「この力で...やつを倒す!」
凛は手甲をつけていない右手を前にして構える。
「ていうかなんでこいつ左手しかついてないの⁉︎俺右利きだよ!せめて右手についてて欲しかったんだけど!」
「そんなの気にする暇ないぞ前見ろ前!ブルム来てるぞ!」
「っ‼︎」
間一髪のところで刀を避けた凛はそのままの勢いで勢いよくパンチをかます。手甲のついていない右手で、だ。
「痛ってぇ!ほんとなんで左手なんだよ!」
ブルムが刀を戻す前に今度こそ左手でパンチを放った。その拳はブルムの顔に突き刺さりそのまま吹き飛ばされ、後ろのガードレールに突き刺さる。
「威力すっご!てかガードレール壊しちゃったごめんなさい」
「そんな細かいこと気にしてたらキリがないぞ。ほらそのまま追撃しろ」
「さすがに気にしようよ!」
そんなことを口走っていると、ブルムが立ち上がり襲いかかってくる。しかしその速度は先ほどまでのものと比べると遅くなっていた。
「こいつ急に遅くなったな。どうしたんだ?」
遅く振られる刀を軽々と避けながらブルムを観察する凛はあることに気づく。
「胸の色付きの花が1つになってる...?攻撃を受けて花が散って一分咲きになったってことか?」
「そうだ。そしてお前の花も2分咲きになっているぞ」
たしかによく見るとドライバーで咲いている桜の色のついていた花弁。その花弁の色が少し濃くなっているように見えた。
「ちょっと色が濃くなっているだけじゃないか。でもこのままさらに咲けばもっと強くなるってことだよな多分。っと集中しないとか」
ブルムは刀を横薙ぎに振るってくるがこれをしゃがんで避ける。そして一気に刀の間合いの内側に入り何回も拳を振るう。ブルムは桔梗の花を散らしながら吹き飛ばされていく。
「左手しか使えないのはやっぱりバランスわりぃなぁ...っとと、なんだなんだ?」
ドライバーの桜、その1つの花弁にいつのまにか薄く色がついていた。そして右足に桜の花弁が集まり靴のような装甲を形成する。
「使える武器が増えたってことかな。とりゃあ!」
いつのまにか近づいていたブルムを右足で蹴り飛ばす。吹き飛ばされたブルムはガードレールにめり込みそのまま突き抜けた。
「ヤッベェ完全に破壊してしまった。ていうか右足の装甲のせいでさらにバランス悪くなってるし右足だけ厚底になるのやめろよ!今からでも右手に変えてくれよ!」
「そんなこと言ってる暇あったらとっとと必殺技で決めちまえ凛!」
「あれ全然必殺じゃないだろ名前負けだよ!別の名前考えようぜ!」
そんなことを言いながらレバーを上下させる凛。直後試験管に液体が充填される。右足に意識を集中させるとエネルギーも右足に集まりだした。そしてブルムに向かって走り出す。
「なんか、なんかいい感じの名前ないのか...適当でいいか!」
ブルムの少し手前で高く飛び上がる。
「ライダーキック‼︎」
飛び蹴りはブルムの胸へと突き刺さり吹き飛ばされていく。そして壁へと激突する前に、ブルムは枯れ果て、塵となり消えていった。
「あっぶねー今度は壁壊すところだった。てかガードレールすでに壊してるし器物破損でお縄か俺⁉︎」
「そんなの気にするなって言っただろ。壁とか地面とか柱とか色々壊れるのは日常茶飯事だ。それよりも種を探せ。やつが落としているかもしれん」
「そんな日常嫌だよ!確かこの辺で消えていったはず...あった!」
変身解除しながら地面に落ちていた種を拾う。
「てか種を落とさない場合ってあるのか?」
「ああ。落とすかどうかは運次第だ。なんならそもそも落とさないやつだっt「この種使ったら何使えるんだろうなぁ〜やっぱりやつも使ってた刀かなぁ。刀でバッサバッサ切ってくの楽しそうだなぁワクワクテカテカ」
「話聞けよ」
「ごめん独り言ずっと言ってて聞いてなかった。というか切られた背中が痛え!結構ばっさりいったけど大丈夫か⁉︎」
慣れない痛みに飛び跳ねる凛。
「これからはそんな怪我も日常茶飯事になってくぞ。ひとまずついてこい。会社で治療をしてもらおう。ついでに渡さないといけない物もあるし」
「そんな日常も嫌だ!てか会社で治療もやってるくれるのか。ライダーに対する福利厚生ちゃんとしてるんだな」
花は一つずつ、咲いて色づいていく。
希望と絶望、最後に残るのはどちらの花か。
count the seeds
現在、凛の使える希望の種は
・三つ葉のクローバー
・山桜(4分咲き)
・???
前話の最後で拳とか書いたのにキックでトドメにしてしまった。