1994年、木星の先行トロヤ群の
これを受け人類は、隕石破砕用対空レールガン「ストーンヘンジ」を世界各地に建造。
1999年、地球へ降り注いだ無数の小惑星を迎撃し、その被害を、世界秩序の崩壊程度に留めることに成功した。
「ユリシーズの厄災」と呼ばれたこの一連の大災害により、各国は従来の体制の転換を余儀なくされた。世界の国家は再編が進み、やがてEUのような共同体が各地で誕生していった。
多大なダメージを被ったユーラシア大陸では、資源を巡る紛争が頻発し多くの難民が生まれる。各地に難民特区が形成される中、ロシア南部の『イユーリ自治区』では安価で雇われる難民労働者の排除を求めるデモが激化し、周辺地域の治安を脅かしていた。
各共同体は、復興に尽力したが、そのために軍事費を削減せざるを得ず、軍人の一斉解雇や世界各地で巻き起こる紛争、クーデターの沈静化は困難であった。
その結果として、民間軍事企業や軍需産業が急成長を遂げた。特に航空機業界では、|新たな兵器生産機構の発達《「アドバンスド・オートメイテッド・アヴィエーション・プラント」》によって、戦闘機の量産が容易になった一方、パイロット不足が問題となったほどだった。
特区での雇用を創出するべく名乗りを挙げた巨大軍需企業『ヴェルナー・ノア・エンタープライゼス』の支援により、イユーリのみならず各特区は急速に経済発展を遂げ、紛争も沈静化、復興は大きく前進したかに見えた。
土地と労働力を得たヴェルナー社がエネルギー開発や宇宙開発にも手を広げる一方で、しかし豊富な兵器を保有するようになった特区は武装組織の温床と化していく。
組織のネットワークは各特区を結びつけ、次第にイユーリ周辺で反大国主義を掲げた武力行為が増加。かれらをテロ組織と認定した国連はイユーリへの強制査察に及び、そこで宇宙兵器の開発を手がけていたヴェルナー社軍事部門の責任者、キャスパー・コーエンが解雇されるに至る。
解雇されたコーエンは、厄災後の大国の政策と脆弱な国連を糾弾。ユーラシア大陸南部を、ユリシーズ難民による国家・ユージア連邦と称して独立を宣言。新たな秩序と統治機構の樹立をも掲げ、テログループ連合『トロイアの息子たち』を率いて大陸の主要都市を占拠し、防衛ラインを構築する。
国連および各国は、これらの武装組織をテロ組織を認定し、民間軍事企業などの協力も得て、これらとの戦いを繰り広げることになった。
対する国連軍(UNF)は『永久の解放作戦』を発動。時は2019年…
厄災から20年が過ぎようとしていた。