翌日の朝、教室に登校するなり、俺たちの周りはちょっとした騒ぎになっていた。
「ねえねえ、〇〇くん! 昨日一夏くんたちと揃って公欠だったって聞いたけど、何してたの?」
「3人同時に休みなんて、怪しいな〜! もしかして密かにどこか出かけてたとか!?」
「いやいや、ただのちょっとした野暮用だって。それより、今日からタッグ戦の受付が始まったんだろ? ほら、そっちの準備をしなよ」
俺が苦笑しながらわざとらしく話題を逸らすと、女子たちは「ちぇー」と言いながらも、すぐに最新の話題へと飛びついていった。
そして休み時間。教室内はもっぱら、IS学園の注目の的である一夏が「誰とタッグを組むか」という話題で持ちきりだった。そんな喧騒の中、数人の女子生徒が俺の席に近寄ってきた。
「ねえ、〇〇くんは今回のタッグ戦に出ないの? 〇〇くんの戦う姿、また近くで見たいな!」
「そうだよー! 先輩たちとの模擬戦のとき凄かったし、色んな姿が見たかったのに!」
「悪いな、みんな。今回も俺は学園警備担当だから出られないんだ。前みたいに異常事態が急に起きたとき、もし俺が試合に出てたら即座に対応できなくなっちゃうだろ? だから最初から裏方に徹するよ」
俺が肩をすくめてそう言うと、女子生徒たちは一斉に「えぇー……」と露骨にがっかりした声を上げた。
(色んな姿、ねぇ……。もし俺が任務で『レティシア』とか『白雪姫の林檎』のE.G.Oスーツをここで着たりしたら、色んな意味で社会的に終わるんだよ。いや、レティシアの服に関しては、前に対象と同化して周囲にバレたから、実質一度社会的に終わってるようなもんだけどな……)
そんな不吉極まりない内心のツッコミは、そっと胸の奥のブラックボックスに仕舞い込んでおく。
その時、教室の中心にある一夏の机の周りが、一気にヒートアップした。
「一夏! 当然、私と組むわよね!?」
箒が腕を組み、ツンとした態度を取りつつも、その瞳には期待の色を隠せずに一夏に迫る。
「ちょっとお待ちになって、箒さん! 一夏さんのパートナーに相応しいのは、この私、セシリア・オルコットですわ!」
「ちょっと二人とも、勝手に盛り上がらないでよ! 一夏は私の大切な幼馴染なんだから、私と組むに決まってるでしょ!」
セシリアと鈴音までが参戦し、机をバンバンと叩きながらの激しいアピール合戦が始まった。当の一夏は、冷や汗をダラダラと流しながら困ったように頭を掻いている。
「いや、あのさ、みんな熱くなってるところ悪いんだけど……俺、もう組む相手決めてるんだわ」
「「「えっ!?」」」
三人の視線が鋭く突き刺さる中、一夏は隣の席に座っているシャルル(シャルロット)の肩をポンと叩いた。
「俺、シャルルと組むから」
「な、何ですって!?」「一夏、本気なの!?」「そんなぁ、一夏ぅ……!」
まさかの男子(偽装)ペア宣言に、箒、セシリア、鈴音の三人は一瞬でがっかりと肩を落とし、魂が抜けたような顔になった。しかし、周囲の他の女子生徒たちの反応は全く別だった。
「きゃーっ! 男子ペア!? それって新境地じゃない!?」
「シャルルくんと一夏くんのタッグ……ううん、これってある意味最強に眼福かも!」
「じゃあ、その本命ペアに対する対抗馬は誰になるのかな!? 俄然おもしろくなってきたじゃない!」
黄色い悲鳴と妄想で大盛り上がりする教室の喧騒。そこから少し離れた俺のすぐ後ろに、いつの間にか気配もなくラウラが立っていた。
「……〇〇。お前が今回のタッグ戦に出られないというのは、本当か?」
ラウラはいつもの軍人のような厳しい表情のまま、オッドアイの瞳で俺をじっと見つめてくる。
「ああ、本当だよ、ラウラ。さっきもみんなに言った通り、俺は裏方で警備だ」
「そうか……。お前が出られないのは、非常に残念だな」
ラウラはフゥと小さくため息をついた。
