異世ばと! ※スーパーなろう大戦に作者オリキャラが参戦する話です   作:笠本

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 本作品は三人称で語るシーンがあります。他パーティーの状況を説明するときや、主人公と敵の動きを同時に伝える必要がある際に切り替わりますので、ご了承ください。

 1話の中で切り替わる場合は「*」を目印にしています。

***

   で以後の文が三人称へ。


   で以後の文が圭一視点の一人称になります。一人称を用いるのは主人公のみの予定です。



第3話 導入回:上司にバトルロイヤルへ放り込まれる

「それで狂乱状態の現地女性三十名に襲いかかられまして。仕方なくレオンの機密事項(アレ)を発動させて何とか乗り切りました」

 

 基世界―――地球に戻ってきて、上司への報告。

 

 目の前のソファに長い脚を組んで座る女性。神ノ川(かみのがわ)早百合さん。

 

 後部で結われ丸く纏められた、やや暗みがかった金髪。楕円の縁無しメガネが青い瞳を際立たせる。白い長袖ブラウスからスラリと伸びる白い手指。豊かな胸部はブラウスのリボン状の前立てで美しく仕上がり。

 

 黙って座っていればどこかの貴族か組織を動かす才媛か、といった理知的な佇まい。

 

 だが実態はかなりストレートで強引な性格だ。

 

「あーっははっは。最高ね。戻ってきたゆづちゃんがムスッとしてるし、レオンが機密事項(アレ)を発動させたって聞いたからどんな修羅場が展開されたかと思いきや、想像以上に面白いことになってたじゃない」

 

「やめてくださいよ。こっちは死にかけたんだから」

 

「残念だったわねー、折角の卒業(レベルアップ)のチャンスだったのに」

 

「無線で圭一の悲鳴と嬌声が流れ出したときの妾の腹筋も死にかけたぞい」

 横のソファにだらっとした姿勢になってゲームで遊んでるファムが言った。

 

 こいつ人が懸命にアマゾネス集団に(あらが)ってたときに笑ってやがったのか。

 

「それでレオンはそのまま現地に置いてきたってわけね」

 

「はい、救助対象者の症状が悪化して帰還を優先しましたから、あそこのコード受領はレオンが継続するって形で。女性ばっかの世界ですから、レオンはあのまんまにしてますけど、ファムが言うには問題ないそうです」

 

「ふむ。ざっと世界観(システム)を見たところ、悪影響はなさそうじゃったからな」

 

「まあそこはいいわ。レオンは後でこっちで迎えにいってくるから。圭一君はゆづちゃんのフォローでもしときなさい。まだプリプリとしてたわよ」

 

 弓槻さんは僕がレオンに救出されて船に戻ったときもすごく冷たかったし、何か挑発的なレオンとも睨み合ってたり。

 

「いや僕は決して(よこしま)な気持ちじゃなくて、純粋に仲間を救おうとしただけなのに、なんか誤解して怒ってるんですよね。それに、弓槻さんとレオンって普段は問題ないのに、レオンがあの状態になると途端にギスギスしだすんですよ。なんでか」

 

「それ分かんないんだ。だからレベルアップできないのよね」

「ほんにそうな」

 なんか呆れた顔をして早百合さんとファムが言った。

 

「それ、関係あります?」

 

「まあいいわ。ところでこれから皆は休暇扱いになるわけだけど、ここで一つ剣と魔法の方もレベルアップもしてみましょ」

 

「うん?」

 どういうこと?

 

「実はね、近々とある異世界でNAROUっていう武闘大会が開かれるのよ。毎回試合形式は変わるんだけど、今回は各地の異世界から集まった勇者(ひき)いる100のパーティーが無人島でバトルロイヤルするの。最後の1パーティーになるまで戦い抜くってやつね。そこに圭一君たちの名前で参加申請しといたから」

 

「ほゔぇええ!?」

 変な悲鳴を上げたファム。僕も慌てた。

 

「バトルロイヤルって、僕が!? そんなの無理ですよ。僕、剣は振れるだけってレベルだし、魔法もユニークスキルも無いじゃないですか。戦うとか向いてないし、ちょっと切られただけで死にますよ」

