特化にしたいので極振りしてみた、と言うゲーマー達の話 作:ウィンド
「さあ、今日も頑張ろう!」
「「おぉ〜!」」
メイプル、コウ、ソラの三人は今日もゲームに励む、だが意気込んだは良いが、周りを見渡すと他のプレイヤー達は個性的な装備を身につけていた。
(((私/俺/僕達だけまだ初期装備!?)))
ゲーム開始からかなり日が経っている、その為初期装備からそれぞれの装備を手に入れたプレイヤーも少なくはない。
「みんなオシャレだな〜」
「どうやってああ言う手に入れるんだろ」
「作ってもらうとか?前やってたのはそうだったぜ」
「でもこの指輪みたいにモンスター倒したりとかで手に入るのもあるかもだよね」
メイプルは自身の指に嵌めている指輪を見ながら言う、前回のログインで倒した蜂のモンスターがドロップしたアイテムだ、一つしか現れなかったのでモンスターを倒したメイプルに所有権があったのだが、メイプルが二人に渡そうとして来たので、二人は遠慮しメイプルに持つのが良いと主張するが、メイプルもそれを遠慮しての繰り返しで数時間のやり取りの末、メイプルが所持する事で落ち着いた。
「あっ姉ちゃんアレ!」
コウが指差す方向にクロムが立っていた。
「わぁ!あの人も大盾使いだ、格好良いね」
「いや、そうだけどさ・・・」
「お姉ちゃん、多分あの人に聞いてみよって事だと思う」
ソラの言葉にコウが頷く、先人のプレイヤー達からそう言った情報を仕入れるのもプレイの一環でもある。
「あっそう言う事ね、それじゃあ・・・あの!すいません!」
「ん?俺か?」
「はい、その大盾格好良いです、どうやって手に入れたんですか?」
「あぁどうも、コイツはオーダーメイドなんだよ、生産職の人にお金を払って作って貰うんだ」
クロムが盾を見せるとメイプルは納得する。
「「ホワァ〜・・・」」
コウとソラは目を輝かせてクロムの盾を見ている、その姿にクロムは優しい笑みを浮かべた。
「良かったら紹介してあげようか?」
「「良いんですか!」」
「お願いします!」
そうして三人はクロムに連れられイズの工房に来ていた。
「あら?クロムじゃない、まさかまたメンテナンスじゃないでしょうね?」
「いや今日は別件だ、大盾使いの新入りを見つけて衝動的に連れて来たんだ」
「「「こんにちは!」」」
「まあ、可愛い子達ね・・・クロム、衝動的に連れて来たの?」
「ん?」
イズが『CALL』と書かれたボタンを押そうとする。
「通報した方がいいかしら?」
「いやいやちょっと待てよ!今のは言葉の綾だ!第一男もいるだろ?」
「あら?てっきりそう言った趣味があるのかと」
「ねぇよ!」
「ウフフ分かってるわよ、冗談よ♪」
「心臓に悪いから辞めてくれ・・・あぁ、この子達が格好良い大盾装備が欲しいらしいんだ、相談に乗ってやれると思ってな」
「そう言う事ね、私はイズ、生産職よ」
「あっ私はメイプルって言います」
「俺はコウです」
「僕はソラです」
「メイプルちゃんにコウくんにソラくんね、三人共大盾を選んだのはなんでかしら?」
「私は痛いのは嫌だったので、防御力を上げようと思って」
「俺は姉ちゃんとソラを守る為にと思って」
「僕は二人のサポートをと思って」
「それで全員大盾を?」
メイプルとコウは兎も角、ソラの発言に三人の装備が被っている理由に疑問が浮かんだ。
「実は私、二人は男の子だから攻撃系の装備を選ぶかなって・・・」
「僕もお兄ちゃんが剣士でお姉ちゃんが魔法使いを選ぶと思って・・・」
「あらら、それで被っちゃったのね・・・じゃあVIT特化装備が良さそうね、でも最低でも百万G必要だけど」
「うっ、三人で合わせて三百万G・・・」
三人は昨日始めたばかり、当然所持金は初期額、換金出来るアイテムも無い。
「気付いたら貯まってるものよ」
「そうだ、サマーなら何かそう言う狩場とか詳しいんじゃないか?アイツ一層の開拓は終わったって言ってたし」
「そうね、さっきロキくんに頼んだのもサマーが知ってた素材だったし」
「おい!人の弟扱き使ってんじゃねぇよ!」
「失礼ね!ロキくんが手伝わせてくださいってお願いしてきたからお言葉に甘えたの、丁度サマーに頼まれてる装備作ってて手が離せなかったし」
