仮面ライダープラント   作:ダイヤモンドリリー

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志郎さん最強フォーム登場です。


人工の希望

「これさえあれば、理論上凛くんを解放できる」

 

前園は取り出したものを志郎に渡す。

 

「これは...花?いや、造花ですか?」

 

「種は無いと言ったが花は無いなんて言ってないしな。それには仮面ライダー開発部の技術全てが詰まっている」

 

その造花はレインボーローズ。その花言葉は、「無限の可能性」「奇跡」

 

「この造花はまだ完成していない。志郎さんがそのドライバーで変身することで初めて完成する」

 

「それってどういうことですか?」

 

「この造花は今まで解析された全ての希望の花のデータを詰め込むことで完成する。そのためには、ほぼ全ての花を使ってきたそのドライバーに蓄積されているデータが必要なんだ」

 

「なるほど...俺にしか使えないものなんですね」

 

「一つ注意してもらいたいのだが、その造花での変身は負荷が大きい。常時満開をしているような状態になると予想されている。変身解除したら体にどれだけの影響が現れるか見当もつかない...そう言っても志郎さんは行くんだろう?」

 

「当然です」

 

「それならいい。これで説明は以上だ。凛くんのところに行ってやれ。救ってこい」

 

「ありがとうございます。それじゃあ行ってきます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レインボーローズによる変身を終えた志郎は、前園との会話を思い出していた。

 

(変身中には負荷がないのは助かるな。解除した後が怖くなるけど)

 

そんなことを言っていると、7人のライダーがこちらに向かってデスサイズを持ちながら突っ込んでくる。しかし、今までとは違い連携ができていなかった。

 

(なんかそれぞれに意思があるみたいな動きしてるな。バラバラに攻撃してくる。凛でもこんなにひどくなかったぞ乗っ取ったやつセンスねぇな)

 

薙刀を持ちながら志郎はライダーたちの攻撃を避けていく。今はまだ連携がうまくいっていないため簡単に避けることができているが、敵も慣れてくれば避けられなくなってくるだろう。負荷もあるためあまり時間をかけたくはなかった。

 

(避けてばっかりじゃダメだな。さっさと決めに行かないと)

 

近づいてくるライダーたちを薙刀で薙ぎ払う。デスサイズと薙刀では攻撃範囲が違いすぎる。デスサイズの間合いに入るより前に攻撃をすることができる。

 

そもそも鎌は武器ではないのだ。武器にするには使い勝手が悪すぎる。鎌は農具だ。鋏を武器にしていた志郎たちに言えたことではないが。

 

その後もデスサイズの間合いに入る前に攻撃をしていく。正面から来たライダーに対して切先で突きを放ち、後ろからやってきてデスサイズを振ろうとするライダーに柄の下端部に付いている石突で打突をする。

 

(挟み撃ちし始めたか。成長早いな)

 

少しずつライダーたちも連携を始める。けれども、薙刀の応用力の前には歯が立たない。薙刀は斬撃、突き、打撃全てできる万能武器だ。広く薙ぎ払うことのできる薙刀は一対多数では有用だ。仲間を巻き込む心配をしなくていいのが楽だ。

 

(でもやっぱり槍の方がいいなぁ。なんで同じ薔薇なのに薙刀にしたんだ部長。自分の趣味出し過ぎでしょ)

 

振られるデスサイズをギリギリで避けながら斬撃を与え、ライダーに少しずつ傷をつけていく。その傷が再生することはない。

 

(このままだと勝てるけど時間がかかるな。なんとかして深い一撃をかまさないと...ぐっ!)

 

考えながら攻撃をしていると、背中に一撃喰らってしまう。少しよろけるが、すぐに薙刀を振り回しライダーを弾き飛ばす。

 

(まずい、彼岸花の攻撃喰らったら花は!)

 

以前、彼岸花の攻撃を喰らった時鳴子百合は散っていった。けれども、ドライバーで咲いているレインボーローズが散ることはない。

 

(なるほど、造花だから散らないのか。花を枯らす彼岸花対策には一番だな)

 

「ハァッ!」

 

左右から振られるデスサイズを薙刀で弾き、正面からきたライダーのドライバーに思い切り薙刀を突き刺した。ライダーが一人消える。

 

(復活しない⁉︎この花の力か?これならいける!)