 

 早百合さんが笑顔でもってくる話だ。これ絶対強くてヤバイやつらが集まってくると確信できる。

 

「そこは大丈夫。現地の教会に登録しとけば死んでも生き返れるから。そういうタイプの異世界なの。スポーツ気分で楽しんでらっしゃい」

 

「ボっケ! 死ななきゃ問題ないとかブラック企業かや! ブラック企業じゃったわ! パワハラくそ上司じゃったわ!」

 

「ははっ、これ生き返れるからってめちゃくちゃボコられる路線だ。いやいや無理ですって。わざわざ休暇に当てるってことはこれ、また正規任務じゃなくて早百合さんの趣味ですよね。結局最後には大事(おおごと)になって始末書とか書くはめになる奴。なぜか僕が。断固お断りさせていただきます」

 

 きちっとNOを宣言したのだが、上司の早百合さんは「ああ、はいはい」という感じの軽い受け流し。

 

「はあ……圭一君もだいぶ()れてきたわね。出会ったときはもっと素直だったのに。こんなふうに私の誘いを袖にするなんて」

 

「僕、最初から暴力沙汰とか理不尽な指示は拒否してたと思いますけど?」

 それこそこの人、出会った時から無茶ぶりぶち込んできてたけど、一応は毎回ことわってたはずなんだが。まあ結果的に逃げれたことはないけど。

 

「あの頃はね。でも今は単に報酬を吊り上げようして断るポーズしてるだけでしょ。内心はやる気まんまんの癖に」

 

「僕に剣の才能がないって言ったのは早百合さんですよ。そんなヤツがガチバトルの危険な大会に出て勝ち残れるわけないじゃないですか」

 

「圭一君はね。でも仮にも今まで全ての任務を達成してきたSPEC現地派遣パーティー『白銀の星(シルバースター)』のリーダーとしてはどうなのかしら?」

 

「…………」

 

 僕はパーティーの仲間の顔を思い浮かべる。

 魔法使いである弓槻さん。

 その妹で巫女のエリエナ。パーティーの貴重な常識人であるサブリーダー。

 騎士にして本物の勇者であるレオン。

 

「みんなは出たがるわよね。それは圭一君も分かってるはず」

 

「う……まあ……そりゃあ、そうでしょうね…………魔法使いである弓槻さんの夢も、巫女のエリエナの願いも、勇者レオンの使命も全部近づけるんだから」

 

「妾が入ってないんじゃけどお! 妾のゲーム以外でバトルと労働をしたく無いという信念も考慮するんじゃあ!」

 僕はすがりついてくるファムを席につかせて、言った。

 

「分かりました。行きますよ。でも僕にも報酬が欲しいです。絶対怖い目に会うんだから、こう、なんかやる気が出るご褒美があるといいなって」

 

「いいわよ。結果出せたのならこの件、後付けで正式な任務にしてあげる。今からねじ込めば今期の査定に間に合うでしょ。そろそろ等級が上がってもおかしくないころじゃない? これで()()()()()()日が近づいたわね」

 

「おおっ、それなら」

 期待以上の報酬が提示され、僕の心も決まる。

 

「妾にもボーナス! ボーナスじゃよ!」

 ファムが今度は早百合さんにすがりついて、ひょいとあしらわれた。

 

「まあそもそもの話、もうゆづちゃん達には話してあるのよね」

「あっ、じゃあ無駄な抵抗でしたね」

 

 そんな結論に達したところで部屋のドアがバタンと開かれた。

 飛びこんできたのは学校帰りの制服姿のままの弓槻さん。

 

「あっ圭一さん、ここにいましたか。聞きましたか? 聞きましたよね? 百の世界の魔法が向こうから会いにきてくれる大っきなイベントが! これはまさに私たちのためのイベントですよ!」

 

 ぐっと顔を寄せ、期待に満ちた表情で僕を見つめてくる弓槻さん。

 僕は当然のように答えた。

 

「うん、もちろん参加するよ。精一杯やってこう」

 

