デート・ア・ストラトス   作:ミステリーフード

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更新遅れて申し訳ない

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第九話

クラス対抗戦の最後の試合である1組対2組の試合が始まる前、一夏は応援席でセシリアと本音と一緒に簪と鈴の試合について話し合っていた。

 

「簪さん、落ち着いて対処してたね」

 

「そうですわね。わたくし達と一緒に考えた作戦も上手くいったようですわ」

 

「りんりんも圧倒的だったね~」

 

『りんりん』とは、本音が鈴に対してつけた渾名である。一夏は歌手名から『つっきー』、セシリアには『セシリー』とそれぞれ渾名をつけた。

 

「さて、次は鈴ちゃんと織斑の試合だけど……大丈夫かな?」

 

一夏達は簪と同様、織斑に関する対策を考えていたが、鈴は

 

「まどろっこしい作戦なんて無くていいわ。今回は自分の技量と機体を信じて戦ってみるわ」

 

と宣言したので特に何も言わずにいたが、一夏はそれが不安だった。

 

「鈴さんの技量と機体なら特に問題は無いと思いますわ。戦った私が言いますもの」

 

不安がっている一夏をセシリアが宥めていた。一夏は勝負に関しては、正々堂々と戦うよりも、情報収集は当たり前、「ルールを破らなければどんな手段でも使うし、相手が嫌がる戦術も使う」がモットーなので、鈴が負けてしまうのではないかと不安になってしまったのである。

 

「りんりん、と~ても強いから大丈夫だって~」

 

本音も言ってきたので、一夏はとりあえず考えを頭の隅に置いた。

 

「お二人が出てきましたわ」

 

セシリアがそう言って、一夏が前を見ると、鈴と織斑がピットから出て、お互いに向き合っていた。

 

「なんか織斑の顔が怒っているように見てるな~。鈴ちゃん、何を言ったんだろ?」

 

鈴に何か言われた織斑は、怒った表情のまま試合開始のブザーを待っていた。それに対して、鈴は

 

「~♪~♪」

 

鼻歌をしながら、とても落ち着いていた。

 

『試合、開始』

 

試合開始のブザーが鳴った。開始直後、鈴と織斑は互いに急接近し近接戦になった。

 

「この、当たれ!」

 

「誰が当たるもんですか!」

 

織斑の攻撃を、鈴は大型の青竜刀『双天牙月』で受け流し、隙を見て蹴りや殴りなどの打撃で攻撃していた。

 

「剣を持ってるなら正々堂々戦え!」

 

「だったら使ってあげるわ!」

 

鈴は打撃から、双天牙月を分割して二刀流に切り替えた。双天牙月はかなり大型の青竜刀で、質量がそれなりにあり、それが攻撃力に直結しているので

 

「くそ!なんて重さだ」

 

「そらそら!どうしたの!」

 

織斑は二刀の手数に押されて防戦一方になった。仕切り直そうと織斑が距離を取ろうとすると、鈴の専用機『甲龍』の非固定装備の一部がスライドし、次の瞬間に織斑は後ろに吹き飛ばされた。

 

「いって!……なんだ今のは……」

 

織斑は一体何があったのか分からないといった顔をした。見ていた殆どの生徒も何があったのか分からないようだった。

 

「どんどんいくわよ!」

 

鈴は青竜刀を連結させ、それをバトンのように器用に振りながら再度近接戦に持ち込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれって……もしかして衝撃を飛ばしてるのかな?」

 

「恐らく。確か中国が開発した第三世代装備で……名前は『龍砲』だったはずですわ」

 

「砲身と弾が見えないのが厄介」

 

「それは回避しにくいね~」

 

一夏達は鈴が使った兵器について話し合っていた。簪と本音は厄介なものと言っているのを、一夏は否定した。

 

「見えないのは確かに厄介だけど、鈴ちゃんの目線の先から離れれば当たらないよ」

 

