特化にしたいので極振りしてみた、と言うゲーマー達の話   作:ウィンド

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防御特化と新たな仲間

三日目の朝、メイプルはオーシャンから受け取ったモンスターの卵を温めていた。

 

「温めるってこんな感じで良いのかな?」

 

「だと思いますが・・・」

 

「暫くそのまま様子を見ようか?」

 

「そうだね・・・オーシャンは今日も探索か〜」

 

「お手伝い出来たら良かったのですが、生憎私は水泳も潜水も所持してませんから」

 

「それにしても凄いよねオーシャン、あんな大っきな鯰になるなんてね」

 

「大鯰って言うスキルなんだよ!」

 

オーシャンが海の中を探索し終えるまでの間、セツナとカナデを交えて談笑するメイプル。

 

「そう言えば二人はイベント終わったらどうするの?」

 

「どうするとは?」

 

「あれ知らない?イベント終了後に暫くしたらになるけど、『ギルド』の設立が実施されるらしいよ」

 

「ギルド?」

 

「そう言えば、街ですれ違ったプレイヤーが似た様の事を言ってた気が・・・」

 

「知らないなら教えてあげるよ・・・ギルドとは、十人以上のプレイヤーで組まれる所謂パーティーみたいな感じなんだけど、10〜20人までを『小規模』、21〜50人で『中規模』、更にそれ以上は『大規模』って感じに分けられる」

 

「「ふむふむ」」

 

「今後のイベントは個人では勿論、ギルドでのイベント事も増えるみたいだし、何処かのギルドに所属する必要も出てくるかもね」

 

「ギルドか〜・・・」

 

「気軽に入って合わなければ辞める、と言うのは簡単に出来なさそうかもですね・・・」

 

「なら自分でギルドを結成するって選択もあるよ、どうやってやるかはまだ分からないけどね」

 

「ん〜・・・もしそうなら、私はサマーのギルドに入るかな」

 

「サマー?もしかして前回のイベント一位の?」

 

「メイプルさんとオーシャンさんのフレンドだそうです、私も現在進行形でかなりお世話になってまして・・・でも、確かにサマーさんなら自分で作る!って言いそうですね」

 

「うん!それにサマーなら信頼も出来るし!」

 

「そう言う事なら私もですね、サマーさんには恩がありますし」

 

「そうだ!カナデも一緒に入ろうよ、そしたらいつでもゲームとか出来るよ!」

 

「良いね・・・でも一旦保留かな」

 

「そっか・・・ってそうだ!セツナのレベル上げ・・・」

 

「いえ、今日はその卵を孵す事を優先しましょう、レベル上げだけなら明日でも出来ますし」

 

「ありがとうセツナ!」

 

「じゃあその間は僕の相手でもしてもらおうかな?」

 

そう言ってカナデはチェスを取り出す。

 

「望む所です!次こそは勝ってみせます!」

 

「頑張ってセツナ!」

 

数分後、セツナの悲痛の叫びが聞こえたと言う・・・

 

 

 

その頃オーシャンは海中を探索していた。

 

『そろそろ探索が終わりそうだな・・・』

 

水中だとAGIが上がる為、移動が可能な範囲での探索は終わりをむかえようとしていた。

 

『メダルは四枚、これで俺は金一枚と交換出来るな・・・余ったメダルはセツナに渡そう』

 

そしてマップを見ながら海中を移動する、そして遂にその探索を終えてしまった。

 

『メダル無し・・・これで海の探索は終わりか』

 

メイプル達の所に戻ろうとしたオーシャン、すると目の前に大きな魔法陣が描かれた結晶の塊が現れた。

 

『これは、またメダルゲットのチャンスか?』

 

そのまま魔法陣に入ろうとするが、反応は無かった。

 

『何故入れないんだ・・・』

 

疑問に思ったオーシャンに通知が届く。

 

『そう言う事か・・・』

 

オーシャンはそのまま陸に戻った。

 

 

 

オーシャンが引き返した頃、メイプルの温めていた卵が大きく揺れ動いていた。

 

「わっわぁ!?」

 

