ワールドトリガー 私達の青春の物語   作:ゴウ・フェトア

5 / 21
「みんな強くなる。俺の副作用 (サイドエフェクト)がそう言ってる」

※この話はストーリーにあまり関わりませんので読まなくても大丈夫です。


間話 B級ランク戦

「みんな! 大ニュースよ!」

 

 ドカドカと足音を立てながら阿慈谷隊隊室の扉を開くのは下江コハル。走ってきたようでその息は絶え絶えだった。

 

「どうしたんだ? コハルがそんなに慌てるなんて珍し……くもないのか?」

「ちょっと! それどういうことよ!」

「うふふ。そんなことよりもコハルさん。何があったのか教えて下さい♡ なんだか面白そうな予感がします♡」

「それじゃ、ミーティングはコハルちゃんの報告が終わってからで」

 

 アズサが読んでいた本を読み続けながらからかい、ハナコは抱きつきに行き、ヒフミが「全員揃ったから紅茶でも入れますか」とキッチンに向かう。

 

(ブラック)トリガーがもらえるのよ!!!」

 

 そんな中、コハルの爆弾発言が隊室に落とされた。

 

「えっ……?」

(ブラック)……トリガー……?」

「コ、コハルちゃんもS級になるんですか!?」

 

 (ブラック)トリガー。普段アズサたちが使うノーマルトリガーとは一線を画するトリガーの総称。

 

 しかし優れたトリオン使いが自らの命と引き換えにするという作成コストもあり、現ボーダーにも存在しているのはたったの三つ(・・)

 

 そのうち2つは既に使用者が決まっておりその変更はない。そして残っている(ブラック)トリガーは【風刃】。

 

「ふふん! 見なさい! 私は【風刃】の使用者に選ばれたのよ!」

 

 そう言ってコハルは、まるでドラマの水戸黄門さながら、通信端末に表示されたその文面を集まってきた3人に見せつける。

 

 そして3秒後、三人は呆れながら画面から目を離す。

 

「まあ……その。コハル、頑張れ」

「え? 何よその反応。(ブラック)トリガーよ? (ブラック)トリガー」

「コハルちゃん……文面は読みましたか……?」

 

 ヒフミが恐る恐る指摘する。

 件名は確かに【風刃の候補者に選ばれました】というもので、コハルの言うのは間違っていない。

 

 だが、それは一斉送信。小春以外にも複数名送られていた。

 

「あれ? 私宛じゃないの?」

「本文も読まずに来てるなんて流石コハルさん♡ けれどそのメールが来た時点でトリガーが使用できると判断されたのでしょうし、そこは喜んでいいと思いますよ♡」

「メンバーがすごいです……。加古さんに、風間さん、わぁ……嵐山さんに、三輪さん、二宮さんまでいますよ」

 

 一斉送信された対象者を見てヒフミが思わず感嘆の声を上げる。そこにいるのは現在のボーダーでも優れたトリガー使いだった。

 

 一方でコハルはその名前を見てどんどん顔が青くなる。もらえると思っていた(ブラック)トリガーの前に立ちふさがる強大過ぎる壁に目眩すらしていた。

 

「え、もしかしてこれ、私一人で行くやつ? チーム戦とかではなくて?」

「安心しろ。彼ら彼女らもチームでは来ない……はずだ。同じチームの人はいないよな?」

「加古さんと二宮さんが同じチームだったかと♡」

「終わったあああ! 絶対ムリ! あの二人が手組んだら誰がソロで勝てるのよ!」

「そもそも二宮さんと一対一で勝てる人がいるのかちょっと疑問ですけどね……。あれ? けどこの(ブラック)トリガーって斬撃武器じゃありませんでした? 二宮さん来ます?」

 

 ヒフミの指摘に二宮が刀を持ってる想像をしてみるが全員の感想が同じだった。

 

「無いわね」

「ないな」

「加古さんの方は楽しく振り回してそうですので、そちらは来るかもしれませんね♡」

「ふ、2人が来るよりマシよ!」

 

 敵が一人減って少し安心したのかコハルが気丈に振る舞う。青い顔も少しマシになっている様子だった。

 

「それに実力者は彼らだけじゃない」

 

 しかし、これはあくまで希望的観測。二宮が来ないとしてもこのメールの候補者は強者揃いだ。苦戦は必至である。

 

「み、みんなぁぁ……助けて……S級ってやつになってみたい……」

 

 コハルには、強くなりたいとか、そういう欲望があるわけではない。だが、せっかく選ばれたのであれば勝ち取りたい、それだけだ。

 

「仕方ない。ヒフミ。次のランク戦までどのくらいだっけ?」

「えーっと、明後日の夜ですね」

「コハルさんの(ブラック)トリガー争奪戦は明日の夜……。ああ。それで明日のランク戦がどれもなくなったんですね♡」

「それに敵の手の内を知るのはいいことだ。この争奪戦で彼ら一人ひとりの戦術や戦闘が見れるかもしれない」

 

