「ペニチュアが別行動してるのか。六体と戦わないといけないのは大変だな」
ブルムのもとにたどり着いた志郎がバイクから降りながら言った。
『あれ?彼岸花くんはいないんだねぇ。君1人で私たちを倒せると思ってるの?』
「無論、そんなこと思っていないさ金糸梅。お前ら七体同時に倒さないと死なないんだろ」
『よく知ってるね。でもそれを知ってるからといって私たち勇者を倒せるわけじゃないよ』
「倒すよ。それにペニチュアを別行動させたのは選択ミスじゃないか?」
『そう?特に考えないで選んだんだけど』
「あいつ一番彼岸花に怯えてたぞ。死神とか言ってな。彼岸花に怯えてすぐ逃げ出すと思うぞ。ここまでな」
『それほんと?だったらもう何人かにもバラけてもらおうかな』
「そんなことさせると思うのか?時間稼ぎに付き合ってもらうぞ」
志郎がレインボーローズを取り出してドライバーに装填する。
「変身」
ライダーへと変身した志郎は薙刀を持つ。そのまま逃げ出そうとしていた銀梅花を引き留め、斬りつけた。
「凛が来るまで頑張るとしますか」
『私何もしなくていいって言われたけど...暇だな。何してようかな』
「暇してるんだな。じゃあ俺と戦ってもらおうか」
独り言をしていたペニチュアに近づきながら凛が言った。
『ヒッ死神!いやでも今のあなたは違うはず...それに私みんながいれば死なないし。怖くない怖くない!』
『だったら死ぬよりも怖い思いをさせてやりましょう凛』
彼岸花を取り出す凛。
「いくよシャドウ。変身!」
彼岸花をドライバーに装填してレバーを動かして変身を終える。
「ペニチュア、覚悟は出来てる?」
『怖いから喋らないで!』
ペニチュアが槍を投げてくる。それをデスサイズで弾き、ペニチュアに向かってデスサイズを投げ飛ばした。
『ぐぶっ!い、痛いけど復活できるからそんなことしても無駄だよ。痛いけど』
「なんかすっごい弱くなってないお前?もう一回死んだのかよ。早いなぁ」
先程の攻撃でペニチュアの体は両断されていた。すぐに復活したが、1分咲きで出せる威力ではなかった。満開したら掠っただけでも殺せてしまいそうだ。
『手甲も出さないのね。完全な満開には戻れてないってことかしら。好都合ね。凛、そのままやっておしまい』
「オーケー何十何百と殺してやるぜ」
3分咲きとなった凛は、飛んでくる槍を避けながらペニチュアに近づき斬りつけた。一撃与えるだけでペニチュアの体の大半が消し飛ぶ。けれどその度に復活してしまう。
『やめてやめて近づかないで!』
ペニチュアが復活した瞬間に連続で槍を突いてきたが、ギリギリで避ける。
「わかったよ近づかない。別に近づかなくても殺せるし」
デスサイズを投擲する。初撃は躱されてしまうが、すぐに新しいものを召喚して投げ飛ばす。ペニチュアと同じ戦法だ。
『私の真似⁉︎凶悪すぎるって!ぐっ!痛いじゃない!』
『いいわね凛。もっとやりなさい』
攻撃が当たるたびに開花度が上がっていく。開花度が上がるたびに威力も上がっていく。直撃しなくても消し飛ばせるようになってきた。
「そろそろ10分咲きなるぞぉ。まだ諦めないのペニチュアァ?」
『嫌だ怖い逃げるぅ!』
満開した彼岸花に四肢を一つずつ切断されたことを思い出し、逃げ出すペニチュア。
「あっはは待て待てー」
『やめてよ追いかけてこないで!』
凛はペニチュアを追いかける。
(うまく父さんの方に追い詰めるか)
デスサイズを投げて方向を調整しながらペニチュアを誘導していった。
(待ってろよ父さん!)
