異世ばと! ※スーパーなろう大戦に作者オリキャラが参戦する話です   作:笠本

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第12話 説明会:NAROUオープニング

 開けて翌朝。

 

 NAROUの開催日を迎えて僕らは街の中央にあるコロシアムに来ていた。

 サッカーコートとリレーコースが丸ごと収まるくらいの大きさのグラウンドと、それを囲む階段状の客席。

 国際大会でも開けそうな規模のコロシアムだが、今は観客はいない。

 

 指定時間よりも早目に来たからまだ会場の設営が終わっておらず、多くの人間が走り回って騒然としている。

 

「そりゃそうですYO。開会式までまだ二時間くらいあるんですから。なんでこんな早くに会場入りしたんです?」

 

「僕の大会への意気込みの表れかな」

 

「絶対ちがいますYO。はあ、今日はフル活動なんだから朝くらいゆっくりしましょうよ〜」

 

 案内(ガイド)のチェトさんがあくびをしながら言う。

 

「んぬぁ……んむ……」

 背中に背負ったファムからも締まりのない寝言。この幼女は昨夜もいつものように遅くまでゲームに夢中になってたのだ。

 

「あっ、あの水がめ、なにやら素敵なギミックな感じがしますよ」

 弓槻さんは会場前方に置かれた巨大な水がめに興味を惹かれて駆け出していった。

 

 入れ替わるように会場スタッフの三人が近づいてきた。

「あれ、君らは……」

 

 よく見れば内の二人の少年少女は昨日騒ぎになったザゴール団の若手構成員。

 レイゼにやられた傷は見当たらない。実はあのときリュークさんが逃げた彼らを保護して治療しておいたと聞いていたけど、ここまで完璧な仕上がりとは。

 

 そして彼らの間にいた中年女性が深々と頭を下げた。

 

「勇者様、昨日はうちの子供たちをお目こぼしいただいてありがとうございました。ほら、あんた達もお礼しなさい」

「ありがとうございます!」

「けーいち兄さん、恩にきります」

 

 言われてみればどこか目元が似通っている三人。家族だったのか。

 

「いや、僕は適当に流してただけだから」

 

「いいえ、ホントは殺されたって文句言えない立場でしたから。実際ザゴール団の何人かは死んでると聞きますし。うちのは慈悲深い方に当たって感謝してるんですよ。ほんとにこのバカ息子どもは。私が怪我して働けなかったころにデカく稼いでくるなんて言ってヤクザの口車に乗せられて下働きになってしまいまして。いつか取り返しのつかないことになるから抜けろって言っても、もう上が怖くて無理だとか情けないことばかり言ってここまでずるずるときてたんですよ。ほんと人様に迷惑かけることはするなって、育ててきたつもりなんですがね」

 

 なんか近所のおばちゃんの愚痴話っぽくなってきた母親の言葉に、しょんぼりと肩を落とす兄妹。

 

「それでいまこうして表に出てるってことは減刑してもらえたってことなんですか?」

 

「はい、あとはこのバトルロイヤルの運営を奉仕活動(お手伝い)すれば正式に釈放していただけることになっているんです」

 

「へえ、それはよかったですね」

 

「はい、この子たちも人に死んだほうがいいなんて思われることがどんだけ惨めかって、よっく分かったって言って。今度こそやり直させてみせますから。勇者様にはもうほんと、どれだけお礼を言っても言い足りないのですよ。どうか私どもにできることがありましたら、なんなりとお申し付けください」

 

 お母さんと兄妹二人が揃って頭を下げる。

 

「それは助かります。そうですね、色々お願いしたいことはあるんですが、まずは大会の方を応援してくれれば」

 

 すると彼らはポケットからなにかの札を出しながら言った。

「もちろんですよ。俺たちケイイチ兄さんに全賭けしましたから。ほら、これ賭け屋で星の白銀(シルバースター)で一点買いしてきました」

 

「ランキングでは最下位だったすけど、私ら兄さんの芯が強えのは分かってますから、こりゃ乗るっきゃないなって。兄さんが生き残るほど、私ら大儲けっすよ」

 

 笑顔で口にした兄妹だったけど。

「このアホンダラ! なにさっそく賭け事に手を出してるんだい!」

 