 流れるように進んでいく話にコハルが目をぱちくりしている。コハルだってワガママだというの分かっているし、本来なら自分一人でやるべきだと心の奥底では考えていた。

 

「ほ、ほんとにいいの?」

 

 しかし、アズサたちが断るはずがない。この中で唯一年下の妹分が困っているのだ。何度もあるランク戦よりも一回こっきりであろうそちらに注力することがあってもいいだろう。

 

「いいんですよ、コハルちゃん。その代わり最後まで諦めたらだめですよ」

「ひ、ヒフミぃぃぃ」

 

 がばぁ!とヒフミに抱きつくコハル。こうして、チームメンバーという心強い仲間を手にしてコハルは風刃争奪戦に挑むのであった。

 

 そしてその横では、ハナコがメールの詳細を確認していた。そして中でも気になる一文を見つける。

 

【S級隊員となったものは個人団体ランク戦への参加を禁ず】

 

「まぁ、本人が頑張ると言ってますし黙っておきますか」

 

 勝ったら一緒にランク戦できないよ?とここでいうほど、ハナコは無遠慮ではない。

 それにメールの対象者の中には迅の名前もある。

 

(なんだか試合結果が決まってるような気がしてなりませんが……まあいいでしょう)

 

 

「うわああああああああああん! みんなああああああ! ごめええええん!!」

「どんまいだ。コハル」

「そうですよ。あれは……あれは相手が悪すぎます」

「うふふ。泣いてるコハルさんも可愛いですよ♡ ギューってしてあげますね」

 

 コハルは普段なら払いのけるハナコにも抵抗する気力もないようで、されるがままにされていた。

 試合結果は言うまでもないが……ここに記す。

 

 蹂躙だった。参加者は誰しもが選び抜かれた精鋭であり強者であった。

 だが、その誰もがたった一人に蹂躙された。

 

 迅悠一。【未来視】を副作用に持つ男だ。

 

「コハルちゃん。今日のミーティングは休みますか? 試合は明日ですし今無理しなくてもいいんですよ?」

「ぐずん……いや、行くわ……。この悔しさをぶつけてやるんだから……」

「流石です♡ それに参加者のみですが少なからず得られた情報もありました。お手柄ですよ」

 

 その結果にめげずに頑張ると宣言するコハル。

 

 だが一方でアズサの頭には疑問が残っていた。

 

 

 あの戦闘の手際の良さは何なんだ、と。

 

 ザワザワと騒がしくなり始める観戦席。巨大なスクリーンがいくつも映し出され、未だ暗い画面がこれからの戦いに期待をもたせる。

 

「さあ、転送まであと僅かとなりました! B級ランク戦第十一試合! 解説は私三上歌歩と」

「A級に昇格した。東春秋だ。よろしく」

「この度S級に昇格しました迅悠一でーす。東さん、今日は勉強させていだきます」

「とのことです! それぞれA級、S級への昇格おめでとうございます!」

 

 三上の発言だが、現在ランク線は始まったばかりでスコアが50になった順にA級に昇格している。

 そして、最初に50ポイントを得て、A級になったのが東の率いる部隊だ。

 一方の迅悠一。風刃争奪戦を経て(ブラック)トリガー所持者になり、S級に至った。

 

 

「ありがとう。年長者として恥ずかしくない成績を残せて良かったよ」

「今日は東隊長の解説とのことでギャラリーも心無しか多く感じますね」

 

 迅が後ろを振り返りながらコメントを述べる。東の実況は解説が詳しく試合の流れが非常にわかりやすいため非常に人気がある。

「たしかにそうですね。あ、早速ですかお二人、今日の試合はどうなると予想されますか?」

「乱戦を制したものが勝つ」

「同意だね。トラッパーに狙撃手、マップ破壊兵器に近接戦最強。それに人数も3、3、4、4の14人。荒れる要素はたしかに多い」

「なるほどなるほど。お、全員転送が開始されました! さてさて配置は……おお、これは【工業地帯】! 時刻は昼! 天候は晴れ!」

「配置はだいぶ偏ったな」

「今回マップを選んだのは……阿慈谷隊か。狙撃手を警戒してたんだろうね」

 

【工業地帯】

 

【挿絵表示】

 

 

「試合参加の狙撃手としては槌永隊員と佐鳥隊員がいますがやはり不利に?」

「だな。二人ともそれだけで仕事ができなくなるほど下手はない……むしろ上級者だが間違いなく射線が通りにくいというのはマイナスだ」

 

【阿慈谷隊】

 

「コハルちゃん! 逃げてください!」

「分かってるわよ!!! 【グラスホッパー】!」

 

