一夏は五機の無人機に光の粒子を撒きながら一直線に向かった。無人機はそれに反応し、ビーム砲で弾幕を張った。弾幕は凄まじく、普通であれば近づくことは困難だが
「遅い」
「まずは一機……」
一夏は手に持った白い光の剣『
一機を倒した一夏は距離をとった。無人機達は逃がすまいと追撃のためにビーム砲を撃ったが 、一夏は左手に光の盾
「面倒ですね」
一夏は無人機の周りに
「チャージ完了まであと……十秒」
一夏がカウントダウンを始めると、無人機達は一ヶ所に集まり始め、ビーム砲のチャージを開始した。正面から撃ち合いを始めるようだった。それを見た一夏は無人機達の周りに張った
「チャージ完了…………落ちろ!」
チャージが終わった一夏と無人機達が一斉に引き金を引いた。その瞬間、アリーナが光に包まれた。互いに放った砲撃は中心でぶつかり合い、拮抗した。だが、拮抗したのは一瞬で、一夏が放った
「殲滅……完了……疲れました」
爆炎が晴れると、そこにはかろうじて無人機の残骸と分かるものとISのコアが一つ落ちていた。
「……学園に回収されても面倒ですね……どうしましょう?」
一夏が悩んでいると通信が入った。相手を確認すると、五河 琴里とあったので一夏はすぐに通信に出た。
『琴里ちゃん、どうしたの~?』
『一夏、素が出てるわよ』
琴里の指摘に、一夏は顔を赤くした。いくら髪飾りで性格を変えても士道と琴里の前では素の性格が出てしまい、琴里に注意されることが多い。
『……すいません。どうしましたか?』
『そこにあるコア、回収して。一つはむこう、もう一つはこっちで使うわ』
『了解しました。他には?』
『あとは……真那が転入するわ。協力してね』
真那が転入すると聞いた一夏は驚いた。真那は士道の実妹で一夏の師匠と言える人物で、とある精霊を追っている。
『分かりました』
『それと……ライブ頑張ってね。見に行くわ』
『フフ……ありがと……琴里ちゃん』
通信が切れたのと同時に、霊装を解除してアリスに戻し、アリーナの一点にC・C・Cを撃った。
「あらあら、危ないですわ」
撃たれたそれは、弾丸を軽やかに避けた。避けられたことを確認した一夏は舌打ちをしてそれを見た。
「何の用ですか…………時崎 狂三」
それは赤と黒のフリルがついたドレスを着た少左右非対称のツインテールの女だった。しかし、その少女こそ、真那が追っている精霊であり、『最悪の精霊』と呼ばれている。
「新学期の挨拶に来ただけですわ」
「……そうですか。なら早く行ってください。捕まりますよ」
「気遣い、感謝しますわ。では……また……」
狂三は影の中に入っていき、アリーナからいなくなった。
「……はぁ」
一夏は溜め息をつきながらピットに戻った。
「五河、なぜ指示を守らなかった?独断とはいい度胸だな。それにお前たちもだ、無断でISを展開してただで済むと思ってないだろうな」
ピットに戻るなり、一夏は管制室に呼び出された。管制室に向かっている途中でセシリアと簪と会い、一緒に入ったとたんに 上記のことを千冬に言われた。セシリアと簪は怪訝な表情になり、既にいた鈴は呆れた。あの状況で指示を待っていたら被害が拡大していた可能性が高く、被害を抑える為に行動したにも関わらず労いの言葉一つ無いのに納得がいかなかった。
「では、織斑先生はどのようなプランがあったのですか?わたくし達は何も聞いていませんが?」
セシリアは千冬のプランを聞いて納得出来るか判断しようとした。
「扉をクラックして開けてシステムを復旧、その後教師部隊を突入させるつもりだった」
それを聞いた全員が呆れ返った。しばらくして、鈴が口を開いた。
「……随分と悠長ですね。下手をすれば怪我人や最悪死者も出ていましたよ?人命を軽視してるんですか?」
「観客席にいた教師も生徒と一緒にパニックを起こしてましたよ?誰が避難誘導したと思っているんですか?」
「わたくし達に罰則が有るのであれば、勝手に逃げたり出てきたりした織斑さん、放送室を無断占拠して場を混乱させた篠ノ乃さんにも罰則を与えるべきでは?」
鈴の言葉に簪とセシリアが便乗した。観客席で試合を観戦していた教師は無人機が侵入してきた途端、我先にと逃げ出したのだ。結果、避難誘導がされず、一夏達専用機持ちがいなければ怪我人がでていた可能性があった。
「お二人に然るべき罰則がなかった場合、イギリス代表候補生としてIS学園に正式に抗議させていただきますわ」
セシリアの言葉に千冬は言葉を詰まらせた。織斑 春彰と篠ノ乃 箒に罰則を与えなければ自分の立場が危うくなってしまうと考えたのだ。千冬は有事の際の最高指揮権を持っており、実質今回は何も指示を出していないのでその権利が剥奪される可能性があった。
「……二人には謹慎処分をだす」
しばらくして千冬は処分をだした。一夏達はその処分が軽いと思ったが何も言わなかった。
「ではこれで」
一夏達は管制室を出た。扉が閉まった瞬間、中から大きな音がした。
「上層部への報告はどうなさいますか?」
寮に向かっている途中、セシリアが唐突に話を切り出した。
「私はどっちでもいいわ」
「……私も」
鈴と簪は消極的な意見だった。
「わたくしは今回は見送りますわ。無人機の存在は今は隠しておくのが良いと思いますわ」
セシリアは無人機の存在が世に知れると、世界が混乱してしまうことを危惧していた。
「一夏さんはどうなさいますか?」
「私?織斑 千冬との会話を録音したし、非常時の対応その他諸々もう報告し終わったよ」
それを聞いた全員が一夏の鬼畜さに引いた。
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