「あの、サマーって・・・」
「私の後輩よ、多分唯一この一層の開拓を最速終わらせたプレイヤーよ」
「最速・・・」
「スゲェ・・・」
「今ログインしてるみたいだし呼んでやるよ、何かアドバイスくれるかもだしな」
そしてクロムはサマーにイズ工房に来るようメッセージを送る。
「多分あの子のAGIなら・・・」
イズがそう言うと扉が開かれて、そこにサマーが居た。
「イズ、クロム居るか?ここに来いって呼ばれたんだが」
「ほら来た」
「「「「速っ!?」」」」
サマーの登場にイズ以外が声を上げる。
「いやいや、呼んどいてなんだが、速過ぎないか!」
「AGI極振り舐めんな、で?要件はなんだよ」
「あっあぁ新入りに手頃な狩場を教えてやって欲しいんだ、金策出来る所が有るなら有難いんだが」
「新入り?まあ別に構わないけど・・・ってお前達!」
「「「ええ!?」」」
メイプル達はサマーの姿を見て驚いた、一瞬リアルの名前を言いそうになったが止めた。
「あら、知り合い?」
「幼馴染だよ、よく面倒見てやってたんだ・・・改めてサマーだ、まさかお前達までプレイしてるなんてな」
「あっ、私はメイプルでこっちはコウとソラだよ」
コウとソラはサマーに会釈する。
「で?狩場の相談だったな」
「うん、皆みたいな装備が欲しいんだけど、昨日始めたばかりでお金が無くて・・・」
「成る程、装備は・・・大盾?三人共?」
「こっこれには深い訳が・・・」
「まあここじゃなんだし、歩きながら話そうか」
「あっ待ってサマー、折角だからメイプルちゃん達とフレンド登録させて、その方が連絡もすぐ出来るし」
「それもそうだな」
「あっじゃあクロムさんも良いですか!」
「おう、ついでに俺のポーション分けてやるよ、同じ大盾使いのよしみだ」
「「「ありがとうございます!」」」
フレンド登録を終えたメイプル達は工房を出てサマーと移動していた、道中で三人が大盾を選択している経緯を話していた。
「それで三人同じ装備だったんだな、更にはVIT極振りまで」
「「「アハハ・・・」」」
「でもだとしたら火力足りないから、かなり時間がかかると思うから覚悟しとけな?ん〜『地道にコツコツ』と『一発ドカン』・・・それか『一気にドン』、どれ良い?」
「う〜ん、地道にコツコツかな、いやでも当分オシャレがお預けになっちゃうし、ここは一発ドカンの方が・・・」
「一気にドンって?」
「言葉通りの意味さ、目的は『装備を手に入れる』だろ?コツコツとドカンは金を貯める手段ではあるが手に入るのはGであって装備じゃない、まあ装備も手に入らなくはないけどな、対してドンの方は直接装備一式を手に入れる事が出来る」
「装備一式が!」
「その分少し時間がかかるし危険もある、だが他の二つよりは確実に速くゲット出来る、どうする?」
サマーの言葉にメイプル達は頷く。
「「「一気にドンで!」」」
「了解、んじゃあ先ずはレベリングだな、ステータス見せて・・・ん?絶対防御?」
サマーはメイプル達のステータスを確認する、三人のステータスでも出来る限り難なくクリア出来る場所を選ぶ為だ。
「あっそれ、最初に手に入れたスキルなんだ」
「(俺の韋駄天のVIT版ってとこか)・・・って毒耐性!しかも中!?お前等初期装備だけでどうやって」
「蜂さんの毒を受け続けたら手に入ったんだ」
(フォレストクインビーのか・・・アレかなりの威力だって聞いてたんだけどな・・・)
VITが0、つまり一撃を受ければ死んでしまう可能性があるサマーにはとても真似出来るものではなかった。
(まあ良いか、つうかこれだけのVITなら無理にレベリングする必要も無さそうだな、それに
サマーは三人のステータスを見て、三人にあった場所を選定した。
それからサマーは三人にスキル『大盾の心得』『大防御』
『極悪非道』『シールドアタック』『攻撃逸らし』
『体捌き』を習得させた、大盾の心得に関してはⅢまでレベルを上げている。
「まずはここだな、『毒竜の迷宮』」
「毒竜って事は毒を使うモンスターが居るのかな?」