 転送された直後、阿慈谷隊は即座に行動を開始した。コハルの転送位置が悪く敵に囲まれた配置だったためだ。

 そして、その回避が功を奏す。

 

 ガガガガン!と周囲の工場が斬撃によって破壊されていく。先程までコハルが立っていた位置も含めて。

 

 この試合、それほどの斬撃を有するものはたった一人。

 

「見つけたぜ。お嬢ちゃん」

「げっ……太刀川さんじゃん!」

 

 襲撃者の正体に再度震えながらコハルは逃げる。一対一で戦っても太刀川が相手ではコハルに勝機はない。

 これはコハルが弱いわけではない。小柄な体格を活かしてグラスホッパーやスコーピオンを用いた襲撃は普通の隊員には脅威だ。

 

 だが、太刀川は普通の隊員ではない。スコーピオンが伸びる速度よりも彼の斬撃の方が圧倒的に早い。

 

『コハルさん、右方向にグラスホッパーでもなんでも使っていいので逃げてください♡ そうしたらいいことがありますよ』

「いいことが何なのかはっきり言いなさいってば!」

『一、サオリさんとアツコさんがそちらにいらっしゃいますので、お二人と太刀川さんをぶつけます。二、ヒフミさんとコハルさんを合流できます。三、コハルさんが目立つことでアズサさんに対する思考を減らします。四、周囲に隠れている人を』

「わ、わかったから! ほらこれでいいんでしょ!」

 

 言われたとおり合流ポイントに急ぐコハル。だが、

 

 パァン!

 

 宙に逃げていたコハルに地上から狙撃される。コハルがぎりぎりシールドを張れたのと、ヒフミの遠距離シールドが間に合い緊急脱出(ベイルアウト)は防がれた。

 

「うわっ、びっくりした……! サオリさんね。下にシールド貼りっぱで良かったわ」

「気をつけてください! 追撃が」

『大丈夫ですよヒフミさん。お二人のシールドがあればまず心配いりません。コハルさんはとにかく急いで前進を。ヒフミさんはその援護をよろしくお願いします。アズサさん。準備の程は?』

「まだ3割……前方柿崎さん! 戦闘を開始する!」

「はーい。コハルさんが合流するまで無理はしないでくださいね。合流したらアズサさんは離脱して罠作りをお願いしますね」

 

 

【錠前隊】

 

「アロナ。今すれ違ったのは誰だ?」

『えーと、コハルちゃんですね! 何かから逃げるかのような超速度でした! なのでサオリさん、要警戒です。これは強いのきますよ!』

 

 上空を何かが動いたので反射的に撃ったサオリだが、その正体は見えていなかった。というか昼だったせいで完全に逆光だったのだ。

 なのでオペレーターであるアロナが情報を補完する。

 

「コハルちゃんがそれだけ必死に逃げるってことは絶対に勝ち目がないと考えたということ。今回のメンバーで言えば……」

 

 そこに転送位置が近かったアツコが合流する……が、その視線はコハルの逃げてきた方向に向けられていた。

 

 直後、その視線の先で建物が寸断されていく。

 現れたのはもちろん、太刀川。

 

「お、コハルちゃん、そういうことかい……。で、俺の相手はサオリか? それともアツコがやってくれるのか?」

「太刀川か。姫、作戦通りに。ミサキは手を出さなくていい。周囲の警戒。アズサの場所が分かり次第メテオラで潰せ。ヒヨリは浮いた駒の各個撃破だ」

「任せて」

「了解。リーダー」

「うわぁ……アズサちゃんにも容赦ない……あ、ヒヨリ了解です」

 

【嵐山隊】

 

「さて、今中心部で見えた旋空弧月は……今回の面子を考えると太刀川さんだな? 時枝、そっちからは誰か見えたかい?」

 

 視点は変わって嵐山。彼の転送位置は高所であり、付近の建物が寸断された様子がはっきりと見て取れた。

 

「烏丸さんを目視。中心に向かってる。太刀川さんの援護に回るつもりみたい」

「こちら佐鳥! 烏丸君狙っちゃう?」

「行けそうならガンガン狙ってくれて構わない。だが烏丸くんは用心深い。今はまだ様子見すべきだ。佐鳥は柿崎との合流を優先してくれ。柿崎くんにコハルが向かっているから援護を」

 

 跳んでいったコハルに対する警戒を促す嵐山。だが転送位置は柿崎に不利に働いていた。

 

「こちら柿崎! アズサが来た! 佐鳥はタイミングを見て援護を頼む!」

「ん? オーケー。ツインスナイプ楽しみにしててくれよ」

 

 だが、幸運にも柿崎の近くには佐鳥もいる。すぐさま落とされることはない……。むしろ自力ではアズサなら勝てると嵐山は踏んでいた。

 

