どうやらSCPと言うのになったらしい   作:YY:10-0-1-2

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 汝、"神"を試すなかれ。


ファイル48 その男、神との対話

 

 「やぁ、入ってきたまえ……えっと、そう優磨君」

 「…………」

 

 俺は部屋に入っての前の椅子に座る。

 目の前の老人……いや、()に対して俺は言った。

 

 「長くなりそうだし、お茶貰っていい?」

 「君はもしかして緊張感ないのか??」

 

 

 

 

 

 ■

 

 

 

 SCP-343『神』

 オブジェクトクラスはsafeである。

 

 このSCPは、タイトルから分かる通り、神そのもの……らしい。

 というのも、今回のクロステストの話はなんとこの神から出てきたのだ。

 

 神はどうやら、俺に興味があるらしく、少し悩んだりもしたが、今回のクロステストを実施することにした。

 

 

 ……ひとつ言うと、俺はSCP-2000-jp(伝書使)のお陰で多少読めないところとかもあるが、報告書が読める。

 

 そして、説明のところにこう書いてあった。

 

 『SCP-343は見た所人種不明の全知全能のように見える男性です。SCP-343はプラハの街道を歩いているところを発見され、街道から消えて屋上に現れた所を目撃された後に引き留められました。SCP-343は収容することが不可能ですが、彼の部屋に喜んで留まってくれています。』

 

 ……ちょっと待ったと思ったそこのあなた。俺もツッコミを入れさせてもらおう。

 

 まず、全知全能のように見えるって何?

 んでもって「収容することは不可能」と。それってKeterって言わないかな?

 

 というかそもそも、人型実態は「本質的に何をするか予測不能」とされていて、俺もそうだが殆どはEuclidなのだ。

 そもそも、財団が手を打って収容してる訳じゃない時点でもう駄目だろ。

 

 というか、異常性を書け異常性を。

 

 特別収容プロトコルも酷いもので、要約すると…。

 

 『要求されたら必ずそれ支給してね』と『対策の追加は出来ないからね。っていうか、するな』だったり。

 

 

 まぁ、勘が鋭い人なら分かるとは思うが。

 

 兎にも角にも、会ってみなくては分からないということであった訳なのだが……。

 

 

 「おっ、そこにナイトを置くか……なら、王をこっちに移動させてみようか」

 「……なら俺はルークをこっちに…いやいや、待て待て、違う違う

 

 なんでコイツは俺と一緒にチェスをしてるんだよ!

 

 するとSCP-343は「おやっ、チェスは嫌いか?」とか行ってきた。喧しいし、やってること違うし。

 

 そもそも何だこの部屋。いつも見てる殺風景な部屋とは一転して燃え盛る暖炉まで完備した、古い英国風の高級家具で飾られてんじゃねぇか。

 

 

 「あんた、俺を呼んだんだろうが!」

 「そうだったそうだった……ハッハハハ」

 「笑い事じゃねぇぞお前……」

 

 デジャブを感じかけたが、今回はコイツからだ。ライツ博士や御先管理員とは違う。

 

 「…監視カメラとか監視職員は全部もう()()から……正直に答えてくれたまえよ」

 「…用意がいいようで……いや、どちらかと言えば無くしたが正しいか?」

 

 俺の言葉にフフフッと笑うSCP-343。

 

 「君は勘が鋭いようだね……聞きたいのは、『なぜ君がここにいるのか』だ」

 「……?どういうことだ?」

 

 俺の言葉にSCP-343はやれやれと言った感じに首を横に振る。

 なんかムカつくな。

 

 「君は吸血鬼のようだな」

 「……あぁ」

 「そして、SCPとして収容された…」

 「何が言いたい?」

 

 俺は赤い瞳を光らせ、SCP-343を睨む。

 SCP-343は肩を竦め、やめろと言いたそうな顔をする。怖いのか?

 

 「君の力ならば、財団から逃げ切ることは簡単だろ?何故それをしない?」

 「……俺は、元々人間だ。そして、吸血鬼である事も知らなかった」

 

 最初の方は確かにそうだった。

 肉を無性に食べたくなることもあれば、十字架を見て…やっぱいいや。

 

 とにかく、俺はこれを異変だとは思ってなかったわけだし。

 

 「でも、今の君なら簡単に財団を潰すことは可能だろう?」

 「……あぁ…そうだな」

 

 簡単……かと言われれば確かにそうなのかもしれない。

 

 けれども、今俺にあるのは……。

 

 「…もし仮に俺がここを潰そうと考えても、ここには()()()()()が出来すぎたな…」

 「甘いな……砂糖よりも甘い」

 「知らんわそんなこと」

 

 SCP-343はつまらなそうに顔を顰める。

 それを見て、俺は適当にそう返す。

 

 「そもそも、なんでそんなことを?」

 「……私は《神》だ。全知全能である。この意味が分かるだろう?」

 「……まぁな」

 「少し先の未来、君に大変なことが起きるだろう」

 

 ……なんだそれ。やだ怖い。

 

 「君は、これをどう乗り越えるつもりだ?今のうちにその大事なものを持って逃げたらいいんじゃないかい?」

 「……そうだな。もしそんなことが起きちまったら…」

 

 俺はニヤッと顔を歪める。

 

 「無理にでも乗り越えてやるよ」

 

 SCP-343は心底驚いたように、だが、どこか楽しそうに俺を見つめる。

 そして、その口を開く。

 

 「楽しみにしているよ。どう乗り越えるのか……な」

 「あぁ、楽しみにしてろ神様」

 

 俺はそう言って、部屋を出る。

 クロステストの時間は、既に終わっていた。

 

 

 俺は、SCP-343の言った大変なことについて考え、目を瞑る。

 

 アイツは何を言いたかったのか。それを知るには、もう遅かったのかもしれない。




SCP-343 神
http://scp-jp.wikidot.com/scp-343

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