仮面ライダープラント   作:ダイヤモンドリリー

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サブタイトルで内容わかる人もいるでしょう。
本編どうぞ。


希望を摘み取る

逃げ出した男の落とした学生証。そこに記された住所に向かって2人は歩いていた。

 

「行ったってどうしようもなくないか?話しても無駄な気がするんだけど」

 

凛は先程までの男の態度からそう言う。

 

「いや、手はある。そもそもあいつ、田辺龍斗は矛盾している」

 

手元の学生証を見ながら志郎は言う。

 

「矛盾?」

 

「まずブルムがあいつを助けるのは、やつが本気で死にたいと思っているからだろう。それを助けることで、死ねなかったという絶望を発生させている。ならば俺たちを攻撃したのは何故か」

 

「前に父さんが言ってたことじゃないのか?」

 

自分たちを圧倒させることで絶望を誘う。前に志郎が説明したことだった。

 

「ならば、どうして途中で逃げ出した。俺たちに返り討ちにされたからか?いや違う。ブルムは俺たちを田辺龍斗から遠ざけたかったんだ」

 

「どういうことだ?」

 

「俺らを遠ざけることが田辺龍斗の絶望に繋がる。つまり、死にたいと本気で思うと同時に、誰かと話をしたい、誰かに救ってほしいとも思っているのだろう。その矛盾があるのならば、説得も可能だし絶望の芽を積み取れる」

 

しばらく歩いていると、田辺の住む家の前へと着く。

 

「ここがあいつの家か。どうする?出てくるまで待つのか?」

 

「いや、自分から出てきてもらおう」

 

インターホンを押す志郎。しばらくするとチェーンをかけられた状態で扉が開く。

 

「お前ら何しにきやがった!ってかどうして俺の家がわかったんだ⁉︎」

 

「いやー学生証が落ちてたもんで...話がしたい。出てきてくれないか」

 

「お前らに話すことなんてな「心の底では話をしたがっているはずだ。出てきてくれないか。適当に何か奢るぞ」…チッわかったよ出りゃあいいんだろ」

 

チェーンを外し、外に出てくる。

 

「よし、じゃあ適当にファミレスにでも入ろうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とあるファミレスに入る。全て空席だったので、ドアに1番近い席に座る。

 

「君に聞きたいことは、どうして死にたいのか、だ」

 

「それを言う前に1つ聞かせてくれ。あのバケモンはなんなんだ」

 

志郎と凛は簡単にブルムについて説明をする。絶望を糧にして成長する花の怪物であると。その怪物が田辺の絶望を栄養としていること。それを倒すために2人が来たこと。

 

「なるほど。だから俺のことを...どうして死にたいかだったな。話すから話したらさっさと消えてくれ」

 

田辺は話し出した。

 

「俺は生きる楽しみってのを見失った。何をしてもつまらないし身が入らない。俺はなんでもできた。失敗なんてしたことがない。だからこそ初めての失敗がものすごく怖い。でも失敗なんてしない...自分の気持ちを話すのって難しいな」

 

「つまりどういうこと?」

 

「今まで何もかもがうまくいっていた。だけどそれがいつまで続くかわからない。でも、もしこの先ずっと続いていったとしたら、とてもつまらない人生になりそうで逆に怖い。何をするでもなくただ無駄に人生を費やしていきそうで怖いんだ」

 

田辺は矢継ぎ早に言う。

 

「だから、この先の未来から逃げようとして、死のうとしたんだと思う。今でも思っている。ほら話しただろ早く俺の前から消えてくれ!」

 

「まだ話したいこと、いや、聞きたいことがあるだろう。証拠にほら、ブルムがきやがった。これ以上の会話を阻止するためになぁ!」

 

ブルムが店のガラスを突き破って入ってくる。

 

「あらかじめ誰もいない店にしといてよかったな。田辺龍斗、逃げるんじゃねぇぞ。そこで見ていろ」

 

「えっ?」

 

「「変身!」」

 

凛は三つ葉のクローバーで、志郎は白菊で変身する。

 

