夢うつつのスパイ   作:駄雀

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今回は浴場でのエンカウントです。


Case.2 夢かうつつかこの世はかりそめぞ

先生に夜食を作り終えたのちシャワーを浴びにいくと、中に少女がいた件。

 

いや、ほんと悪意とかないんやて、ほんまに

「ほんと、ごめん。綺麗な肌とかみるつもりで開けたわけじゃなく単にシャワー浴びようと思っただけで」

 

「…」

 

「すいません、まずドア閉めます。部屋に戻ってるから、上がったら声かけて、ごゆっくり」

 

「待ってください、すぐに出るので、脱衣所の外で待っていてもらえますか、少しお話しがありますので、」

中にいた少女、グレーテが話し終えたのちに彼は扉を閉める。

 

この後、どうするかなぁと呑気に考えながら彼は座っていた。

いやぁ、扉を開けたらシャワーを浴びる美少女がいました。気づかなかった自分が100悪いのだが、終わったなぁと思う。彼女はおそらく自分を嫌いだろう。他の少女に覗かれた旨を伝えるかもしれない。すると出て行かされるだろう。仮卒業というところで養成学校を出てきた。ミッションに挑む前にメンバーとのトラブルで帰還、、、

校長は生きて(国に)帰ってこいって言ってたから喜んでくれる。やったね。でも、面倒かけるなって言ってたから、プラマイゼロか、悲しいなぁ

先生ならなんとかなる方法を見つけられるのだろうか?世界最強さんに先に教えておいてもらいたかった。グレーテが「シャワーを浴びてるから忘れ物勝手にとっていいよ」とか言ってくれるような人だったらなぁと存在しないものを想像する。

 

 

顔を見た状態で話をしないとろくなことがないと思うので、とりあえず目を瞑って思考をまとめていく。すると横に気配が

「お待たせいたしました、ダンさん。何度かお声がけしたのですが、休んでらしたのですか?」

 

「あぁ、ごめん、なんて言ってたの?」

 

「ほんとに見られましたか?」

 

「見てないといいたいところだけれど、割としっかり」

 

「やはり、わたくしのk」

 

「ちょっとごめん、他の子に聞かれるかもだから屋敷を出ない?」

 

「そうですね」

 

夜風に吹かれながら、屋敷の明かりが届くところで立ち止まる。

 

「遠くに行きすぎると冷えるから、ここでいっかな?後、冷えないように、自分の上着羽織っておきなー」

「配慮ありがとうございます」

 

「うんにゃ、それよかほんとごめん」

 

「いえ、わたくしの方も気を抜いていたのも事実です。」

 

「でも、、、」

 

「わたくしの素顔を見て尚、きれいとなぜ言われたのですか?それだけお尋ねしても」

 

「んっ?どゆこと?」

 

「いえ、それは、、、かつて気味悪いと言われたことがあるので、、、」

 

「そっか」

 

彼女はきっと傷を抱いているのだろう。つけ込むのは容易いが、傷自体を癒すのは難しい。

かつて、やらかしたことがある。助けるつもりだった。だが、結果として依存させてしまった。その後は自立を促したが、結局廃人と化してしまった。その後自分は人との関わりを減らし、本を読み続けた。どこかに答えがあると信じ、ひたすら読み漁った。そして、今のコードネームを思いつく。ゆめうつつ、そしてこの世はかりそめで、そのかりそめをリアルに感じさせるものは、身に刺さる痛みのみだった。自身は傷ついていい、そしてその痛みで他者を救えるなら安いものだった。本を読み漁って得た手法は、その傷を共に抱えていようとすることだ。間違っても抱えて『あげよう』としてはいけない。ダンは気合いをいれる。

 

(コードネーム『夢現』《むげん》ー爆ぜ語る時ー)

 

 

「自分は見た目で人を決めないからね、綺麗事じゃなく、ほら、自分も男としてはチビだから、身体のことは全て関係ないものとして見てるよ、ただ君たちが綺麗なのは事実だけどね」

 

「なぜ、なぜ、あざを見ても綺麗だとおっしゃっていただけるのですか?」

 

