特化にしたいので極振りしてみた、と言うゲーマー達の話 作:ウィンド
イベントは遂に折り返しの四日目。
「メダル、まだまだ足りないですね」
あの後サマー達はダンジョンの探索でメダルを三枚入手していたが、ミルフィの言う通り目標には程遠い。
「まあ元々千枚しか無いわけだしな・・・サリーの方は順調かな?」
今この場にサリーはおらず、サマーとミルフィとミーシャの三人だけだった。
『PK戦!プレイヤー同士の戦闘!燃えてくる〜!・・・お兄ちゃん!私ちょっとそこら辺のプレイヤー狩ってくる!』
『おいちょっと待てサリー!』
これが昨日の夜の出来事である。
「サリーさん大丈夫でしょうか・・・」
「まあアイツの回避能力なら大丈夫だろ、しかも夜間の奇襲なら更に回避率も上がるだろうしな」
後にこれが『三日目の悪夢』と呼ばれる事となるのだがが、サマー達は知る由もない。
「サリーが戻るまでここを動けないしな・・・」
「あの、サマーさん」
「ちょっと良いですか?」
「ん?どうした二人揃って」
「私達、ここから別行動にしようと思って・・・」
「っ!お前達何言って!」
「イベント中、ずっとお二人に迷惑かけてばかりで・・・」
「迷惑だなんて思ってないぞ?」
「でも!」
「私達が居なかったら、もっと早くメダル集め終わってますよね・・・」
「それは・・・」
現在サマーが所持しているメダルは金一枚に銀六枚、サリーと二人のままなら後四枚あれば目的は達成する。
「だからサマーさんは、今すぐサリーさんと合流してください」
「私達はメダル持ってないから襲われる事もないですし・・・」
「・・・分かった、それが二人の意見だな?」
そう言うとサマーは二人に背を向けて歩き出し、数歩進むと足を止めた。
「だが断る!!!」
「「っ!?」」
「このチームのリーダーは俺、つまり俺がルール!ならば俺が進むと言えば進み退くと言えば退く!そしてなにより・・・」
サマーは二人の頭に優しく手を置く。
「『仲間は絶対に見捨てない』、これは俺自身がゲームをやる上で絶対に破らないルールだ」
そしてサマーはそのまま二人に目線を合わせる。
「迷惑かけるのは子供の仕事、そしてその迷惑の面倒を見るのが俺達大人の仕事だ・・・弱くても良い、足手纏いでも気にすんな、何かあっても絶対に守ってやる・・・だから、もうそんな事言うんじゃない」
サマーの言葉に二人は涙を流し、サマーは二人を優しく抱きしめた。
(お兄ちゃんは優しいな・・・ほんと好き)
そして帰って来たサリーは遠くからその様子を眺めていた、その手には五枚のメダルが握られていた。
そしてサリーは戻った瞬間・・・
「で、何か言う事あるんじゃないか?」
「勝手な行動をして誠に申し訳ございません・・・」
サマーの目の前で正座させられていた。
そしてサマー達はメイプルと合流する為に海エリアに来ていた。
「あっ!お〜いサマー!」
「ん?おう、メイプ・・・ル?」
声のする方に目を向けると、そこにはメイプル、オーシャン、セツナ、カナデの四人がいた・・・巨大な砂の城を背景に。
「何これ・・・」
「ふふ〜ん、私達の力作です!」
「そっそうか・・・」
「相変わらずだな、メイプルは・・・」
そして他も紹介を終えて、今後の事について話し合う。
「俺達の班は、メダルが十八枚だ」
「結構集まってるんだな、俺達は十一枚だ」
「えっと、じゃあカナデはメダル要らないから・・・みんなの分を合わせたら後二十一枚だね!」
「ですが海エリアはもう探し尽くしてしまってます」
「俺も雪山はミルフィ達が寝てる間に探し尽くしたが、一枚も見つけられなかったしな」
「いつの間に・・・」
「つまり寝てないって事か、大丈夫なのか?」
「ん?平気だぜ、中一の夏休みの時三日間ログインし続けてた事あったし」
「あ〜お父さん達が同窓会で出かけてた時の・・・」
「サマーさんそんな事してたんですか・・・」
「うん、それで帰って来たお母さんに怒られてたんだ・・・お兄ちゃんがゲーム没収されると言う中々にレアな出来事だったから覚えてる」
「三日も飲まず食わずだったから体調崩すし、残りの休みはゲームを禁止されるわで・・・かなり地獄だった」
「サマーの自業自得じゃないのか?」
「まあ流石にもうやらないけどな・・・所でさっきから凄く気になってたんだけどさ」
サマーは視線を移すと、そこにはシロップと戯れているミルフィとミーシャの姿があった。
「何あの亀」
「シロップだよ!私のパートナーなんだ!」
メイプルがドヤ顔で絆の架け橋を見せる。
「テイムモンスターか、て事はシロップもヌシなのか?」
「違うよ、シロップは卵から産まれたの」
「卵・・・まさか」
サマーはインベントリから銀翼戦で手に入れた卵を取り出した。
「うわぁ!サマー達も手に入れてたんだ!」
「シロップの卵と形状が違うな」
「説明の文も、シロップさんの時と同じですね」
「と言う事は、こいつからもモンスターが産まれるって訳か・・・サリー、お前にやるよ」
「えっ!良いの!?」
「俺にはアマツが居るからな」
「ありがとう、どんな子だろうな・・・」
「多分だが、狸か犬・・・それか狐かな?叶結びって事は神社に関する動物だろう」
「わ〜ならモフモフ系か、良いな〜」
「カメッ!?」