 お母さんが兄妹に拳骨を食らわせ出した。

「オラッ! オラッ!」

「おゔぁ!? ちょ、母ちゃん、ヤメっ!」

「勘弁、勘弁してよ母ちゃん!」

 

「ちょっと、ストップ! ストップ!」

 

 

――――そんなことがありつつ、2時間後に大会開始セレモニーが始まっていく。

 

 あっという間に埋まった客席。グラウンドにも既に100パーティーが並ぶ。

 各パーティーの人員数は三名~十名と決まってるそうだが、開きはあるにしても合わせれば相当な人数。

 

 ほとんどが子供だけのパーティーとか巨大な風呂桶に入ったサメとか。大丈夫なのか、いや異世界ならそれもありなのかという色物勢もありつつ。

 全体的にはほとんどのパーティーがぱっと見で7割くらいが女性だから、アイドルオーディションでも始まりそうな華やかさがあるな。

 

「パパッー」とラッパ隊が音を高らかに鳴り響かせた。

 前方に注目を集めると、壇上に人がのぼる。

 

 日の光に金髪を輝かせ、白いドレスを優雅に着こなした見るからにお姫様な美少女が、カテーシーをしながら一礼。

 僕らが今いる国の王女様だと名乗った彼女。堂々とした演説がなんかの魔法でコロシアム中に響き渡る。

 

『異界よりこの地にお越しになった勇者、冒険者、ご令嬢の皆さま方。このたびは我らの招きに応じてくださったこと。国民と、そしてこの世界の全ての民を代表して感謝いたします』

 

 そしてお姫様はこの地に伝わる神話を語り出した。

 いわく、この世界と全ての命を創造した女神リッツ・リムリス。  

 空と海と大地に住む全ての命に祝福を与え、また命ある者の全ては女神に感謝と信仰を返してこの世界は数千年成り立っていた。

 だが光あれば闇も生まれる。瘴気という世界の膿。これの処理を命じられた妹神ンゾガムは、自身にとって姉であり親でもある女神リムリスに嫉妬し、その座を奪わんと卑劣な手で女神に襲いかかった。

 

『――――7日に渡る戦いの末に、妹神ンゾガムは女神リムリスを呑み込みました。ですがそれを救ったのは女神より召喚された勇者サユリ様なのです。およそ百年前のことでございます』

 

「異世界に来て上司の名前が普通に歴史や神話に登場するのには、そろそろ慣れてきたな」

 

 百年前の召喚勇者サユリ。流れからして上司の神ノ川早百合さんのことだろ。この世界の時間の流れは違うから、基世界ではほんの数年だろうけど。

 

『――――サユリ様に倒された妹神ンゾガムですが、忌まわしきその身体の半分は女神リムリスと同化していたのです。そのため我ら生きとし生けるもの全てが持つ女神リムリスへの感謝と信仰がンゾガムの力にもなってしまい滅ぼしきれないのです。

 そこでサユリ様の知恵により始めたのが他の世界の住人をこの地へ招くこと。それがNAROUの原型でございます』

 

 

「つまりはこの世界で魔法とかスキルみたいな奇跡は全て信仰という代償で女神の力になってたけど、それを悪い妹神が掠め取っていると」

 

「なるほどです。私たちがここで魔法とかユニークスキルみたいな大きな奇跡を発動させると、システム上、自動的にリムリスに信仰(エネルギー)として還元されるけど、実際には私たちにリムリスへの信仰はありません(ノンアカウント)から、エラー扱いになると」

 

「ようは定期的に異物をぶち込んで正規の信仰(エネルギー)まるごと消化できんようにさせよういうことじゃな」

 ファムの補足によれば、いま並んだ100パーティーの出身世界を管轄するのは女神リムリスの同族たち。そのため実際にはリムリス本人は僕らの信仰を変換することが可能なんだと。寄生した悪い妹神だけ栄養がいかないようにするってことか。

 

「ほれ、セカの往年の名機、セカタサーンは媒体がCDロムじゃったから同じCDドライブを持っとるパソコンでもデータが読み込めてロムをコピることができてしまったじゃろ。そこで後継機のドリームクリエイトはGDロムという独自規格を採用してパソコンでは読み込めんようにした。そう言えば分かりやすくなるじゃろ?」