「さて、これからは……時枝! 爆撃だ!」

 

 そして、指示を出そうとした瞬間、極大の光線が空に登り、そして落ちてくるのが見えた。

 

【太刀川隊】

 

 光線の下手人は……出水。

 

「烏丸くんは安心して前進してくれ。その道中は俺が荒らすから」

「はい。ありがとうございます」

「どうだ? だれか落ちて……ないな。アズサちゃんのトラップを破壊できてれば万々歳だが」

 

 太刀川の希望的観測が聞こえるがそんなうまく行くとは誰も思っていない。

 そして、様子をうかがっていた出水に対して、レーダー頼りにメテオラを打ち込んだ相手からお返しとばかりに炸裂弾(メテオラ)が飛んでくる。

 

「一人は……ミサキだね。撃ち返してきた」

「適当に撃ち合ったら北を頼む。二人レーダーから消えたのが気になる。狙撃手か白洲だろ。とっとと見つけて潰すに限る」

「オーケー。それじゃ適当に撃ち合ったらそっちに……時枝だ」

 

 

【観客席】

 

【挿絵表示】

 

 

「これは……序盤から接敵が早かったですね」

「そうですね。ステージが小さいというわけではありませんがこの試合は全員機動力が高い。すぐに会敵と離脱を繰り返さない限りはどんどん落ちていくでしょうね」

 

 慌ただしく動いていく盤面に東がコメントする。現状、戦闘が始まったのは東部と西部。攻撃手が中心に偏っていた場所と、射手の出水が仕掛けた中距離の戦場だ。

 

「東さん、これまでの戦況について、予想と違ったりした部分はありますか?」

「もっと消えた隊員を意識するかと思いましたが皆さん恐れ知らずでしたね。現状バッグワームで消えてるのは佐鳥隊員、そして槌永隊員と白洲隊員だ。となると余裕のあるチームはまっさきに彼らを潰そうと動くはず……と思ったんですが」

 

 東の発言を受け、迅も発言する。

 

「柿崎隊員が阿慈谷隊に包囲されそうなのが怖いところでしたが……ぎりぎりのところ佐鳥が間に合いましたね。もともと地力のある彼ですから一対一なら全く問題はないでしょうが……白洲隊員が罠を張る前に脱出できたのは僥倖でしょう」

「一方で太刀川さんが未だに点を取れてないのも珍しいです……。相手をしているのは秤隊員ですね」

「彼女の回避能力はずば抜けています。それにどうやら攻め気もない。おそらく太刀川を足止めする役なのでしょう」

「錠前隊員は……あ、バッグワームです!」

「これは誰かに……あぁ、狙いは烏丸隊員ですね。烏丸隊員も錠前隊員も足が早い。あと数秒もすれば錠前隊員の射程です」

 

 画面にはたしかに、屋根伝いに移動する烏丸と路地を走り銃口を向けるサオリが映っていた。

 

「彼女の銃は射程を殺している分、集中シールドでもないと防げない。不意打ちされると……」

「おおっと! まさにその通り! 屋上を走っていた烏丸さんを錠前さんが銃撃……いや、緊急脱出(ベイルアウト)はありません! 烏丸さん、あのサオリ砲を防ぎました! そのまま交戦に……!?」

 

 初撃を見事に防いだ烏丸。だが、下に注意が向いた瞬間、その頭が撃ち抜かれる。

 

「ここで烏丸隊員緊急脱出(ベイルアウト)! 錠前隊に一点! 点を獲得したのは……槌永隊員です!」

「なるほど、そっちに転がったか」

「錠前隊員が不意打ちを刺せればそれでよし、無理なら槌永隊員の狙撃で、という感じでしょうね」

「なるほど、二の矢、三の矢ということですね」

「しかし、太刀川隊がこのまま黙っているはずはないでしょう」

 

【秤VS太刀川】

 

「どうしたアツコ。攻め気がないならこのまますり潰すぞ?」

「…………」

 

 太刀川の斬撃を受け続けてはや数分。いくつか小さな傷こそあれど、秤アツコは未だにレイガスト片手に立ち回っていた。

 そして、このタイミングで、烏丸の緊急脱出(ベイルアウト)により、空に一条の光が刻まれる。

 

「?!」

「スラスターオン!」

 

 倒れた位置から即座に烏丸がやられたことを察する太刀川。その瞬間アツコはレイガストを投げつけ、空いていた手で弧月を抜刀する。

 他の情報が出た瞬間という、人間の反射とも言える戸惑いの時間。その間隙を狙ったにも関わらず……

 

「甘いねぇ」

 

 アツコが旋空弧月を発動する前に、

 

 太刀川の1つ目の旋空弧月がレイガスト両断し、彼の2つ目の旋空弧月がアツコを両断した。

 

【観客席】

 

