Devil May Dungeon 作:白菜を身にまとった生命体
「…ここ、だよな」
ベルは何かに導かれて女神ヘファイストスを主神とする【ヘファイストス・ファミリア】の拠点である【ヴァルカの紅房】に来ていた。
「…しかし、何でここに…?」
そう言ったベルは考え込んでいると
「…白い髪に赤い目…ベル・クラネルね」
「…はい、あなたはまさか女神ヘファイストスですか?」
「えぇ、とりあえず入りなさい…あなたに見せたいものがある」
ヘファイストスはそう言ってベルを厳重に施錠した地下室へ向かう。そして、置かれていた剣の包みを外すとその剣の姿が露わになる。
その剣は大剣であり、まるで生きているような造形をしていた。そして、柄部分に埋め込まれていた赤い石はまるで目のようにベルを見ていた。
「…これは」
「ある人間から貰い受けた剣よ…多分、力になると思うわ」
ヘファイストスがそう言った瞬間、突如として大剣が宙に浮くとベルを突き刺した。
「なっッ!?」
ヘファイストスは驚きベルを見ると、ベルは何もなかったかのように大剣を引っこ抜いた。
「…悪魔の血を引いてる人への通過点かっての」
「大丈夫!?」
「大丈夫です。身体を貫かれただけですから…」
「身体を貫かれて大丈夫なわけが…ッ!?」
ヘファイストスは驚きながらベルを見ると、ベルの傷が既に治っていた。
「あなた…ヒューマン?」
「半分はそうですね…とりあえず、この剣は俺を選んだみたいですね」
「そ、そうね…その剣の名前はどうする?」
「…魔剣エスペランサ」
「魔剣ね…確かに、魔剣に相応しい暴れっぷりね」
そんなことがありつつ数時間後、ベルは【ヴァルカの紅房】から出てそのままダンジョンに潜っていった。
「…試し切りだ」
そう言って現れたモンスターを倒していくと、いつのまにか17階層まで来ていた。
「…嘆きの大壁…まさか、中層まで来ちまったか?」
エイナさんに怒られる…と思いながら仕方なく進んでいると、壁に亀裂が走る。
「…階層主か」
そう呟くと同時に、この階層の階層主【ゴライアス】が現れた。ゴライアスは人のような姿をしながらもその大きさはまさに巨人であり、その眼はベルを睨みつけていた。
「はっ、躾がなってないな。人に出会ったら挨拶をすべきだろ?ママからそう教わらなかったか?」
ベルはそう言って魔剣エスペランサを構えると、ゴライアスを挑発する。
「挨拶の作法を教えてやるよ、ビッグベイビー?」
その挑発が効いたのか、ゴライアスは咆哮を上げるとベルに対して巨大な手を振り下ろした。
それが開戦の合図だった。
次回 迷宮の楽園
ヘファイストスってどんな口調か忘れちゃったから結構違和感あるかも…
追記
ヘファイストスの口調を変更しました。大変申し訳ありません。