改造人間短編集   作:ボンコッツ

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カオ転本編の『★悪魔召喚プログラム(メ)について語るスレ その35』

改造人間の半終末突入~エンジェルチルドレン編ぐらいの時期の話です。

多分!!(時系列とかガバガバだからネ)

ガイア連合【警察俺達】のちょっとしたお話。


警部補、網戸洋一は霊能力者である。

 

【東京都 警視庁内部 某所】

 

 

日々、市民の平和と秩序を守っている警察組織の本拠地、警視庁。

 

右肩上がりの不審死や行方不明事件に各県の県警が悲鳴を上げている中、警視庁の一室に集まる警察官たちがいた。

 

防音に加えて窓もなく、盗聴・盗撮は最新かつ細心の注意を払い、オカルト面の防護すらショタオジ印の結界つき。

 

そして集まった警察官の一人……網戸洋一(アジト ヨウイチ)警部補は、集まった面々を見回して息をのむ。

 

ガイア連合の『黒札』であり、自身もLV20を超えている超人だからこそ肌で感じるプレッシャー。

 

アナライズこそしていないが……上限で言えば『ガチ勢』に近い強さの警察官もいるのではないだろうか。

 

 

(掲示板じゃダメ人間やら変態だった『俺達』もいるけど、

 それを踏まえても各県警のエースや超人が勢ぞろい……。

 

 ブラックラグーンのバラライカが緊急来日でもしないと集まらないメンバーだぞ!?)

 

 

集まった全員が各県警の剣道・柔道・射撃等の逮捕術大会で上位を独占している現代の超人たち。

 

検挙率でも非常に高い数字をたたき出し、未解決事件を解決に導いたリアル刑事ドラマなヤツまでいる。

 

その正体は、各地に散らばっている『警察俺達』。

 

そして彼らの部下や同僚である『オカルト対策班』の幹部メンバーである。

 

ガイア連合への所属という視点では古参も新参もいるが、おおむねガイア連合で共有されてる情報は知らされている。

 

その上で『終末後の市民の安全確保』のために、各県警と本庁の『LV5以上の覚醒者』だけを集めて組織された特別チームだ。

 

数年前から水面下で『警察俺達』が進めていた『オカルト対策班設立計画』、これにより各県警の災害対策部署を偽装して作り上げられた覚醒者の群れである。

 

当然黒札持ちも鍛錬を積んでおり、出世もレベリングも全力で取り組んできた。

 

が、『警視』まで出世した『俺達』やキャリア組『俺達』がいても、こんなドリームチームをまとめられるほどの権限はない。

 

それも各県警の超人を集める横紙破り全開の人事、それこそ『鶴の一声』が無ければ不可能だが……。

 

 

このチームは鶴どころか不死鳥の一声で集められたのだ。

 

 

全員が揃った後に、会議室の前のドアを開けて入ってくる一人の男性。

 

その姿を目視した瞬間、会議室にいた全員が一斉に起立し敬礼する。

 

普段は肩で風を切って歩き、悪魔相手にも果敢に立ち向かう超人たちが、だ。

 

入ってきた人物は微かに笑みを浮かべつつ、軽く敬礼を返し「楽にしてくれ」と言う。

 

それでも、会議室に満ちた緊張の糸が途切れることはなかった。

 

 

「今日は皆、よく集まってくれた。

 

 警視庁が秘密裏に進めてきた『オカルト対策班設立計画』は、ついに最終段階に入った。

 

 これも全ては、市民の平和と秩序の為に邁進してきた君たちの尽力の賜物だろう。

 

 ……君たちのような部下を持てたことを、一人の人間として嬉しく思う」

 

 

(『本郷警視総監』……まさか警視庁のトップが直で動いてるとか、関係者以外は想像もできないだろうなぁ)

 

 

本郷 猛(ホンゴウ タケシ)……IQ200以上、学生時代からオートレースで様々な記録を残し、専門外のスポーツも万能。

 

生化学に関しては博士号クラスの知識量を持つが、大学院や民間の研究所に勤めて博士を取るのではなく、何故か警察に入った変わり者。

 

……だったのだが、その超人っぷりをフルに発揮して警視総監にまでなってしまった、フィクションもびっくりの超人である。

 

もうすぐ60歳だというのに若々しく、今でも大型バイクに乗らせればプロのレーサーと勝負ができる、生涯現役の体現者だ。

 

……ついでに。

 

「では、各対策班の班長から進歩報告を。

 

 それから、最近配属となった者のためにG3シリーズの説明も……龍騎くん」

 

「警視総監、悠木です。悠木 真(ゆうき まこと)」

 

 

よく人の名前を間違えるのがちょっとしたチャームポイントである。

 

悠木 真……悪魔やダークサマナーの起こす『神隠し』案件と呼ばれていた失踪事件を担当。

 

索敵・追跡においてはオカルト対策班でも1、2を争う鼻の持ち主だ。

 

 

「えー、ガイア連合技術部にデモニカ『G3MILD』タイプの増産計画が通りました。

 細かいバージョンアップをしながらなので、生産量については少しずつ上げていく方針です。

 ガイア連合の兎山氏が開発したMILDタイプは先行量産型ですからね。

 

 現在採用されている『G3』タイプよりも数を揃える方針で行けそうです」

 

「うむ、やはり数は力だからな……これだけの覚醒者を揃えられたのもデモニカの力が大きい。

 それと、G3MILDの詳細なスペックは……ギャレン君」

 