「ここで秤隊員緊急脱出(ベイルアウト)! 太刀川隊員、流石は攻撃手のトップランカー!」

「飛んでるレイガストを弾くではなく切るとはね……」

「恐らく弾くのが厳しいと即座に判断したのでしょう。だからといって切るという選択肢はなかなか選べませんが。恐らく躱そうとすると次の秤隊員の旋空弧月が避けられなかったんでしょうね」

 

 しかし、あっさりアツコのレイガストを破壊せしめた太刀川の斬撃に三上が疑問を覚える。

 

「先程までの攻防でも太刀川隊員はいつでも秤隊員のレイがストを切ることができたのでしょうか? 出来るなら何故やらなかったのでしょうか?」

 

 その疑問に答えるのは東。

 

「いや、それは無理ですね。時々光の反射が変だからよく見てたのですが秤隊員のレイガストはその表面の形を細やかに変えている。恐らく弧月を受けるタイミングで毎回形を変えて受け流していたんでしょう。それに本人も回避型だ。無理に受けようとすることは無かった。太刀川隊員の斬撃をよく見ています」

「なるほど……」

 

 納得した三上だったが迅も補足する。

 

「一方でさっきの攻防で消費が激しかったのは言うまでもなく秤隊員だ。レイガストは勿論、牽制のためのや爆裂弾。太刀川の攻撃手というトリオン消費の少なさがいい方に作用しているように思えたね」

 

【錠前隊】

「姫っ!?」

『大丈夫だから。サオリ、作戦どおりに行こう』

『そうですよ! 第一弾は成功です。サオリさんも太刀川さん相手にかなり粘ってくれましたし、烏丸くんを落とせました!』

「……そうだな。アロナ、次は?」

「東方面が怪しいです! 動きからして恐らく三対一! この構成になるのは私達以外だと阿慈谷隊と嵐山隊です!」

「分かった。乗り込もう」

 

 情報をアロナが集め、サオリが即座に作戦を考案、実行。それがこの錠前隊の作戦スタイルだった。

 

「サオリ、私も行く?」

「いや、出水が自由になると面倒だ。ヒヨリも向かわせるからミサキはそっちの対処を頼む」

「了解」

「了解」

 

【嵐山隊】

 一方で、アズサ達から追われてる柿崎はすでにボロボロだった。

 

「くっ……流石にきついな」

 

 射手トリガーを使うのが二人。そしてグラスホッパーで撹乱してくる攻撃手。一対三で持ちこたえているのがおかしいほどの柿崎の奮闘である。

 

「柿崎さん大丈夫? こっちいつでも撃てるからね?」

「まだです。俺はもう落ちる。撃つなら絶対に点を取りたい……。俺がベイルアウトとした瞬間……!?」

 

 驚きは無理もない。この試合で最初に見る緊急脱出(ベイルアウト)の光だ。アズサたち三人の猛攻を防ぎながらオペレーターの栞に尋ねる。

 

「やったのは誰です?」

『錠前隊のヒヨリちゃんだね。サオリちゃんが隙を作ったところをズドンと一発』

 

 その情報は阿慈谷隊も嵐山隊も関わっていない。ほんの少し安堵した柿崎だったが嵐山の顔つきが変わる。

 

「ならまずいな。バッグワームで消えた佐鳥がどっちなのか、彼女たちは気づいたことになる」

 

 バッグワームで消えていたのは佐鳥、槌永、白洲。阿慈谷隊からすれば初期位置から消えたバッグワームの主が槌永か佐鳥のどちらかなのかはっきりわかったことになる。

 

「恐らくコハルちゃんが来るぞ。用心しろ」

「佐鳥了解!」

「隊長は?」

「俺は出水を落としてからそっちに向かう。時枝。タイミング合わられるか?」

 

 言いながら嵐山は奇襲を仕掛けるためにバッグワームを起動する。

 

「ちょっときついですけと……頑張ります」

『そう簡単に柿崎くんをやらせないよ〜』

 

【阿慈谷隊】

『あら、盤面が動きましたね。烏丸隊員がヒヨリさんに落とされて、アツコさんが太刀川さんに落とされた、と。なら南にいたのは佐鳥さんですか。コハルさん、向かえますか?』

「もちろん!」

『いいお返事です♡ アズサさん。罠の具合はどうですか?』

「十分。いつでも死ねる」

『了解です♡ ではヒフミさんは上手いこと罠を使って柿崎さんを落としちゃってください。アズサさんは錠前さんが近づいてきてますのでその迎撃を♡』

「わかりました!」

「了解した」

 

 

【挿絵表示】

 

 

【嵐山隊】

誘導弾(ハウンド)が減った……?」

 

 一瞬安堵する柿崎。だが、すぐさま栞の言葉に引き締まる。

 