「産まれますよ!」

 

「ご対面だね」

 

そして卵の殻が弾けると、中から緑色の亀が飛び出した。

 

「カメェ」

 

「「・・・かっ可愛い!!!」」

 

すると亀はメイプルの方にヨチヨチと歩き、鎧にではあるがメイプルに頬擦りする。

 

「くぁwせdrftgyめいぷlp!!!」

 

「可愛いのは分かるけど、少し落ち着こっか?」

 

「凄く懐いてますね、やはりメイプルさんが温めていたからですかね?」

 

メイプルが落ち着くと、散乱していた殻が光って一箇所に集まると絆の架け橋に変化した。

 

「これ、オーシャンのと同じ・・・」

 

「じゃあ間違いなくこの子はテイムモンスターだね」

 

「では名前を付けてあげないといけませんね」

 

「もう決めてあるんだ、この子は『シロップ』!二人合わせてメイプルシロップだよ〜」

 

「カメェ〜」

 

メイプルに抱かれたシロップは嬉しそうに前足を上げる。

 

「はぁ〜良いですね!私も何だかテイムモンスターが欲しくなって来ました」

 

「もしかしたら、シロップみたいに何処かに卵が配置されてるかもね」

 

「サマー達は卵じゃなくてヌシの迷宮(・・・・・)で仲間になったって言ってだけど・・・ボスを倒しても仲間になるのかな?」

 

「ん?メイプルさっきヌシって言った?」

 

「うん、言ったよ?」

 

「もしかしたら、アレもそうなのかな・・・一層の鉱山でそんな名前のダンジョンを見つけたんだ」

 

「そうなの!」

 

『メイプル』

 

丁度オーシャンが帰って来た、だがオーシャンは大鯰を解除しなかった。

 

『ちょっと良いか?』

 

「あっオーシャンちょっと待って!急いでサマーに伝える事があって」

 

『サマーに?何かあったのか?』

 

メイプルは急いでサマーに通話を繋ぎ、カナデが話してくれた内容を伝えていた、オーシャンも内容を聞くと話に混ざる為に変身を解除した。

 

『五個目のダンジョンがあったのか・・・』

 

「間違いないよ、洞窟の奥にあってDEXが150以上必要って書いてあったけど」

 

『DEX・・・俺のAGI、ロキのSTR、コウとソラのVIT、そしてオーシャンのINT・・・成る程、五つのステータス毎にヌシが居たって事か、まあ冷静に考えてみれば当然だな』

 

「最初に見つけた時はパーティー用かと思ってたんだけど、よく見たらソロ攻略されてたんだよ」

 

『じゃあ間違いなく、ソイツは俺達五人と同じ・・・極振りプレイヤーだ』

 

「ですがDEXは器用さを示す数値ですよね?クリティカルの発生確率を上げる事が出来ますが、極振りするメリットがありません」

 

「そうなのか?」

 

「基本は20〜30くらいが平均だよ」

 

『クリティカルの確率は無振りでも5%ある、SPを3振る毎に2%上がる仕組みになってる』

 

「じゃあ合計で・・・」

 

「25%だ、初期段階の極振りで68%だが・・・確かにメリットが無いな」

 

「何で?クリティカルが出ればダメージが増えるんだよね?」

 

『それは間違った解釈だメイプル、クリティカルは元の(・・)ダメージを1.5倍にしてるんだ』

 

「つまりDEXを幾ら上げたって火力が低ければ意味が無いんだ」

 

「ですから、ある程度しか振らないと言うのが基本です」

 

「確かに0をどう倍にしても0だ、まともに戦えるとは思えない」

 

既にまともじゃないオーシャンが言っても説得力がないのだが・・・

 

『所がそうでも無い・・・あるんだよ、DEXが上がれば強くなる職が』

 

「そんなのあるの!」

 

『カナデとセツナは分からないけど、二人はその職のプレイヤーに会ってるぞ』

 

「えぇ!?」

 

「・・・そうかイズさん、生産職か?」

 

