どうやらSCPと言うのになったらしい   作:YY:10-0-1-2

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 リクエスト1つ目!
 ベルフェスティフ様、リクエストありがとうございます!

 今回の話は……吾輩は猫である。名前はまだない。


ファイル13 その男、猫である

 

 俺はいま、机に突っ伏していた。なぜなら……

 

 「はぁぁぁ……勉強疲れたぁ……」

 

 

 俺は教科書とノートを置いて、少し体を伸ばす。

 そう、勉強中だったのだ。

 

 さすがに学生なので勉強しなければならないと思い、インタビューの時に言ったのだ。そしたらなんと了承が通り、ノートと教科書が俺に届いたって訳だ。

 

 お陰で暇だった時間に勉強という時間が出来た。

 

 元々勉強は嫌いじゃないし、ここにいるのは頭のいい人ばかり。だったら自分もやらなきゃという思いもある。

 

 

 すると、トコトコとシガーロス*1がやって来て、机の上のノートに目を向けた。

 

 

 「何やって……うわ。文字がいっぱい……」

 

 見るなり顔をげっそりさせた。俺は頭を撫で、まだ速いよ…と伝えた。

 

 すると、教科書をペラペラめくり、一つの作品に目が止まった。

 

 「これなんて読むの?……は…である…」

 「これは、『吾輩は猫である』って言うんだよ…夏目漱石って言う有名な人が作った小説なんだよ」

 

 

 興味ありそうに俺を見る。

 読んで欲しいのだろうか……大丈夫かな…?

 

 

 「分かったよ…読むよ…」

 

 シガーロスがやった!と言うふうにポーズをして、俺の足の上に乗った。

 

 「じゃあ読むぞ?……吾輩は猫である。名前はまだない……」

 

 

 

 

■■

 

 

 

 

 「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏…ありがたいありがたい……お終い」

 

 シガーロスを見ると、少しクエスチョンを浮かべて頷いた。

 

 

 「よく分かんなかったけど、可哀想……」

 

 

 分かんなかったか……途中途中解説を入れたり、いい感じに例えたりとかもしたんだが……さすがに難しかったか……

 

 

 「まぁ、大人になれば分かるよ」

 「うん!」

 

 

 しかし、夏目漱石って凄いな……こんな話を沢山作って世に売り出した。

 

 見習って小説でも書くかな……丁度ノートもあるし、暇つぶしにもいいだろう。

 

 すると、()()()()()。机の上に。

 

 「おい、猫出したか?」

 「え?猫?居ないよ?」

 

 シガーロスには見えていないらしい。なんだこいつ。SCPにしか見えねぇんだが……

 

 とりあえず俺は会話を試みた。

 

 


 

 

 「ほう、吾輩と話をしたいか。おもしろい」

 

 猫は眠たげに顔を上げ、俺を見た。俺は何者だと聞いた。すると猫はその眼を擦ってその縦に長い瞳孔を俺に向けた。

 

 「吾輩は猫である。いや、正確には猫の観念(アイディア)である。あるいは理念(イデア)である」

 

 

 なるほど。俺は自身の中に猫をうかべた。それがこいつだと言う。面白い話だ。

 

 さらに、猫の言葉には、俺には分からないルビが浮かんでいた。だが、直感で感じることが出来た。なに、ただの直感だ。

 

 つまり、こいつは俺たちが想起したアイデアという。

 

 猫には分かったのか、頷く。

 

 「理解がはやくて助かる。青年。その中でも吾輩は1つの観念(アイディア)に依存した存在なのだ。形像の動物なのだ。旧くは吾輩が吾輩出なかった時、吾輩に個体の識別はなく、あったとしても曖昧模糊。まるで雲霞の中の怪物のようであった。そんな折、吾輩は一つの名編に依拠することとした」

 

 

 すると、後ろの少女が頭を傾げ聞いた。

 

 

 「それが…『吾輩は猫である』ってこと?」

 

 猫は鷹揚に頷いた。

 

 「そういうことだ、少女。なかなか体が小さいとて頭が回るそうだ。結構だ。吾輩の主人に爪の垢を煎じて飲ませてやりたいものだ」

 

 すると、少女は再び聞いた。

 

 「主人って…優磨のこと?」

 

 猫は首を振った。

 

 「いや、青年では無い。この理解が早い青年と比べるにはあまりにもむくつけき」

 

 

 どう意味なのか。俺は首を傾げながらも話に耳を傾けた。なに、この猫の話は実に興味深い。

 