「もしお前が出られるのであれば、私はお前と組んでもらおうと思っていたのだが」
「俺と? ありがたい話だけど、なんでまた俺なんかを?」
不思議に思って聞き返すと、ラウラは至って真面目な顔のまま、とんでもないことを真剣なトーンで口にした。
「お前が以前行ったという『女装』という隠密・撹乱戦術について興味があってな。私の副官であるクラリッサにその話を通信でしてみたところ、『それは非常に深い戦術です、ラウラ少佐。ならば、女装の対になる戦術である【男装】の有用性についても、その男から聞いて学ぶべきです』と教えられたのだ。お前が参加するなら、そのあたりの実戦経験に基づいた講義も請うつもりだったのだが……」
「……は?」
俺は一瞬、思考が完全にフリーズした。
クラリッサ……? 会ったことも、顔も姿も知らないドイツ軍の副官の顔が、脳内で謎の「間違った知識を吹き込む要注意人物」として再生される。
(何を教えてるんだ!? それ、絶対に間違った日本知識だろ! なんで女装の対抗戦術が男装になるんだよ! っていうか、まさに今、目の前で一夏とタッグを組むことになったシャルロットがその『男装』の真っ最中なんだけど、ラウラ、お前それ天然で特大の嫌がらせになってるからな!?)
何も知らずに、純粋に「高度な戦術」としてこちらに教えを乞おうとしているラウラの真っ直ぐな視線を前に、俺はただただ、胃のあたりが痛くなるのを必死に耐えるしかなかった。
夕暮れ時の赤紫の光が差し込む、山田先生との共同部屋。
今日の分のL社への日報と、学園側への事後報告書の作成を終えた俺は、休む間もなく夕食の準備に取り掛かっていた。
今日のメインディッシュは『餃子』だ。
ただの餃子ではない。以前、L社の社内広報誌に載っていた『中国支部主催・餃子作り大会』で見事優勝を果たした、シャオ支部長とロウェル副支部長の夫婦ペアが考案した特製レシピなのだ。
炎のような熱い闘志を持つシャオ支部長のこだわりであると、彼女を支えるロウェル副支部長のレシピ。その二つが奇跡の融合を果たした至高のタネをボウルいっぱいに作り、俺は一枚一枚、丁寧に皮で包む作業を始めていた。
ガチャリ、とドアが開く音がした。
「おかえりなさい、今日も1日お疲れさまです」
俺が餃子を包む手を止めずに労いの声をかけると、入り口から疲れ切った様子の山田先生が顔を出した。
「ただいま帰りました……はぁ、今日も一日バタバタで……て、くんくん。わぁっ、すごく美味しそうな匂いがします!」
疲労感を一瞬で吹き飛ばしたように目を輝かせた山田先生は、急いで洗面所に向かい、手洗いうがいを済ませると、エプロン姿になってキッチンへとやってきた。
「今日は餃子ですね! 私も手伝います!」
「ありがとうございます。じゃあ、このタネを皮で包むのをお願いしていいですか?」
二人で並んでキッチンに立ち、せっせと餃子を包んでいく。
山田先生の包む餃子は、彼女の真面目な性格がそのまま表れているのか、ヒダの数が均等でピシッとした、とても几帳面で可愛らしい形をしていた。
「……それにしても、本当に色々とあった1週間でしたね」
餃子のヒダをきゅっきゅっと指で作りながら、山田先生がしみじみと呟いた。
「ええ、本当に。シャルロットの秘密がバレて、幻想体と共鳴して暴走して……まさかL社とデュノア社が提携することになるなんて、週の初めには思いもしませんでしたよ」
「ふふっ、〇〇君の機転と行動力、それに一夏君の勇気のおかげですよ。今日、廊下でシャルロットちゃんとすれ違ったんですけど、今までで一番、憑き物が落ちたようなすっきりした笑顔をしていました。私、それを見てなんだか泣きそうになっちゃって」
「……それは良かったです。あいつには、父親の道具としてじゃなく、ただの普通の女の子としての学生生活を、これから思い切り楽しんでほしいですからね」
