特化にしたいので極振りしてみた、と言うゲーマー達の話   作:ウィンド

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ペインとミィのテイムモンスター同士のバトルを見て、『ポケモンバトルやん!?』と思ったのは果たして私だけだろうか・・・


速度特化と第一回イベント

イベントが始まり、サマーはイベント専用マップに転移させられた。

 

「よし、それじゃあ始めるか、『飛翔』!」

 

サマーは飛翔を展開させて飛び立った。

 

「そして、『アマツ・覚醒』!」

 

「ストォク!」

 

「アマツ、『ヌシの絆』大空ノ支配者、岩運び、韋駄天を共有!」

 

サマーはアマツのスキル、ヌシの絆を発動させる。

 

スキル【ヌシの絆】

発動したテイムモンスターは、絆の架け橋所有者のスキルを三つまで共有出来る。

(レベル15につき、スキルの共有数が一つ増える)

 

 

アマツ

Lv14

 

HP 86/86

MP 76/76

 

【STR 109】

【VIT 79】

【AGI 106】

【DEX 51】

【INT 59】

 

スキル

【覚醒】【休眠】【ヌシの絆】【つつく】【翼打ち】

【風切り】【岩落とし】【いちゃもん】

※〔【大空ノ支配者】【岩運び】【韋駄天】〕

 

 

「さあ暴れるぞアマツ!」

 

「ストォク!」

 

サマーとアマツはその場から暫く移動すると、六人程のプレイヤーの団体を見つけた。

 

「まずはアイツ等だ、行けアマツ!」

 

「ストォク!」

 

アマツはプレイヤー達に突っ込んで行った。

 

「アマツ、『いちゃもん』!」

 

サマーの指示と同時にアマツがプレイヤー達に向かって叫ぶ、するとプレイヤー達の周りに赤黒い光が灯って消えた。

 

「なっなんだ!?」

 

「なっなんでモンスターが!」

 

「迎撃するわ、『ファイヤーボール』!」

 

「『パワースラッシュ』!」

 

プレイヤー達が放った魔法と攻撃をアマツはスキル共有のお陰で上昇したAGIで回避する。

 

「ちゃんと狙えよ!」

 

「分かってるわよ!『ファイヤーボール』!・・・えっあれ!?」

 

「『パワースラッシュ』!・・・なんでだ!?」

 

「おい何やって・・・」

 

「アマツ、『翼打ち』!『風切り』!」

 

アマツは翼を光らせながら周りのプレイヤー達にぶつけていき、翼を羽ばたかせて刃物の様な風を飛ばしてプレイヤー達を倒して行く。

 

「どうなってるのよ!なんで魔法が・・・」

 

「くそっ!スキルが使えねぇ!」

 

「『ゲイルショット』」

 

スキルと魔法を発動出来ずに同様しているプレイヤーにサマーは背後から一撃を放つ。

 

「よし・・・偉いぞアマツ良くやった!」

 

「ストォ〜ク♪」

 

サマーが頭を撫でるとアマツ嬉しそうに声上げる。

 

「それにしても、アマツが覚えたスキルも中々だな」

 

スキル【いちゃもん】

五分間の間、効果を受けたプレイヤー、モンスターは連続で同じスキルを使えなくなる。

 

スキル【翼打ち】

力を込めた翼を打ち込む。

 

スキル【風切り】

鋭い風で相手を切り裂く、40%の確率でクリティカルが発生してスタン状態にする。

 

「よし、それじゃあアマツ、次行くぞ」

 

「ストォク!」

 

サマーとアマツは次の場所へと移動した。

 

 

 

その様子を観戦モニターで見ていたプレイヤー達は驚きを隠さなかった。

 

「何だよあれ、テイムモンスターか?」

 

「あんなの何処で手に入れたんだ?」

 

「それよりこれ裁定どうなんの?本人のスキルだろうけど本人が直接倒した訳じゃないだろ?」

 

「それ以前にアイツの飛んでるあのスキルなんだよ」

 

 

 

それからサマーとアマツは、プレイヤーは見つけ次第攻撃していっている。

 

「アマツ、『岩落とし』!」

 

