Devil May Dungeon 作:白菜を身にまとった生命体
「…ったく、なんで追い返されるんだよ」
ベルは悪態を吐きながら石の階段を降りる。
数分前、ベルは有名なファミリアから追い返されたのだ。理由は一つで、「カッコつけてるだけのヒョロガリ」と笑われたからである。流石のベルもRISING DRAGON‼︎しそうになったがギリギリで思い留まり、バレないようにダンジョンに潜っていた。
「…はぁ…あの門番、悪魔と戦ったらすぐ死ぬな間違いなく」
そう言いながら下っていると、突如ベルの足元が光り出す。
「…これ、魔法陣k」
ベルが言い終わるより前に、ベルはその場所から消えてしまった。
ー
ダンジョンのとある階層では、壮絶な現場があった。
ニヤリと笑うモンスター、そのモンスターによって全滅した冒険者達。冒険者達は息も絶え絶えであり、いつやられてもおかしくなかった。
「…やめろ…」
すると、一人のエルフが立ち上がり折れた武器を向ける。
「みんなを殺すな…!私がお前を…倒す…!」
血を吐き、恐怖に怯えた目をしながらも立ち上がった女性に対し、そのモンスターは爪を振り下ろそうとした。その瞬間、
「何処だここ…?」
ベルが現れた。ベルは周りの状況を理解するのに1秒ほど時間が掛かったがすぐにモンスターの爪に触れる。
「おいおい、わんちゃんがそんな物騒な爪を見せるな。ちゃんと切って貰ってるのか?」
ベルはそう言う。エルフの女性は何か言いそうになったが、あることに気づいた。あのモンスターは爪を振り下ろせないのだと。あの男は片手であのモンスターを押さえつけているのだと。
すると、モンスターはベルに噛みつこうとしたが、ベルはすぐに避ける。
「噛み癖まであるのかよ、躾がなってないな」
ベルは余裕そうにそう言うと『シュヴァルツ』と『ヴァイス』を取り出す。
「
そう言って弾丸を放つ。それはモンスターの身体に直撃し、血が出るとそれを見たモンスターは猛攻を仕掛けるが、ベルはそれを悠々と回避する。
「よし、あれ使うか」
ベルはそう言って停止すると何処からかヌンチャクを取り出す。そのヌンチャクを見たエルフの女性…リュー・リオンはその武器の異常さに気づいた。
そのヌンチャクには氷の力が宿されており、リューは氷の力を司る3頭の番犬を幻視した。
「魔剣…ではない…」
魔剣、それはある鍛冶師が作れる剣だ。先祖が色々とやらかしたせいで魔剣は3度振るうと砕け散ると言う欠点ができてしまったが、それでもあって損はない剣のことである。リューは自分達が知る魔剣とは違い、そして異質であることを見抜いた中、ベルはそのヌンチャク ケルベロスを振るう。
その一撃を喰らったモンスターはたじろぐとその瞬間を見逃さず、目にも止まらぬ連撃を喰らわせる。
それによってモンスターは息も絶え絶えになり、ベルを睨みつけたがそこにベルはいなかった。モンスターはベルを探すために頭を動かし、周りを見渡す。そして上を見た瞬間、光の力を宿す籠手と具足を纏ったベルを見た。
そしてそれが、このモンスターが見た最後だった。
「
その籠手でモンスターの頭部を殴ると、頭部は粉々になり砕け散った。
「…一瞬で…」
「…ふぅ、終了っと」
そう言って魔具をまた何処かに戻すと、リューに話しかける。
「…あー、大丈夫ですか?」
「私は大丈夫です…でも、みんなが…」
「任せてくれ」
ベルはそう言って緑色の物体を取り出すと、重傷を負っている冒険者に置いていく。
「それは…」
「グリーンオーブだ、これなら…」
すると、グリーンオーブは消えると冒険者達の傷が癒えていく。
「ほい、アンタも」
「は、はい…」
そしてリューにも渡して癒すと、ベルはその場を去ろうとする。
「ま、待ってください!」
「…ん?」
「せめて、何かお礼を…!」
「いや、大丈夫だから」
ベルはそう言うとその場から離れた。
「…そう言えば、名前を聞いていませんでした…」
「…上に上がる階って何処だ?」
余談だが、ベルは何とかダンジョンから脱出できた。
次回 竈の女神