特化にしたいので極振りしてみた、と言うゲーマー達の話   作:ウィンド

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『ゼロの秘宝』まで特にやる事がない・・・


防御特化と新たな特化

メイプル、コウ、ソラの三人が洞窟から出てくる。その足取りはAGI0ながらもとても軽やかだ。

 

「「「二層だぁあああ!!!」」」

 

そう。このNWOで二層と言う新しい階層が追加され、今回はそこへ行く為に一層のエリアボスを討伐に来たのだが、三人の反応を見れば結果は明らかだろう。

 

「元気だな。途中で気絶してた癖に」

 

その洞窟の後ろからサマー、サリー、ロキが現れた。

 

「「「うっ!」」」

 

「そうだよ三人共、それにロキが居てくれたから楽に勝てたんだから」

 

ボスとの戦闘で三人は攻撃を受けて気絶してしまい、ロキの極振りされたSTRのおかげでクリア出来たのである。

 

「まあまあサリー、今回の失態は次のイベントで精算させれば良いだろ?期待してるぞ、お前等」

 

「うん!任せてよ!皆は私達が護るから!」

 

「この為に色々準備して来たしね」

 

「誰が相手だろうと負けないぜ!」

 

「それでさっきボスにやられたのは何処の誰かな〜?」

 

「「「ぐぅっ!」」」

 

「ハハッ、本当お前達と居ると退屈しなくて良いな」

 

「ロキも悪かったな。本当はイズと来たかったんだろ?」

 

「まあ他のプレイヤーからの注文があったみたいだし仕方ないさ。まあ後で兄貴とも合流してからまた来るけどな」

 

「そうか。所でヌシの迷宮には行って来たのか?」

 

「あぁ、俺もお前と似たようなスキルが手に入ったわ。まあワンキルで目の前に戻れるから次で十八回だ。探究者は五まで上がったよ」

 

「・・・コウ、ソラ。お前達次はいつ行く予定だ?」

 

「?時間あるしこの後行こうかなって」

 

「次でレベル上がるし」

 

「・・・ロキ、悪いんだが、この後コウ達に同行してもらえないか?確かめたい事があってさ」

 

「この二人にか?確かめるって何を?」

 

サマーは先日の事をロキに話した。

 

「成る程な。そりゃ確かに気になるわな・・・良いぜ、同じ反応されるか確かめれば良いんだな?」

 

「あぁ、助かるよ」

 

「サマーお兄ちゃん来ないの?」

 

「悪いな。二層の開拓と・・・先約があってな」

 

サマーが指差す先には先程からこちらを顔を赤らめソワソワしながら見ているサリーの姿があった。メイプルはその隣で微笑ましい物を見る目をしていた。

 

「なら仕方ないな。そんじゃあ俺達だけで行くか」

 

「はい!」

 

「よろしくお願いします!」

 

そう言って、三人は一層に戻る為に各階層の中央に設置される事になったフロア移動用の転移門に向かった。

 

「頼んだぞ・・・待たせたなサリー、俺達も行くか」

 

「うっうん!メイプルごめんね!」

 

「良いよ気にしないで。私もこの後約束があるからログアウトしなきゃだし」

 

「約束?何処か行くのか?」

 

「えへへ〜♪」

 

(・・・あ〜アイツ(・・・)か)

 

 

 

視点変更(メイプル→楓)

 

楓はログアウトし、少しお洒落な格好をして最寄りの駅まで来ていた。

 

「えっと・・・あっ!海く〜ん!」

 

楓が大きく手を振る先には、群青に近い青い髪をした少年がそこに居た。

 

「本じょ、じゃなかった・・・楓」

 

彼の名は『海人(かいと)』。楓と理沙のクラスメイトでクラスでは委員長を務めている。

 

「あんまり無理しなくても良いんだよ?」

 

「そうはいかない。折角恋人(・・)になったんだ、苗字のままってのもな・・・」

 

そう、この二人は恋人同士である。楓がクラスの為に頑張る海人の姿を見ておりその姿を見ている内に、海人もまた手伝いなどをしてくれる楓にお互い好意を寄せ惹かれるようになり、交際するまでに至ったのである。

 

「それじゃあ、まずは何処行こうか?」

 

「そうだな・・・すまないが本屋に寄っても良いか?」

 

「良いよ。参考書でも買うの?」

 

「いや、妹に漫画を買ってくるよう頼まれてな。忘れない内に済ませておきたい」

 

「分かった。じゃあ行こう!」

 

買い物を済ませ、二人は本屋から出て来た。

 

「すまないな。俺の私用に付き合わせて」

 

「気にしなくて良いよ。海くんは妹想いなんだなって思うとちょっと嬉しくなっちゃって」

 

「そう言えば楓も下に兄弟が居るんだったな」

 

「うん!仲良しだよ!」

 

他愛もない話をしながら歩いていると、楓の目に電化製品の売り場が映る。

 

