて決着を決めたいです」

エルナ「お前は物騒なの、エルナが方法を考えてやるの」

アネット「エルナちゃんありがとうございます」

エルナ「の!!妹力でなんか負けた気がするの」

アネット「やっぱり俺様どうでもいいです」

エルナ「予告編クイズなの」

アネット「予告編クイズです」

エルナ「みんなの妹ってキャラがお姉ちゃんがやってたら訳がわからないの」

アネット「その人の妹にとってはどうやっても姉貴になります」

エルナ「一人っ子でも意味がないの」

アネット「姉妹の概念がありやがりません」

エルナ「さて灯の中で実際に妹なのは誰でしょう?」

アネット「俺様忘れました」

 

エルナ、アネット「「次回、任務と服装」」

 

エルナ「それがみんなの妹なの」

アネット「そんな決め方でいいんでしょうか?ところでエルナちゃんは?」

 




火憐だぜー、月火だよー。2人合わせてファイヤーシスターズ(幻聴)

気になる方は「物語 次回予告 阿良々木姉妹」とでも調べてください。
お察しの通り新キャラは月火ちゃんが若干モチーフです。このキャラはしばらく触れません、なぜかって?原作3巻どうせいっちゃうねん。オリキャラ足さんと、何もできへんやろがい。というわけです。別に記憶が飛び魚して忘れているわけではありません。3巻には戻ってきてもらいます。

最後にここまでお読みいただきありがとうございます、高評価お気に入り登録してくださると嬉しいです。感想もプラチナお待ちしています。
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