そんな穏やかな会話を交わしながら手を動かしていると、あっという間にボウル一杯のタネが、お盆の上に並ぶ綺麗な餃子の群れへと変わった。
「よし、じゃあ焼きに入りますね」
「はい! 私はお皿と、ご飯とお味噌汁の用意をします!」
熱したフライパンに油を引き、餃子を円状に並べていく。
ジューッ! という食欲をそそる音がキッチンに響き渡る。底に軽く焼き目がついたところで、お湯を回し入れて素早くフタをした。
蒸し焼きにしている間、背後では山田先生がポン酢やラー油、取り皿をテーブルに手際よく並べてくれている。
数分後。水気が飛び、フライパンからの音がパチパチという高い音に変わったのを見計らい、一気にフタを開ける。
ふわぁっと立ち上る白い湯気と共に、暴力的なまでに食欲を刺激するニンニクとニラ、そして肉の香りが弾けた。最後に鍋肌からごま油を少し回し入れ、香ばしくパリッと焼き上げる。
フライパンに大皿を被せ、手首の返しで一気にひっくり返す。
「完璧だ……」
そこには、見事なまでの黄金色の焼き目がついた、円盤状の美しい羽根つき餃子が完成していた。
テーブルの中央にその大皿が置かれると、山田先生は両手を胸の前で組み、まるで宝石でも見るかのように目をキラキラと輝かせた。
「わぁぁ……っ!! すっごく美味しそうです、〇〇君!」
「シャオ支部長とロウェル副支部長のレシピですからね、味は保証付きですよ。さあ、冷めないうちに」
向かい合って席に座り、お互いの顔を見て微笑み合う。
激動の1週間の疲れを癒やす、温かくてささやかな夕食の時間。
「「いただきます!!」」
二人の明るい声が部屋に響く。
熱々の餃子を一口かじると、シャオ支部長直伝の溢れんばかりの熱い肉汁と、ロウェル副支部長の完璧な味付けが口いっぱいに広がり、俺たちはその日、「美味しい!」と無言で何度も頷き合いながら、絶品の餃子を心ゆくまで堪能するのだった。
「〇〇君、お風呂空きましたよ。お湯が冷めないうちにどうぞ」
「あ、はい、ありがとうございます」
雑誌から顔を上げると、お風呂上がりで少し上気した顔の山田先生が、薄手のピンク色のパジャマ姿で髪をタオルで拭きながらリビングに戻ってきたところだった。
一夏たちが暮らす学生寮は決まった時間の大浴場だが、こちらは教員用の共同部屋ということもあって、各部屋に個別の浴室がついている。生活環境としては最高なのだが……年頃の男子高校生にとって、山田先生のようなスタイルの良い美人の女性と一つ屋根の下で暮らし、あまつさえお風呂まで共用するというのは、文字通り心臓に悪い日々だった。
俺は用意しておいたパジャマを手に取り、脱衣所の前へと向かう。
そして、ドアのノブに『入浴中』と書かれたプレートを掛けた。
これはこの同棲生活が始まった初日、お互いに「気まずい事故」を起こさないために話し合って決めた、厳格なルールだ。世間の青年誌やラブコメ漫画などでは「お風呂上がりに脱衣所でばったり鉢合わせ」なんていうラッキースケベが定番だが、現実でそんなことをやらかしたら、恥ずかしさと気まずさで同棲生活どころではなくなってしまう。
「よし……」
細心の注意を払って脱衣所で服を脱ぎ、浴室の扉を開ける。
その瞬間、ふわりと温かい湯気と共に、さっきまで山田先生が使っていたホワイトフローラルのシャンプーの甘い香りが、強く鼻腔をくすぐった。
「うわ……匂い、めっちゃ残ってるな……」
思わずドクンと心臓が跳ねる。床のタイルはまだ濡れていて、さっきまで確かに彼女がここにいたという生々しい名残が空間全体に満ちていた。
湯船に体を沈めると、温かいお湯が全身を包み込む。ふぅ、と息を吐き出すが、お湯の温もりさえも「さっきまで先生が入っていたんだよな……」という想像に直結してしまい、かえって緊張が跳ね上がってしまった。
(ダメだダメだ! 振り払え俺! 先生に対してなんて不純なことを考えてるんだ!)
