夢うつつのスパイ   作:駄雀

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ま、間に合ったー




Case5 色仕掛けは2度転ぶ

翌日、広間にて招集前に集まっていた。モニカとティアが話していた。

 

「ずっと思っているのだけれど、彼の私の扱いかた雑じゃない?」

 

「僕はそう思わないけれど、クラウスさんと比べてどうなの?」

 

「似たような感じかしら昨日の夜なんかも、昼のことで文句を言うついでに部屋に行ったのよ、そうしたら」

 

ーーーーー

 

「ねぇ、寝れないの、相手してくれない?」

 

「んー、まぁいいけど、何かする?」

 

「なんでもいいわ、あなたの好きなことをしましょ」

 

私はその日行われた襲撃に関して文句を言いに行った。彼は私に待機指令を出し、温存と言われたが、結局は雑な色仕掛けとして使われるだけとなった。前から話していた一度誘惑し、手駒にすべく彼の元に訪れたのだった。

 

「いいよ、ちょっと待ってて」

 

「わかったわ」

 

「今日はごめんな、なぜ見抜かれたのかはわからんが、もう少し上手く活躍して貰えばよかった」

 

彼はそう言いながら私の元へ近づいてきた。上手くいきそうなことを想像すると、思わず笑いそうになってしまう。先生に前に指摘された不自然に取られうる要素は全て覚えている。癪だが、養成学校時代よりも上手くなっている。はずだ、、先生相手には一度も成功したことがないため自信をなくしていた。そこで彼を誘惑し自信を取り戻すのだ。

 

そう意気込んで彼をもう一度見る。ゆっくりと近づいてくる。私はじっと身構える。身構えていた。

 

だが、彼は私の元を通りすぎたのだ。

 

「手元にある本で、好きそうなのはこれかな?」

 

「え?」

 

「眠れないんでしょ?フィッツジラルドの『夜はやさし』きっと気にいるよ」

 

「そう言うつもりじゃなかったのだけれど、それもいいけれど、楽しいことしましょうよ」

 

「そう、なら?」

 

先生はチェスを出してきた。流石にこの男も同じではないだろう。彼はレコードに向かい音楽をかける。

 

「あら、案外ムードを大事にするのね」

 

「環境は大事だからねー」

 

「ジャズ聴きながら本を読むのは楽しいよねー」

 

当てが外れすぎる。私にハーブティーを入れ、ソファーに案内してくれる。彼は窓辺に置かれたテーブルに座り本を読んでいる。せっかくなので少し読んでみる。長編の恋愛小説だ、一応好みを考えて渡してくれたらしい。ハーブティーの方も少し飲んでみる。カモミールとレモングラスの落ち着いた風味のものだった、ノンカフェインで夜に飲むものとしてはベストなものだろう。

十数分ほど本を読んで過ごしたが、彼は何もしてこない。こうなってしまっては自分から行くしかなかった。

 

「ねぇ、甘やかして欲しいの」

 

なぜだろう、嫌な予感がした。先生との二の舞をしている気がしたのだ。案の定というか、彼はホットミルクを出してきた。口に含んでみると、ほんのり甘かった。

 

「美味しい」思わず呟いてしまう。

 

「ハチミツを加えてるからね、最近疲れてるみたいだから、ゆっくりしていきなよ」

 

甘やかすの意味が違うのだが、美味しいホットミルクが飲めたためとりあえず愚痴を言うだけに済ませておく。

 

「そういえば、今日リリィが指示もらってたけど、不自然に黙ったりとかした?」

 

「そんなことはないわ、ずっとモニカと連絡をとっていたと思うけど、、、」

 

「そうなんだー、ふーん、ラッキーかも」

 

「どうしたの」

 

「うんにゃ、こっちの話、あと、明日の襲撃自分不参加にするわ」

 

「どうしたの?」

 

「ちょっと用事、それよりも、せっかくだし、みんな呼んで夜食でも作ろうか、みんなを呼んできてくれる?」

 

「話を逸らされたように思うのだけれど、まぁわかったわ」

 

「お願いね、部屋にいなかったら運がなかったと言うことで、、、」

 

「美味しいもの用意してちょうだいね」

 

「りょー、あっエルナに関しては少し探してあげてね」

 

「あなた、あの子の不幸体質を過信しすぎじゃない?今日あの子落ち込んでたわよ」

 

「なら尚更美味しいもの用意しないとねー」

 

ーーーーー

 

「だから昨日唐突に招集がかかったと思ったら、彼が夜食を振る舞ってくれたのか」

 

「そうなのよ、先生の時は『眠れないの・・・・』って部屋に入ったらチェスに誘われて、『早く楽しいことしましょ?』って言ったらチェス盤を出して、『甘えていい?』って囁いたらチェスにハンデをくれたのだけれど、全く進歩を感じられなかったわ」

 

「御愁傷様」

 

「全く、あの二人はなんなのよ、私の色気に屈しないなんて」

 

「本好きとチェス好きの人たちだろうね」

 

「まぁ、美味しいフレンチトーストを食べれたからよかったけれど、それ以外はほんと、ありえないわ」

 

「昨日リリィだけいなかったよね、彼女なら食いつきそうなのに」

 

「あら、私のこと呼びました?」

 

「ん、昨日、彼が美味しいフレンチトーストを作ってくれたって話をしてただけだよ」

 

「私聞いてないですよ、どうして呼んでくれなかったんですかー」

 

「あなたが部屋にいなかったからよ、あんな時間にどこにいたの?」

 

「ええっとですねー、ええっと、少しお手洗いに行っていたので、ちょうど入れ違いになってしまったかもしれないですー」

 

「わざわざ、二階のところに行っていたの?一階のところにはエルナがいたのよ」

 

「ええっと、そうだったんです」

 

「ふーん、不運だったね」

 

「うぅー、今度食べてみたいですー」

 

「そういえば、今回彼は襲撃参加しないそうよ」

 

「そうですか、なら今回の浴場での襲撃は私たちだけでやりましょう」

 

彼は実動部隊だったので、彼が抜けたことによる問題はさほど大きくない。彼の用事というものは気にかかるが、今は襲撃に集中する。




今スパイ教室見てます。盗聴器気づいていたのですね、
うぅん、何時に書いているのかって?
現在11:43です。やっべぞ、やっべぞ

基本0:00投稿を目指してますが、少し遅れるかもです。
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