特化にしたいので極振りしてみた、と言うゲーマー達の話 作:ウィンド
実は先週B型インフルにかかってしまい遅れてしまいました。
みなさんも病気には気をつけてましょう。
「「砂漠エリアだ〜!」」
元気の良い声が砂漠に響く。
「でも凄いね、全然熱くないよ!」
「雪山だと寒くないのかな?」
二人は鉄ノ轍を発動させながら砂漠の中を走って?いた。
「けどこれ、砂の中にあるんじゃないのか?」
「そうかも、一旦降りて探そっか」
二人は盾から降り、砂を掻き分けながらメダルを探し始めた。
そして二日目。
「「ま、まさかの0枚・・・」」
二人は一日中探し回ったのにも関わらず、成果は全く見込めなかった。
「これってダンジョンの報酬でしかないパターンなのかな?」
「有り得なくはないかも、一先ずまた走り回るか」
「そうだね」
そして二人は盾に乗り、螺旋を描きながら移動した。
「こうすれば、周りに隠しダンジョンがあってもすぐ分かるな」
「そうだね、割とすぐに見つ・・・」
すると途端に二人の体が一瞬で下に落ちる、目の前が急斜面になっていたのだ。
「「うわぁあああ!!!」」
二人はそのまま斜面を猛スピードで下っていく。
「ソっソラ!スキル解除だ!」
「うっうん!」
スキルを解除すると二人の体は上に放り出され・・・
「「うわぁあああ!!!」」
そのまま砂に向かってダイブするが、重力を無視できずにそのまま転がり落ちて行った。
そしてその先のオアシスのエリアでは・・・
「結構集まった、これだけあればお姉ちゃんの分も困らないね」
赤錆色の装備の少年がメダル集めをしている最中であった。
「ちょっと休憩しよ、そろそろ戻ってくるかな?・・・ん?」
少年が遠くに目をやると、巨大な砂の塊がこちらへと向かって来ていた。
「なっ何あれ!もしかしてモンスター!?」
「「うわぁあああ!!!」」
そして塊はそのまま近くの岩にぶつかると、中からコウとソラの二人が目を回しながら出て来た。
「「ふぇあ〜・・・」」
「だっ大丈夫!?」
二人に気付いた少年は心配になり歩み寄る。
「めっめがみゃわる〜・・・」
「せきゃいがくりゅくりゅ・・・」
「あわわ、しっかりして!・・・あっそうだ!」
少年はインベントリから液体の入った瓶を二つ取り出すと、それを二人にかけた。
「う〜・・・あれ?」
「治った?」
「大丈夫?」
「アハハ、大丈夫大丈夫・・・」
「ご迷惑をお掛けしました」
「いやいやそんな、混乱回復のポーションが効いて良かった・・・」
「あれって混乱になるんだ・・・」
「でも折角のポーションが・・・」
「まだ沢山あるし、それにいつでも作れるので大丈夫だよ」
「そうなのか?じゃあお言葉に甘えて・・・あっ俺コウ、よろしくな」
「僕はソラ、お兄ちゃんとは双子なんだ」
「コウとソラだね、僕は『ユキ』宜し・・・」
すると砂中から赤錆色の細長い巨大なミミズのモンスターが現れた。
「ミィッズゥウ!」
「モンスター・・・やるよお兄ちゃん!」
「あぁ!サクッと倒して・・・」
「まっ待って!」
体制を整える二人の前にユキが両腕を広げて止める。
「この子は大丈夫だから!」
「「え?・・・」」
「おかえり『ズゥ』」
「ミズゥ!」
ズゥと呼ばれるモンスターは体にある水色の六つの斑模様から手?を出すと、それぞれの手にメダルが握られていた。
「凄いよズゥ!ありがとう!」
「ミッズズゥ〜♪」
「おいソラ、あれ」
「え?・・・あっ!」
二人はズゥを撫でるユキの指に絆の架け橋が付けられている事に気付いた。
「ねっねえ!その指輪・・・」
「これ?絆の架け橋って言って、モンスターをパートナーに出来るんだって・・・あっこの子がそのモンスターで名前はズゥだよ」
「ズッズ〜」
ズゥは二人に向かってお辞儀をした。
「やっぱり!」
「俺達も持ってる!」
「そうなの!」
「「『ファング(メタル)・覚醒』!」」
「ドンファンド!」
「ウィ・ルドン・ファー!」
「凄い!象?のモンスターなんだ!」
すると三匹は互いに近寄ると、仲良く喋り出した。
「もう仲良くなってるね」
「同じテイムモンスターだからか?」
そして三人も仲良く雑談を始めた、三人共同い年と言う事もあってかなり話が弾んでいた。
「じゃあ二人も極振りなんだね」
「うん!VIT極振りだよ、ユキは何に極振りしたの?」
「僕はDEXだよ、生産職とかだと高い方が良いって聞いたから・・・お姉ちゃんの役に立ちたかったし」