湯気で火照る顔を両手で覆い、必死に雑念を追い出そうとする。しかし、昨夜ベッドの中で手を繋がれたことや、「個人的な悩みを頼ってほしい」と言われた時の真剣な表情が脳裏をよぎり、妄想の暴走(オーバークロック)を止めることができなくなっていった。
(……もし。もし本当に、山田先生と付き合えたりしたら……)
湯船の中で膝を抱えながら、年頃の男子なら誰もが一度は繰り広げるであろう、意識している異性との「その先」のシチュエーションが、恐ろしいほどの解像度で頭の中に広がり始める。
――付き合ってしばらく経った、ある日の休日。
二人で並んでキッチンに立ち、晩ご飯の準備をしている。俺が野菜を切っていると、隣で熱心に鍋をかき混ぜていた彼女が、ふふっと柔らかく微笑みかけてくる。
『〇〇君、味見、してもらえますか? はい、あーんして……どうですか? 美味しくできてますか?』
『最高です、先生。あ、いや……真耶さん』
『ふふ、プライベートの時は、ちゃんと名前で呼んでくれないと拗ねちゃいますよ?』
そう言って顔を赤らめる彼女と、作ったご飯を美味しく食べて、リビングのソファで一本の毛布に包まりながら、テレビを見てのんびりと寛ぐ。
『今日も幸せな一日でしたね、〇〇君。……ねえ、お風呂、一緒に入りませんか?』
恥ずかしそうに上目遣いで誘われ、そのまま二人で入る浴室。
湯気の中で、服を脱ぎ捨てた全裸の彼女が、豊かな胸元を隠すように少し俯きながら、恥ずかしそうにこちらに身を委ねてくる。
『あ、あまり見つめられると、恥ずかしいです……。でも、〇〇君になら……私、全部見られてもいい、ですよ……?』
そしてベッドの上。部屋の明かりを消し、静寂の中で重なり合う。
いつもは頼れる先輩であり先生である彼女が、完全に一人の女の子として、潤んだ瞳で俺を見つめ、細い指先で俺のシャツの裾をぎゅっと握りしめる。
『……〇〇君、優しくしてくださいね。私、あなたのことが……大好きですから……』
「――って、何を考えてるんだ俺はァァァァッ!!」
バシャバシャとお湯を顔に叩きつけ、俺は真っ赤を通り越して破裂しそうな顔のまま浴槽から飛び出した。
頭の中の山田先生が破壊力抜群すぎて、心臓の鼓動がバックバクと狂ったように警報(アラート)を鳴らしている。
「落ち着け、落ち着け……! 相手は先生だぞ! 恩人だぞ! 共同生活のパートナーだぞ!」
自分に言い聞かせながら、大急ぎでシャンプーを手に取り、頭をごしごしと猛烈な勢いで洗い始める。続いてボディソープをこれでもかと泡立てて全身を洗い、脳内にこびりついたエッチな妄想を物理的に洗い流そうと必死に躍起になった。
しかし、いくら体を洗っても、浴室内に残る彼女のシャンプーの甘い香りが、その都度俺の理性を狂わせようとしてくる。
結局、いつも以上のスピードで体を洗い流し、俺は這う這うの体で浴室を脱出した。
脱衣所でパジャマに着替え、大きく深呼吸をしてからリビングの扉を開けると、そこには髪を乾かし終えて、のんびりとハーブティーを飲んでいるいつもの優しい山田先生の姿があった。
「あら、〇〇君、お疲れ様です。お風呂、早かったですね? のぼせちゃいましたか?」
「あ、いえ! ちょっと、お湯がよく温まってたので!」
少し赤みの残る顔をタオルで隠しながら、俺は動揺を悟られないように、裏返りそうな声を必死に抑えて答えるのが精一杯だった。
先生サイド
浴室から聞こえるシャワーの音。