「まあ俺は毒耐性持ってないから中は確かめて無いけど、お前等なら問題無いからな、で?ここは誰が行く?」
「「「?」」」
サマーの言葉に三人は首を傾げた。
「皆で行かないの?」
「あぁ悪い言ってなかったな、装備は手に入る、だけどそれはこの中の一人だけだ」
「「「一人だけ!?」」」
「今からお前達が手に入れるのはユニークシリーズ、ダンジョンをソロで攻略したプレイヤーにしか手に入らない、よって必然的に一人だけだ」
「そんな・・・」
「まあここの他にもダンジョンはある、まずはここのユニークシリーズを誰が手に入れるかって事だな」
「(うぅ、ここはお姉ちゃんの私が二人に譲って上げるべきだよね・・・でも、なんだか惹き込まれる様な感覚、私が行かなきゃいけない様な気がする、装備が欲しいとかそう言うのじゃないような・・・)ねぇ二人共、ここは私が行っても良いかな?」
コウとソラは頷きあった。
「良いよ!」
「姉ちゃん俺等にいつも譲ってばかりだし」
「ありがとう二人共、それじゃあ行ってくるね」
そう言ってメイプルはダンジョンへ入って行く。
「メイプル、なんかあったらメッセージしろ、中には行けないけどアドバイスはやるから」
「分かった〜!」
「よし、それじゃあ次のダンジョンに行こう、ここは毒耐性を持ってたから連れて来たけど、今から行くのは入る条件を満たしてるだけで攻略出来る保証はない、それだけは覚えとけな?」
「うん!大丈夫だよサマーお兄ちゃん!」
「どんなのでもドンと来やがれだぜ!」
「良い返事だ」
次にやって来たのは砂漠のフィールドにあるダンジョンだった。
「次はここだ、『土震のヌシの迷宮』だ」
『土震のヌシの迷宮』
〈※VIT150以上で挑戦可能〉
「ここは特殊なダンジョンだ、どう特殊かは行ってみてのお楽しみだ」
どちらが行くかは既にジャンケンで決めており、コウがこのダンジョンを挑戦する事になった。
「よし!じゃあサマー兄ちゃん、ソラ、行ってくる」
「あぁ、行って来い」
「頑張ってお兄ちゃん!」
そしてコウはダンジョンへと足を踏み入れた。
「大丈夫かな、お姉ちゃんの方も心配だし・・・」
「まあ手っ取り早く装備が欲しいならこうするしかないからな、さて、次のダンジョン行くぞ」
「うん、ん?お兄ちゃんからメッセージが・・・」
「なんて?まさか負けたのか?」
「えっとじゃなくて、それが・・・」
「成る程、こう言う事か・・・」
コウのメッセージでダンジョンに入ったサマーとソラはコウのいる場所まで向かうと、赤と紫の二種類の魔法陣がそこにあった。
「どっちに行けば良いか分からなくてさ・・・」
「もしかして罠?」
サマーを辺りを見渡す。
「本来なら正しい場所に入れ的な奴だと思うけど、何かヒントがあれば・・・あった」
サマーは壁に書かれた文字を見つけた、そこにはこう書かれていた。
『緋の門を潜し者 求めるは 古と太陽の力』
『何者も寄せ付けぬ 偉大なる太古の牙』
『紫の門を潜し者 求めるは 未来と雷の力』
『果てしなき道に刻まれる 鋼鉄なる轍』
「成る程な、つまりこれこそがダンジョンの入り口、それぞれの魔法陣の先には二種類のダンジョンが存在するって事だ」
「マジかよ!」
「どっちか一つじゃないとダメなのかな?」
「・・・試しに二人で入ってみたらどうだ?」
「「えっ!?」」
「もしかしたらユニークシリーズが二つとも入る可能性がある、まあもしかしたらどっちも手に入らない可能性があるな」
「どうする、ソラ」
「・・・試してみる?」
そう言って二人は魔法陣の前に立つ。
「俺はこの赤い魔法陣に入る」
「じゃあ僕は紫の魔法陣だね」
二人は距離を取り、構えをとる。
「1!」
「2の!」
「「3!」」
二人は同時に飛び込み、魔法陣に入るとその場から魔法陣が消えた。
「転送、出来たのか?まあ後は二人次第だな」
サマーはそのまま町に戻り三人の帰りを待つ事にした。
次回はボス戦です。
極振りするならどっち?
-
STR(攻撃力)
-
VIT(防御力)
-
AGI(素早さ)
-
DEX(器用さ)
-
INT(知能)
-
HP(体力)
-
MP(魔力)
-
いやちゃんと考えて振るよ