 俺は猫に物語の完結について聞くと、待て待てと促した。

 

 

 「話を続けるが、吾輩はその観念(アイディア)に依存したか故にその物語を(なぞ)る必要がある。面倒だが、これも摂理という物だ。吾輩はまぁ、そういう物に囚われる存在じゃないが、如何せん吾輩は猫だ」

 

 

 つまり物語の最後を自分で付けられないという事になる。

 後ろの少女は悲しそうな顔で猫を見た

 

 「貴方はつまり、その溺死する運命からは逃れられない、そういうこと?」

 

 質問。猫は頷く

 

 

 「まぁ簡単に言えばそういう事になるな。そんな顔をするな少女よ。これも摂理なのだ」

 

 すると少女は猫を見たまま言葉を続ける。

 

 

 「そんなの悲しいよ。ダメだよ…」

 

 猫は首を振り近くにある水に体を滑らせる。

 

 「ダメっ!」

 

 「少女よ。何度も言うのは苦手なのでな。それに吾輩とて機嫌を損ねることもある。吾輩は溺れて死ぬ。吾輩は死ぬ。太平を得る。太平は死ななければ得られぬ。南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。ありがたいありがたい」

 

 

 そう言うと完全に猫は水に飛び込むが、なんと水が弾かれたのだ。どうしたのか

 

 「……どういうことだ。なぜ死なん」

 

 「かなしいよそんなの……」

 

 見ると少女が手を前に出してるじゃないか。少女は自身の身についた力で無理やり物語をねじ曲げたのだ。

 

 つまり、『吾輩は猫である』の最後は、『猫が溺死する』ではなく、『猫は死なず、生きる』という結末になってしまった

 

 猫は憤りをみせ、少女を見る。

 

 「まて、摂理を破るな」

 

 少女は猫を撫で、首を振った。

 

 「どうしても……なの?」

 

 猫は首を振った。

 

 「どうしても…だ。それが摂理、言わば結末なのだ。そもそも話を改変させるのはどうしたものか。その力は別のために使うものでは無いか」

 

 俺は少女の頭を撫でやめさせるように呟いた。そうすると、猫の足に水が流れ込む。

 

 

 「…分かった。元気でね」

 

 猫はやれやれと言ったふうに、だがしっかりと少女見つめて頷く。

 

 猫は水に落ちる。深く深く闇の中へ。太平を得るために闇の中へと沈んでゆく

 

 


 

 

 俺はシガーロスの頭を撫でた。

 

 「だめだろ?能力を使っちゃ。ただでさえ怖いのに」

 

 物語を見れば別の文章になっていた。

 

 

 『するといきなり視界が明るくなる。体が勝手に水を吐き出す。暫く喘ぎ何があったのかと見回す。すると少女がこちらを心配そうに見つめていた。主人ではない。太平を得ることは出来なかった。だが、吾輩は死なず生きた。ありがたいありがたい』

 

 

 と別の文章が書かれていた。だが、それも一瞬ですぐに元に戻った。

 

 一瞬だが、それも見えないほどだが。猫はあの時笑顔になっていたような気がする。助けようとしてくれたことにか。はたまた結末を元に戻したからか。

 

 真相は分からないが俺はともかく今は寝たいと思った。

 

 

 

 

 水底の猫をすくえよノーチラス

 

 

 その言葉が頭に出てきた。

*1
小さな魔女の本名。シガーロス=ステファンスドッテイルと言う。名前難しいな…





 リクエスト通りに出来ましたでしょうか……
 どんどんリクエスト待ってます!

SCPのリクエストはこちら!

SCP-083-JP ノーチラスと猫
http://scp-jp.wikidot.com/scp-083-jp

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SCP解説のコーナー!

アイリス「今回はSCP-083-JP。ノーチラスと猫だよ!」

優磨「とは言っても、SCP-083-JP-Bの『猫』だけどな」

アイリス「まぁ、ノーチラスっていうオウムガイと合わせてのSCP-083-JPだからね……でもこの物語…感動しちゃうね」

優磨「何も救えないと思っていたノーチラスと、死ぬことしか出来なかった猫。いい感じに噛み合ってたな」

アイリス「うん!初めて見たかも……感動系…」

優磨「おいおい……歌う雨音もあっただろ…」

アイリス「ちなみに、「すくえよノーチラス」とは『救えよ』と『掬えよ』の2つが掛けられてるんだって!凄いよね!」

優磨「さては報告書を書いた作者天才だろ……」

アイリス「じゃ!また次回お会いしましょう!バイバ〜イ!」

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