仮面ライダープラント   作:ダイヤモンドリリー

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生老病死全てに絶望の芽はあるものです。
本編、どうぞ。


生きる絶望を喰らうもの

「父さん、前に聞いて答えてもらってなかった気がするんだけど、ブルムってこの町にしか出ないの?」

 

見回りをしながら志郎に聞く。正直、ブルムが現れたらすぐに連絡が来るので見回りはあまり必要がないのだが。

 

「この町以外にも普通に出るぞ。この町よりかは弱い場合が多いけど」

 

「え、ってことは俺らの他にもライダーがいるってこと?」

 

「そうだぞ。ついでに言うとお前のドライバーが2世代目の最初のドライバーだ。それを量産して全国で選ばれたライダーに支給されている」

 

「あっそういえば適正が何たらって奈々美さん言ってたな。それなんなんだ?」

 

「花への適性のことか。俺らは普通に使ってるけど、希望の種は適正がないと使うことができないんだ。だから唯一量産でき、適正のほとんどいらないクローバーで大体の人は変身している」

 

「…ってことは俺、天才⁉︎父さんよりも適正高いって奈々美さん言ってたよな」

 

無視してそのまま歩き続ける志郎。

 

「いやなんか言ってよツッコミ待ちだったよ今」

 

凛が立ち止まってもそのまま行ってしまう。

 

「ほんとに無視するじゃん...あっブルムってどうやって開花していってるんだ?こっちのは攻撃当てたらなるけど」

 

質問すれば答えるだろうと考え、急いで喋り倒す。

 

「ん、ブルムは絶望を糧に生まれ、育つと言っただろう。やつらはあの手この手を使って絶望を吸収しようとする。町を破壊したり、人を傷つけたりとか。俺らに対しての攻撃ですら養分にするためなのだろう」

 

「?どうしてそうなるの?」

 

「俺らも攻撃されたら、『こいつには敵わない』と無意識に考え、絶望してしまう。それがどんなに少なくともやつらの養分になることには変わりない」

 

絶望を吸収する。少しわかりにくいが、人間はちょっとのことでも簡単に絶望するため、やつらも簡単に進化するのだろう。

 

「人によって絶望する条件はさまざまだ。その中でも1番手がつけられないのは「父さん!あれ!屋上!」...なんだ?」

 

凛が指さした方向、ビルの屋上のフェンスの外に人が立っていた。

 

「お、おい!あれってまさか!」

 

そのままその人は倒れるように身を投げ出した。

 

「おいおいおいまじかよ!」

 

凛は落下点へと三つ葉のクローバーで変身を済ませて移動しようとする。

 

「間に合わねぇ!」

 

最悪の事態を想像してしまう。

 

「なに⁉︎」

 

しかし、地面へと激突する寸前、急に何かが飛んできて落ちてきた人を掴み地面へと安全に下ろした。

 

「ブルムが...人助けだと⁉︎」

 

凛が驚いたように言う。

 

そのブルムは槍を携え、大きな翼を生やした8分咲きの薔薇のブルムであった。

 

「なんなんだよお前!何回も何回も飛び降りてるのに毎回助けやがって!」

 

「へ?何言ってるんだあいつ」

 

ブルムに助けられたその男はブルムに怒鳴る。けれどもブルムは誰にも危害を加えることなく飛び去っていく。

 

「君!大丈夫かい?」

 

「構わないでくれ!俺は...死にたいんだ...」

 

そのまま歩き去ってしまう。

 

「さっき、1番手がつけられないやつがいるって言ったよな」

 

「…もしかして」

 

「そうだ。死にたいと思っているやつを助けることで絶望させるブルム。そいつが1番厄介なんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あいつ、8分咲きだったよな。どうする?」

 

「どうするって倒すしかないだろう」

 

人を助けることで進化しようとするブルム。異質すぎてどうすればいいのかわからなくなる凛。

 

「まずどこにいるんだあいつ。探すところからやらないといけないのめんどいな」

 

「そんなの簡単だ。まずはさっきの男、探すぞ」

 

男が歩いて行った方向を探すと、すぐに見つけることができた。

 

「そこの君、どうして死にたいんだ?」

 

「直球火の玉どストレート⁉︎少しはオブラートに包もうよ!」

 

「だから構うなって言っただろ!」

 

男に怒鳴られる。すると男の後方からブルムが現れて2人に襲いかかる。

 

「よし。来たな」

 

「よし、じゃねぇ!変身!」

 

「変身」

 

凛は桔梗を、志郎は白菊を使い変身を済ませ、戦いを始める。

 

「ヒッッ!」

 

男は急いで逃げ出す。

 

ブルムは男に目もくれずに襲いかかってくる。

 

「なんであいつ襲わねぇんだこいつ!」

 

「そりゃあいつを守ってるからだろ!クソっ空飛んでて狙いにくい!」

 

「こっちもやりづれぇ!」

 

剣道三倍段という言葉がある。槍に刀などの剣術で相手するには3倍の技量が必要だというものだ。そして、ただでさえ相性不利であるのに相手は空中から攻撃してくるのだ。戦いにくさは相当だろう。

 

志郎の弓矢も縦横無尽に飛び回るブルムに当てることができない。掠ることもあるが大したダメージにはならない。

 

「八艘飛び!」

 

凛は空中を蹴り加速を開始する。3回ほど跳んだ後、そのまま空中にいるブルムに近づき刀を振るう。しかし槍で受け止められてしまう。

 

「クソっ!」

 

凛は跳んでいるのであって飛んでいるのではない。したがってそのまま重力に従って落ちていく。

 

「凛、もう一回やれ!援護する!」

 

地面に落ちる前に空中を蹴り再び加速する。今度は加速の途中でブルムの妨害を受ける。下から志郎の放つ矢も飛んでくる。それらを何回も跳んで避けながらさらに加速していく。

 

「必殺技ァ!」

 

レバーを動かしエネルギーを刀に集める。そしてブルムに向かって上から跳び、叩きつけるように斬りにいく。しかしまたしても槍で受け止められてしまう。

 

「上出来だ、凛!」

 

志郎も必殺技を発動し高エネルギーの矢を下から放った。ブルムは下から矢に貫かれ、体勢を崩した。

 

「オラァ!!」

 

鍔迫り合いの均衡が崩れ、一気に体を斬り裂いた。

 

ブルムは花を散らしながら地面に落ちていく。7分咲きとなり翼が消えたのだ。地面に着地したブルムは急に走り出し逃げていった。

 

「2人の必殺技喰らっても1つ散らすだけとか強いな。結構まずい」

 

志郎がドライバーを外しながら言う。

 

「あっ、桔梗10分咲きになってる...予備の種無いし満開はやめておくか。んで何でやばいんだ?いや大体わかるけど」

 

「絶望を吸収しすぎている。同じ8分咲きでも金糸梅よりも強くなってるし相当あいつがいいんだな」

 

「…つまり、あの人をなんとか絶望させなければやつを倒せるかもしれないってことか?」

 

「ああ、やつは1人に依存しすぎている。なら原因を断つまでだ」

 

志郎は落ちていた学生証を拾いながら言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死ぬ事に希望を見出す者。

 

もし心変わりすれば...

 

 

count the seeds 現在、凛達の使える希望の種は

・三つ葉のクローバー

・桔梗(10分咲き)

・白菊(5分咲き)




2602字。
ブルムの翼は後に薔薇の少女が手に入れる精霊がモチーフです。
なら睡蓮につけろと言われそうだけど、やりたいことのためにはこうするしかなかった。
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