特化にしたいので極振りしてみた、と言うゲーマー達の話   作:ウィンド

26 / 36
藍の円盤も近々配信予定で楽しみです!


攻撃特化と星の軍団

「このエリア、絶対に崖にメダルあるよな・・・」

 

黒い髪の少年が崖下を覗きながらそう呟く。

 

「でも俺達じゃどうしようもないじゃんか」

 

薄めの桃色の髪の少年は呆れながらそう言う。

 

「折角みんな揃って強化のチャンスだったのに・・・」

 

グレーの髪でプロレスラーのマスクの様な顔の長身の少女が落ち込む様子を見せる。

 

「仕方あるまい、ここに飛ばされてしまった拙者達の運が悪かった、それだけの事でござろう」

 

銀色の少年は達観した様子でこの状況を受け入れていた。

 

「あ〜、これならオレ達も他のプレイヤー達みたいに移動すりゃ良かったな・・・どうするよ?」

 

赤髪の少女が隣いる後が薄い青、前が濃い赤と特徴的な髪色のメガネの少女に話しかける。

 

「て言っても・・・移動しても今のウチらじゃ移動しても他のプレイヤー達には勝てんし、だからってこのままここに居てもなんの解決にもならんし・・・」

 

途方に暮れる六人組、そんな時・・・

 

「あ〜調子に乗って端数どころかかなり回収しちまったな・・・まっ結果オーライか」

 

「「「「「「っ!?」」」」」」

 

少し離れた所の崖下からロキが現れた。

 

「いっ今アイツ、下から現れなかったか」

 

「この崖登って来たって事、いや有り得ないでしょ普通・・・」

 

(あれ?あの人まさか・・・)

 

突然現れたロキに長身の少女以外、他はかなり困惑していた。

 

「ん?」

 

「「「「「「あっ・・・」」」」」」

 

そんな一同の目が合う。

 

(六人、見た感じ全員初期装備だな・・・まあ流石に負けるとは思わないが、油断せず行こうか)

 

ロキが武器を構えようとする、するとそこに長身の少女が割って入る。

 

「待って!私達に戦う意志はないわ!」

 

「「「「「っ!」」」」」

 

他の五人は彼女の行動に驚きを隠せなかった。

 

「貴方、前回イベント六位のロキだよね?だったら敵う訳が無いし、それに私達一枚もメダルを持ってないし・・・」

 

ロキは他のメンバーを見ると構えようとした手を戻した。

 

「みたいだな、俺も無駄な争いは避けたいしな」

 

「ありがとう・・・」

 

そこからお互い戦う理由もなくなり、軽い雑談をしていた。

 

「確かにそれは散々だったな・・・えっと・・・」

 

「あっごめんなさい!自己紹介してなかったわね、私は『ビワ』」

 

「もしかして拳使いか?」

 

「分かるの!」

 

「知り合いに一人いるんだ」

 

「そうなんだ、結構マイナーな職業だから同業者がいるのは嬉しいよ」

 

「えっと、僕達も自己紹介した方が良いよね?僕は『ピーニャ』、大盾使いだよ」

 

「俺は『オルティガ』、魔法使いだよ」

 

「『メロコ』、短剣使いだ」

 

「拙者は『シュウメイ』、同じく短剣使いでござる」

 

「で、この子が・・・」

 

「ぼっ、『ボタン』・・・魔法使い・・・」

 

「短剣使いと魔法使いが二人ずつか、随分とバランス良い構成だな」

 

「ありがとう・・・そう言って貰えると嬉しい・・・」

 

「だよね、まあまだ全員レベル低いから弱いけどね」

 

「でも!皆で一緒ならなんとかなるって信じてるから!」

 

「良いパーティーなんだな・・・けど随分と仲良さげに見えるが、同級生の集まりって感じじゃないよな?」

 

六人は見た目だけでは同年代には見えない、オルティガとビワがそうである。

 

「拙者達は同じ学校に通っているでござる」

 

「学年は違うんだけど、実は僕達イジメを受けてた事があってさ・・・」

 

「っ!すまない、浅慮だったな・・・」

 

「いや気にすんな、もう終わった事だしよ」

 

「そうそう、まあつまりその時色々あって仲良くなったって事なんだよ」

 