壁一枚を隔てた向こう側で、〇〇君が今、私のシャワーの残り香を感じながら髪を洗っているのだと思うと、心臓がトクトクと耳の奥で高鳴るのを止められない。
「……本当、私は何を考えているんでしょう」
私はドライヤーの熱で少し火照った頬を、リビングの涼しい空気で冷ましながら、冷え切ったハーブティーを一口含んだ。
学園の事情で始まった、この同棲生活。当初は「教師」として、一人の生徒である彼を守り、導くことが私の全てだった。けれど、あの日彼に言われた言葉――「もし抱きしめたら、どうなっていたんだろう」という問いかけ。そして、周囲の人々からの冷やかし混じりの言葉にも無実を証明してくれた彼の姿。織斑先生に「二人はお似合いだ」と言われた時、胸の奥で無視できない熱が灯ったのを反芻して感じる。
特に、彼の訓練映像。限界まで体を追い込み、それでも真っ直ぐに強さを求めるあの瞳。彼を安心させたい、その重圧から解き放ってあげたいと願う私の心は、もう教師としての慈愛だけでは説明がつかないほど歪で、切実なものに変わっていた。
さらに、シャルロットさんを助けるために、身を挺して立ち向かったあの姿。あの時の凛々しくも無防備な背中が脳裏に焼き付いて離れない。
ああ、ダメだ。思考がまた、甘い妄想へと滑り落ちていく。
――もしも。もしも、彼と正当な恋人同士になれたなら。
休日、二人で並んで近所のスーパーへ食材を買いに行く。「今日はハンバーグにしましょうか」なんて笑い合い、重い荷物をひょいと持ってくれる彼の腕に、堂々と腕を組んで歩く。家事も一緒。キッチンに二人で立って、料理の味見をさせたりさせられたり。そんな平凡で、でも何にも代えがたい幸福な日常。
いつか訪れる、結婚式。純白のドレスの裾を少し引きずりながら、教会のバージンロードを彼と二人で歩く。指輪を交わし、神の前で永遠を誓う。その隣には、いつも真っ直ぐな瞳で私を見つめてくれる、愛しい彼がいる。
そして、夜の静寂。二人だけの寝室で、初めて彼に抱かれる時。
いつもは教壇の上から彼を指導している私が、ベッドの上では完全に一人の「女」として、彼の熱を全身で受け止める。彼の手のひらが、私の肌をなぞるたび、恥ずかしさと愛おしさで視界が潤んでいく。
『先生……いや、真耶。愛してるよ』
そう耳元で囁かれ、彼の力強い鼓動を感じながら、私はただ彼に全てを委ねて、甘い快楽と愛の中に溺れていく――。
「……はぁっ」
深く、乱れた吐息をついて、私はソファに沈み込んだ。
頭の中ではもう、彼を「生徒」として見ることができなくなっている自分がいる。教師という立場、学園のルール、周囲の目。そうした「理性の枷」が、どんどん脆く、音を立てて崩れていく。
自嘲するように、乾いた笑いが漏れる。
――ああ、私はもう、取り返しのつかないほど彼に夢中なんだ。
もし、この気持ちを言葉にしたら、彼はどんな顔をするだろう。困惑するだろうか。それとも、あの優しさで受け入れてくれるだろうか。
浴室の音が止んだ。
間もなく、彼が戻ってくる。その足音を想像するだけで、また心臓が早鐘を打ち始めた。私はティーカップを置き、乱れた感情を隠すように、努めて穏やかな「教師の顔」を作って扉を見つめた。
ちなみに餃子つくり大会2位はジア・チォウ、ズールゥ、ズーコン3人による野菜多めの餃子(ズーコン曰く毎日食べても飽きない用に作られている)とのこと
チォウ兄貴達が餃子を作る光景を見てみたかったというのもある
そしてこの二人をくっつけるいい方法はないだろうか