どうやらSCPと言うのになったらしい   作:YY:10-0-1-2

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 アベル、2話に及ぶゲスト出演ありがとうございました!(笑)


ファイル54 その男、帰ってくる

 

 【何をする!?】

 

 優磨の精神の中で、優磨は目の前の吸血鬼の首を絞めていた。

 強い力で絞められたことで、小さな呼吸音が口から漏れる。

 

 「諦めてたよ…正直ね」

 

 優磨が独白するかのように呟く。

 だがな、と続けるとさらに首を絞める力が強まる。

 

 「俺は、シガーロスとアイリスを……いや、それだけじゃねぇ。俺と関わってるやつら、俺が友達になったヤツらを殺させる訳には行かねぇんだよ……っ!!」

 

 優磨の目に血管が迸る。

 

 「お前が死ねっ!!」

 【クソガキがっ!!】

 

 吸血鬼は、優磨の腕を振り払い、殴る。

 優磨は振り払われたことで、手を離してしまい、殴られたことにより地面に倒れる。

 

 だが、汚い叫び声と共に優磨は立ち上がり殴る。

 吸血鬼の顔面を何度も何度も殴り、優磨の腹が手刀により貫かれる。

 

 ゴフッと血を流すが、吸血鬼の身体に噛みつき、再生させる。

 

 ──正気かこのガキ!!!

 

 まさかの自体に吸血鬼は驚いていた。

 掌握したかのように思えた存在が、歯向かってきて、尚且つ自身の能力を使い、その能力の諸悪の根源を殺そうとしているのだ。

 

 吸血鬼は、優磨を振りほどこうとした時、優磨のしたことに気付き、「しまった」と呟く。

 だが、既に遅かった。

 

 手刀したことにより、腹を貫かれた優磨。だが、それを逆手に取り、手刀した部分を再生させ、抜けなくしたのだ。

 さらに優磨は再び、右手に力を込めて殴り続ける。

 

 そして、血の雨が降り出して、吸血鬼が動かなくなる。

 

 「……」

 

 冷たい、血の雨が優磨の頬を撫でた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「優…磨……?」

 

 アイリスの言葉でハッとする。

 そうだ。俺は、あのクソ野郎に掌握されてて……殴り殺して……そんで……。

 

 俺は手に持っている血の銃を捨てると、辺りを見回す。

 

 ボロボロのサイト内。

 至る所に血が着いており、その激しさを証明していた。

 俺は、ふと、シガーロスに気づく。

 

 「……あっ」

 

 俺は言葉を発しようとして止める。

 

 シガーロスに、どう声をかければいいのか分からないのだ。

 こんな事しておいて、ジャンプの主人公よろしく「ただいま」なんて出来ない。

 人を沢山殺した。アベルも、殺した。

 

 そしてなにより、俺はこの2人を……目の前の2人を殺そうとしたんだ。

 

 そう考えてみると、俺って……よっぽどクソなんだな。

 

 考えれば分かる事だ。

 こんな、血で汚れた人間なんか、見たくないはずだ。

 

 俺は、シガーロスから目を逸らして後ろを振り向く。

 

 きっと、これから機動部隊が俺を捕らえに来るだろう。

 諸悪の根源(クソマスク)は、収容されるだろう。そこに転がってたし。

 

 俺は、黙り込む。

 きっと、俺は今とは違う、もっと頑丈で、厳重な部屋に閉じ込められるのだろう。

 そして、永遠に出されることは無いだろう。アルファ-9の件も取消のはずだ。

 

 そしてなにより……シガーロスと別れるな。

 

 シガーロスは、きっとこれ以上何も見たくないはずだ。

 離れよう。こっから。

 

 離れて、そうだな……機動部隊に大人しく捕まればいいさ。

 そうだ。俺の部屋の前に入ればいいか。そうすれば、分かりやすいだろう。

 

 「優磨」

 

 声をかけられる。

 何度も聞いたはずの声が、俺の中で反響する。

 

 振り向きたい。

 今すぐにでも振り返って、謝りたい。

 

 でも、無理だ。

 そんな資格、どこにもない。

 俺は……人殺しだ。大量殺戮を犯した、大犯罪人だ。

 

 「優磨、こっち向いて…?」

 

 無理だ。

 

 「優磨、話してよ」

 

 無駄だ。

 

 「優磨……!」

 

 俺は歯を食いしばる。

 そして、自身の顔面を殴る。

 

 だけど、それでも。

 

 「……」

 

 振り返ってしまうのは、俺が人の心を残しているからだろうか。

 

 そこには、今にも泣き出しそうにしているシガーロスの姿が。

 俺の目を見て、俺の顔を見て、俺を見ている。

 

 そして、走り出した。

 俺に、抱きついてくれた。

 

 「優磨……優磨ァ……! ゆうまぁぁ〜……!」

 

 泣きながら、ずっと俺の名前を呼び続ける。

 俺はそんなシガーロスを抱きしめようとしてふと止まる。

 

 「……ごめん、シガーロス」

 「……へ?」

 

 後ろに、冷たい何かを押し当てられながら俺は言う。

 

 「多分、もう一緒には暮らせない」

 「……なんで?」

 「なんでも、だ」

 

 俺はシガーロスの辛そうな顔を見て、再び考え込む。

 だが、もう決まってる。いや、決まるはずだ、これから。

 

 「これで、お別れだ」

 「……いやだよ」

 「シガーロス、体調に気をつけろよ」

 「いやだよ!!」

 「シガーロス」

 「……っ!」

 

 俺の言葉に、シガーロスが止まる。

 俺は出来る限りの微笑みを作る。

 

 「ありがとな」

 

 俺はそう言って後ろにいる機動部隊に捕まるのだった。

 

 そう。これでいいんだ。

 俺は、自分の意識が暗闇の中に落ちていくのを感じながら、目を閉じる。

 

 きっと、みんな赦してはくれない。

 だから、永遠に償うんだ。

 

 この、クソ喰らえという名の永遠の命で。





 諸悪の根源なにのフェードアウトして最終的に捕まるクソマスクさんおっすおっす。


 
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