暗黒大陸を目指して 作:知らない人
寝ている間に襲われることもなく、朝に目を覚ました。
周りの気配を探ってみれば、少し離れたところに気配を感じる。
私のことを警戒してるから襲ってこなかったのかな。
昨日から見かけた動物で私より強そうなのは居なかったし、私が油断しなければ襲われることはなさそうね。
さて、朝の修行を始めましょうかね。
まあ、どんな修行するかも決まってないんだけど……どうしようかな……
取り敢えず、そこらの石を集めて上に投げて、落ちてきたところ取る感じでいいかな。
最初は円で石の動きを正確に感じながら、取るってこと以外は考えないように意識してやっていこう。
意識せずに反射で全てを取れるようになるのが、最初の目標でいこう。
早速、石を集めて空高く投げる。
軽く広げた円から一度出た石が、ゆっくりと落ちて円の中に戻って来る。
取ることを意識していることもあって身近な石は問題なく取れたけれど、離れた場所に落ちて石はかなり取り損なった。
闇雲に動き回ると、石が落ちる前に取ることがかなり難しい。
数個なら問題ないけど、数十個以上に増えると動きの無駄が増えていく。
数十手先の動きも考慮した効率的な動きを状況に応じて無意識で判断しないといけないのか。
「これは、思っていた以上に難しいな……」
最初は意識しながらでも確実に全部を取ることに集中しよう。
そこから徐々に、意識と肉体を切り離して無意識に取れるようにしていこう。
私はまだ十一で成長途中だし、纏で若さを保てることを考えると、肉体の全盛期は五十から六十くらい余裕で行けそうよね。
ゴンが何歳の時に生まれた子供か分からないけど、仮に二十歳の時の子供としてゴンがハンター試験を受けるのがジンと同じ歳の十一。
つまり、原作が始まるのは大体二十年後くらいでしょう。
どんなに早くても十五年後以降は確実のはず。
暗黒大陸について原作で情報が出てたってことは、暗黒大陸に行くイベントが原作であるのは確定と考えて良いでしょう。
肉体の全盛期ギリギリまでしっかりと鍛えて挑むのも良いけど、原作のイベントに合わせた方が私一人で挑戦するよりも確実に暗黒大陸に行けるはずだしね。
武の極に至る期限として余裕をもって十年、最低でも十五年後には至っていたいわね。
十年って長いようで短いわよね。
これまでの修行である程度は無意識で動けるようになってるけど、状況判断が無いと数十手以上の動きは無駄が多くなることが今回分かったからね。
戦闘の全てを無意識で出来るようになるのは相当難しいことは確実だし、今は円で石の動き感じ取ってるけど、最終的には未来視に近いレベルまで鍛えた感覚で感じ取れるようにならないとダメよね。
円に頼り切ってると、円を張っていない時や奇襲の際に反射で対応出来なくなったら困るしね。
十年で身に付けられるのか分からないってことだけは分かったわ。
私はあんまり頭良くないんだから、難しいことなんて考えても仕方ない。
これまで通り地道に頑張っていくしかないわよね。
二、三時間ほどひたすらに石を投げては取るを繰り返した。
薄暗い時間から始めたが、完全に日が出て明るくなっている。
適当に朝食を食べた後は、魔境の探索に出る。
円は使わずに、感覚を限界まで研ぎ澄ませて普段以上に周囲を詳細に探る。
動物や虫の動きや視線、息遣いから空気や水の流れまで、円と変わらない詳細な情報を感じ取る。
魔境の探索は感覚の修行に丁度いいわね。
絶で気配を消して自然の中に溶け込む。
取り敢えず、拠点にしている湖周辺の森から探索を始める。
森の中を探索しても鳥類がほとんどで、飛べない動物はまずいない。
動物が食べている木の実や果物を食べてみたけど、毒とかは特になさそうで問題なく食べられる。
ただ、品種改良しているわけじゃないから仕方ないけど、美味しいものはほとんどないわね。
むしろ美味しく食べられるものが少しあるだけ、恵まれている方か。
一日かけて拠点にしている柱を隅々まで調べて分かったことは、意外と自然豊かで大型の動物も意外と居ること。
周囲の柱も結構植物が豊富にあるから、動物が育つ環境は整っているみたいね。
まあ、そうじゃないとドラゴンや龍みたいな大型の怪鳥が生息出来ないわよね。
明日からは周囲の柱の探索かな。
夜の修行は、円の代わりに探索時と同様に感覚を限界まで研ぎ澄ませた状態で朝と同じ内容を行う。
円を使うのと違ってかなり精神力が削られるけど、いずれはこの状態が普通になるように鍛えないとね。
修行が終わる頃には気絶しそうな程に疲れたけど、周囲を警戒しながら眠る。
朝起きて修行、昼に探索、夜に気絶寸前まで修行。
そんな生活を続けて気づけば三か月。