 

「一般人に通じないネタを例えに使って分かりやすくなるわけないだろ。普通にンゾガムは辛いの苦手だからスシを全部ワサビ入りにしてつまみ食い出来なくしたとかでいいだろ」

 

 なんでもセカのネタにつなげようとする幼女にツッコミを入れているところで、壇上に動きが。

 NAROUの歴史を語っていた姫様の前にふわっと妖精が躍り出た。

 

『はいはーい、姫様は固すぎだZE! NAROUはたしかにこの世界を救うために始まったけどね。そういうのはお偉いさんが考えること。私たちは早く盛り上がりたくってたまんないんだZE!』

 

 チェトさんよりもずっと大きい、僕らと同じ背丈の女性。宝石みたいに鮮やかなブルーの羽根が後光みたいに背に広がり。銀の長髪には紫色の花を一輪差し込み、薄緑のドレスを植物のツタで締めて身体にフィットさせている。

 

『ってことで、こっからはこの妖精の女王、オベルジーヌが引き継ぐZE!』

 

 女王の肩書を名乗った妖精。黙っていれば肩をすくめて後ろに下がったお姫様より威厳がありそうだけど、ふわふわと浮かんでガッツポーズを取った姿は活動的な印象。

 

「女王さまー!」

 会場の百名の妖精さんたちが一斉に手を振り歓声を上げる。

 

『いえい! 我が妹たちよ、勇者さまたちにしっかりとお仕えするんだZE! さあさ、勇者さま方。妖精はイケメンとかわいい女の子と面白いことが大好きさ! だからこの大会にも我ら妖精族はもちろん全力投球だよ』

 

 ビシッとポーズを決めた女王様。

 

『ごぞんじ妹たちはみんなのガイドを務めるし、妖精族の不思議パワーでみんなの活躍の映像をこの会場に届けることができるんだ。そして女王たる私はそのときどきで一番HOTなバトルに駆けつけて思いっきり実況しちゃうから、会場のみんなも思いっきり盛り上がろうZE!』

 

 観客たちの歓声に応えるように女王オベルジーヌ様は手にしたクリスタル付きの杖をくるりと回転。まるでマイクパフォーマンスみたいに。

 

『さあそれじゃあ今回のバトル形式を説明させてもらうよ。

 みんなにはこれからここから10kmほど離れたこのパーラム島に移動してもらうんだ。小さいながらも山も川も湖も街もあるバラエティ豊かな島だZE!

 

 といっても今は無人島なんだ。昔はミスリルの採掘で栄えたけど、地脈の乱れで瘴気が集まって魔物が発生するようになっちゃったからね。

 

 そしてみんなにはここで暴れてもらうよ。そう、最後の1パーティーになるまで戦って戦って戦いぬくバトルロイヤルだZE!』

 

『HPが0になった勇者は退場だけど登録された内の一名でも残ってればパーティーの生存と判定するよ。

 みんな昨日までにこの街の教会で信者登録はしてるよね。もしくは占いオババの顧客手帳に記入しているか。これでみんなは戦いでHPが0になっても教会に戻るだけで済むからね。安心してNAROU・ZE!』

 

『担当の妖精からパーティーごとに一つずつオーブを渡しているよね』

 妖精の女王様が手に掲げたのは濃い紫色のオーブ。

 到着が遅れた僕らの分はついさっきチェトさんが抱えてきたばかりであった。僕はポケットから自分たち用のオーブを取り出す。

 

『もうみんな試してみたと思うけど、これは擬似的にみんなの世界の(ことわり)を再現する召換オーブなんだ。なんとこのオーブを中心に3メートルから100メートルの球状にそれぞれの世界の(ことわり)に切り替わっちゃうスグレもの。

 

 つまり本来だったらそれぞれの世界じゃないと使えない魔法やユニークスキルが、まったく(ことわり)が違うこの世界でも使えるようになるってことなんだZE!』

 

 召()じゃなくて召()

 

 これ完全に()()()()()()()()()()がもとになってるやつだよな。

 チェトさんたちも知らなかったけど、思った以上に早百合さんが絡んでるよな、この大会。

 

 上司の秘密主義(絶対面白がってる)を愚痴ってる中、オベルジーヌ(妖精女王)様の説明は続く。

 

『オーブの下の歯車みたいな台座が動くようになってるよね。これを時計まわりに回すと召換領域の広さを変更できるんだ。具体的には ①3メートル、②10メートル、③30メートル、④100メートル の4段階に展開できるよ!