 

本来なら一瞬で復活するはずだが、一向に復活しない。けれども安心はできない。復活できないのか、わざと復活させていないのか、タイムラグを大きくしているのかわからないのだ。

 

「あと六体!」

 

連携の取れてきていたライダーも、一体消えたことで再度連携が崩れ始める。バラバラにやってくるライダーたちを順番に薙刀で薙ぎ払っていく。

 

「凛のときもそうだったけど一人一人の戦力は大したことねぇなぁ!」

 

彼岸花の能力は、花を枯らすことと分身と復活。その能力だけで無理矢理戦ってきた。それさえ防いでしまえば、使い勝手の悪いデスサイズで闇雲に攻撃してくるだけのただの的。志郎の敵ではない。

 

「必殺技ァ!」

 

志郎がレバーを動かし必殺技を発動する。薙刀に七色のエネルギーが集まる。薙刀を振ると七色の光の斬撃が飛び、ライダーを貫き消滅させた。

 

「あと五体!」

 

再度必殺技を発動し薙刀にエネルギーを溜める。左右からライダーが襲いかかってくるが、片方のライダーを薙ぎ払ってそのまま石突でもう一体を弾き飛ばす。また一体ライダーが消滅する。

 

「あと四体!まだまだァ!!」

 

先程弾き飛ばし、倒れてさせたライダーを必殺技を発動させながら向く。七色のエネルギーが薙刀の切先だけに集まる。

 

「オラァ!」

 

倒れてるライダーに向かって一気に跳躍し、胸付近に薙刀を突き刺した。ライダーがまた一体消滅する。

 

「あと三体!ッ!ハッ!」

 

薙刀が地面に突き刺さっているのを好機と見たライダーがデスサイズで斬りかかりに来る。その攻撃を志郎は薙刀を消し、落下することで避けそのまま蹴りつける。デスサイズの刃先が掠るが大したダメージにはならない。

 

「危ないねぇ。お返しだ!」

 

薙刀を召喚しながら必殺技を発動する。

 

「連続突き!」

 

蹴りつけられのけぞっているライダーに、エネルギーを溜めた薙刀で連続で突く。ライダーもなんとかデスサイズで捌いていくが、時期に追いつけなくなり何度も貫かれ消えてしまった。

 

「あと二体!お前までは全力でやってやるよ!」

 

流石にライダーたちも消極的になっていく。薙刀を振る志郎の後隙を狙うようになってきた。

 

「おいおいそんなのんびりとしてていいのかい?こっちから行っちまうぞ!」

 

必殺技を発動させながらライダーに近づく。ライダーは思わず後ずさるが逃げる事はできない。逃がさない。

 

「逃げても無駄だ!セイヤーッ!」

 

ライダーの体を十字に斬り裂いた。ライダーがまた一体消え、残るは一体となる。

 

(必殺技連発できるのは新鮮だな)

 

最後の一体のもとへと歩きながら志郎は思った。本来なら必殺技を連発することはできない。やりすぎるとツツジのライダーがなったように、根腐れを起こして変身解除されてしまう。しかし、それは普通の花の話だ。レインボーローズは造花だ。根腐れは起こさない。

 

「あとはお前だけか。お前の中に凛がいるんだよな。なら傷つけるわけにはいかない。乗っ取ったやつが誰かは知らんが、出て行ってもらうぞ」

 

残ったライダーが攻撃を仕掛けてくる。先ほどまでとは違いその動きはとても洗練されていた。人数が減ったことで連携の必要がなくなったからだろうか。分身後よりも一人の方が強いのはなんたる皮肉だろうか。

 

(分身しないほうが強いじゃねーかどうなってるんだこいつ)

 

薙刀を使ってデスサイズをなんとか逸らしていく。

 

(まずはそのデスサイズ!それ邪魔だ!)

 

薙刀の柄でライダーの腕を思い切り叩き、デスサイズをはたき落とす。そしてそれを蹴り遠くに飛ばす。ついでにライダーも蹴り飛ばした。

 

「薙刀なんて使ったら凛も死んじゃうしな。いらね」

 

志郎は薙刀を放り捨てる。そしてレバーを動かし必殺技を発動させた。七色のエネルギーが右足に溜まる。

 

「確か凛はこう言ってたっけ。ライダーキック!」

 

ライダーに向かって走り出し、飛び蹴りを放つ。

 

(狙いは彼岸花!花だけ潰す!)