その通り、イズを始めとする生産職が所持しているスキルは料理や裁縫、工作や採掘などと言った生産職でしか覚えられない物が多数あり、それら殆どのスキルにはDEXが必要不可欠なのである。

 

『DEXは確かに器用さのステータスだ、そしてその恩恵を一番受けているのが生産職だ、因みにイズのSPはほぼ六割がDEXに振られている』

 

「じゃあそのプレイヤーは生産職なのか?」

 

『可能性はある・・・出来ればそいつとコンタクト取りたいな』

 

「このイベントに参加してるんでしょうか?」

 

「難しいね・・・本格的に参加してるプレイヤーも入れば、僕みたいに休暇目当てかもしれないし」

 

「そもそも参加してないかもだもんね」

 

『けどDEXが極振りには違いない、スキル目当てや休暇にしろ参加してる可能性があるなら探してみよう、他にも伝達しとくからお前達も分かったら連絡してくれ』

 

「分かった」

 

そう言ってサマーは通話を切る。

 

「どんなプレイヤーなんだろうね」

 

「それよりオーシャンさん、何か用があったのでは?」

 

オーシャンはセツナに言われ思い出した。

 

「実は海の探索が一部を除いて終了したんだ」

 

「凄い!もう終わったんだ」

 

「一部って言うのは?」

 

「ダンジョンの入り口みたいなんだが、俺一人じゃ入れないんだ」

 

「何か条件があるんですか?」

 

「『パーティーメンバー四人以上』って言う条件なんだ」

 

「ソロや少人数じゃ厳しい条件だね」

 

「だったらみんなで行こうよ!丁度四人いるし!」

 

「そうですね、私は構わないですよ」

 

「僕も構わないよ」

 

「良いのか?休暇目的で来たんだろ?」

 

「うん、一人は退屈だし、みんなと一緒にいる方が面白そうだしね」

 

「よ〜し、それじゃあ早速・・・」

 

「メイプルさん、オーシャンさんは大鯰を解除してしまっています」

 

「早くても明日だな」

 

「そっか・・・あっじゃあセツナのレベル上げしようか!シロップも産まれた事だし」

 

「シロップ?」

 

「メイプルに渡した卵から産まれたんだよ」

 

「やはりテイムモンスターだったのか」

 

「この子だよ!シロップ、オーシャンだよ」

 

「カメェ」

 

「よろしくな」

 

「では昨日と同じでメイプルさんが動きを止めて、私とシロップさんで倒しましょうか」

 

「そうだね、カナデもレベル上げる?」

 

「僕は良いよ」

 

「どうして?レベルまだ5なんでしょ?」

 

「そうしたいけど、まだその時じゃ無いんだ」

 

カナデは正方形の物体を出した。

 

「ルービックキューブ?」

 

「それは一体なんだ?」

 

「古びた図書館にあったパズルに挑戦して手に入れたんだ、四日掛かったけどね」

 

「ふえ〜・・・」

 

「この杖にはスキルが付いてるんだよ」

 

「これ杖なんですか!?」

 

「そうだよ」

 

「変わった装備だな、それでスキルって言うのは?」

 

「『神界書庫(アカシックレコード)』って言うスキルだよ、でも残念ながら詳細はまだ教えられないな」

 

「それはそうだな」

 

「でもそれなら尚更レベル上げした方が良いんじゃないの?」

 

「実はこれ、一層で手に入れたんだけど二層にも古びた図書館があってね、もしかしたらもう一つ、もしくは別の種類の物があるかもしれないから、まだレベルは先延ばしにしてるんだ」

 

「成る程、それが確定するまで方針があやふやの状態なんだな」

 

「そっ、だからもう少し様子見してるんだ、でも頭数を揃えるだけなら問題無いからそれだけは付き合うよ」

 

「分かった、来てくれるだけでもありがたい」

 

「よ〜し、それじゃあセツナとシロップのレベル上げて、明日になったらオーシャンの言ってたダンジョンに挑も〜!」

 

シロップと言う新たな仲間を加えて、メイプル達は明日に向けて準備を始めた。




次で海エリアの話はラストになります。

カントーで好きな御三家は?

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