「『ゲイルフォース』!」

 

「『ロックブラスト』!」

 

「アマツ、『風切り』!」

 

「『ゲイルショット』!」

 

「「「ギャアアアアア!!!」」」

 

他のプレイヤー達に同情である。

 

 

 

「「「「「うわぁ・・・」」」」」

 

観戦しているプレイヤー達から声が上がる。

 

「このプレイヤー、やばくね?」

 

「相方のテイムモンスター抜きにしても、なんだよあのAGI、空飛んでるのもあるだろうけど攻撃当たってねぇ・・・」

 

「私40振ってるけどあそこまで速く動けないわよ、少なくとも三桁は確実に超えてる速さよ」

 

実際は四桁を超えているのだが、この場にいる者でそれが分かるプレイヤーは居ないだろう。

 

「そんだけのAGIなら火力不足にならね?」

 

「確かに、なのにさっきからエグい威力だ、殆どが致命傷レベルだぞ」

 

「つかさっきからオーラみたいなの纏ってね?」

 

現在のサマーのステータスはこうなっている。

 

 

サマー:Lv38

HP 40/40

MP 32/32

 

【STR 0】

【VIT 0】

【AGI 210〈+50〉】

【DEX 0】

【INT 0〈+20〉】

 

装備

頭【大空ゴーグル:鋭利ノ眼】

体【大空ノ羽衣:飛翔】

右手【大空ノ杖:岩運び】

左手【大空の小盾:鳩胸】

足【大空ノ洋袴:大空ノ支配者】

靴【空欄】

装飾品 【絆の架け橋】【空欄】【空欄】

 

スキル

【風魔法Ⅵ】【土魔法Ⅳ】【闇魔法Ⅱ】【韋駄天】

大物喰らい(ジャイアントキリング)】【魔法の心得 Ⅶ】【MPカット 中】

【MP回復速度強化 中】【MP強化 中】【知能強化 中】

【思考加速】【体術】【跳躍 Ⅱ】【翼の舞】【制空権】

【空蝉】【超加速】

 

 

サマーの魔法の火力、つまりINTはVITが無振りでさえ無ければ、数値次第では耐えられる程、だがサマーは更にそこからAGIが高ければ威力を上がる『ゲイル』と岩に関する魔法の威力が上がる『岩運び』がある、これこそがサマーがAGIを極振りしているのに火力が補えているカラクリであり、そしてサマーは更にその火力を補うスキルを手に入れていた。

 

スキル【翼の舞】

滞空時に攻撃を躱す度にINT1%上昇。

最大100%、ダメージを受けると上昇値は消える。

取得条件:レベル25到達まで攻撃によるダメージを受けない。

 

スキル【制空権】

滞空時に全てのステータス二倍。

取得条件:空中で五十体以上のプレイヤー、モンスターとの戦闘でダメージを受けずに勝利する。

 

スキル【空蝉】

一日に一度致死ダメージを無効化する。

一分間【AGI】50%上昇。

取得条件:レベル35到達まで攻撃によるダメージを受けない。

 

スキル【超加速】

一分間AGIを50%アップ

 

これらのスキルがサマーの火力を引き上げているのである。

 

「さてとかなり倒したな、疲れてないかアマツ?」

 

「ストォク!」

 

アマツは翼を大きく広げてまだやれるとアピールする。

 

『さあ!残り後一時間どら〜、現在の順位は、こちらどら〜!』

 

空中に順位が表示される。

 

一位 ペイン

二位 サマー

三位 ドレッド

四位 メイプル

五位 ミィ

六位 ロキ

七位 コウ

八位 ソラ

九位 ドラグ

十位 カスミ

十一位 シン

十二位 マルクス

十三位 クロム

十四位 ミザリー

十五位 フレデリカ

 

『因みに、一位のペインさんと二位のサマーさん、それから七位のコウさんと八位のソラさんはそれぞれ同率どら〜』

 

「俺と同率か、相当やるみたいだな、このペインってプレイヤー・・・って!メイプルが四位!?アイツのステータスじゃどう足掻いたって・・・」

 