『気をつけて。佐鳥君の方にコハルちゃんが来てるよ。柿崎くんも! ヒフミちゃんが来てるしアズサちゃんは見えないままだから要警戒!』

「了解! っ!?」

 

 そのタイミングで、曲がり角から変化弾(バイパー)がとんでくる。その弾を追いかけるようにして走ってきたのは阿慈谷ヒフミ。

 

「柿崎さんこんにちわ!!」

「こんにちわっと」

 

 挨拶の直後、背中に隠していた変化弾(バイパー)が柿崎の方向に飛んでくる。

 

 が、それは柿崎から狙いが逸れ、周囲の塀を破壊していった。

 

「そんな手は……」

『柿崎くん! 置き弾あるよ!』

 

 その発言を受け、即座にフルガードを実行する柿崎。

 直後、爆発。7つもの置き弾が誘爆し柿崎の視界を奪う。

 

 しかし、フルガードは十分に間に合った。視界が塞がれているが、変化弾(バイパー)炸裂弾(メテオラ)程度なら耐えることが出来る。そう考えていた柿崎は

 

 空から落ちてきたヒフミの弧月によって頭から貫かれた。

 

 柿崎、緊急脱出(ベイルアウト)

 

 そして、佐鳥。柿崎の緊急脱出(ベイルアウト)を受け、作戦どおりにヒフミを狙おうとするが、直前の炸裂弾(メテオラ)による煙で視界は悪い。

 それに、栞からは佐鳥に対して真っ直ぐ近づいてくるコハルの存在が指摘されていた。

 

「駄目だ、爆炎でヒフミちゃんが見えない」

「いや、もうヒフミはいい。コハルを最優先で叩くんだ。ここで潰しておけば!まだ人数で有利が取れる……!? こちらヒヨリ発見!」

『ナイスだよ嵐山くん。さては時枝くんか出水くんを狙ってたな? 落とせそう?』

「いけます。時枝、作戦変更だ。佐鳥と合流を目標にするんだ。コハルの迎撃を手伝ってあげてくれ」

「了解、向かいます」

 

【出水VS戒野VS時枝】

 

「しぶとい……」

「こっちのセリフなんだけどなぁ!」

 

 そして、射手対銃手。出水の誘導弾(ハウンド)炸裂弾(メテオラ)が縦横無尽に宙を走るが時枝、そしてミサキが迎撃していく。

 

「ヒヨリ! まだこっちに来れないの?」

 

 ミサキの苦言。だがヒヨリも急いで向かっている最中だ。

 

「も、もうすぐですよぉ。なかなかこのステージ、射線が通らなくて……うひゃぁ! 嵐山さんと鉢合わせですぅ……」

「ちょっと、大丈夫? 時枝くんがいるからまだ拮抗してるけど彼がいなくなったら私すぐ死ぬよ?」

「狙撃手は見つかったら逃げるしか……きゃぅっ」

 

 しかし、結局合流することはできず。

 槌永ヒヨリは空の光の筋となって消えた>(ベイルアウト)

 

 

【挿絵表示】

 

「……ミサキ、無理をするな。東方面に点数源がまだたくさんいる。そっちをやれ」

「了解、出水は?」

「時枝に任せとけ。嵐山もいる。二対一で……いや、今ヒヨリを落としたのは嵐山だな?」

『そうですよ! あと時枝くんも佐鳥さんがいると思しき場所に少しずつですが移動してます! 合流される前に叩きますか?』

「いや、ゆっくりでいい。下手に急げばミサキが囲まれる。二人が合流したあと佐鳥を追う阿慈谷隊と一緒に囲えばいい」

 

 数的不利を受け自分力は動かず周りを利用する作戦に切り替えるサオリ。

 

『あ、サオリさん、太刀川さんが後ろから接近中です。弧月に注意ですよ!』

「ありがとう。了解だ」

 

 その彼女の眼前にはすでにボロボロなアズサが両足をもがれた状態で、辛うじてシールドを張って耐えていた。付近に張られていたワイヤーはすでに大半が破壊されており、アズサに打つ手はもう残っていない。

 

 パァンパァン!と再度銃声が轟く。

 

「このままだと太刀川に点を取られてしまうのでな。早く倒れてくれ」

「くっ……」

 

 なんとか塀の影まで這いずって向かうがアズサの耳には『トリオン漏出過多』という警告音がすでに流れていた。

 

「アズサちゃん! 大丈夫ですか?!」

「だめだ、手を出さないでくれ。ヒフミは作戦どおりに。私の仕事はもう終わっている。あとはタイミング次第……?!」

 

 直後、壁越しの通常弾(アステロイド)がアズサの胸を貫いた。

 白洲アズサ、緊急脱出(ベイルアウト)

 

「通信しながら私に勝つにはまだまだ足りないな」

 