ボタンがコクコクと頷く。

 

「・・・なあ、お前達さえ良ければなんだけど」

 

ロキの言葉に六人は不思議そうな顔をした。

 

 

 

 

「この子達も同行させる!?」

 

クロムは六人を連れて拠点まで戻っていた。

 

「駄目か、兄貴?」

 

「見た所初心者の集まりみたいだが・・・」

 

「兄貴の言いたい事は分かってる、けどどうしてもほっとけないんだよ・・・」

 

「・・・すまないが俺の一存じゃ決められないな、俺達二人だけだったら良かったが、今回のリーダーはサマーだからな」

 

「じゃあサマーに許可を取れば万事解決ね、今日はもう遅いし明日朝一に連絡して上げるわ」

 

「いやイズ、幾らサマーでもこの状況で許可を出すとは・・・」

 

と思っていたクロムだが・・・

 

『別に良いぞ?』

 

「良いのかよ!?」

 

即答であった。

 

『但し、ロキがちゃんと責任持って面倒を見る事』

 

「あぁ、それは勿論だ」

 

『なら俺からはこれ以上言う事はないよ・・・後双子達だが、どうもダンジョン内に閉じ込められたらしくて直ぐに合流出来ないそうだ』

 

「罠型のダンジョンだったのかしら?」

 

『だろうな・・・合流の事は伝えてある、攻略次第メッセを直接飛ばす様に言ってある』

 

「分かった、所で例のプレイヤーは見つけたのか?」

 

『あぁその事なんだが、どうも今双子達と一緒にいるらしい』

 

「マジか、どんな奴だったんだ?」

 

『まだ詳細は聞いてないんだが、こっちもメダル回収は終わり次第合流するよ・・・まあサリーがいつ戻ってくるか分からんが』

 

「サリーが別行動とってるのか?」

 

「珍しいな、あのサリーが」

 

「サマー、サリーちゃんに何かしたんじゃないでしょうね?」

 

『何でそうなんだよ!』

 

サマーが好きなサリーが別行動している事に彼女の事を知るクロム達は驚いていた。

 

『あ〜・・・まあ、あれだよ・・・アイツの悪い癖が出たとだけ言っとくわ』

 

サマーの言葉にロキは疑問を浮かべた。

 

 

 

 

「でもロキ、良かったのか?僕達が同行して・・・」

 

サマーとの通信を終えたロキ達は、砂漠エリアに向かう為の準備をしていた。

 

「構わないさ、兄貴もサマーも許可してくれたしな」

 

「まあ俺も実は言うと助かるんだ、これから俺達の仲間と合流するまでメダルを大量に持ったロキを護衛しないといけないからな、大盾使いがもう一人居てくれるのは助かるんだ、勿論後方支援出来る魔法使いやアタッカーもな」

 

「そうね、私も出来てサポートが限界だものね」

 

「イズさんのサポートがあればパワー百万倍です!槍が降ろうがドラゴンが来ようが余裕です!」

 

「いや来たら困るやろそれ・・・」

 

ボタンの的確なツッコミに笑い声が響く。

 

 

 

 

 

そして準備を終えるもコウ達から未だ連絡がない為、ロキはシュウメイを連れてメダル集めに戻っていた。

 

「しかし、ロキ殿は中々のプレイヤーでござるな」

 

「ん?何だよ急に」

 

「この山岳エリアに来てもう三日目だと言うにも関わらず、既に我々のチームの目標枚数に到達しようとしている、ビワ殿が言っていたイベント六位の名は伊達ではないと言う事でござるな」

 

「運が良かっただけなんだよな、俺がここまで強くなれたのはサマーのお陰だからな」

 

「先程のプレイヤーでござるな・・・見ず知らずの拙者達を受け入れてくれようとは、中々に心の広いプレイヤーでござる」

 

「ホントにな・・・サマーが居なかったらきっと、今の俺はここには居ないだろうからな」

 

「ガニィ!」

 

キャンサーが元気良く声を出しながらメダルを持って来た。

 

「だからもし、サマーになんか困った事や頼みたい事があれば引き受けるつもりさ」

 