「あっ、あれって・・・」

 

そこにはNWOのソフトがかなり目立つ様に並んでいた。

 

「最近の話題ゲームって書いてるな。知ってるのか?」

 

「知ってるよ!凄く面白いんだよあれ!」

 

「そうなのか、楓ゲームとかするのか?あまりそう言うのは苦手だと思ってたが・・・」

 

「アハハ、いや実はそうなんだけどね。理沙と弟達に頼まれて始めたんだけど、これがまた面白くて・・・」

 

「・・・そうか」

 

海人はNWOのソフトを眺めていた。

 

「俺でも出来そうか?」

 

「え?私でも出来るくらいだから出来るんじゃないかな・・・えっ海くんもしかして始めるつもり!?」

 

「あ、駄目だったか?」

 

「ううん!寧ろ嬉しい!海くんと一緒のゲームが出来るんだもん!」

 

「俺も、楓がしているならやってみたいと思ってな」

 

「分からない事とか教えてあげるよ!私イベントで四位になる程の実力者だから!」

 

「そうなのか?凄いな」

 

「えへへ〜、そうでしょう♪」

 

その後、海人はハードを持っていなかったので、ハードとソフトをセットで買い、早速プレイする事にしたのである。

 

「楓は先にログインしているって言ってたな。まずは設定か・・・」

 

海人はゲームを起動させた。

 

「名前、本名は流石にマズいよな。なら海人の『海』からとって『オーシャン』で良いか・・・武器か、剣や槍が扱える訳じゃないからな。楓が何を使ってるのか聞いておけば良かったな・・・ん?」

 

海人の目には浩将がサマーとして使っている魔法使いに目をやる。

 

「魔法使い・・・折角のゲームだ。こう言う場でしか楽しめないものにするか」

 

武器を選び、次はステータスを振り分ける工程なのだが、ここで問題が生じた。

 

「STRは筋力、そこまで非力ではないし振る必要がないな。俊敏さのAGIもだし、他も振る必要性がないな。ならここはこのINTに振るか。魔法使いなら相性が良いみたいだしな」

 

海人は今までゲームをした事がない所為なのか、ステータスを現実世界のステータスから上書きするような物だと思い込んでしまっていた。その為海人は魔法の威力を高めるINTに極振りしてしまい、ゲームを始めてしまった。

 

 

 

視点変更(海人→オーシャン)

 

そしてオーシャンは街に転移した。転移した瞬間に目の前にメイプルが居た。

 

「わぁ!?びっくりした〜」

 

「楓!すまない、待たせたか?」

 

「ううん、私もついさっきログインしたから。あっ後、私はここではメイプルって名前だから!」

 

「そうか、本名は駄目だったな・・・すまないメイプル。俺はオーシャンだ」

 

「オーシャンだね、改めてよろしくね・・・それでオーシャン、ステータスどんな風にした?」

 

「ステータス?それなら・・・」

 

 

オーシャン:Lv1

HP 40/40

MP 12/12

 

【STR 0】

【VIT 0】

【AGI 0】

【DEX 0】

【INT 100〈+9〉】

 

装備

頭【空欄】

体【空欄】

右手【初心者の杖】

左手【空欄】

足【空欄】

靴【空欄】

装飾品 【空欄】【空欄】【空欄】

 

スキル

なし

 

 

「INT極振り!?」

 

「えっ駄目だったか?」

 

「あ〜、私もやっちゃってるから強く言えないけど・・・ちょっと歩いてみて?」

 

「歩けば良いのか?・・・なっなんだこれ!」

 

オーシャンは数歩歩くが、AGI0な為早く歩けない。

 

「AGIに振ってないと、あんまり早く歩けないんだ」

 

「そうだったのか。現実のステータスが反映されるのかと思ったんだが・・・私もって事はメイプルも?」

 

「うん!私はVITに極振りだよ!」

 

「防御力か。なら俺はどうしたら良い?」

 

「う〜ん、INTに極振りは私も初めてのパターンだしな〜・・・サマーに来てもらってアドバイスをもらおうかな。いやでもそれはサリーに悪いしな〜、折角二人っきりなれたんだし・・・」

 

「誰だ、そのサマーとサリーって」

 

するとメイプルは周りを見渡すとオーシャンの耳まで顔を持って来た。

 

「サリーは理沙の事だよ。サマーは理沙のお兄ちゃん」

 

「白峯か。アイツお兄さんいたのか」

 

「でね、オーシャンだから教えてあげるんだけど、サリーはサマーの事が好きなんだ」

 

「?兄妹なら珍しくも・・・あぁ、そう言う事か」

 

兄妹仲の事かと思ったオーシャンは、すぐに恋愛感情があるものだと理解した。

 

「それにしても意外だな。アイツはゲーム一筋だと思ってたが」

 

「アハハ、否定出来ないや・・・オーシャンは兄妹で恋愛なんて可笑しいって思う?」

 

