仮面ライダープラント   作:ダイヤモンドリリー

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山桜満開合戦。


山桜の戦い

「ハァアアアアア!」

 

巨大化した手甲で思い切り殴りかかる。しかし、同じく巨大な腕で受け止められる。

 

『私の真似を...するな!』

 

ブルムもその大きな拳を振るう。凛もその拳で受け止める。

 

「お前には負けない!」

 

互いに拳をぶつけ合う。これまではスピード対パワーだったのが、パワー対パワーに変わっていた。しかし、その力は拮抗していない。

 

『私よりもパワーが強い!でも、勇者が負けるわけにはいかない!』

 

「お前が勇者なんて認めない!」

 

凛の方がブルムのパワーを上回っていた。けれど、大きな力には代償があるのが基本である。

 

(がっ!グア゛アァッ!イッテェ!)

 

拳を叩き込むたびに、腕に激痛が走っていく。腕がひしゃげ、無理矢理元に戻されるような痛みが1回1回起きている。その度に痛みで意識が飛びそうになるが、根性とブルムへの怒りでなんとか持ち堪える。

 

(パワーに腕がついていけてない!でも、これくらいで根をあげるわけにはいかねぇ!)

 

何回も、何回も拳を振る。防御されようとも、その上から殴り続ける。腕がひしゃげ、骨が粉々になり、血管が爆発したような感覚を感じながらも、止まることはない。否、止めてはならない。目の前の敵を倒すまでは。

 

『まず⁉︎きゃあっ!』

 

ブルムの防御が崩れ、ガラ空きになった胴体に思い切り拳を打ちつける。ブルムは花を散らしながら一気に後方に吹き飛ばされるが、受け身を取ってなんとか衝撃を受け流していく。

 

「まだ、まだァ!」

 

狂ったように殴り続ける凛。次第にブルムは防戦一方となっていく。ブルムは気づいていなかったが、防御に専念する、それが今の凛に対する1番の対策であった。

 

(くそっ!決めきれねぇ!このままじゃ俺の体がもたない...!)

 

いくら再生するとはいえ、疲労まで回復するわけではない。体にもドライバーにも負荷はとんでもなくかかっているだろう。いつ変身解除させられてしまうかわかったものではない。

 

「ぐっ、ウオオオオオ゛オ゛オ゛オ゛オ゛ッッッ!!!」

 

叫びながら殴りかかり、限界が近いのをブルムに感づかれまいとする。

 

『苦しそうだね、可愛そう...今終わらせてあげるね』

 

「っ!わかった気になってるんじゃねぇ!終わるのはお前だ!!」

 

レバーを操作して必殺技を発動する。拳にエネルギーが集まる。一方ブルムもその大きな拳を引き構える。

 

「ライダーパンチ!!」

 

『勇者パンチ!!』

 

互いの全力の拳がぶつかり合う。衝撃波が辺りに広がり周囲のガラスが割れていく。

 

「がっ!!もう一回!」

 

『くっ!まだまだ!』

 

凛の拳が砕けるがすぐに再生して、もう1度必殺技を作動させ殴りかかる。

 

ブルムは追加パーツの巨大な右腕が破損したため、再生させながら左腕で殴りかかる。

 

「オラァ!!」

 

その左腕も思い切り殴りつけて破壊する。もうその巨大な両腕は邪魔な重りでしかない。満開したことによる山桜の強化はその両腕によるパワーの強化。それ以外はほとんど変化がない。つまりその両腕さえ破壊してしまえば、9分咲きの時とほとんど変わりないのだ。

 

「ハァアアアア゛ア゛ア゛!!!!」

 

ブルムの両腕が再生する前に殴りかかる。拳がブルムを貫き、花を散らしながら吹き飛んでいく...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんてことはなかった。ポスっと拳が当たる。拳が当たる直前、あまりの負荷によって変身が解除されてしまったのだ。山桜が枯れ落ちる。

 

「くそっ!こんな時に...ぐぶっ⁉︎」

 

ブルムに蹴りを入れられ吹き飛ばされていく。そして壁に叩きつけられ痛みが全身を走る。腕が再生してから変身解除されたことが唯一の救いか。

 

『邪魔者は倒した。朝顔は...あの種はどこ!』

 

ブルムは周囲を見渡すも、志郎はどこにもいなかった。

 

『まさか...逃げられた⁉︎』

 

戦いの中、志郎は目を覚まし、種を取られないようにすぐに逃げ出していたのだ。

 

『だったらあなたを殺してあなたの持つ種だけでも!』

 

ブルムが凛へと近づいてくる。

 

(死ぬ?いやだ死にたくないまだ死んじゃダメだ約束果たせなくなるいやもう果たせないどうすれば助かる無理だめだ死ぬ)

 

諦めかけたその時、ブルムに矢が飛んできて当たる。

 

「まさか...父さん?」

 