志郎は1人で六体もの満開ブルムと戦っていた。
「なんかお前ら弱くなったな。凛の彼岸花の方が強かったぞ」
『あれは規格外すぎるよ。武器がちょっとアレだけどね』
「まぁたしかに」
六体のブルムの攻撃をうまく避けながら薙刀で斬りつけていく。山桜の拳を避け薙刀で薙ぎ払い、桔梗の刀を柄で受け止め蹴りを入れる。金糸梅の鞭が飛んでくるが、うまく逸らして近づいてきていた銀梅花にぶつける。
「やっぱりお前ら弱くなったな。満開してるとは思えねぇ」
放たれる白菊の矢やナズナの銃弾を弾き飛ばし後ろから来ていたブルムたちに当てる。
「俺は集団戦が得意なんだ。お前らが下手すぎるのもあるがな」
敵の攻撃を利用しながら時間を稼いでいく。志郎のすべきことはあくまで凛が来るまでの時間稼ぎだった。ブルムを倒すことは考えず避けることに専念していく。逃げられないようにヘイトを溜めながら避けていく。
『もっと連携とる練習しとけばよかったかなぁ』
「そんな練習よりも切り札さっさと使えよ金芝居。腐食は使わないのか?山桜のアームもないし白菊の戦艦もない。桔梗は空飛ばねぇし銀梅花は水使わねぇしナズナは雑草兵出さないし。ちゃんと復活できてないのか?」
『あれバレちゃった?そうなんだよ。満開してから得た能力使えなくなっちゃったんだよね。七人御先だけでも十分だからいいんだけどね』
「いい情報をありがとうよ金糸梅。でもよ、最強の七人御先の弱点はわかってるんだぞ」
『ペニチュアちゃんがいないから無理でしょ』
「そのペニチュアちゃんがこっちに来たとしたら?」
志郎がそう言ったそのとき、悲鳴のようなものが聞こえる。
『嫌やめてもう追いかけないでよ!ってみんな⁉︎なんでここに!』
『ペニチュアちゃん⁉︎なんでここに来たの⁉︎』
「父さん連れてきたよー」
凛がここまでペニチュアを誘き寄せてきたのだ。
「やっと来たか凛。とっととやるぞ」
「了解。それじゃいくよシャドウ!満開!」
レバーを動かして満開する凛。彼岸花から光が溢れ出し凛の体を包む。光が晴れた時、凛の体は7人に分裂していた。
『一つ目の方法を試すなら私に代わりなさい。私の方がこの力を使いこなせるわ』
「わかったよシャドウ。頼んだ」
凛の体が一瞬硬直してまた動き出す。
『さぁ、殺すわよ。志郎も手伝いなさい』
「人使いが荒い花だねぇまったく。凛の体傷つけたら許さんぞ」
『そんなヘマ私がすると思ってるのかしら』
シャドウが1人ずつブルムに向かって飛んでいく。
『同時に倒す気か!そんなことはさせん!』
『させんってどうやって止めるつもりなのかしら』
ブルム一体につき1人で戦う。本来の満開ブルムだったならいくら彼岸花でも1人では瞬殺されてしまうが、弱体化している今のブルムなら1人でも十分だった。
『一撃二撃当たるだけで消し飛ぶじゃない。ほんとに弱くなったものね』
『っ!だがいくらやっても無駄だ!何回でも復活してやる!』
『たしかにコンマ1秒でもズレたら復活されてしまうし、無駄なのかもしれないわ。でも、痛いでしょう?苦しいでしょう?死なないのなら、永遠に苦しませるだけよ』
「俺、なんか手伝うことある?苦しませることは俺の花じゃできないぞ」
『集まってくる雑草兵を刈りなさい。召喚はできなくてもナズナは近くの雑草兵を操れるわ。私の邪魔をさせないようにしなさい』
「りょーかい」
ナズナに引き寄せられてやってきた雑草兵たちを志郎は薙刀で刈り取っていった。
(それにしても、なかなか同時には殺せないな)
『そうね。ほんとにほんの少しでもタイミングがずれたらダメみたいだし。第一も第三の方法もダメそうね』
何度も何度も七体同時撃破をしようとするが、やはり完全に同時に殺すのは難しく復活されてしまう。
『これは第二の方法を試すしかなさそうね。代わるわよ凛』
「おっしゃやってやらぁ!」
一瞬硬直した凛たちは一旦7人全員集めた。
『今度は何するつもり?』
「そうだねぇ。誰からやろうかなぁ」
『ペニチュアなんていいんじゃない?』
「お、いいねそれ」
『なになになんで私の名前が出てくるのさ!』
「それじゃあお前で決定!」
7人の凛たちがペニチュアに向かって一斉に飛んでいく。そして一気に全身を切り裂いた。
『イッッッタ!!何すんのさ!』
「威力強すぎるのも考えものだな。もっと浅くやらないとダメか」
『拷問でもする気なの⁉︎みんな助けて!』
「父さんお願い!」
「お前も人使い荒いな」
ペニチュアを助けようとするブルムたちをなんとか引き止めていく志郎。
『やめてこないでよぉ!』
「お前ほんとにビビりだな。これで終わりにしてやるよ!」
連続でペニチュアを斬り裂いていく。先ほどとは違いとても浅く斬り込んでいく。凪の体をナズナから引っ張り出したときのように慎重に斬っていった。
『ぐっ!いったい何をして...ウグッ!』
「見つけた!これを取れば...とりゃ!」
復活しそうになる寸前のところで彼岸花を引っ張り出すことに成功した。
『ペニチュアちゃん⁉︎いったい何をしたの!』
『はぁ、はぁ、何...これ...体が崩れて...いく...』
ペニチュアの体は枯れていきボロボロになって崩れ落ちていった。
『なぜ復活しない⁉︎』
「お、ほんとに復活しなくなった。やったなシャドウ」
『そうね。このまま残りの六体もやってしまいましょう』
『お前何をしたんだよ!』
「何ってお前ら彼岸花を核にして復活したんだろ?だったらそいつを抜けばいいだけだ」
『そんな馬鹿な⁉︎クソッまだ死ぬわけにはいかないんだ!』
ブルムたちが集団で襲いかかってくる。
「オーケー死にたいやつからかかって来い!」
彼岸花を抜けば殻は散るのみ
けれど、残った核はどうなるのだろうか
count the flowers
現在、凛達の使える花は
・彼岸花(10分咲き)
・レインボーローズ
3770字。
再生怪人はすぐにやられる運命。