仮面ライダープラント   作:ダイヤモンドリリー

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戦闘回。
今回は比較的長めです。

追記 誤字があったので修正しました。


雑草の成り上がり

朝顔、山桜との戦いの翌日。

 

大量の雑草兵が広場を埋め尽くしていた。

 

(桔梗のときと似ているな。何かが雑草兵を呼び寄せているのか、召喚させているのか...どっちだろうがやることは同じだな。殲滅する)

 

志郎は朝顔で手に入れた狙撃銃を持ち、遠距離から打ち続けていた。

 

(ひとまず二丁の銃が使えるようになるまでこのまま撃ち続けるか)

 

朝顔は最初は狙撃銃しか使えない。開花していくたびに、二丁の中距離銃や拳銃が使えるようになるが、基本的に遠距離専門だ。けれども、志郎は近距離で遠距離武器を使うのが得意であった。

 

(っ⁉︎なんだあいつ。一発で倒せないだと!)

 

狙撃銃で撃つと雑草兵は一撃で塵に帰る。だが、一体だけ当たっても倒せないものがいた。

 

(なら、さらに撃ち込むだけ...なんだと⁉︎)

 

その雑草兵は明らかにこちらの方を向いていた。そのまま撃ち込むが、全て当たる前に弾かれてしまった。そしてこちらに何かを向けて撃ち込んできた。

 

「危な!あいつなんなんだ⁉︎普通の雑草兵とは違うのか...凛に伝えなければ!」

 

志郎はビルから飛び降り広場で戦っている凛のもとへと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こいつらほんとにしつこいなぁどれだけ出てくるんだ」

 

凛は鳴子百合のワイヤーで無数の雑草兵を一瞬で塵に変えていく。けれども倒す側から新しい雑草兵が現れてくる。

 

「一撃で倒せるからいいけど...無限湧きはやめてくれよ」

 

ワイヤーの精密操作は志郎よりも下手だが、滅多矢鱈に振り回すだけでも倒せるので、適当にブンブン振っていた。

 

「あれ?なんか引っかかったな。ブルムでも混じってたか?」

 

適当に振っていると、少し引っかかる部分があった。一体だけ明らかに他の敵よりも硬い敵がいた。

 

「何だあいつブルムなのか?銃剣持ってるけど...早めに倒しておくか」

 

ワイヤーを全方位から囲みこむように放つ。けれども雑草兵が花の咲いていない謎のブルムを守るかのように飛び出して身代わりとなる。

 

「どうしても倒されたくないみたいだな。だったら無理矢理突っ込んでやる!」

 

凛は前方にワイヤーを飛ばしながら走り出す。ブルムはこちらに銃剣を構えて撃ってきた。それをワイヤーを編み上げ楯にして受け止め、そのまま突撃する。

 

「っ⁉︎あっぶね!やっぱり精度が甘いか」

 

ワイヤーで編んだ楯。その構成の甘いところを銃剣で刺突される。楯で視界が塞がれ距離を見誤り近づきすぎたのだ。ワイヤーをほどいて辺りに撒き散らすもブルムはすぐに距離をとって避ける。けれども、急に飛んできた銃弾までは避けることが出来なかった。

 

「凛!大丈夫か」

 

「父さんなんでスナイパーライフル持って近距離で撃ってるの⁉︎馬鹿なの?」

 

「お前に馬鹿って言われる筋合いはねぇ!」

 

今の攻撃で4分咲きになった志郎は二丁の銃に持ち替えてそのまま撃ち続ける。しかし、雑草兵が間に入り射線を塞いでしまう。

 

「こいつらほんとにめんどいな。父さん俺が射線あける!」

 

ワイヤーを使い射線を塞ぐ雑草兵を押し退ける。あいた瞬間、ブルムが突っ込んでくるがすぐに銃撃を喰らって吹き飛ばされていく。

 

(こいつ雑草のブルムなのか?何分咲きの概念がない?満開するのか?考えろ)

 

銃を撃ちながら思考に耽る。

 

(もし、万が一満開するとすれば...まさか⁉︎)

 

「終わりにしてやる!」

 

凛が一気にワイヤーを伸ばして雑草兵ごとブルムを倒そうとする。

 

「だめだ凛!ブルムだけ狙え!」

 

声をかけるがもう遅い。また雑草兵はブルムの身代わりとなって塵になる。

 

「そんなの無理でしょ。てかなんでさ?」

 

「俺の予想が正しければ...」

 

突如ブルムが光り始める。

 

「やつは満開する!」

 

