昨日、会社を出たあと、凛は貰ったバイクを使って帰宅し、ご飯を食べ、風呂に入り、さっさと寝た。志郎は受付あたりで呼び止められていて時間がかかりそうだったので置いていった。
「なんで俺のこと置いていったし」
「いやだって奈々美さんに帰って休めって言われたし...」
「いやだからって置いてくなよ。会社から家まで結構遠いんだぞ」
「まぁまぁいいじゃん別n『ピポパポパピピポピポピーピーピーピーヒョロロロピーブピブーピーガーーーーーーーーーー』ちょっとなになにこのうっさい音なんなのさ!」
「敵が来た時の通知だ早くスマホ見て場所確認しろ」
「なんだっけこの音...ダイアルアップ音⁉︎何でこれなの⁉︎」
昨日会社で受け取ったスマホを取り出し、通知を切りながら確認する。
「初期設定だ。わかりやすいからって部長が設定した。変えたきゃ変えろってか変えてくれ心臓に悪い」
「ほんとこういう変なところさえなければ完璧なのになんか残念だなぁ。後で変えとこ」
敵の位置を確認した凛は外へと飛び出し、車庫に行きバイクに乗る。
「ドライバー忘れてるぞ何しに行くつもりだ」
「通知音で頭がやられて忘れてたわ。ありがと行ってきます」
ドライバーの入った鞄を受け取り、エンジンをかけて走り出す。
行き先は一キロほど離れた公園だ。
「着いた着いた」
ドライバーをつけながらバイクから降りる。
「あいつは...何の花のブルムだ?姫百合っぽいけど合ってるかな」
姫百合のブルム以外には雑草兵が3体いるくらいだ。
しかし姫百合のブルムの胸にある模様。色のついているものは5つ。5分咲きだ。
「5分咲きか。手強そうだな。最初から山桜でいくか!」
山桜の試験管を装填する。
「変身!」
緑色の植物が凛の体を包み込み鎧を形成し、左手、右足に桜色の武装が展開される。
「なんか変身のとき味気ないんだよなぁ。音が足りないよ音が。通知音は爆音ダイアルアップだったのに」
まだこちらに気づいておらず背を向けている雑草兵に近づき思い切り殴り飛ばす。吹き飛ばされた雑草兵は塵となって消えた
やっとこちらに気づいて残りの2体が襲いかかってくる。
「おらぁ!って防がれた⁉︎」
先程と同じように殴り飛ばそうとするが、姫百合のブルムが間に入ってきた。ブルムは縁に刃のついた楯、旋刃盤を持っており、完璧に受け止められる。
「っ!とりゃ!」
左右から雑草兵がブルムを回り込んで襲いかかってきたので、ブルムの構えていた旋刃盤を蹴って距離をとる。
着地する寸前に新しく左足に武装が展開される。
「こっちも5分咲きか。やっと左右のバランスがあった。あと右手さへついてくれれば完璧だな」
そのとき、何かこちらに飛んできているものがあることに気づいた凛は慌てて避ける。
「あいつ楯投げてきやがった!でも今なら!」
勢いよく走り出し間にいた2体の雑草兵に殴りかかりつつブルムに接近する。
「楯がなけりゃ何もできまい!」
そのままの勢いで殴りかかる。しかし。
「ぐふっ⁉︎」
突如横から何かがぶつかり倒れ込む凛。ブルムの手には旋刃盤が戻ってきていた。
「楯が戻ってきてる...ブーメランみたいに飛んできたのか!」
ブルムは倒れ込んでいる凛を旋刃盤で押し潰そうとしてくる。それを転がって避け、距離を離す。
「だったらこうだ!」
再度ブルムは水平に旋刃盤を投げてくる。凛は先程とは違い、避けるのではなく下から蹴り軌道を逸らし勢いを殺した。
「これなら戻ってこないだろ!」
そしてまたブルムに向かって走り出し左手を振りかぶる。
「ぐっ!クソッ!」
しかし突如後ろからきた衝撃によってよろけてしまい外してしまった。
「なんでだ⁉︎確実に勢いを殺したはずなのに!ヨーヨーみたいに戻ってきやがった!」
叫びながらバックステップをしてブルムの追撃を避ける。
「…ヨーヨー?もしかしてワイヤーでも繋がってやがるのか⁉︎」