メイプルのステータスはVIT極振り、即ちAGIが0で機動力が無い、更にはMPが多い訳ではない為、幾ら毒竜の力を意のままに操れてもそれを行使する術が無ければ意味が無い、言うならば今のメイプルは壁に衝突しても壊れないが、加速も出来ない燃料が切れかけの車の様な物だ。

 

まあ実際は皆さん御存知、『悪食』と言うスキルのお陰なのだが、サマーがそれを知るのはイベント終了後である。

 

「メイプルが気になるが、同率二位ってのは黙っておけないな、目前だって言うなら目指すは一位だ!」

 

「ストォク!」

 

アマツもサマーに同意して再度翼を広げる。

 

『なお、今から一位から五位までのプレイヤーを倒すとポイントの三割が譲り渡されるよ、五人の位置情報はマップに表示されるどら〜!』

 

「つまりポイント稼ぎにプレイヤーが向こうから寄って来るって訳か、寧ろ好都合・・・と言いたいが、ペインも条件は同じだから結局は鼬ごっこだな」

 

プレイヤーを一人倒してポイントを獲得しても、ペインも同じく一人倒してしまったら意味が無い、ペインを追い越し一位になるにはペインの倍の数のプレイヤーを倒す必要がある、サマーのAGIならばそれは可能だ、だがサマーはもう一つの方法(・・・・・・・)を導き出していた。

 

「・・・それが一番手っ取り早いな、行くぞアマツ」

 

「ストォク!」

 

そしてサマーはとある場所に向かった。

 

 

 

サマーが目的の場所に到着する、そしてそこには青のラインが入った虹色に輝く鎧と青いマントを羽織り、装備されているその大剣から騎士を思わせる出立ちをしていた。

 

「ん?君は・・・成る程、君がサマーだね」

 

「初めましてだな・・・ペイン」

 

「何だか面倒な事になったね、ついさっきもプレイヤー三十人に囲まれて困ってたんだよ、まあ全部倒したけどね」

 

「俺もだよ、ここに来る途中に俺も三十人のプレイヤーに足止めされそうになってな、まあ俺も一人残らず倒したけどな」

 

「態々こんな所まで来て、何の用だい?」

 

「惚けるなよ、どうせ言わなくても分かってるだろ?」

 

「ふっ、それもそうだな・・・」

 

「相手になって貰おうか、ペイン!」

 

そう、サマーが導き出したもう一つの答え、それは同率一位のペインを倒す事だ、ここで仮にサマーが勝てばサマーが一位になり、ペインがそれを逆転するにはもう一度サマーと戦い、倒さなければならないのだがサマーのAGIで本気で逃げれば追いつける者など居る訳がない、だからと言って他の上位五人を倒して周る時間などない、だがそれはサマー自身にも言える事、仮にペインに敗れてしまえば逆転するにはペインとの再戦、そして勝利する事なのだ。

 

「断る理由は無い、そちらのテイムモンスターか?君も参戦してくれても構わないよ」

 

「いや、相手になるのは俺一人だ・・・アマツ、『休眠』」

 

サマーの言葉にアマツは何も言わず、絆の架け橋に戻った。

 

「なんの真似だ?二対一の方が有利だと思うが?」

 

「だからだよ、『相手にテイムモンスターが居たから負けたんだ』なんて言われたくないからな、それにアマツがやられたらこのイベント中は出せなくなる、万が一負けた場合の保険だ、まあ勝たせて貰うけどな」

 

「良いだろう、その心意気は買おう!」

 

お互い装備を構える、後にこの戦いは『最強プレイヤー決定戦』として語られる事となる。

 

「勝負だ、サマー!『破砕ノ聖剣』!」

 

「望む所だ、ペイン!『ゲイルフォース』!」

 

剣と嵐がぶつかり合い、今、戦いの火蓋が切られた。




サマー視点は長くなるので一旦終了です、次回はロキ視点です。

感想や評価、後は誤字脱字等の報告もお待ちしております。

極振りするならどっち?

  • STR(攻撃力)
  • VIT(防御力)
  • AGI(素早さ)
  • DEX(器用さ)
  • INT(知能)
  • HP(体力)
  • MP(魔力)
  • いやちゃんと考えて振るよ

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