光が晴れた時、ブルムは2つの銃剣を持ってそこに立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雑草にだって心はある。死にたくない。そんな感情が、1人死ぬたびに流れ込んでくる。絶望が流れ込んでくる。

 

だから私は、リーダーとして立ち上がる。

 

雑草から花へと。

 

ただの兵士から勇者へと成り上がる。

 

落ちこぼれはもうおしまいだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『任務を遂行する』

 

満開したブルム。ナズナのブルムは31体の雑草兵を召喚しながら号令をかけた。

 

「雑草のくせに満開しやがった⁉︎」

 

「俺も初めて見るブルムだ!警戒を怠るな!...何⁉︎」

 

召喚された雑草兵に銃を撃ちながら言う。けれど、一撃で雑草兵は塵になるはずだったのに、倒すことができず驚きを隠せない。

 

「こいつら雑草のわりに硬ぇ!」

 

ワイヤーを飛ばすがなかなか倒すことができない。まるでブルムを相手しているかのようだった。

 

「こいつら普通の雑草兵じゃない。一体一体が1分咲きのブルム並みだぞ!この数はまずい!」

 

雑草兵たちは今までの素手ではなく、それぞれ番号の書いてある銃剣や巨大な楯を持っていた。

 

『護盾隊は楯を展開して銃撃に備えて!ワイヤーに絡め取られないように注意して!銃剣隊は構えて、撃て!』

 

楯を持ったブルムが集まり、志郎の銃弾を防ぐ。そして楯を動かして隙間を一瞬作り、そこから銃弾が飛んでくる。凛はワイヤーで楯を作りなんとか受け止める。

 

「今までの満開したブルムの中で一番めんどくせぇ!付け入る隙がねぇぞ!」

 

楯の守りは堅く、崩してもすぐに他のブルムがサポートに入ることで陣形が変化し続け、その場でできる最適の陣形をとっていく。まさに要塞であった。

 

『守ってばっかじゃダメだろリーダー!早く突っ込もうぜ!』

 

『ダメだ09番!ここは耐える場面だ。攻撃の手を止めるな!』

 

雑草兵のうちの一体がブルムに迫るもすぐに断られる。

 

『ダメダメダメ死ぬ死ぬ死ぬナズぅ助けてぇ!』

 

『32番お前なら平気だ!お前がみんなを守るんだぞ!』

 

『無理だってそんなの!ヒィッ撃ってきた死にたくない!』

 

そんなことを言いながらも、一回も楯を崩されずに持ち堪えている。

 

『何を怖気付いているのですか32番!さぁ突っ込みますわよ!』

 

『私武器持ってないよ⁉︎』

 

『20番!楯の守りから出ないで!...ああ言わんこっちゃない』

 

志郎は突然楯の中から飛び出てきた、銃剣を持った雑草兵の頭を二丁の銃で撃ち抜く。塵になって消えていった。

 

「やっと一体か...というか全員喋れるのか」

 

『20番出るなと言っただろ!次はないぞ』

 

『すみませんナズナさん...次は失敗しませんわ』

 

『そういう意味じゃない!』

 

「嘘だろ復活してやがる」

 

倒したはずの20番と呼ばれた雑草兵が、すでに復活して楯の要塞の中にいた。

 

「あのブルムを倒さない限り永遠に復活すると見たほうがいいな。楯の隙間を狙え!」

 

銃を撃つ際に一瞬だけ開く隙間。そこを目掛けて凛はワイヤーを飛ばす。けれど、銃弾によって弾かれてしまい、入れる前に閉じてしまう。

 

『2から4班は右に、5から8班は左に移動して戦闘を続行!1班は中央から突撃する!09番、20番、32番は私についてきて!』

 

『了解!』

 

雑草兵はブルムの指示に従って行動しだす。

 

『ちょっとナズぅ中央突撃ってどういうこと⁉︎ちゃんと守ってよ死んじゃうよ!』

 

『お前が守るんだよ!』

 

『そんな〜!』

 

「余裕ありすぎだろっ!くそ厄介な!」

 

「近づけるな!」

 

凛が左右にワイヤーで楯を張り攻撃を防ぐ。志郎が突撃してくるブルムと雑草兵に向かって銃を撃つも、先頭に立つ雑草兵に楯で防がれる。

 

『一番乗り!』

 

『一番槍は私ですわ!』

 

09番と20番が最初に突っ込んでくる。

 

「邪魔だ!」

 

残っているワイヤーで二体を絡め取り動きを封じる。銃口やトリガーもワイヤーで同時に封じる。

 

『二人を離せ!』

 

ブルムが銃剣の剣の部分を展開し、蛇腹剣にしてワイヤーを切り裂く。

 

