夢うつつのスパイ   作:駄雀

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やっぱり無理でしたー


Case.17 嘘つきはスパイの始まり

モニカと闘うこととなったダンだが、理由が最近腑抜けていると言われていても訓練時までは流石に気が抜けていなかった。

 

「にゃー、めんどくさ」

 

「俺様、やっぱり兄貴はダメダメだと思います‼︎」

 

ただやる気はなかった、それをアネットに指摘されしばしば腰を上げるも自身の周りの罠は既に仕掛け終わっていた。アネットはダンの後ろをついてきて罠を仕掛ける様子をジャンプして見ていた。腰を下ろすまで黙っていたはいたが終わると同時にダメ出しをしてきた。

 

「俺様、モニカの姉貴なら簡単に突破すると思います。兄貴はクラウスの兄貴に選抜されたんですよ。もっとしっかりしやがれです‼︎」

「兄貴の仕掛けたワイヤー穴がありまくりですし、ちょっと引っかかるくらいなんてことない仕掛けが多すぎます。後モニカの姉貴の格好してるのがむかつきます。」

 

後半に関しては八つ当たりだが、罠に関しては当たるくらいはどうということはないものが多いのは事実だった。しかし今回必要なのものは綿密な計画ではなくむしろ、ふわっとした奇襲というものだ。遡ること数日

 

ーーーーーーーーー

 

「覚悟ー!!」

 

リリィの背後から正々堂々とした宣誓された不意打ちを合図に全員がクラウスに飛び掛かる。ダイニングでの襲撃、テーブルの下、扉の後ろ、アネットに至ってはシャンデリアの上から飛び出す。

合図のおかげかタイミングは完璧に合っている。しかし、3秒と掛からぬうちに全員テーブルクロスに巻かれていた。尚、そのうちの1秒はクラウスがテーブルクロスを手にするために使われた。

 

その時、クラウスから教えられたのは奇襲はふわっと行うこと。そして、灯の初めての任務はクラウス一人によってすでに遂行された後だったということだ。

 

ーーーーーーーーーー

 

ダンのぼんやりはそれから若干ひどくなった。ふわっとしている時間を増やし、エルナのような不幸、リリィのようなミスを量産していた。そして、今回のゆるいトラップだ。

 

「俺様、兄貴にはとことん失望しました。なんで選ばれたのかもわかりません。さっさと出て行きます」

 

アネットがワイヤーを潜り抜けようとするが、「むっ、俺様ビビーンと嫌な予感を感じました。やっぱりここにいます」

「そうだ、俺様素敵なものを持ってきたんでした。コレ兄貴にあげます」

アネットが背中に手を回し差し出してきたものは刀と呼ばれる東方の武器だった。ここ1ヶ月で見たことのあるような武器、しかも全く同じようなものを、、、

 

「これ、ギードさんが使ってたやつじゃない?!なんで持ってんの?あぁね、レプリカですよね?工作したんですよね?」

 

ダンはアネットから手渡された鞘を見て驚愕する、それはクラウスが持ち帰り壁に飾っていたものと瓜二つだったからだ。アネットならば複製できるだろう。しかし、アネットが鍛治までできるとは到底思えない。しかし、そんな貴重品を持ち出し自分に押し付けてきたなどと考えたくはなかったために工作品だと信じたかった。しかし、返ってきたのは

 

「俺様、ここまでの武器は作れないですよ。兄貴にプレゼントです」

 

という無情な答えだけだった。刀は使用者によって、また使用法によってその威力を大きく変化させる。ギードが使用していたものは技術さえあれば絶大な威力を発揮できるが、闇雲に振り回すだけではそこら辺の鉄パイプよりも劣ってしまう。

 

「ねぇ、ボクを前に遊んでるなんて、随分余裕じゃないか」

 

背後から聞こえるのはブチギレたモニカの声、先ほどのリリィたちのパフェの件も含めて怒りは静まっていなかったようだ。そんなモニカに対して十全に扱えない武器を持った状態でできる最善策は、、、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「モニカ、いますぐ手を上げて降参しろ、アネットが怪我をした場合看病はずっとお前らになるかんな。自分達任務でいないかんな、サラもいないかんなー」

 

「........」

 

「アネットからもなんか言ってやれー」

「俺様捕まっちゃいました!モニカの姉貴俺様が怪我したら治るまで全ての世話をお願いします」

 

「........」

 

 

「ほら、モニカなんか言ってみろ、降参かー。降参なのかー?」

 

「表で決着つけようか、クソザコ」

 

ブチギレたモニカがそこにはいた。

これはこれ以上煽ってはいけない。第六感が警鐘を鳴らし続けている。ここらが潮時か。

ダンは諦めて自身の愛用の棍と共に外に出る。もちろんアネットを連れて。

「今日も勝ち!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

モニカとの訓練は夕刻まで続き夕飯に呼ばれたところでお開きとなった。彼女との訓練はモニカによるしごきという側面が大いにあったが、それだけではなかった。実際、終了間近にはモニカの戦闘スタイルはダンにコピーされ似たような動きをできるようになっていた。その分ダンの方が精度の差で負けることが少し多くなっていた。

 

「君もまだまだボクみたいに周囲を捉えることはできてないみたいだね」

 

「ぽいことはできてたじゃろ?」

 

訓練終了が告げられ二人は屋敷のテラスまでもどり反省会を始める。

 

「ふーん、ボクの真似とはいえ十分戦えるんじゃない。アイツらが怪我したらムカつくからしっかり頼んだよ」

 

「モニカがデレた?!」

 