 すでにアズサはサオリの壁越し射撃を見ていたはずだった。アロナと情報を共有したサオリにとってそれは普通の射撃と変わりない。

 

「追いついたぜ、サオリ」

「ああ、良いぞ」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 そして、新たな刺客がサオリの前に立つ。

 攻撃手、太刀川。すでに二刀の弧月を構え臨戦状態だ。

 一方のサオリも銃を片手に、そして変化弾(バイパー)を付近に浮かせながら対峙する。

 

『ここだ』

「はい!」

 

 アズサの宣言にヒフミが反応する。

 瞬間、爆発した。サオリも、太刀川も、付近の建物も全部。炸裂弾(メテオラ)一発ニ発の威力ではない。炸裂弾(メテオラ)十発分以上の火力が二人の攻撃手を緊急脱出(ベイルアウト)させたのだ。

 

 

【観客席】

 驚いたのは見ていた観客たちも同じ。

 

「い、今のは一体!?」

「白洲隊員でしょうね。自分が死ぬこと前提にその場にトラップとして置き弾をしていたのでしょう」

「し、しかしすでに白洲隊員は緊急脱出(ベイルアウト)していて……。ああ、阿慈谷隊員でしょうか?」

「正解ですね。この工業地帯は死角も多い。変化弾(バイパー)での誘爆を隠れながらやるのは難しいことじゃない」

「白洲隊員の目的は錠前隊員を倒すことではなく太刀川が来るまで粘ることだったんだろう。それなら手の内がバレている彼女相手でも多少持ちこたえることはできる」

「なるほど……自分の敗北を織り込んだ作戦ということですか」

「力量差を踏まえた上で足掻いたいい結果ですね」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「さぁて! 試合が動いてまいりました。現状嵐山隊が、人数差で優位か……おっと!? 嵐山隊が出水隊員に仕掛けました!」

 

 時枝とミサキの銃撃、そしてその間隙を突くようにして、バッグワームを解除した佐鳥のツインスナイプが火を吹いた。

 

「佐鳥隊員のあのツインスナイプはもはや芸術ですね」

 

 彼以外に実行できる者がいないその技術に迅は素直に称賛する。

 

 狙いも完璧だ。放たれた二発は一発は出水に防がれ、そしてもう一発はミサキの右足を撃ち抜いた。

 

 そして場はまだ動く。出水はスナイプを集中ガードで防いだが、ほとんど時間差を置かずに嵐山が出水を銃撃する。

 

「くっ……銃はやっぱりきついなぁ。援軍ももういないし」

「そのフルガードが解けたらやめるんですけど……」

「佐鳥!」

 

 その直後、ミサキが仕返しとばかりに佐鳥に向けて炸裂弾(メテオラ)を放つ……が。

 

「分かってる分かってる! ミサキちゃんの爆撃ならガードで」

「違う! コハルだ!」

 

 間に合わない。

 コハルが、ぴょんぴょんと空中で跳ねながらスコーピオンを伸ばし、ガードの隙間をついて佐鳥の首が落ちる。

 

 佐鳥緊急脱出(ベイルアウト)

 

「隙、できたな」

 

 そして、その瞬間の嵐山隊の動揺を出水は見逃さない。防御を捨ててのフルアタックが嵐山、時枝を襲う。

 

「激しすぎますね……」

 

 その結果として時枝は腕を失う。緊急脱出(ベイルアウト)にほまだ余裕があるが銃が片手でしか撃てなくなるというのは命中率に関わる。

 

 そう思考した時枝は、民家の屋根を突き破ってきた変化弾(バイパー)に貫かれた。

 

「は?」

 

 やったのはヒフミ。バッグワームで近づいての屋根下からの変化弾(バイパー)での不意打ち。それは綺麗にハマったことになる。

 

 一方でグラスホッパーとスコーピオンを使っていたコハル。佐鳥の緊急脱出(ベイルアウト)の煙で視界が塞がれた瞬間、ミサキの炸裂弾(メテオラ)がコハルを襲う。

 

 炸裂弾(メテオラ)を前にシールドが即座に出せなかった者は緊急脱出(ベイルアウト)するのみ。

 

 時枝緊急脱出(ベイルアウト)

 下江緊急脱出(ベイルアウト)

 

緊急脱出(ベイルアウト)

 

 そしてその直後、ミサキも自分以外が緊急脱出(ベイルアウト)し、勝ち筋がないと判断したのか、周囲の人間がいなくなった瞬間に自ら緊急脱出(ベイルアウト)を決断する。

 

【挿絵表示】

 