「アザの有無に関わらず、君は努力を続けた、少し見ただけでも君の肌は艶を保っていたのはわかる。普段の様子から見るに、ずっとマスクをつけて過ごしているんだろ?でも君は顔の手入れを怠っていなかった。見られることを想定していないにも関わらず。なら、それは綺麗だと言えるのだろう。」

 

「っ、、、憐んでいるのならやめていただきたいです」

 

「何があったのかは知らないが、それだけはないよ」

 

「しかし、、、」

 

「いや、まぁ、顔が全てという訳じゃないし、変態的なことを言った気がするが、忘れてくれ」

 

「ありがとうございます。後もう一つお聞かせ願いますか?」

 

「答えれることなら、どぞー」

 

「では、わたくしの為に反省会に参加されていなかったのですか?」

 

「なんでそう思ったのかにゃー?」

 

「いえ、出て行かれた時にわたくしを少し見られた気がしたので」

 

「見てないと言っても信じてもらえないだろうね、まぁそうだよ、自分と先生を見る目が他の子と明らかに違ったから、男が苦手なのかなぁって、自分が入っていくと急に黙られたりしたら、ちょっと傷つくんよー」

 

「それは、すいません、もう大丈夫なのでこれからは居てくださいね」

 

微笑むグレーテは月明かりに照らされてそれはそれは綺麗だった。

「次は自分からいくつか聞かせて、それで話どうなったの?」

 

「とりあえずは、ボスを単一の罠に嵌めることは難しいのでブービートラップを仕掛けようかと」

 

「ふーん、何人かが自ら引っかかる気がするけど、妥当かな?まぁ、いっか」

 

「何か、策があるのですか?」

 

「んー、あるけど、明日のが、失敗してからでいいかなぁ」

 

「チームのためですか?」

 

「それもあるけど、やっぱり」

 

「やはり?」

 

「今日みたいなことがあった時に誰かに嫌われるかもしれないからねー、角は立てたくない」

 

「故意にはやらないでくださいよ」

 

「やらんわ、色々殺されそうやし」

 

「そういえば、なぜ策がなくなったら飛び出していくのですか?今日、お話しだけですぐに違う策を思い付かれていたようですが、、、」

 

「あぁ、その方がいいでしょ。何度傷つこうとも、最後に勝てればいいんだから。実際君も自分は策がないと飛び出す脳筋だと思ってたみたいだし」

 

「その方がいいと判断されたのでしたら、分かりました。また、話せるようになったらお教えください」

 

「んー、ところで、なんで声上げなかったの?あの場ですぐ悲鳴あげるかと思ったのに?」

 

「いえ、つい先日似たようなことがあったものですから」

 

「えっ、もしかして先生と?」

 

「えっ?」

 

「えっ、マジ?」

 

「どうしてわかったのですか?」

 

さっきそんな話を先生としてたー、などといえずに「なんとなく」とだけ答えておいた。

グレーテとようやく話せた。だが、男嫌いの理由は聞かずにいた。いつか、気が向いた時にでも語ってくれるかもしれない。そのぐらいでいい。

「あぁ、その、君の秘密を知ってしまったから、自分の秘密を一つ明かそうか、君はチームの参謀にそのうちなるだろうから。」

「いいのですか」

「いいんだよ、でもこれは、屋敷のみんなには話さないで、自室での独り言も禁止、自分はーーーーーー」

 

二人はようやく語りだす。時間は少ない。数日といえど語らなかった期間を埋め合わせるように、どちらかがくしゃみをするまで語り合っていた。

 

 

「あら、あんなところで逢引きかしら、いいこと思いついたわ」

 

 

 




お読みいただきありがとうございます。

今回はグレーテとのお話でした。男主人公で物語を作成するならば、第一にグレーテとの関係をなんとかしないといけないと思ったので、、、
ただ、自分的にはまだまだよく出来た気がしています。やってること本編と一緒なので。
時間軸としては先生が覗き(天然)をした後なので、多分惚れられてはいないです。多分
口調だけで、誰が喋っているかわかるかなと思っていますが、分かりにくいなら考えますねー
次回はあの人ではないです。あの人はフラグをひたすら建ててスルーし続けるつもりです。(ワンチャン最後かも)
少しの回想挟みます。多分


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