 

けれど、邪魔するようにライダーはデスサイズを取り出して突き刺そうとしてくる。

 

(ヤッベいくらでも取り出せるの忘れてた!)

 

右足とデスサイズの切先が拮抗する。

 

「ハアアァァァッ!セイハーッ!」

 

しばらく拮抗するが、すぐにその均衡は崩れる。志郎の飛び蹴りはライダーのデスサイズを破壊し、彼岸花だけを正確に蹴りつけた。

 

ライダーは花を撒き散らしながら吹き飛んでいく。八輪の彼岸花があたりに舞っていく。ドライバーが外れ飛ぶ。外れなかったはずのドライバーが外れる。

 

「凛!」

 

志郎は凛のもとへ走り出す。

 

「俺は...いったい...っ!ドライバーが外れてる⁉︎」

 

「凛!戻ったのか平気か大丈夫か!」

 

「やめて父さん揺らさないで痛い気持ち悪い!」

 

ライダーの力で思い切り揺さぶるので首がいかれそうになる凛。「痛い」と言った凛は間違いなく人間に戻っていた。

 

「俺、人間に戻ったのか...いてっ!なんか落ちてきたなんだろ」

 

突如頭に落ちてきたものに触れる凛。

 

「っ!凛それ捨てろ!」

 

凛が触れたもの。それは一輪の彼岸花であった。

 

「大丈夫だよ父さん。シャドウの気配を感じる。これは大丈夫」

 

「…ほんとにそうかは後で検査することにしよう」

 

『ねぇ。話してるところ悪いんだけどさぁ』

 

「っ⁉︎」

 

『こっちにも気付いてほしいなぁ』

 

「なんで...なんでお前がいるんだ金糸梅!」

 

振り向いた先には、懐かしき金糸梅のブルムの姿があった。

 

『私だけじゃあないよ。みんなもいる』

 

床に散らばっていた彼岸花。それを核としてブルムの姿が形成されていく。

 

桔梗 白菊 ナズナ ペニチュア 銀梅花 山桜

 

一体ずつ復活していく。

 

「どうしてお前ら生き返ってるんだよ!」

 

『全部ぜーんぶ金糸梅ちゃんの計画通り。やっぱりすごいよ金糸梅ちゃん』

 

「計画...なんだよそれ」

 

山桜の発言に志郎がつぶやく。

 

『わざと負けることで彼岸花に吸収させる。その時に頑張って意識を残し乗っ取る。最後まで乗っ取るつもりだったんだけど...やられちゃったか』

 

『頑張るとか結構ガバガバな計画だけどな』

 

『ブルムは根性ですよ。実際できましたし』

 

「なんなんだよそれ。だったらもう一回倒してやろうか!」

 

凛が吹き飛ばされたドライバーを回収して腰につけながら言う。

 

『ああそうそう。今私たちを倒すのは無理だよ。もうすでにナズナくんたちには逃げてもらってるし』

 

「たしかに四体しかいない...ナズナにペニチュアに銀梅花はどこいった!」

 

先程までいたはずの三体のブルムが既に姿を消していた。

 

『私たちは彼岸花を取り込んだんだよ。七人御先の力だって継承した。戦っても無駄だよ』

 

『それじゃあね2人とも。計画考えないといけないから。バイバイ』

 

ブルムたちは去っていった。

 

「まだ戦いは続くのか...」

 

「しょうがない。あいつらを倒す。俺たちにできるのはそれだけだ」

 

「ところで父さんいつまで変身してるの?」

 

凛が不思議に思って志郎に聞く。

 

「いや、ちょっと覚悟が必要でな...よし。外まで連れ出すの頑張ってくれよ凛」

 

「え、それってどういう...は⁉︎大丈夫父さん⁉︎」

 

変身解除した志郎はそのまま眠るように倒れた。

 

「これ俺が運ばないといけないの?せめて外出てから解除してくれればよかったのに父さん!」

 

凛は志郎を背負ってゆっくりと出口へと歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶望と希望の戦いは続く。

 

戦いの終わりは近い。

 

 

count the flowers

現在、凛達の使える花は

・彼岸花(1分咲き)

・レインボーローズ




4549字。
レインボーローズは本来白い薔薇に色のついた水を吸わせることで作るんですが、前園さんは彼岸花対策で一から作っています。
前園さんまじ有能。
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