「ユキも姉ちゃんが居るんだ?」
「もしかして二人も?」
「メイプルって言うんだけど知ってる?前回のイベント四位のプレイヤーだよ」
「因みに僕達は七、八位なんだよ」
「じゃあ二人とお姉さんも、お姉ちゃんと同じ上位組なんだ」
「ユキの姉ちゃんは何位なんだ?」
「あっうん、僕のお姉ちゃんは・・・」
「ユキ」
ユキの背後から彼の名前を呼ぶ声が聞こえ三人がそこに視線をやると、燃える炎の様に赤い髪をした女性、そしてその横に桃い「マゼンタだ!もしくは
「急になんだ『マーズ』」
「言わなきゃいけない使命感だ、気にすんな」
コウとソラは目が点になっていたが、ユキは目の前の二人に驚きを見せる。
「お姉ちゃん!それに、まm・・・マーズさんも!」
「ようユキ、本名口走らなかったのは褒めてやる」
「お姉ちゃんって、この人・・・」
「確か『炎帝の国』って言うグループのリーダーの・・・」
「『ミィ』だ、そう言うお前達はコウとソラだな?」
「へぇ〜なら持ってるよな?金のメダル」
「「っ!?」」
二人は素早く盾を構えるが、ユキが腕を広げて二人を庇う様に前に立つ。
「お姉ちゃん待って!?この二人は・・・」
「安心しろ、争う気は元から無い・・・お前も無闇に事を荒立てるな」
「はいはい、すみませ〜ん・・・けど上位で俺と同じジョブのプレイヤーだぜ?実力見てみたいって思うのは当然だろ」
「辞めておけ、私より下の順位とは言え上位のプレイヤーだ・・・今のお前が勝てる相手とは到底思えん」
「手厳しい事で・・・」
「・・・それよりも探したぞユキ、開始のカウントが始まってもお前が中々現れなかったからな」
「っ・・・うん、ごめん・・・」
気不味そうに顔を俯かせるユキに、マーズは怒りの表情を浮かべる。
「おいユキ・・・」
「ぼっ僕達無理矢理誘ったんです!」
「俺達リアルでも友達で、だから一緒にイベントやろうって・・・お姉さん達と参加するなんて知らなくて・・・」
頭を下げる二人にミィは優しい笑みを見せる。
「気にするな、そう言う事なら仕方無い・・・ならば済まないが、暫く弟を頼むとしよう」
そう言うとミィは振り返りながら歩き出す。
「戻るぞマーズ・・・」
「あぁ・・・おいユキ、あんま気にすんな・・・もしもの時は俺が何とかしてやる」
「・・・うん」
そして二人の姿が見えなくなると、コウとソラはその場に座り込んだ。
「大丈夫、二人共・・・」
「あっうん!それよりごめんね、急に友達だなんて言って・・・」
「あのマーズって人、なんか怒りそうだったからさ・・・余計な事したんなら悪い」
「ううん!そんな事無いよ、寧ろありがとうだよ・・・」
「ズズ・・・」
ズゥがユキを心配し、彼の足に体を擦り付ける。
「ズゥもありがとう、もう大丈夫だから」
「ズッズゥ!」
ユキは近くの岩に座る。
「そう言えば、ユキはなんで一人で参加してるの?」
「確かユキも極振りなんだよな?なら尚更お姉さんやマーズさんと一緒に参加した方が・・・」
「本当は僕もそうしたいけど・・・お姉ちゃんとマーズさんと、後知り合いの人は兎も角、
「他の人って、炎帝の国の人達?」
ユキは小さく頷いた。
「僕は元々お姉ちゃんの役に立ちたくてこのゲームを始めたの、お姉ちゃんはリアルでも僕に優しくていつも僕を助けてくれるから、このゲームで少しでも恩返ししたいって思って・・・だけど」
そしてユキは自身のステータスを開き二人に見せる。
ユキ:Lv11
HP 40/40
MP 27/27
【STR 0】
【VIT 0】
【AGI 0】
【DEX 130〈+50〉】
【INT 0】
装備
頭【潜鋼のキャスケット:土食】
体【潜鋼のコート:潜鋼ノ支配者】
右手【潜鋼の手袋:土錬成】
左手【潜鋼の手袋:土錬成】
足【潜鋼の洋袴:尻尾切り】
靴【潜鋼のブーツ:砂隠れ】
装飾品 【絆の架け橋】【空欄】【空欄】
スキル
【生産の心得Ⅱ】【匠の技巧】【強化成功率強化 小】
【採掘速度強化 小】【採取速度強化 小】【土魔法 Ⅰ】
【鍛治 Ⅰ】【裁縫 Ⅰ】【栽培 Ⅰ】【調合 Ⅰ】
【加工 Ⅰ】【料理 Ⅰ】【採掘 Ⅰ】【採取 Ⅰ】
【水泳 Ⅰ】【潜水 Ⅰ】【釣り】【投擲】
「うわスキル多っ!?」
「効果もかなり凄いのもあるよ!」
【匠の技巧】
このスキル所有者のDEXが関わるスキルの熟練度が2倍になり、DEX以外にポイントが振れなくなる。
