ランサーとバゼットのルーン魔術講座   作:kanpan

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空白は全て埋まった。


おまけ
空白《wird》


 聖杯とはあらゆる願いをかなえる万能の器。

 聖杯は自らを手にする勝者を決めるため、7人の魔術師に令呪を授けて伝説の英霊をサーヴァントとして召還する力を与え、聖杯戦争を開始する。召還されたサーヴァントに現代の知識を供給するのも聖杯の能力の一つだ。

 

 だが、もともと無色透明な魔力だったはずの聖杯の力はすでに変わり果てていた。

 第三回の聖杯戦争においてアインツベルン陣営が召還したイレギュラーなサーヴァントが聖杯の中に取り込まれ、彼によって聖杯は汚染されてしまった。

 そしてそのサーヴァントは聖杯の中でずっと暮らし続けていたのだ。

 

 

 

「あー、もう今年の春アニメが始まってるな。torerune(トレルネ) に録画セットし忘れがないか見とかないと」

 

 全身ワイルドで抽象的な模様だらけの少年はゲーム機の録画機能で番組表を操作しつつ、ネットのアニメサイトで新作の前評判をしっかりとチェック。

 

「前のシーズンのアニメで最後まで生き残ったのはコレとコレだけだったな。さて今度のシーズンはどれが残りますかね。あ、もちろんFate/stay night UBWは必須ね」

 

 録画スケジュール登録をしつつ、もう片手でカチカチとネットサーフィン。ソシャゲのお知らせを確認。

 

「げっ。今日公開された新規サーバーがもう埋まってやんの! TMitterで1時間前にサーバー解放のお知らせが流れてきたばっかりだってのに」

 

 仕方ないなーと呟いて彼は別なサイトを開いた。オリジナルや二次創作がたくさん載っているWeb小説サイトだ。

 

「ああ、あの連載は完結したのか。まあまあ長い事続いてたけどおつかれさん。さて、また何か新しい小説をスコップして見つけないとな」

 

 幾星霜。

 聖杯の中の彼は様々なコンテンツが生まれては終わっていくのをずっと眺めつづけている。

 

「もっと俺が思っている通りのおもしろいものないかなー」

 

 

 

 いよう、みなさん。

 俺は聖杯の中の悪魔(アンリマユ)

 聖杯に取り込まれてからもう何十年もこんな生活をしてるんだ。

 

 俺の存在は虚無。何も生まない不実の空白。

 この場所風に例えて言うなら何の文字も打ち込まれていない真っ白なエディタ。

 

 (ゼロ)からは何も生まれない。けれども(イチ)があるならば、もし叶えたい望みがあるならば、見たかった物語があるならば。

 聖杯(ここ)ならきっと全ての願いを叶えられる。

 

 原作で語られなかったストーリー、ほとんど使われなかった設定、救われなかったキャラクター。

 夢見る恋愛、最強の必殺技、理想のオリ主。

 

 チートもハーレムもアンチヘイトも、問答無用のハッピーエンドも。

 君が望むのなら、君はあらゆる展開を再現可能だ。

 

 

 目次の完成、連載の終了、それは一つの願いの具現。

 この連載が終わればその存在はデータベースの中に埋もれていくけれど、終わる事と続かない事は違う。

 

 最終話を投稿して、読み切って、終わりの続きを見にいこう。

 

 新着リストにはいい小説ばかりとは限らないけれど、今はまたおもしろい作品を探してスコップをふるっていく。

 

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wird(ウィルド、もしくはブランクルーン)  

 

象徴:空白、運命

英字:なし

意味:24のルーンとは別に占い用として作られた。文字はない。人間の努力ではどうにもならない宿命をしめす。運命的な出会いや出来事がある兆しとされる。

 




この物語が多少なりともみなさまの暇つぶしになりますように。
そしておもしろい小説との出会いがありますよう。
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