「ふむ・・・ではその時は我々も協力は惜しまぬ故、いつでも拙者達も頼るでござる」

 

「ありがとな・・・さてと、これで目標枚数達成だ」

 

「では戻るとしよう」

 

「ああ・・・にしても妙だな、こんだけ探し回っても誰一人プレイヤーに会わないなんてな」

 

「他のエリアに移動したに違いないでござる、拙者達が出会したプレイヤー達も皆そう言っていたでござるよ」

 

「にしてはだろ?俺の事知ってるプレイヤーなら待つのも手だ、何せまだ四日もあるんだ」

 

「来ない、勝てない可能性を考慮した・・・と言う事でござるか?」

 

「いや、分からんけど・・・まあ面倒事にならないに越した事はないしな」

 

「違いないでござるな」

 

そしてロキとシュウメイが戻ると同時に全員砂漠エリアに向かう為に山岳エリアを発った。

 

 

 

「これから会う奴らってクロムさん達のツレなんだよな?」

 

「あぁ結構人懐こい坊主達だ、だからあまり気を張らなくても良いぞ」

 

「まだダンジョンを抜けてないみたいだから、取り敢えず砂漠エリアまで行っちゃう感じかしら?」

 

「そうですね、終わるの待ってても時間掛かるでしょうし砂漠エリアも広いでしょうから」

 

一同は砂漠エリアに向かいながら軽い雑談をする、そんな中ボタンがふと口を開いた。

 

「・・・そう言えば気になってたんだけど、ヌシってなんなん?」

 

「何だよ?薮から棒に」

 

「だって明らかに可笑しくない?極振りじゃないと基本入れないダンジョンとか、そもそもテイムモンスターと共闘出来たり、周回してスキルのレベル上がったり装備まで手に入るとか・・・まるで極振りプレイヤーを融通してる様にしか思えんし・・・」

 

「そう言われれば・・・」

 

ボタンが言う事も最もである、パーティーを組んでクリアすればそもそもUS(ユニークシリーズ)は手に入らない、ソロ攻略を前提として装備が手に入り更には周回する事でスキルレベルが上がり、サマーとコウとソラの三人はその過程で装備が手に入っており、オーシャンに至ってはスッシーズ三体を仲間にしている。

 

「考え過ぎだってボタン、俺達がまだ初期装備だから羨ましいと思うのも分かるけどさ」

 

「いや、別にそう言うわけじゃ・・・」

 

「それに極振りって結構デメリットもあるんだよ、現にロキだって足遅いわ耐久無いわでハンデ抱えてるんだし」

 

(そのデメリットがちゃんと機能してないんだよな極振りプレイヤー(俺達)の場合・・・デメリットって何だったかな?)

 

「だが確かに不思議でござるな」

 

「何がだよシュウメイ」

 

「テイムモンスターが居るのに、それをロキ殿達極振りプレイヤーしか未だ待ってない事にござるよ」

 

「確かに、前回のイベントでサマー達の事は知られている訳だから、テイムモンスターを実装させてくるのだと思ってたが・・・」

 

「まぁその内実装されるんじゃない?今のユーザーの数を考えるなら今すぐにってのは難しいだろうしね」

 

「まあ運営も色々あるんじゃない?」

 

「そうね、バグとか心配しながら作ってるんだから気苦労もあるでしょうし」

 

何せ手が付け難いプレイヤー達もいるのだ、イズの言う通り気苦労しかないのである。

 

「ん?おっ双子達脱出出来たみたいだな・・・位置情報送ったから暫くしたら合流出来るだろ、おっ例のプレイヤーも一緒に来てくれてるそうだ」

 

「んじゃ、六人目のヌシの攻略者とご対面と行きますか!」

 

そう言ってロキ達一行はコウとソラの下に向かうのであった。

 

「これでヌシの所有者が全員集まる事になるわね、よし!私の役割は一旦ここまでね・・・にしてもアイツも無茶言うわよね、サポートをしろだなんて、お陰であの子達が襲われない様にするのが大変だったわ・・・」

 

そう言いながらロキ達を見送る少女、その少女の傍には消滅していくプレイヤー達の姿があった。

カントーで好きな御三家は?

  • フシギダネ
  • ヒトカゲ
  • ゼニガメ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。