一夏は鈴の癖を瞬時に見抜いた。鈴は衝撃砲を撃つ際に、そちらに目線を向けてしまう癖がある。

 

「まぁ、大丈夫だと思うよ~」

 

「そうですわね」

 

「試合も~そろそろ終わりそうだよ~?」

 

本音の言葉で話し合いを切り上げ前を見ると、鈴の攻撃が織斑に直撃した。重量がある青竜刀を遠心力の力を利用して攻撃しており、織斑の防御を叩き潰すように繰り出された。

 

「織斑さんのシールドエネルギーは殆ど残っていませんわね」

 

「……これは決まったと思う」

 

「ちょっと残ったようだよぉ~」

 

織斑のシールドエネルギーは残り一桁だけ残った。しかし、鈴のエネルギーはさほど減っておらず、端から見ても逆転は不可能だった。

 

「これで……終わり!」

 

鈴が距離を詰めようとした瞬間にアリーナの遮断シールドが破られ、何かがアリーナに落ちた。

 

「一体何が……」

 

「とりあえず避難した方がいいと思いますわ」

 

そう言って扉の前に向かおうとしたが、パニックに陥った生徒で溢れかえっていた。

 

『ねえ琴里ちゃん、どういう状況なの?』

 

一夏は状況を確認するためにフラクシナスにいる琴里に連絡した。

 

『どうやらアリーナに乱入者が入ったようね。それとは別にもう何機かいるようね。それと、アリーナの全扉がハッキングで機能停止状態になってるわ』

 

『じゃあ、まずは避難を優先した方がいいよね?』

 

『そうね。ひとまず乱入者は鈴音に任せましょ。避難が済み次第救援って流れでいきましょ』

 

『了解♪』

 

通信を切った一夏はまず生徒を落ち着かせることにした。パニック状態では、スムーズに避難出来ないからである。

 

「聖歌(チャント)」

 

霊力を解放した一夏は声に霊力を乗せて歌った。その歌声は人の心を落ち着かせ、同時に圧倒するものだった。

 

「皆さん落ち着きましたか?」

 

一夏の問いに全員が頷いた。

 

「簪さん、扉のロックは解除出来そうですか?」

 

「ちょっと待って…………ダメ。時間がかかりすぎる」

 

「分かりました。ちょっと扉から離れてください」

 

一夏は扉の周りの生徒を下がらせ、アリスを展開して

 

「はぁ!」

 

レーザーエッジで扉を切り裂いた。

 

「落ち着いて避難してください。セシリアさんと簪さんはISを展開して皆さんの護衛に付いてください。避難が済んだら救援に来てくれると助かります」

 

「一夏さんはどうしますの?」

 

「私は鈴の援護に向かいます」

 

指示を出した一夏がアリーナの方を見ると、鈴が乱入者と戦っていた。乱入者は黒色の全身装甲で腕がかなり太く、そこからビームを発射していた。

 

(あれ?織斑の姿が見えない。ピットに逃げたのか?)

 

織斑の姿が見えないのを不審に思ったが直ぐに切り替え、ピットに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

「どうにか間に合った」

 

一夏はロックがかかっている扉を破壊しながらピットに到着した。そして、アリスを展開してピットを飛び出した。

 

「鈴、援護に来ました」

 

「一夏!ありがと!こいつかなり強いわよ」

 

「鈴はエネルギーが少ないので、後方から援護してください。私が前に出ます」

 

「OK 分かったわ」

 

一夏と鈴が作戦を立てていると、通信が入った。

 

『五河、貴様がなぜそこにいる?無許可でISを展開したな。今すぐに戻ってこい』

 

一夏は落胆し

 

『非常時です。通信を切ります』

 

通信を切断した。そのタイミングで乱入者が動きだし、一夏と鈴にビーム砲を向けた。

 

「一夏、いくわよ!」

 

「さあ、私達の戦争《デート》を始めましょう!」

 

二人は戦闘を開始した。

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