ブルムはまたまた旋刃盤を投げてくる。それを避けながら凛は旋刃盤の通り道をよく観察する。すると旋刃盤から蔦のようなものがブルムの右手に伸びていた。ブルムが右手を軽く動かすと、避けたはずの旋刃盤が軌道を曲げてこちらに飛んでくる。
「っ!鬱陶しい!」
右から飛んできた旋刃盤。これを凛は
「やっべとっさに右手で...って痛くない?うおっいつのまに」
いつのまにか右手にも武装が追加されていた。
「やっと右手についてくれたか。ってか8分咲き早くね?って言ってもこいつ相手じゃ分が悪いか。じゃあ刀、使ってみるか」
凛は腰の後ろの鞄から種の入った試験管を取り出し山桜のものと交換しレバーを操作する。試験管からは色のほとんどついていない桔梗の花が咲いた。そしてその瞬間、四肢についていた武装が消え一本の刀が形成される。
「いよっしゃあ刀キターーーーーーーーーーーって錆びてるぅ!」
刀に多くの錆がついておりとても切れ味は望めそうになかった。
「嘘でしょ...一分咲きだからって言ってもこりゃないだろ。折れたりしないだろうなぁおい。」
刀を持った凛は一気にブルムに接近し斬りつける。旋刃盤によって受け止められるがその一撃はまるで達人のようであった。
その後、何度も刀で打ち込むがやはり錆びている状態では決定打にならない。しかし少しずつ桔梗の花に色がついていき、それに応じて錆も少しずつ落ちていく。
「2分咲き、3分咲き、4分咲きぃ!!このままぁ!!」
ブルムの飛ばしてきた旋刃盤。その蔦を正確に斬り飛ばす。旋刃盤は蔦を切られたことでそのまま後ろへと飛んでいく。
そしてまた一気に接近し斬りつける。しかしブルムは右腕全体を楯へと変化させ受け止めた。
「構うかぁぁぁぁぁぁ!!!!」
そのまま力を込め続けながら一瞬だけ右手を離しレバーを上下させる。刀にエネルギーが集まり一時的に錆が完全に取れる。
「はああぁぁぁぁぁ!!!!!」
凛の刀は少しずつ楯へとめり込みだし変化した楯ごとブルムを斬り裂いた。
「やっと倒せた...疲れた...ってか種探さないと種」
変身解除しながらしゃがみ込む。
「うそだろここ砂場じゃねぇか!種ちょっとでかいとはいえ探すの大変だぞ」
砂をかき分けながら種を探す。しかしいくら探しても種は見つからない。
「ママーあれ何してるのー?」「しっ!見ちゃいけません」
「くっそ恥ずかしい!ってか種ないぞどういうことだ!」
鞄から自分のスマホを取り出し志郎に電話をする。
「父さん!姫百合のブルム倒したのに種落とさなかったんだけどどういうこと!」
『凛お前、前にも言っただろほんとに聞いてなかったのかよ!落とすかは運次第だしそもそも落とさないやつだっているって言ったろ!まぁ姫百合は落とすタイプだから単純に運が悪かっただけだな』
「なんのために恥ずかしい思いをしたんだ俺...あ!そうそう。頼みたいことがあるんだ」
『だめだ』
「俺まだ何も言ってないよね?で、話なんだけど、変身するときに音つけてくれないかなぁって」
『だめだ』
「どうしてさ」
『隠れて変身して不意打ちする黄金戦術が使えなくなる』
「不意打ちする正義の味方嫌すぎる」
『あとそれ部長には絶対言うなよ』
「どうしてさ」
『同じことを20年前部長が言って俺が頑張って止めた』
「すでに言ってるのかよ。ってか20年前?若そうだったけどあの人いくつ?」
『女の人の年齢聞くか普通。大学の元同級生で同い年だぞ」
「嘘でしょ...」
あの人は色々と予想外すぎる人だった。
気品ある刀の一太刀。
極めればどんなものでも斬り裂く。
count the seeds
現在、凛の使える希望の種は
・三つ葉のクローバー
・山桜(8分咲き)
・桔梗(4分咲き)
3286文字。
戦闘描写が少しずつできるようになってきた。
ライダー作品で戦闘描写できないは笑いものにならない。