 

 理論上、①3メートルはそれぞれの世界の(ことわり)を100%再現! でも領域を一段階増やすほどに再現度が25%低下するから注意だZE!』

 

「ほほう!」

 弓槻さんが僕の持つオーブに顔を近づけ、目を輝かせる。

 

『つまりみんなの世界固有の(ことわり)で動く魔法やスキルは領域を広げるほどに威力が落ちるか、そもそも発動できなくなるかもだよ。わかりやすく言い切っちゃえば、みんなが元の世界で100の威力の火魔法が使えるとしたら、

 

①3メートル は100の威力のまま相手を攻撃できるんだ。その代り3メートルから先は一気に威力がなくなっちゃうよ。

 

②10メートル は威力が75に落ちるけど10メートル先までまともに届かせられるってことだね。

 

③30メートル は威力は半減の50。でも中距離攻撃ができるよ。

 

④100メートル は25の威力だけど遠距離攻撃ができるのが魅力だね!

 

 ただしこの広さはあくまでオーブを中心にしてるから、④100メートルに設定したオーブから99メートル離れて、外に向かって火魔法を撃っても1メートルで切れちゃうってこと』

 

 つまり各世界固有のシステムに則った魔法やユニークスキルの使い手は、オーブから離れられないというわけだ。

 逆に身体強化魔法とか無しに、純粋に自分の筋力と剣技で勝負できる剣士なんかは領域無視して突っ込んでくるってことだよな。

 

 まあ僕にはどっちもないけどな。ははっ。

 

『でもってここで注意事項だよ。

 

NAROU規定 第一条【相手パーティーのオーブを破壊した者は失格となる】

 

 実はこのオーブはすっごい貴重品。落としたくらいじゃ壊れないけど、剣で斬りつけるとか攻撃魔法をぶつけると割れちゃうからね。だから相手を攻撃しようとしてうっかりオーブまで壊しちゃった場合はその攻撃したパーティーの責任として、勝敗に関係なしに失格となるから注意だZE!』

 

「これ、どの程度の魔法で壊せるんでしょうかねえ」

「やめんかボケい」

 

「やだなー。これ絶対オーブごと身体を消滅させられるような大魔法の存在が前提になってるやつなんだよな」

 まあこのルールがあれば出会い頭に大魔法で消滅させらたりしないってことだけど。

 

『ちなみにオーブの所有者が倒されたらどうなるかっていうとね。本人は教会に飛ばされちゃうけど、事前にパーティー申請してる他のメンバーの元に自動で移動するから安心してよね』

 

 あれだな、RPGでNPCがイベントでパーティーに臨時参加したとき、重要アイテムを持ってたりするとそのNPCが離脱したときに、こちらの所持アイテム欄にしれっと潜り込んでるやつ。

 

 そして妖精の女王様の解説は続いていった。

 それぞれで細かい補足条項がつくけど、NAROUの規定には大きく7項目があるという。

 

 

第二条【相手のペットを攻撃してはならない】

 

 弓槻さんの首にまわった黒猫を見ると自分のことかと顔を上げた。 

「にゃー」と小さな鳴き声。

 

 うちの黒猫はともかくとして、このルールだとモンスターを操って攻撃してくるテイマーの一方的有利じゃないかと思ったが、あくまで罰則規定のない努力目標。攻撃に参加しないけどご主人に着いてきてしまうようなペットを無闇に傷つけるなというニュアンスなんだと。

 そのへんはガイドの妖精さんたちが判断するらしい。

 

 

第三条【教会での蘇生判定が出ない限り、ポーション、治癒魔法を問わず何度でも身体を修復し戦闘を継続することができる】

 

 

 HPが0になると教会なり占いオババの元まで文字通り肉体丸ごと飛ばされるそうだが、逆に言えば離脱しない限りは負け判定されないってことだ。

 

 