「はいっ!」

 と僕がさりげなく伸ばしてみた手がぎゅっと握りしめられる。

 

 まあしょうがないんだよな。僕はわざわざ痛い目にあう大会なんて避けたいけど、パーティーのみんなは絶対に前向きで、となると仮にもリーダーを務めてる身としては行かざるを得ないし、先頭に立つフリくらいはするのだ。

 

「そうそう。男の子なんて女の子の期待に応えてなんぼよ。気張って行ってきなさいね」

 早百合さんがニマニマとした顔で言った。

 

「まあこういうのは参加することに意義があるわけですからね。勉強のつもりで行ってきますよ」

 と(あん)にあっさり負けてきても文句言わないでねというニュアンスを含めると、

 

「あら、結果出せたらって言ったでしょ。そうね、具体的には30位以内に入ること。それがノルマよ」

 

「いや、それ厳しすぎですよ。初参加なんですからまずは雰囲気つかむくらいが普通じゃないですか?」

 

 とはいえ。

 キルスコアを加算するとかのポイント制だと厳しいけど、ただ生存順位を判定するシステムならワンチャンあるかもしんない。どこかでずっと隠れてるとか。

 

「でも圭一君のことだから30パーティーに減るまでずっと逃げ回ろうとかやりそうね」

 

「………………」

 

「ってことでもう一個条件追加。前回大会優勝パーティーの撃破もね。ちゃんと逃げずにぶつかってくるのよ。

 ちなみにそこのリーダーはSPECの斡旋で転生してて、剣と魔法が控えめに言ってレオンとゆづちゃんとエリエナの数段上ってところ。でも仲間の方はそこまで三人とかけ離れてるわけじゃないから、あとは圭一君次第ってところかしら」

 

「えっ!? それ、勝てっこないですよね? 最初の条件意味なくないですか? 普通に無理ですよ。それともその人、こっちに家族とか残しててそれ盾にして加減してもらえるとかですか?」

 なんかこう、ご家族と仲良くしてるところを写真にとっておくとかどうか。

 

「そういうこと言い出すから条件加えられるんじゃぞ、お主」

 

 早百合さんは「実は圭一君も知ってる相手よ」と言って壁際を指差す。 

 

「ふふふーん。これは今回の任務の打ち上げは、大会の前祝いとして思いっきり豪華なところにしましょう」

 そこでは弓槻さんが浮かれて棚から飲食店のチラシやメニュー表を取り出していた。

 

「それね」と早百合さんの長い人指し指が折り曲げられると、弓槻さんの手の中から光沢紙のパンフレットが浮かび上がってぱらっとページがめくられる。

 

「まさか……」

 

 そこに載っているのは街の一等地にある料理店『龍苑』のメニューの数々。

 

 酢豚、麻婆豆腐、北京ダック、炒飯、点心、etc。

 

 そう、中華料理店だ。それもラーメンがメインの大衆向けじゃなくて、クロスがかけられたテーブルに陶器の皿がいくつも並ぶタイプの高級店。

 

 今までに早百合さんに祝い事の際に数回連れて行ってもらったけれど、プロのレベルがどれほど高いかを毎回思い知らされる。

 

 北京ダックやフカヒレのスープなんていかにもな高級品はもちろん絶品だけど、酢豚やエビチリみたいな家庭でも出てくるような品こそ、プロの腕が桁違いなのだと教えてくる味の深さ。

 せいろに入って出される点心は、花や動物をかたどった遊び心のある一品。

 

 写真を見てるだけで刺激されて腹がなりそうだ。

 

 そしてページの隅に初老の男性の顔写真。表情は優しげだが眼力が職人肌な意志の強さを伝えるその人は、『龍苑』の創始者にて初代料理長、(リュウ)成龍(セイロン)さん。

 

 重い中華鍋を大火力のコンロで自在に振って、鍋に放り込んだアルコールで天井にまで達するような炎を立ち昇らせ。

 豪快にして、それでいて繊細な火力操作で『炎の魔術師』の異名を取った中華料理の第一人者。

 その技と飽くなき向上心と探究心とが弟子や同業者にリスペクトされ、いかに日本の中華料理界に影響を及ぼしたかがページに語られている。

 