メイプルの発言に少しショックを受けるシロップだった。
「わぁああ!?しっシロップ違うよ!これは浮気とかじゃなくて・・・」
「何二股がバレた恋人みたいなやり取りしてんの・・・」
「そう言うのはオーシャンとやれよ」
「本人が言うのもなんだが、それはそれで駄目だろ・・・」
『がお〜!みんな、イベントは捗ってるどら?イベントを楽しんでるみんなに、プレゼントがあるどら〜!』
「プレゼント?」
「わ〜!なんだろ!」
『思ったよりもメダル集めに大きく差が出てしまって、手に入れられないプレイヤーや、手に入れても盗られちゃうプレイヤーも沢山いると思うどら、そこで!今からメダルを追加で五百枚を追加するどら〜!』
「つまり合計で千五百枚って事だね」
「けど、それでも差が出るだろ?」
「獲得出来る枚数に上限がないですからね」
『更に!金のメダルを所有しているプレイヤー以外に残りの三日間の間の午前0時に、銀のメダルを一枚ずつプレゼントするどら〜!因みにこの配布メダルはPKでは奪えない仕組みにしてあるから安心してね!譲渡は出来るから、要らないプレイヤーは誰かに上げるのも良しどら〜』
「と言う事は何もしなくても合計で三枚は手に入るね」
「でも私とサマーは貰えないのか・・・」
「まあそこは仕方ないだろ、それに盗られる心配がないのはありがたいな」
「じゃあ僕は暫く行動してた方が良さそうだ、僕の分のメダルを渡せるしね」
「助かる、向こうのチームは金のメダルを持ってる奴が四人も居るからその分集めなきゃいけないからな」
「でもそれでも、私達のグループでも後三枚は必要です」
「それは大丈夫だ、今解決策を閃いた・・・取り敢えず今海の中の追加メダルを回収したいんだが・・・」
サマーはオーシャンを見る、大鯰を使えるかどうかの確認の為だ。
「すまない、今日はもう既に使ってるんだ」
「サマーに連絡した後、ボスと戦ってたからね」
「そうか・・・まあ潜水と水泳を持ってなかったら手は付けられないだろ」
「だとしたら、ロキ達と合流するのが先か?」
「そうだな、約四人程AGI0だからな・・・出来れば今日中には近場まで行っておきたいな」
「なら善は急げですね!」
「あっそうだ・・・悪いが先に行ってくれ、ちょっと野暮用が出来た」
メイプル達を先に向かわせて、サマーはある場所へ向かった。
草原エリア
「残念だよサマー、君と行動出来ると楽しみにしてたんだが・・・」
「悪いな、ドラぞうの告知がなければ話に乗っていた所だ」
サマーはペインとの取引の返事をする為に草原エリアまで来ていた。
「確かに僕達もかなりの人数で集まっているから、お陰で目標には達成で来そうなんだ」
「あぁ、でもここはお互い休戦と行こう」
「そうだね、所で君達はこれから何処に?」
「一先ずは砂漠か山岳のどっちかに居る仲間達と合流だな、もう他の奴等は向かってるからまずはそっちに追いつかないとだけどな・・・そう言うお前達は?」
「僕達はこの先にある洞穴を拠点にして防衛と散策かな、運良く全員で野営が出来る場所だったからね」
「そうか、なら俺はそろそろ行くわ」
「あぁ、また君と戦える機会がある事を楽しみにしているよ・・・それまで君が僕以外のプレイヤーに負けない事を願ってるよ」
「その言葉、そっくりそのまま返しとくぜ・・・まぁ相手が誰だろうと、俺は負けないけどな」
そう言ってサマーは飛翔を発動させて、既にロキ達の下へと向かっているメイプル達の方へと向かった。
「フッ、やはり君は面白いね」
ペインも仲間達の待つ拠点へと向かう。
「何だ、来ていたのか『シア』」
ペインがそう言うと、目の前の木から水色の髪をポニーテールで結び、腰に剣を下げた少女が現れた。
「うん、ペイン君のお気に入りのサマー君が一目見たくてね」
「まさかとは思うが、昨日サマーに取引を持ち掛けた時に居たのは君じゃないよな?」
「昨日?その時はフレちゃんとメダル探索してたよ」
「そうか・・・(シアではないとすると、あの時の気配は一体・・・)」
「でも残念だったね、サマー君とご一緒出来なくて」
「そうでもないさ、寧ろ次に会う時が楽しみでしょうがないよ」
「ふ〜ん・・・なんか妬けちゃうな〜、ペイン君にそこまで想って貰えてるサマー君が・・・可愛い彼女よりも好敵手の方が大事ですか、そうですか〜」
「ん?僕はちゃんと君の事は何より大事に想っているが?」
ペインの言葉に少女は顔を赤らめた。
「ふぇっ!?ふっふ〜ん、そう・・・なんだ・・・エヘヘ」
「当然だ、僕にとって君は世界で一番大切な人なんだから」
「もっもう!そんな恥ずかしい事一々言わなくても良いから!」
「以前君がそう言ったんじゃないか、そう言うのは口にして欲しいと・・・」
「時と場合によるの!TPO!」
するとシアは顔を赤くしたまま、少し早足でペインの前を進む。
「やはり女性、いやシアは小難しいな・・・」
ペインのその呟きはシアには届かなかった様だ。
新キャラ『シア』の登場です!
シアは今作品のオリジナルキャラで、ご覧の通りペイン君とは恋仲と言う設定です。
今後彼女が物語にどう関わってくるのかを是非楽しみにしていてください!
ジョウトで好きな御三家は?
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