個人ならともかく、国家や会社の代表だったら事前交渉とかを行わないと不便でないのかなと。
夢の中での出来事が起きたときに実感が出てくるというのは夢の内容によるかもしれないけど、あの事件からずっと碌でもないものであるのは確かだった。
ここではない世界でも出てくる忌々しい「ピアニスト」それによって音符になる沢山の人間やこっちの世界では考えられないような戦争。そういった夢で実感が伴ってくると良く夜中に起きないものだとある意味感心してしまう。
この前は音符になった際の痛みや人のような存在に喰われてしまった際の痛みで起きたら身体が残っていることにほっとしてしまう。
この事をL社の担当に報告することも仕事の一環でその時は深く眠れるように処方した薬を服用したけど全然効果が無かったことを報告しておく。
だが、あの夢の中で不思議な事は夢を見るたびに自分に似た誰かがいろいろな立場になっていたことだった。
ある時は、前述した無残な死体だと思ったら別の日は上質なスーツとコートを着て部下に慕われていたり、上司夫妻の作る餃子に舌鼓を打っていたり等、多少はマシな夢も見れるようになった。
入学するまでの春休みなんてものはなく戦闘訓練、座学、幻想体への実地理解学習でいつの間にか入学式前日になってしまった。
社長のアンジェラさん曰く、事前に学園と打ち合わせをするとかで学園へ連れていかれることとなった。
道中はそこそこ時間があったのでどのような事を行うか伺ったところ。
学園で幻想体及びねじれ現象が起きたことの対処についてが主で、発生した場合優先的に鎮圧させることや鎮圧した幻想体が卵のような形態になったらL社の回収部隊が来るのでそのための打ち合わせを行うそうだ。
同席している赤い髪の女性が回収部隊の隊長でゲブラーさんというらしくL社の最高戦力だという。顔の傷や目つきの鋭さ、身にまとっている雰囲気といいこの人がこっちを殺そうと思えばいつでもできそうで恐ろしい。
しかし、疑問もあり回収部隊で外を回っている間L社本部の収容室で脱走などが起きたらどうするのか、そして学園内の事件を全部一人でやるのは流石に問題があるのではないかと思う。
そもそも、幻想体が癒着してEGOを発現できる以上いつ暴走するかわからないし開発してくれるというISも完成していない。
そして、戦闘訓練を受けたとはいえ回避や防御に関しては一定の経験はあるが攻撃に関しては素人に毛が生えた程度だろう。
1人というのも学園内に多数の敵が来た際は数の差で押し切られるのは必然だし限界もある。
そのことについて伺うと、本社には戦闘を教えてくれたアルガリアさんとその義弟であるローランが鎮圧要員としては十分であると判断したようだ。あの二人仲は悪いのに戦闘では息の合った連携をするから問題はないらしい。
また、ローランの奥さんも産休が終わり次第鎮圧要員として加わるそうなのでそこは安心だそうだ。
そして、一人で業務を行うという事だが学園内で戦闘面を鍛えさせるという方向で話を纏めるらしくつまりひたすらレベルを上げさせて平然と仕事がこなせるようにやらせるそうだ。
抗議も言いたくなるようなものだが幻想体の詳しい知識を持っている人間は学園内にいる訳もなく、当分の間は一人で行わざるを得ないとのこと。
不幸中の幸いとはいえ戦闘には観測要員がついて有効な戦術などを通信で支援することは出来るそうなので無策ではないことは助かる。
EGO適正が無くても幻想体やねじれの鎮圧は可能だが、攻撃面ではともかく防御面では連中の影響をモロに受けてしまうため仕方ないとはいえ辛い。
学園内にEGO適正があるEGOISTがいてくれればL社に紹介して装備の支給や、仕事の負担が減りそうなのでそういう人がいると切に願う。
学園は人口の島を埋め立てて造ったらしく、外部からは隔絶されているしそこで生活を行うためかなりの広さがあった。
社長やゲブラーさんについていく形で学園の中を入るとISは女性しか扱えずそこにいる生徒や職員も女性のみなので奇異の眼で見られていることは記載しておく。
好色な人であれば羨ましいと言われそうだが正直、見世物を見る目線や侮蔑の目線も混じっているので変わってくれるのであれば変わって欲しいものである。
応接室では向こうの学園長とあの織斑千冬先生、配属されるクラス担当の山田先生そして生徒会長をやっている更識楯無さんと出会った。
世間話はそこそこに本題に入ると向こうに事前連絡していたらしく契約書に判を押すだけというあっさりしたものであった。
どうやら学園は外部からの不干渉が規則だがあんな事件の後でこちらが国際的組織であり唯一、幻想体やねじれの情報を持っていたことが有利に働いていたらしく根回しの速さに驚くとともに法務部の人たちも苦労していることに思いをはせるのであった。
武装ではあるが常に武器を持ち歩いている不審者なんてどっからどう見ても怪しいのでそこの問題も聞いてみたが社長曰く、設計部が必要に応じて武装を展開できる装備を作ってくれていたらしく問題ないとのこと。それ初めて聞いたんだけどなぁ。
渡されたのが変哲のない指輪のようなものだったがこれのデザインが真っ黒に落書きという癒着している宇宙の欠片にそっくりで魂消てしまった。
使い方を知り目の前で試してみたらいつの間にか服が宇宙の欠片の柄が付いたスーツのようなものと音叉のような槍が右手に持っており。
向こうの人たちは驚いていたが更識さんは防護服のスーツの柄のデザインが面白かったのか少し笑っていた。
そりゃ黒いスーツにハートや星の模様がいろいろついていればアンマッチなのは当然だよなぁと納得はできる。
そんなこんなで入学式前の交渉は問題なく終わり、近くのホテルで宿泊して明日の入学式に備えることとなった。
別れ際、アンジェラ社長からの言葉「どうか、あなたの生活が豊かになりますように。」と労っているのか?仕事を円滑に進めろとのことが解らないような言葉が引っかかってしまった。
当分の間、ワンオペで幻想体やねじれの対処をせざるを得なくなったあなたの学園生活はどうなるのか。
リンバスカンパニーの戦闘を見る限り、こちらの攻撃は通るが向こうの攻撃が通ってしまった場合、幻想体によっては致命的になるようなと思ったのでこういう設定にいたしました。
学園内にEGOISTがいると負担は減りますがL社に目を付けられてしまう女の子は不憫なのかもしれませんね。