 そして最後にある一文。『現在はSPECの二天間穂遣(にてんかんほけん)プログラムに応じ、異世界シャイリィにてAランク冒険者として活動すると共に中華料理屋ドラゴンズガーデンを展開』と。

 

「ちょっ、これリュークさんじゃないですか。そりゃ知ってますよ。SPECで斡旋した転生者の中で勝ち組中の勝ち組なんですから」

 

 僕の所属するSPECでは業務の一つとして異世界への転生の斡旋もやっているわけだが、そこで引き合いに出される成功者の代表例だ。

 Mクラス(中世相当)異世界にて剣と魔法に才能を発揮し、数々の凶悪なモンスターを撃破。さらには中華料理屋という知識チートで現地社会で頭角をあらわす。

 

 子供から大人まで憧れるような冒険譚の主人公になったうえ、前世で身につけた知識を第二の人生で活かすという、まさに転生者のお手本なのだ。

 

 正直にいうとMクラスなんてまず転生しても成人まで生き延びられるかが課題っていうシビアで夢の無い世界だ。組織としては貴重な成功者であるリュークさんをイメージアップの広告塔としたいところで、だから僕もその活躍の記録をとりに現地にとんだことが何回かある。

 

「リュークさんって、こないだそこの異世界に行った時には、ちょうどSランク冒険者になってたはずですよね? ちなみに現地の冒険者ギルドのランク基準で言えばゴブリンを倒せるようになった程度の僕はFランクです」 

 

 現実を見てくれと早百合さんに突きつけたのだが、

 

「いいわね。下剋上なんて燃えるじゃない」

 と、まったく考慮してくれる気配はない。

 

 あー、どうするかな。せめてリソース確保しないとな。

 

「じゃあ他の参加者のデータをくださいよ。SPECに参加者のデータとかないんですか?」

 

「だめよ。それじゃあ面白くないじゃない」

 

「なら閉架書庫のアイテム持ち出し許可をください。ランクCまででいいですから」

 

 なんて必死に交渉して、あっさり流されて、とやりながら。

 実際はまだ可能性はあるかなあとは思ってるんだよな。

 

 トーナメント形式だったらどうにもならないけど、広いフィールドでバトルロイヤルだろ。

 前回優勝者ならきっと他の参加者たちが対策してるだろうし、案外包囲網しかれて集中攻撃されたりするんじゃないか?

 そこに小石の一つでも投げて参加しましたって言い張って、ミッションクリアでいいんじゃないかな。

 

 ファムと一緒にやったMMORPGで学んだよ。

 ああいうゲームでは複数パーティーが合同でエリアボスを倒すイベントがあったりする。同じサーバーを利用する数百人が一箇所に集まって巨大なボスモンスターに挑むのだ。

 

 僕はファムの付き合いで時たましか遊ばない低レベルプレイヤーだから、できることは戦闘の外側でヒールや回復アイテムを投げ込むくらい。結局はプレイ時間数百時間というトッププレイヤーが勝負を決めるんだけど、参加したぞっていう一体感とかテンションの上がりっぷりは覚えてる。

 

 うん、それでいこう。

 よほど運が悪くなきゃリュークさんに単独でぶつかることはないだろうし。

 

 向こうも僕みたいな小物をわざわざ狙ったりするはずないからな。

 

 

***

 

 

【異世界シャイリィ:人里離れた山奥】

 

「ジュォオオオオ!!!」

 空に浮かんだ巨大な蛇。

 数十メートルの長い胴体をくねらせ、同じ長さの羽根を広げ、毒の暴風雨を地上に叩きつけるこの地の支配者。

 

 その恐るべきモンスターがあげる咆哮は今は断末魔の雄叫びめいていた。

 

 体内に溜め込んだ毒素は尽き、青紫の胴体も黄土の羽根も各所が刻まれ、赤黒い流血にまみれていた。 

 

 最後の力で空へと舞い上がり地上を見下ろすのは、己を追い詰めた小さな敵への王者としての意地。

 

