どうやらSCPと言うのになったらしい   作:YY:10-0-1-2

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 遅れてすみませんした……。


ファイル47 その男、アイリスと

 

 ムッス〜とした顔をしてこちらを見てくるアイリスに、俺は頭を抱えていた。

 

 いきなりなんだコイツは。

 人の顔を見るなりなんなりそんなに睨みつけてきやがって。

 

 「……なんだよ」

 「……いや〜? 別に〜?」

 

 な ん だ こ い つ

 

 「なんだ?俺はなにかお前にしたか?」

 「……」

 

 シガーロスの方をちらりと見て、寝ていることを確認した後に俺の近くに来て話始めた。

 

 何だ?シガーロスに聞かれたらまずいのか?

 

 「アルファ-9入ったんでしょ」

 「……どっから聞いた?」

 

 アルファ-9。

 アイリスも入っている部隊のひとつで、機密情報てんこ盛りの部隊。

 

 アイリスの報告書にはアルファ-9の事、アイリスがアルファ-9の部隊に入ってるだとかは全て誤りである。と記載されてるが、アイリスが俺に聞いてきたってことは……。

 

 「お前もアルファ-9の1人か」

 「……」

 

 アイリスは体育座りをして、俺の肩に頭を乗せる。

 

 「やめておいた方が良かったのに」

 「……アベルの事か?」

 

 アイリスにそう聞くと、黙り込んでしまった。

 アベルに関しては知ってる。いつだったか、2000-JPが変なものを持ってきてたから見てみたら……。

 

 「怖いの」

 「何が?」

 

 アイリスが口を開いたかと思えば、それは震えた声であった。

 俺はアイリスの方を横目で見て、ビックリした。

 

 泣いてんだもん。

 

 「もう、あんな目に遭うのは嫌」

 「……お前は、最前線には出ないだろ?」

 「でも、優磨は出るでしょ?」

 

 ……。

 

 吸血鬼。不死身で不老。高い身体能力を持っている。

 

 でも、財団内(ここ)では、それもただの異常なだけ。言ってしまえば、俺は不死身なだけの人間なのだ。

 

 こき使われるに決まってる。

 言ってしまえば、死なないDクラス職員なのだから。

 

 「優磨は、危険なヤツらと何度も対峙したことあるんでしょ?」

 「何度も……って訳でもないけどな…」

 

 事実、そんな対峙したことはない。主に俺がやるのはクロステストという名の雑用係的なものだから。

 

 アルファ-9に入れば、きっと、俺みたいにイカれてなかったら、普通の人には耐えられないだろう苦痛を、俺は何回も味わうことになる。

 

 今までの、財団に入る前の人生は、危ないことはそんなにして来なかった。

 

 

 「優磨、きっと疲れちゃうよ…。きっと……いつか、限界が来る。そしたら、優磨は……」

 「大丈夫。自分で死ぬようなことはしないし、死なないし」

 

 アイリスの頭に手をポンっと乗せる。そのまま少しだけワシャワシャと撫でてみる。

 

 「アベルみたいなことはしねぇ。例え、俺の意識が無くなったとしてもね」

 「……ん。分かった。信じてる」

 

 アイリスは少しだけ微笑み、目元を拭う。

 俺はそれを見て、少しだけほっとする。すると、ギシッとベッドが軋む音がする。

 

 「……ん…」

 「シガーロス、起きたのか」

 「もう、優磨の声が大きいから…」

 「はぁ?!」

 

 シガーロスはトテトテとこちらに来て、俺の頭とアイリスの頭を撫でる。

 

 「大……丈夫…」

 「……! プッハハ!だってよ、アイリス!」

 「フフ……。ほら、もう遅いし、寝ようか」

 

 アイリスはシガーロスを持ちあげようとして、俺がそれを手伝う。

 

 シガーロスは、再び目を閉じ、眠ってしまったのか、寝息を立て始めた。

 それを見て、アイリスと俺は少しだけ微笑むのであった。

 

 

 

 

 

 

 ■

 

 

 

 

 

 「…まるで夫婦ね」

 「キー! 私が優磨としたいのに!」

 「ちょ、ライツ博士……」

 

 部屋の窓から一連の流れを見ていたライツ博士が金切り声を上げ、それをライト博士とカインが止める。

 

 カインがそれにしても、と会話を切り出した。

 

 「アベルみたいなことにはしない……か」

 「どこで知ったのかしら……あぁ、頭が痛い…」

 

 ライト博士が頭を抑えて、カインが苦笑いを浮かべる。

 ライツ博士は依然変わりなく、ハンカチを噛み、勢いよく涙を流している。

 

 「はっ……これがJapaneseNTR……?!」

 「いや、違いますから」

 

 カインがツッコミを入れる。

 

 「この様子じゃ、シガーロスが入ったらアイリスがさらに病むわね」

 「ですね。やっぱやめておいた方がいいと、上に伝えてください」

 

 ライト博士は少しだけ考え込み、頷く。

 カインはそれを見て、ホッと胸を撫で下ろす。

 

 「(優磨君………)」

 

 ライト博士とライツ博士がその場から離れ、仕事しにいそいそと向かう。

 そんな中、カインは、独りでに想いに馳せるのであった。

 

 「(()()()()()()()()()()()()。頼むよ。君が……君だけが頼りだから)」

 

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