【土食】
土属性の攻撃を受けた場合、HP、MP10%回復
【潜鋼ノ支配者】
地中移動が可能になり、DEXの数値分の移動が可能。
【土錬成】
土からアイテムを錬成する事が可能、但し作成出来るアイテムは土魔法のスキルレベルが必要になる。
【尻尾切り】
最大HPの50%のHPを消費する事で、身代わりを作り出す。
【砂隠れ】
天候が『砂嵐』の時の回避率がアップする。
「いや凄っ・・・こんな数と効果スキル、俺だったら絶対拒まないぞ」
「僕もだよ・・・これでも駄目なの?」
「うん、最初はみんなも受け入れてくれてたんだ、でも僕が『極振り』って分かると殆どの人が掌を返す様に態度を変えていったんだ・・・それに殆どの人はお姉ちゃんの事を心酔してるから、弟ってだけで近くにいる僕が気に食わないんだ」
「そんな・・・」
「このイベントが始まる前にも、そのプレイヤー達に色々と言われたんだ・・・その時はマーズさんが止めてくれたけど」
「ミィさんはこの事知ってるのか?」
ユキは首を横に振る、その目には微かに涙が溜まっていた。
「お姉ちゃんに教えたら、絶対今のグループを解散させようとする・・・そんな事しちゃったらお姉ちゃんの居場所が無くなっちゃう、お姉ちゃんの役に立つ為に始めたのに、そんな事出来ないよ・・・」
「・・・酷いよそんなの!ユキだって、極振りでもここまで頑張ってるのに!」
「極振りでも姉ちゃんやロキさんにオーシャンさん、それにサマー兄ちゃんみたいに強いプレイヤーだって居るのに!」
「その人達はきっと運が良かったんだよ・・・僕じゃ到底及ばないよ」
二人は互いを見ると強く頷き、ユキの手を握った。
「え・・・」
「だったら今から、俺達は本当に友達だ!」
「うん!僕達と一緒に行こうよ、イベントも・・・それに
「良いの・・・僕なんかで・・・」
「なんかは禁止!友達なら当然だよ!」
「俺達はユキと一緒に居たい、ユキは?」
「・・・二人は優しいね、うん!僕の方こそ、よろしくね!」
こうしてユキが仲間になった、そして近くの木からその様子を伺っている者がいた。
「・・・今出て行くのは野暮だな」
彼女は『カスミ』、前回のイベント六位のプレイヤーである。
「それにしてもまさかと思っていたがあの二人・・・サマーと知り合いなのか、これは手を出さないのが吉か」
そう言ってカスミはその場を去った。
一方その頃・・・
「そろそろ解いても良いんじゃね?その外面モード」
ユキ達と別れたミィにマーズがそう声をかける、その瞬間ミィは膝から崩れ落ちた。
「ハァ〜〜〜〜〜・・・緊張した〜、まさか『ユキ君』がコウとソラと居るなんて・・・」
先程の威厳のある冷静沈着な態度とは似ても似つかない様子に変わった。
「それにしても・・・やっぱユキ君可愛い、お持ち帰りして結婚したい・・・」
「二人で仲良く家に帰ってるだけだなそれ・・・てかユキは弟だろ?」
「弟だから良いんでしょ!?いつもお姉ちゃんって私の事慕ってくれるし、大学の講義で疲れて帰って来た私に優しく微笑んでくれたりしてくれるんだよ!?私にとってはユキ君が全てなの、ユキ君しか勝たん!もう結婚待った無しだよ」
「お前それ、ユキにもし彼女とか出来たらどうすんだ?」
「心配無い、それは私の事だから」
「だ〜か〜らぁ〜!!!姉弟で結婚とか無理に決まってんだろ!あ〜もう!こんな変態を幼馴染に持ったのが人生最大の不幸だよ畜生!!!」
「そんな事無いもん!それに世の中には私みたいに『兄妹』で結婚したいって思ってる人が絶対いるもん!」
「ん?」
「どうしたサリー?」
「ううん、何でも無い!・・・気の所為かな?」
なんかミィとカスミの無理矢理感半端無い・・・
そして今回はシアに引き続き今作品のオリジナルキャラの『マーズ』が登場です。
炎帝の国での立ち位置が凄く悩みましたが、ミィの幼馴染として落ち着かせ、その都合でミザリーとも幼馴染の設定にしています。
ジョウトで好きな御三家は?
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チコリータ
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ヒノアラシ
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ワニノコ