モニカの特技である計算力は真似ることはほぼ不可能だった。だからこそそれに似た動きをする。あたかも不完全であるかのように、、、実際十全に使用できるモニカではなく、別人のダンが真似ているため当たり前のことなのだが。

すっきりとした声でモニカは伸びをする。「ウザッ」と悪態をつくが動いたことにより多少は苛立ちが落ち着いたようだ。モニカは不遜な態度を普段から崩さないが、ダンといる時は少し和らぎ対等に接しているように見える。彼女なりの信頼だろうか。

夜も更け肌寒くなったために、彼らは屋敷に戻り夕飯を食べに向かう。屋敷に残っていた衣装組はリリィ、ジビアを除いてツヤツヤしていた。エネルギーを吸い取られたかのように二人はおそらく着せ替え人形にされた疲れでげっそりし、夕飯のメニューを新たに作るメンバーはいなかった。そのため昼にリリィたちの作ったロールキャベツの残りが夕飯だった。

 

「皆さんのメイド服はきちんと作っておきましたので、明朝早速発ちましょう」

 

グレーテに告げられメンバーは就寝の準備に移っていく。ダンはというとクラウスの部屋へと向かっていった。

 

「どもー、ありゃ」

先客としてグレーテがクラウスにお茶を入れていた。「また出直した方が良さそうかにゃー?」ダンが遠慮して部屋を出ようとすると、クラウスからグレーテに聞かせてもいい話かどうかを聞かれたため、少し悩んだのちに了承する。

 

「今回の任務グレーテが指示とるのかにゃ?」

 

グレーテは少し驚いた顔を見せる。ただクラウスは少し微笑んだのち「極上だ」と呟く。

 

「説明してみろ」

 

「なんで二手に分けたかはわからないが、今回選ばれたメンツは協力してことにあたるのが得意なメンバーだ。それはティアにも当てはまるが、そうするともう一方をまとめる人がいなくなる。それにグレーテが今回の要になる。って感じかな?」

 

「おおよそあっている。では、ダンお前が選ばれた理由は?」

 

「お目付け役、正確には保護者が一番正しいかな?」

 

グレーテが驚きの表情をさらに隠せなくなってきた。口をあんぐり開けたまま「想定外です。ダンさんはボスから聞かれていたのですか?」と尋ねる。

彼女にとっては驚き以外の何物でもないだろう。クラウスから信頼されて任されたはずの任務の概要をダンが当ててしまったからだ。

 

「何となくそんな気がした」

 

まるでクラウスがするような応答にグレーテからは苦笑いが溢れる。そんなグレーテを見てクラウスから改めて任務の詳細を明かされる。

今回のターゲットは屍と呼ばれる暗殺者、そしてその協力者だ。ダンを含めた作戦会議は深夜まで続いたが、翌朝に備えて日付けが変わる前には就寝することとなった。

 

翌朝、出発する面々を残るティア、モニカ、エルナ、アネットが見送りに出ていた。

少し罪悪感を感じているリリィをティアが励ましたのち、少女達は任務へと向かう。その時「あ、忘れてた」とダンが呟き、彼女らを先に向かわせ一人振り返る。

 

「エルナ、頑張ってにゃー、アネットと仲良く。アネット、どしたん眠そうだけど、、、今朝もらったもの何かに使わせてもらうから。モニカ、メンバーと協力すること、モニカ昨日負けたでしょ、その命令。ティア、頑張ってクセ強いメンバーだけど」

 

先に向かった少女達には聞こえないように、しかしはっきりと伝える。それを聞いたモニカはおもしろそうに微笑んだのちに「ふーん、じゃ君も頑張って」と屋敷に戻る。「それと、ボクの格好でヘマしたら次こそ倒すから」そう言い残す。ティアが首を傾げているのをおもしろそうに見ていたアネットがエルナに飛びつき「俺様、エルナちゃんの面倒しっかり見ておきます。任せてください」捕まったままピョンピョンと飛び跳ね、それに釣られてエルナが「のー」と目を回す。

言いたいことを言い終えるとダンは先に向かったメンバーに追いつくためにカバンを持ち任務へと向かう。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

エルナ「お姉ちゃん達出発してしまったの」

アネット「俺様、モニカの姉貴とダンの兄貴の戦いを見ていてピカーんと閃きました」

エルナ「だからお前は眠そうだったの」

アネット「俺様、たったまま寝てましたよ」

エルナ「まさかの器用だったの」

アネット「エルナちゃんも立ち寝試してみましょう、便利です!!」

エルナ「エルナはお姉ちゃん達みたいに器用じゃないから難しいの」

アネット「一度は経験するべきです。立ち寝!!」

エルナ「アネット騒ぎすぎなの、ティアお姉ちゃんが口を押さえに走ってきているの」

エルナandアネット「次回、ワザリングハイツ」

エルナandアネット「むぐぐー」

アネット「まさに嵐が丘って感じです!!」

 




春アニメ色々ありますね、面白くて雀さん困っちゃいます。えーっとはい、読んでいただいてありがとうございます。

第一回ギードの刀は東洋か西洋か問題~!!いえーい、ドンドン、パフパフ!!
小説版では、東洋の刀だったギードさんの武器ですが、アニメでは西洋風になっていました。あいつは一体どちら出身なのでしょうか?


2週間に一回くらいはあげたいなぁなんて思いながら普段生きてるんですが、書けない時はほんとに書けないですね、、、
嘘ですちゃんと書きます。ちょっと考え中ですがペース上げていきたいと思ってます(n回目)
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