第四条 【NAROU選手は己の信者登録証を守りぬかなくてはならない】

 

 

 信者登録証。これは昨日、教会で仮登録したときに渡されている。

 

 ちょっと大きめのドッグタグにコイン状の緑色の魔石がはめられている。ネックレスみたいに鎖がついていて、首からかけておくように言われている。HPが0にならなくてもこれを壊された場合も敗北扱いになるという。

 

 これは本来はダンジョン探索用の帰還石(転移アイテム)を改造したものだそうだ。魔石を砕くと発動し、登録地点である教会に飛ばされるため、死亡扱いになると。

 

 

第五条【一対一の闘いも単騎無双もトーナメントも燃えるよね】

 

 

『今回の大会はバトルロイヤル形式。出会ったその瞬間に即バトル方式だけど、双方のパーティーの合意があれば他の形式で勝敗を決めることもできるんだ。例えば5人パーティー同士が互いに一対一で模擬戦形式で戦って三勝した方のパーティーが勝利っていうルールもOK!

 

 その場合は負けた方もHPは残ってるけど、取り決めといたルール通りに全員退場となるんだ。過去にはリバーシで勝敗を決めたパーティーもいたよ。

 あるいは即席で料理バトルなんてのも燃えるよね。そんときは必ず駆けつけちゃうから私の分もよろしく頼むZE!

 

 ちなみにそういうときは妖精が審判として参加者の信者登録証を預かるからね。取り決めといたルール通りに、負けた相手の信者登録証をプチっといくよ』

 

 なるほど。出会った相手が同じくらいの力量だったらガチバトルで共倒れになりかねないから、それなら穏便に模擬試合形式にするのもありなのか。

 

「チェトさん、これ毎回ラップバトルとかで決着つけたいんだけど」

「せっかく来たなら つれない言わない 目指すは優勝 絶対やるんだYO!」

 

 

第六条 【各世界の代表であるNAROUパーティーはその威信と名誉を汚してはならない】

 

「ですYO。けーいち様、ですYO!」

「当然でしょ?」

 

 

 そして細かい補足条項がいくつも説明されたあと、いよいよ大会が開始となる。

 

『さあ担当の妖精の近くに集まってね。妹たちを中心としてみんなをパーラム島へ転移魔法で転送するよ。

 行き先は完全にランダム。強豪といきなりぶつかるのか。はたまた因縁のライバルと鉢合わせるか。あるいは戦場で素敵な出会いもありえるかもしれないZE!』

 

 そして一歩引いた位置にいた最初のお姫様も前に出てきた。

 

「「それではここに――――第44回、N・A・R・O・Uの開催を宣言いたします(ZE)!」」

 

 足元に魔法陣が光った。

 僕たち含め、各所ですうっと輝く粒子が立ち昇る。

 

『おおっと、最も大事な規約を伝え忘れてたよ! そう、NAROU規定の第7条――――

【いかなるときでも冒険とロマンスを忘れるな!】

――――だ・ZE!』

 

 妖精女王様の言葉と共に僕たちの視界は光に覆われ―――― 

 

 

 一瞬の後には平原に立っていた。周囲には樹木がまばらに生え、少し離れたところに切り立った岩山が見える。

 

「圭一さん、あちらに!」

 弓槻さんが指差す方向。十数メートルの高さの岩山の上に4人の人影。こちらを指差して何かを叫んでいる。

 その中心にいたのは――――

 

「あれは! あいつは―――」

 

 その瞬間、先頭にいたやつが消えた。いや、次の瞬間には岩山の下に出現。次にはそこから30メートル手前に近づく。数回繰り返せばそいつは僕らのすぐそばに。

 

 見覚えのあるその顔は。昨日ザゴール団の二人を痛めつけたときの嗜虐に歪んだ表情。

 

「いよう圭一くん。悪いな、逃げる間もなくってよ。実は俺って自力で転移できんだよね。ってことで、とりまテメエは死んどけ」

 

 レイゼが手のひらを向けてくる。

 

 

  VS『勇者A』――――START!




 パーラム島は皆さんの応援次第で村レベルから四国レベルまで広さが変わる不思議な島です。
 また島の拡大に合わせてリザーバーパーティーが投入されていく予定です。
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