「なんだそれ物理的にありえねぇだろ!」

 

「ブルムに物理とか考えてるんじゃねぇ!」

 

ブルムと解放された二体の雑草兵が蛇腹剣で攻撃してくる。鞭のように飛んでくる剣を、左右から放たれる銃弾を防ぐワイヤーを切られないように注意しながら避けていく。

 

「鞭はもう慣れてるんだよ!」

 

慣れた動きで避けていく2人。金糸梅との戦いを通して鞭の動きにはだいぶなれていた。しかし、武器は銃剣である。

 

「ぐぶっ⁉︎銃なの忘れてた...」

 

凛がブルムに銃撃を受けてしまう。それによって体勢を崩してしまった時にワイヤーを切断されてしまった。大量の銃弾が飛んできて志郎に当たり吹き飛ばされていった。

 

「父さん!くっ!」

 

今度は自分のもとに銃弾が飛んでくる。咄嗟に自分の周りを一気にワイヤーで囲み防御する。

 

「っ⁉︎いつのまに10分咲きに...これならやつを」

 

10分咲きになった鳴子百合を見て機会を待つ。

 

『ねぇナズ。あいつ閉じこもっちゃったよ。怖気ついちゃったのかな』

 

『調子に乗らない32番。私がやる』

 

ブルムの持っている銃剣が巨大化する。そして銃口にエネルギーが溜まり始める。そしてビームを放った。

 

「まんかっガア゛ッ!!!」

 

ワイヤーが引きちぎられそのまま吹き飛ばされていった。鳴子百合の試験管がスロットから外れて変身が解除される。

 

『ナズナさん。この人はどうするんですの?殺すのであればそれは私の役目ですわ』

 

20番が銃口を凛に突きつける。

 

『無闇に殺す必要はないだろう。変身できなくなればそれでいい』

 

ブルムが凛からドライバーを無理矢理引きちぎるように取り外す。

 

「お前ら!そいつを返せ!!」

 

凛が去っていくブルムたちを追おうとすると、刃を首すじに突きつけられる。

 

『抵抗しない方がいいよ。リーダーは無闇に殺す必要はないって言っただけで殺しちゃいけないとは言ってないからにゃー。邪魔するなら殺しちゃうよー』

 

謎に猫口調の18番が警告をしてくる。凛はブルムたちが去っていくまで何もすることが出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこか、暗いところで6人の男女が話しながら待っていた。

 

「っとと、やっと来てくれたか。まさか君が満開するなんてね、ナズナくん」

 

『私も満開出来るとは思っていなかったさ。ところでその人の体はなんだい?』

 

「ああこれ?結構便利だよ。君の分も用意してあるからあげるよ」

 

金糸梅の少女が指さした場所には青年の死体があった。千切れている右肘から入り込み、腕を繋いでいく。

 

「なるほど。たしかに便利そうだ」

 

『いいなーナズ。私たちにもちょうだいよ』

 

「さすがにあと31人ぶん用意するのは難しいなぁ。君たちには再生能力もないしすぐに使えなくなっちゃうと思うよ」

 

『ケチ』

 

「そういえばナズナ。あの時は助かった。お陰でツツジを解放することができた」

 

桔梗の老紳士がナズナに感謝をする。

 

「私にとってもツツジは大切なライバルだ。仲間を解放できてよかった」

 

ナズナの青年も感謝を伝える。

 

「でもやっと7人揃ったね。これで計画も進められる」

 

山桜の女が計画の話を始めた。

 

「そうだね。でもドライバーがないからなぁ。後で取ってこないと」

 

「ドライバーならあるぞ」

 

「ほんとに?誰の?」

 

「凛とかいうやつのだ」

 

「ナズナくんナイスゥ!」

 

ナズナの青年の発言に金糸梅の少女が驚く。

 

「だったら早速計画を始めよう」

 

金糸梅の少女がドライバーのスロットに土を入れてその中に一つの種を入れた。7人の男女が怪物へと変貌してドライバーの周りを囲んだ。

 

『みんなであの子を取り戻そうか』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶望の花が7つ咲き誇った。

 

最後の花が開くまで、あと少し。

 

 

count the seeds

現在、凛達の使える希望の種は

・三つ葉のクローバー

・鳴子百合(10分咲き)

・紫羅欄花(5分咲き)

・オキザリス(10分咲き)

・朝顔(6分咲き)




4559字。
最初は赤奈かリリ奈の花を満開させようとしたんですけど、赤奈の花は調べても出てこないし、リリ奈はレインボーローズで造花だったのでブルムにしづらくボツになりました。
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