「凛!田辺龍斗を守りながら説得しろ!やつの絶望を取り除け!」

 

「おう!」

 

志郎がブルムを連れてファミレスの外へと出る。

 

「なんだよ。これ以上、説得したって無駄だz「お前、俺以上の馬鹿だな」…はぁ?なんだよ急に!」

 

凛は志郎のように直球火の玉どストレートで言う。やはり親子だ。

 

「将来が不安?そんなの誰だってそうだろ。自分だけがそう思った俺スゲーとか思ってるんじゃねぇぞ」

 

ブルムが会話を阻止しようとこちらに向かってこようとしているが志郎によって足止めされているのを横目に見ながら話を続ける。

 

「この先もずっとうまくいくわけなんざねぇし失敗が全て悪いわけでもねぇだろ。生きる楽しみを見失った?本気で生きる目的や楽しみを見つけようとしたことがあるのかお前」

 

「そ、それは...」

 

「とりあえず生きてみろ。生きてるっていいことだぞ。何だってできる」

 

「そんなの綺麗事だ!」

 

「今自分で綺麗事だって認めただろ。自分でもそうしたいって思ってる証拠だぞ。そうでないのならそもそも綺麗事なんて言葉使わない」

 

「っ!」

 

「まだやったことないことなんて星の数ほどあるだろ。花でも育ててみるか?結構楽しいぞ。どうしても自分のために生きれないのなら人のために生きてみるのはどうだ。今じゃなくてもいい。いつか見つけられれば「ライダー」…なんだって?」

 

「仮面ライダーになりたい」

 

「…生半可な覚悟じゃ死ぬだけだぞ」

 

「もともと死のうとしてたんだぞ。別に後悔なんてしない」

 

「…わかった。ならその命、人のために使え。自分のためじゃなく、誰かの為に!」

 

田辺は生きる目的を見つけた。そのとき。

 

「まずいブルムそっちいった!頼む凛!」

 

ブルムがこっちにやってくる。

 

(ブルムは俺のことを田辺から引き剥がしにかかるはず。なら自分から退けば田辺に危害を加えられることはないはず!)

 

田辺から離れ、高枝鋏で斬りつける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし ブルムは 凛を 無視して 田辺の 両肩を 槍で 貫いた

 

 

 

 

「ぐ⁉︎ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッッッ!!!」

 

血飛沫が舞う。

 

「生まれたばかりの生きる希望を摘み取りやがった!凛!田辺!絶望に飲まれるな!」

 

「そんな...せっかく説得できたのに...こんなのってないだろ!」

 

凛の顔は絶望に染まっていた。

 

血を流しながら倒れる田辺は肩を抑えようともしない。いや、できないのだ。すでに痛みのショックで気絶していた。

 

そのとき、2人の絶望を吸収したブルムの胸の花全てに色がつき、体が光り輝く。光が収まった時、背中には翼が生え、槍の穂先は数が増え浮遊していた。

 

「満開しやがった!2人で倒すぞr「父さんは田辺さんを病院に連れて行って。こいつは俺1人でやる」…やれるんだな」

 

「やるしかない。やらなければならない」

 

志郎は田辺を抱え病院へと走っていく。しかし、ブルムは追おうともしない。

 

「もうあいつは眼中に無しかよ...絶対に許さない!絶対に...」

 

敵意を剥き出しにし、仮面の下で涙を浮かべながら言う。

 

「満開を温存する?そんなことしてるからこうなるんだ。もうッ!満開の出し惜しみなんか!!」

 

桔梗の試験管と三つ葉を交換し装填する。

 

「満開!!!」

 

凛の体が光に包まれる。光が消えた時、ブルムと同じような大きな翼を生やした凛の姿があった。

 

「ブルム。報いを受けてもらうぞ。絶対に...殺す」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2つの花が満開した。

 

満開すれば、後は散るのみだ。

 

 

count the seeds

現在、凛の使える希望の種は

・三つ葉のクローバー

・桔梗(10分咲き)

・白菊(6分咲き)




2847字。
ブルムの満開はそこまで姿は変わらないようになっています。
次回、満開同士の戦闘です。
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