飛んできた方向を見ると、そこには1人の女性が弓を持って立っていた。一昨日見た女だった。

 

「あいつは白菊じゃねぇか!でもなんで⁉︎」

 

『生き返ってたんだ...てか何するのさ白菊ちゃん!あいつ殺して種を取り戻さないと!みんなを元に戻さないと!』

 

「ダメです山桜さん!金糸梅さんがこの人は計画に必要だから殺してはいけないと言ってました。今殺しちゃダメなんです!」

 

『でも!』

 

「私についてきてください。いつか、みんな取り戻しましょう。それまでは計画のために全力を尽くしてください。私たちの勇者でしょう?」

 

『…わかったよ。ちょっと君!許したわけじゃない。今度は殺して種ももらうよ。いいね』

 

「クソ待てお前ら!」

 

凛は痛む体を無理矢理動かして三つ葉のクローバーの試験管を取り出す。

 

「させません!」

 

「なっ⁉︎」

 

装填しようとした瞬間、白菊が矢を放ち試験管を破壊されてしまった。それ以外にはオキザリスしか持っていない。けれど、今、この体で満開をしても、2体のブルムにとても敵うはずがない。そう考えている間に、ブルムたちは姿を消してしまっていた。

 

「また逃してしまった...」

 

「くっ...大丈夫か凛」

 

志郎が壁に手を当てながら歩いてきた。

 

「『計画』って何なんだろうな。俺たちは生かされている。でもいつ必要なくなって殺されるかわかったモンじゃない」

 

すでに満開しているブルムは、金糸梅の話に出てきたものも含めて6体。もし、全員が同時に来たら。本気でかかってくるブルムたちに為す術もなく殺されるだろう。

 

「ひとまずは治療だ。会社には連絡してある。いずれ迎えがくるはずだ」

 

凛は膝を抱えながら座って俯きながらずっと呟いていた。

 

「死にたくない」と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこか、暗いところに6人の男女が集まって話していた。

 

「やっと6人まで揃ったよ。みんな遅かったねぇ」

 

胸に金糸梅を咲かせた中学生くらいの少女が言う。

 

「しょうがないでしょ。ここまでどれだけ距離が離れてると思ってるの」

 

両足の付け根にペチュニアを咲かせた高校生くらいの少女が続けて言う。

 

「私もそうだ。沖縄からここまでくるの大変だったぞ」

 

背中全体に銀梅花を咲かせた大学生くらいの男も言う。

 

「でもここまで揃ったのは今までで初めてだっただろう?今までは2人までしか同時に満開してなかった」

 

膝裏や左肩から桔梗を咲かせた老紳士も言う。

 

「そうですよ。文句言ってないでまずはここまで集まれたことを喜びましょうよ」

 

腰全体に白菊を咲かせた女も言う。

 

『みんなその体なに?人の体に入ってるの?いいなー』

 

「あ、そうだ山桜ちゃん。これ使っちゃいな」

 

金糸梅を咲かせた少女が女の死体を放り投げる。山桜はバッサリと開いている腹から死体の中に入り込む。

 

「ありがとう金糸梅ちゃん。それで、これからはどうするの?」

 

「まぁひとまずは待ちかな。下手に出て行って人数減らしてもダメだし」

 

「そんな悠長に待ち構えていて大丈夫なのか?仲間を取り戻しに行った方がいいだろう」

 

「いやいや、桔梗くん。あれは運が良かっただけだよ。あの2人満開しなくても結構強いし。仲間を助けたい気持ちはわかるけど、自分が死んだらどうしようもないよ。計画が終わったらでいいじゃない」

 

「…そうか」

 

「ところで計画の最終目的は知ってるけど、細かいところまでは知らないんだよね。なんで殺しちゃダメだったの?」

 

山桜は不思議に思い質問をする。

 

「あの人、花との適正が高すぎるから色々と利用できると思ってね。あとドライバーも欲しいんだよなぁ。後で誰かにとってきてもらわないと」

 

「ドライバーの件は初耳だな」

 

銀梅花が予想外の返答に声を漏らす。

 

「でもまだ計画のスタートにギリ入ってないからなぁ」

 

「まぁそれもそうだな」

 

「そうですね」

 

「あとどれくらいかかるのかねぇ」

 

「あいつを復活させるには」

 

「あともう1人、誰が満開するんだろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

満開した花たちは待つ。

 

もう1人満開するその日を。

 

 

count the seeds

現在、凛達の使える希望の種は

・三つ葉のクローバー

・鳴子百合(8分咲き)

・紫羅欄花(5分咲き)

・オキザリス(10分咲き)

・???




3330字。

原作やアニメみたいに殴るたびに腕から血が出るのを再現したい→でもそうするとこの先戦えなくなる→じゃあ再生させてしまえ!

こうしてヘルライジングもどきが誕生しました。
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