「おっと、ここで戒野隊員が緊急脱出(ベイルアウト)!」

「彼女はすでに足をやられましたからね。それにこのあとは出水隊員か、嵐山隊員、はたまた阿慈谷隊員に落とされることになる確率は非常に高かった」

「機動力は確かに大事な要素ですね!」

「しかし、慌ただしかった盤面もだいぶ落ち着いてきましたね」

「そうですね。ただ出水隊員は最初から戒野隊員と時枝隊員に対して、ずっと弾を撃ち続けていましたからね。ここに来てトリオンの残量が心配です」

「おや、阿慈谷隊員がバッグワームで姿を消しました! これはゆさぶりか」

 

「でしょうね。このまま戦えばどちらが勝つか分かりませんが阿慈谷隊員はそこもコントロールできる立場にありますね」

「しかしこれは……」

 

 東の懸念。それはこの試合が膠着状態になるのでは、というもの。

 嵐山も出水もトリオン量に不安はない。だが、目の前の相手をしながらヒフミまで警戒するのは厳しいものがある。

 

 結果としてお互いに距離を置き、

 

「おや? 出水隊員が何か……」

 

 しかし、試合はまだ終わらない。

 

「弾と弾を……合成してます!! なんでしょうかあれば!」

「これは見たことないな……」

 

 東でさえ初見のそれは観客席で見る者全員に衝撃を与えた。

 

「やってみたらできるもんだな。【誘導炸裂弾(サラマンダー)】」

 

 2つ分の弾トリガーが一塊となり、分割された後頭上に打ち上がる。

 

 8つに分割されたそれは4つがヒフミの方に、残りが嵐山の方に飛んでいく。

 

「な、なんですかあれ……。お、追ってきてます!? 誘導弾(ハウンド)ですか!?」

 

 バッグワームを装着したばかりとはいえ消えてからそれほど時間は立っていない。その結果、ここらへんだろうと出水に予測され、あっという間に誘導炸裂弾(サラマンダー)の追跡範囲に入ってしまった。

 

「追ってくるか……なら撃ち落とす……?!」

 

 一方で嵐山。銃撃しようとするが4つの光線は奇妙にくねくねと動き、狙いを絞らせない

 

 そして、そのまま着弾、爆発。固定シールドすら打ち砕いて2つのトリオン体は破壊された。

 

 阿慈谷緊急脱出(ベイルアウト)

 嵐山緊急脱出(ベイルアウト)

 

 試合終了である。

 

 

「い、出水隊員の新技が決まった! スコアは生存点含めて嵐山隊1、太刀川隊6、阿慈谷隊4、錠前隊3で太刀川隊の勝利です! あれは一体何なのでしょうか!」

「見たことありませんね。出水隊員からのネタバラシを待つことになりそうです」

「しかし嵐山隊は今回、配置から厳しかったな。あのチームだけが今回唯一全員がバラバラに飛ばされていた。それがなければもっと善戦できた筈だ」

「白洲隊員……いや、阿慈谷隊が錠前隊員と太刀川隊員を落としたのは予想外だったね。序盤の秤が太刀川を抑えていたのもあって彼が大暴れする前に退場させることができた。俺でも太刀川さんは厳しいからなぁ」

「なるほど。やはり白洲隊員の罠は恐ろしいですね」

「一方で時枝君も上手かった。出水隊員が一対一なら格上であることを利用して戒野隊員との共闘に持ち込んでいた。出水も太刀川隊員と同様に、放っておけば場を荒らしてくるからね」

「しかし、序盤に烏丸を落として、太刀川と出水を抑えてもこれだけ点数取ってくるんだからやっぱりあのチームはおかしいな」

「奮闘といえば柿崎隊員もよく粘りました。白洲隊員、阿慈谷隊員、下江隊員に囲まれながら無理に反撃することなく佐鳥隊員を慎重に待ちました。もう少し転送距離が近ければツインスナイプで狙撃できたのでしょうが連携を察知されたのが痛かったですね」

「槌永隊員もあそこで嵐山隊員と鉢合わせしなければ出水隊員を落とせたかもしれないんですが……。今回のマップに阻まれました感じでしょう」

「なるほどなるほど! お二人とも解説ありがとうございました! ではこれにてB級ランク戦第7試合を終わります! 皆様お疲れ様でした!」

 

 

「な、なんですかあれええええ!」

「うーん……推測ですが弾の合成かと。できるなんて初めて知りましたが♡」

「ヒフミ、あれは仕方がない」

「そうよ! ずるいわよあんなの! くねくね曲がるメテオラとか死刑ものよ!」

 

 試合後の阿慈谷隊隊室。最後の攻撃がなければ1対2対4対3で勝てていたはずなのだ。

 

「しかし今回私達は4点。だいぶ配置に恵まれましたしA級への道も見えてきました。このまま頑張りましょう♡」

 

 結果は負けでも成長ははっきり見える。周りには強者もいるし指導者もいる。

 

 彼女たちはまだまだ成長できる。




ランク戦やってみたかったからやってみたけどそれがメインの話じゃないから話が一切進まない……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。