「思わないな。愛の形は人それぞれと言うし、俺は可笑しいとは思わない、それに・・・」

 

「?」

 

「人を好きなる素晴らしさは、俺自身がよく理解している」

 

メイプルは少し顔を赤くするが、オーシャンに向かって優しく微笑む。

 

「あっでね、今日折角二人っきりになれてるから、邪魔したら悪いなって・・・」

 

「確かにそれは、お兄さんの方は兎も角、白み・・・サリーには申し訳ないな」

 

「でしょ?だからサリーの為に呼ばない方が良いかなって・・・」

 

「私が何?」

 

「いやサマーと二人っきりだから呼ぶのは悪・・・ってうわあああ!?サリィー!!?」

 

後ろから声をかけられてすぐに振り向くと、そこにはサマーとサリーが居た。

 

「なっなんでここに居るの?二層の開拓は!?」

 

「今日の分は終わって、そこの喫茶店でお茶しようって話になったら、ログアウトした筈のメイプルがログイン状態だったから気になって来たの」

 

「予定があるんじゃなかったのか?」

 

「ちょっと色々あって・・・」

 

「てか、なんで委員長がここにいるの?」

 

「面白そうだから、始めてみる事にしたんだ」

 

「クラスメイトか?」

 

「うん、委員長やってんの。でメイプルの彼氏」

 

「へぇメイプルの、お前もそう言う年頃か・・・サマーだ、よろしくな」

 

「初めまして、俺はオーシャンです」

 

「見た所魔法使いだな?懐かしいな〜俺にもこんな時期あったわ」

 

「で?私達がどうしたの?」

 

するとメイプルは気不味そうにするが、オーシャンの仕方ないと苦笑していう顔を見て諦める事にした。

 

「もう、別に気にしなくても良いのに」

 

「そう言う事なら、喜んで引き受けるよ」

 

「なんかすいません、俺の為に態々・・・」

 

「同じ魔法使いのよしみだよ。それにしてもINT極振りとはな。こりゃ方針はしっかりしとかないとな」

 

「えぇ。それに俺、ゲーム事態も初めてなのでどうすればとかが分からなくて・・・」

 

「成る程、じゃあまずはどう言う魔法使いになりたいかだが・・・魔法使いは攻撃専門のウィザードと支援専門のプリーストの二種類があるんだが、INTつまり威力面の極振りだから、後者は諦めな」

 

「なら攻撃専門のウィザードって事ですね。サマーさ「さんは付けなくて良い、敬語も要らないから」分かりまし・・・分かった、サマーもウィザードなんだよな?」

 

「そうさ。俺はAGIに極振りしてるから、スピードアタッカーのウィザードだな。オーシャンの場合なら固定砲台のウィザードが良いだろ。メイプルと組むならデメリットはほぼ無いしな」

 

「固定砲台か・・・分かった。その方針で行こうと思う」

 

「なら大技とそれをカバー出来たり、自身のMP回復させるスキルが必要かな。他になんか希望あるか?」

 

「そうだな。名前がオーシャンだし水の魔法を極めてみようかと」

 

「ふむ、なら水魔法は必須だな。だとしたら後は心得とコストカットのスキルは欲しい。後はレベルを上げながらだな」

 

サマーはこの一層で購入出来る中から、今のオーシャンに必要なスキルを見繕う。

 

「あっ!そうだサマー、何処かまだクリアされてないダンジョン無い?オーシャンにもユニークシリーズあげたい!」

 

「ユニークシリーズ?」

 

「私達が着てる装備だよ!ダンジョンをソロでクリア出来た人しか持ってないんだよ!」

 

「へぇ、そう言う物もあるのか」

 

「だから無いかな、サマー」

 

サマーに手を合わせるメイプルに、サマーとサリーは互いを見るとフッと笑みを見せる。

 

「全く、タイミング良い事で・・・」

 

「丁度二層に、しかもオーシャンにピッタリなのがある」

 

「本当!あっでも二層か・・・」

 

二層には一層のエリアボスを倒した者しか入る事が出来ない。なのでオーシャンは現段階では入れないのである。

 

「大丈夫だメイプル、俺達も手伝ってやる」

 

「良いの!」

 

「乗りかかった船だしね」

 

「ありがとう二人共!」

 

こうして、メイプル達のオーシャンの育成強化が始まった。

 

 

 

二層

 

巨大な湖があるエリア。その中央にダンジョンの扉があり、数人のプレイヤーが辺りに集まっていた。

 

「あのダンジョン、水泳とか必要だなこりゃ」

 

「いやそれだけじゃ駄目だ。道中にAGIが高い魚モンスター達に襲われる・・・」

 

既に何人ものプレイヤーが中央のダンジョンへ挑むも断念する者もいる。遠目で見えるそのダンジョンの扉にはこう書かれいた。

 

『偽竜のヌシの迷宮』

〈※INT150以上で挑戦可能〉




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