仮面ライダープラント   作:ダイヤモンドリリー

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ちょっと短いけど戦闘回です。


2つの満開

「ブルム。報いを受けてもらうぞ。絶対に...殺す」

 

大きな翼を広げてブルムに突撃する。刀と槍の鍔迫り合いが始まる。

 

『君から濃厚な絶望を感じるね。もっとその絶望を頂戴。ふふっ』

 

「笑ってるんじゃねぇ!」

 

口なんてないのにブルムから声が聞こえてくる。その声を振り払うように刀を振る。

 

『満開、僕と同じ。ねぇもっと僕を楽しませて。絶望してよ!』

 

「絶望してねぇわけねぇだろ!でも!今はそんなことしてる暇ねぇんだよ!」

 

刀を何回も振るう。しかし槍でいなされてしまう。同じ空中というステージに立とうとも、剣道三倍段の法則は残っている。

 

「っ!」

 

すんでのところで放たれた槍を避ける。けれども空中に浮遊するいくつもの穂先が体を掠っていく。

 

「痛え!でも!あいつの方がもっと痛かったはずなんだ!こんな程度で止まれるかよ!!」

 

傷ついても、絶望しても、全てを怒りへと変えブルムにぶつける。しかし、その剣捌きは冷静そのものであった。ブルムよりも速く飛び回り背後から斬りつける。

 

『っ速い!ははっ!楽しいねぇ。もっと、もっと!』

 

「なに勝手に楽しんでんだよ!絶対に後悔させる!」

 

『…僕後悔するようなことしたっけ?』

 

「テメェ‼︎」

 

一気にブルムに近づき斬りつける。しかし、槍の穂先が傘のように展開し、盾となり受け止められる。

 

「このッ!このォ!!」

 

何回も何回も盾となった槍に刀を叩きつける。

 

「見つけた!」

 

凛は刀を突き刺すように動かす。盾で受け止められるかと思われたが、展開された槍の穂先の間に綺麗に差し込まれブルムの肩に突き刺さる。

 

『ッ!面白いね君。でも、僕はもう散らないよ!』

 

「絶対に散らせる!絶対に殺す!!」

 

横一線に刀を振るい、槍の柄を叩き斬った。

 

「ハァアアアア!!!」

 

次はブルムだ。刀を振り上げ一気に振り下ろす。

 

「っ!クソっ!」

 

槍が再生し受け止められる。そのまま弾き飛ばされ槍で突いてくるが、翼で身を守る。

 

「まずはその翼を剥いでやる!」

 

ひたすら加速してブルムの背後を取ろうとする。ブルムの周りをぐるぐると何回も旋回し辺りに暴風が吹き荒れる。

 

「ハァッ!」

 

ブルムが追いつけなくなり、背後を晒した瞬間に翼を斬り裂く。ブルムが地面に落ちていくが、激突する前に再生し、飛翔する。

 

『何度やっても無駄だよ。終わらない絶望に浸りな!』

 

「無駄じゃない!終わらせるんだ!今、ここで!」

 

何回も翼を切り落としては再生するのを繰り返す。

 

(くっ!威力が全然乗らねぇ!)

 

今、凛は空中で刀を振っている。翼による推進力があるとはいえ、踏ん張れるものがない以上どうしても威力が落ちてしまう。そしてなによりも、空中で飛びながら戦う経験が圧倒的に足りなかった。植物によって埋め込まれた擬似的な記憶によって、ある程度はできるものの、体に馴染んでおらずうまく体がついていかない。

 

対して、ブルムは前から空を飛んでいた。その分の経験の差が、ジリ貧な状況を生み出していた。

 

「な⁉︎ぐふっ⁉︎」

 

ブルムに向かって高速で飛び斬りつけようとするが、槍の柄で薙ぎ払われ打ち落とされてしまう。復帰することもできず地面に墜落する。

 

「っ!危ねぇ!」

 

起きあがろうとする凛に対して急降下して槍を突き刺そうとしてくるのを転がりながら避ける。途中で翼を地面に叩きつけ、石礫をブルムに当てる。粉塵の中、立ち上がり刀を振るうが既にブルムは飛び立った後だった。

 

『随分持ち堪えるねぇ。ところで君はどうして戦っているの?どうして僕たちの邪魔をするの?僕たちが正義なのに』

 

ブルムがさも当然のことであるかのように言う。

 

「正義...だと...人を傷つけることが!あいつを傷つけることが!正義なわけねぇだろ!!」

 

『君だって僕たちのことを傷つけようとするじゃないか。僕たちは世界のために戦っているというのに。僕たちが絶望?違う。希望だ。君たちが絶望なんだ。そんな花を咲かせて...どういうつもりなんだ!!」

 

急にブルムが激昂し速度が上がる。

 

(こいつまだ力を隠していやがったのかよ!)

 

お互いに刀と槍をぶつけ合い、花を辺りに散らばせながらも戦いを止めない。この場において、正義も悪もない。勝った方が正義。そんな共通認識が生まれ始めていた。

 

『絶対に、負けるわけにはいかない!!』

 

そのとき、ブルムが急に槍を投げてきた。

 

(⁉︎)

 

予想外の攻撃に対応が遅れ左肩に槍が突き刺さる。

 

「ぐっ!!この野郎ォ!!!」

 

ブルムが急接近して槍を掴み、傷口を広げようとしてくる。

 

「オラァ!」

 

ほとんど無防備なブルムの槍を掴んだ手を、腕ごと切断した。

 

『っ!痛い!』

 

「その程度で痛がってるんじゃねぇ!これからもっと痛くしてやるんだからさぁ!!」

 

槍を肩から引き抜き、ブルムの首へと一気に突き刺す。

 

「これで終わりにしてやる!」

 

ブルムから離れながらレバーを操作し必殺技を発動する。エネルギーが体全体を包み込む。

 

「ハァアアアア!!!!!」

 

体を熱い炎で包みながら、よろけているブルムに超高速で突進し、燃える刀で再生する暇を与えずに何度も何度も切り刻み、そして最後に横一文字に首を掻っ切った。

 

ブルムは叫び声を上げる暇もなく、地面に落ちていきながら枯れ果て消えていった。種が地面へと落ちていく。

 

凛は地面へとゆっくり降り立ち、変身解除した。枯れていくように、大きな翼や刀が消えていく。満開の負荷により体がふらつくがなんとか倒れるのを防ぐ。

 

「残ったのはこいつだけかよ...ちくしょう...」

 

涙を目に浮かべながら、種を拾いあげた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶望の花は散った。

 

けれども絶望は、着実に心に根付いていた

 

 

count the seeds

現在、凛の使える希望の種は

・三つ葉のクローバー

・白菊(6分咲き)

・???




2295字。
初めて戦闘だけで1話使った。
もう少し文量増やしたかったけど難しい。
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