飛天神火龍吠槍(ファイヤーランス)!」

 だが地上から真っ直ぐに突き進んだ紅い光が、大蛇の頭部を射抜くや爆散。

 

 血と肉と硬質化した鱗とが破片と飛び散れば、この深山の主として数百年君臨したモンスターは糸が切れたように落下した。

 巻き上がる土砂。

 

 周囲の大木よりも高く吹き上がった土煙が収まれば、巨大な蛇の亡骸のそばには一人の青年と美しき女性たち数人の姿が。

 

「いやあ、薬草を求めにやってきたらこんな巨大なスカイコブラに出くわすなんてね。春秋左氏伝に言う深山大沢(しんざんだいたく)竜蛇(りょうだ)を生ずとはこのことだね」

 感心したという表情で深々うなづく金髪の青年にエルフの美女が尋ねる。

 

「リューク様、そのチキュウの言葉はどういう意味なのですか?」

「常ならぬ所には常識はずれの存在が生まれるって意味さ。まさに規格外のスカイコブラだよ」

 

「ええと……普通のスカイコブラはこれの数百分の一の大きさですし、多少地面から飛び上がるだけで実際に空を飛んだりしませんよね」

 

「これはどう見ても(ふもと)の村の古老が言っておった伝承格モンスターのテンペストナーガであろう。この地の主でなくてなんなのじゃ」

 身体にぴっちりとフィットさせた鮮やかな柄の薄布に身を包む竜人女性。半目で男を睨む。

 

「いやあこれはスカイコブラの変異個体――――は無理があるよな。ああ……うん、やっぱりそうだよな。まいったな、多分これ三級ハ号魔王なんだよ。俺は三級以上の魔王は倒さないようにって早百合さんに言われていたのに」

 

「ほんとにうっかりかのう? 主のことであろう、また上等な食材を目にして創作欲にかられたんと違うかのう?」

 

「ううん……正直否定できない。このモンスターを見て、こうインスピレーションが湧いてきてしまって。特にこの身の脂の乗り心地がおいしそうだなって」

 

「これ、お食べになるんですか。明らかに毒を持ってると思うのですが」

 白を基調とした神官服をまとった姫が引き気味に。

 

「毒? そんなもの中華料理のレパートリーの前には何の障害にもならないよ。はあ、仕方ない。早百合さんには今度会えるからそのときに謝るとして、今はこの食材を活用することを考えよう」

 すでに目を輝かせて上等食材の調理方を夢想しだす青年。

 

「サユリとな。我が主を顎で使おうなどという、あのいけすかん傲慢なおなごか」

 

「そのサユリなる女史は、リューク殿をこの地に遣わせてくれた恩人とのことでしたか。ならば我らにとっても恩人とも言えましょうな」

 姫のそばに立っていた女騎士が深くうなづく。

 

「あっ、ミス・サユリって言えばまたあの武闘大会が始まるにゃーね。今回は姫様も仲間になってパワーアップしてるんだからまた優勝っきゃないにゃー」

 ネコ耳を揺らしながら朗らかに拳をあげる獣人女性。

 

「ああ、もちろん優勝は狙うよ。でも今回は早百合さんに別の依頼も受けてるんだ」

 

 そう言って青年は何もない空間から一枚の写真を取り出した。

 そこに映るのは早百合や圭一たち六名の姿。

 

「リューク様、こちらはどなたですか?」

 姫の問いに青年は何ということもないように答えた。

 

「早百合さんの愛弟子たちだ。今回は彼らの撃破を最優先に狙っていくよ」




 リュークは処女作で、とある転生者が異世界で日本料理無双するぞと意気込んでいたら先に中華料理無双をされていたというエピソードのただのオチ要員でした。ただ、その時点で彼を始めとする地球各国出身の転生者たちでお国柄を出したチート能力でなろうファイトをやろうという構想が生まれ、五年間かけて実現しました。
 とはいえ実際にはほとんどが日本出身者か現地世界出身者になりましたが。なろうファンタジーの幅があまりに広く、100パーティーの枠を用意してもその一端をカバーしただけで埋まってしまいました。
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