三か月の修行の成果は、円を使えば反射で全ての石を取れるようになった。
円無しの感覚だけの状態でも、ほとんど意識せずに限りなく反射に近いところまでは来ている。
感覚に関しても最初は気絶しそうな程に疲れていたけど、今では最初の頃程度なら特に疲れることもない。
余裕が出来たら更に研ぎ澄ませて余力を残さないように鍛え続けた。
その甲斐もあって今では半径百メートル内なら、物の形や動きは正確に認識できるし、色と温度も結構分かるようになってきた。
視界外なのに色まで分かる原理なんて分からないけど、念なんて常識外の力があるから気にするだけ無駄よね。
ここからは動きをもっと意識して動きを先読みして未来視に近づけていけばいけそうかな。
今後の修行の方針としては、掴むだけじゃなくて殴る、蹴る、斬るも加えて無意識で使い分けれるようになることが一つ。
二つ目は、ここ一年くらいオーラの総量を増やす修行と強靭な身体作りが出来てないこと。
ハンター試験とか、新しい修行とか、魔境探索とか、色々忙しかったからなぁ……
明日から二日おきに一日中身体作りの日を作ろう。
探索の成果は順調で、拠点周辺の柱は探索は一部を除いてほとんど終わった。
残りは竜やドラゴンのような見た目の怪鳥が生息している辺りのみ。
あの怪鳥を手懐けられたら移動が楽になりそうだし、出来れば手懐けたいな。
怪鳥の手懐け方なんて知らないから、色々試すしかないんだけどさ。
殴り倒して上下関係を分からせて済めば楽なんだけどなぁ……
明日からの方針をまとめると、竜型の怪鳥を手懐ける、身体作りと修行の段階を上げる。
取り敢えず、明日は一日身体作りだね。
身体作りって言っても、まともな筋トレだとすでに意味がないくらい強靭なのよねぇ。
出来れば死ぬ寸前まで身体を酷使させたいんだけど、どういうしようかな?
まあ、適当にそれっぽいことしていこう。
まずは、探索していた時に見つけた何かの金属を大量に含んでて結構重い岩をロープで身体に縛り付けて背負う。
そして纏の状態で千メートルの柱から飛び降ります。
柱の下を流れる川に全身を強打する形でダイブした衝撃で肺の中の空気をほとんど吐き出した状態で川に沈む。
酸欠の状態かつ全身打撲の痛みに耐えながら、水中で更に重く感じる岩を背負ったまま柱の壁を登り、水中から顔を出す。
「これ、普通に、死ぬ……」
身体を鍛えるために最低限のオーラしか纏わなかったのは失敗だった。
高いところから水面に叩きつけられる衝撃を甘く見てた。
全身の骨にひびが入ってるんじゃないかって程に全身が痛い。
これ、集中力落ちてたら死んでたかも……次からは気を付けよ
それより柱を登らないと、絶にして壁から足を離して腕の力だけで壁に張り付く。
腕の力だけで身体を打ち上げ、数メートルずつ登っていく。
限界まで腕を酷使するように、柱を登って飛び降りた場所まで戻る。
次は堅の状態で飛び降り、同じように全身を強打する形でダイブする。
今度は、堅でしっかり守ったこともあり、特に問題なく柱の壁に張り付く。
先ほどとは違い足の力だけで登るため、絶の状態で近くの他の柱の壁に飛び移りながら登っていく。
腕の力で真上に飛んでいた時に比べて一度に登れる高さが低い為、かなり時間が掛かったが登り切った。
上半身と下半身を一通り鍛えたので、一旦休憩にオーラ量を増やす修行に移る。
円を限界まで広げ、円でとどめられるオーラ量を超えてもお構いなしに、練ったオーラを体外に放出しつづける。
大体一時間くらいの間、膨大なオーラを周囲にばら撒き続けてオーラを練るのをやめる。
オーラ量を増やす修行が終わった後は、また堅の状態で飛び降りる。
腕の力だけで登り、足の力だけで登り、練ったオーラをばら撒く。
これを一日中繰り返して気絶する様に眠る。
身体作りの日はこのメニューを全力で繰り返す。
負荷が足りなくなったら、またメニューを考えればいいでしょう。
翌日、久しぶりに筋肉痛と倦怠感を感じながら、朝の修行を始める。
これまでの修行内容を少し変える。
これはでは投げた石を取っていたけど、これからは投げた石を殴って壊す。
それに加えて枝と木の実も一緒に投げて、枝を蹴って折り、木の実を掴み、枝と木の実についている葉をオーラで斬る。
急に修行の難易度を上げたのもあるけど、昨日の疲れもあってゆっくりでもかなり失敗した。
最初はゆっくりでも正確に、徐々に反射で行えるように慣らしていく。
いつも通りに修行を終えた後、普段より少し長めに休憩する。
今日から竜型の怪鳥を手懐けるため、体調を出来る限り整える。
取り敢えず、怪鳥を観察して生態を把握するところからかな。