「警視総監、木谷です。木谷 連(きや れん)」

 

 

木谷 連……オカルト対策班での技術担当トップであり、自身も前線を張る霊能力者。

 

さらに拳銃射撃競技では毎年トップ争いをしている現代のガンマンである。

 

それぞれの手元には部外秘の資料が配られ、G3シリーズについて簡単な解説が挟まる。

 

 

「まず、G3MILDは現在各々の班で運用中である『G3』タイプの廉価版です。

 量産型デモニカスーツ『G3』、これは期待通りの性能を示してくれました。

 

 しかし、非覚醒者を覚醒者にするという目的に対してやはり重すぎる重量。

 量産型とするには製作速度が物足りない事も含めて、性能はともかく運用に難がありました」

 

 

全部ハンドメイドなので生産性最悪。

非覚醒者では自衛隊ですらキツいと言うほど重い。

修理はささいなモノまでガイア連合に戻さないと絶望的。

 

……みたいな初期型から大幅に改善され、ブラックボックス以外はパーツも交換出来て束特製『式神マザーマシン』によってパーツの予備も生産中。

 

軽量化やUI面でのブラッシュアップを経て完成した『G3』は自衛隊では高い評価を得たが、

元から(常識的な範疇での)超人揃いだったゴトウ部隊と違い、警察ではやはり運用に難があった。

 

 

「この『G3MILD』はそれらを踏まえて、各地での運用データをもとに更にスリムアップ。

 性能はややG3に劣りますが、生産性と整備性は大幅に向上しています。

 

 相変わらずブラックボックスは交換前提ですが、こればかりは仕様ですから。

 実際に運用した感想については、隣の垣州の方から……」

 

「うむ、頼んだよ、カリス君」

 

「警視総監、垣州です。垣州 肇(かきす はじめ)」

 

 

垣州 肇……大学時代はアーチェリーの五輪日本代表候補にまで選ばれていた弓の名手。

 

木谷と同じ県警所属、銃使いの木谷と弓使いの垣州はそこの実力派二枚看板。

 

変装術の達人でもあり、潜入調査のプロだ。

 

 

「基本はG3と同じですね、UIやアシストAIもG3と同じモノなので、問題なく使えます。

 ですがデモニカが邪魔になる感覚が来るのはG3よりも早いでしょうね、この性能では。

 高レベルになってくると逆にデモニカは足かせになります。

 

 装甲面の心配もありますし、G3とG3MILDは別途運用を分けた方がいいと具申します。

 幸いG3MILDは強化改造によってG3にできますから、まずはG3MILDを優先的に確保。

 装着者の性能に合わせて強化していくのが良いでしょう」

 

「なるほど、ではアギト君」

 

「警視総監、網戸です。網戸洋一」

 

「おっと、そうだったね。ガイア連合技術部との交渉は確か君だったハズだ。

 今後はG3MILDの納入を優先して行う、という連絡を頼むよ」

 

 

ガイア連合技術部に仲のいい黒札がいる、という理由で、網戸はガイア連合との交渉役に任命されていた。

 

この対策班にいる他の黒札持ちは、技術部とはビジネスライクな付き合いしかしていないか新参寄りのメンバーが多かったのである。

 

比較的古参で、なおかつ技術部にちょくちょくお邪魔している網戸は色々と丁度良かったのだろう。

 

なんせ元々山梨県警所属だったが、より連絡を円滑にするために対策班の予算で山梨支部に近い立地のマンションまで用意されてしまった。

 

今では何かあったら警視庁と山梨支部をマラソンする役目である。

 

 

「では、新たに追加された分も含めて、G3シリーズの装備についての説明を……斬鬼君」

 

「警視総監、財樹です。財樹 蔵之助(ざいき くらのすけ)」

 

 

財樹 蔵之助……純粋な身体能力ならばこの中でもピカイチ。

 

ゴトウ司令との腕相撲に勝ったこともあるほどのフィジカルエリート。

 

面倒見がよく懐も深い。厳しいところもあるが、必要な厳しさしか見せないタイプの年長者だ。

 

 

「以前から使われていた装備と、これから追加予定の装備を合わせて説明します。

 

 『GM-01 スコーピオン』。対悪魔用突撃銃ですが、実態はサブマシンガン。

 高い貫通力と速射性を持ち、装弾数は72発。G3シリーズの最も基本的な武装です。

 構造上高い反動があるため、生身での使用は推奨されません。

 デモニカスーツのパワーアシスト、あるいはLV10以上の超人なら別ですが。

 

 『GG-02 サラマンダー』。GM-01に連結して使う対戦車用グレネードランチャー。

 自衛隊の現行戦車に有効打を与えられるほどの高火力兵装です。

 これも、反動の問題で生身での使用は非推奨。

 

 『GS-03 デストロイヤー』。腕部に装着して使用する超高周波振動剣。

 悪魔だけでなく対物破壊にも有効。災害救助では瓦礫の除去にも役立つでしょう。

 

 『GA-04 アンタレス』。ここからは今回追加予定の武装ですね。

 GS-03と同じく腕部に装着する装備で、こちらはワイヤーアンカーです。

 高所への移動、悪魔の拘束、どちらかと言えば補助的な武装です。

 

 『ガードアクセラー』と『ガートチェイサー』……特殊電磁警棒と対悪魔用バイク。

 どちらもG3の装甲と同等の素材で作られており、対悪魔戦に耐えうる強度を持ちます。

 ガードアクセラーはガートチェイサーのキー兼グリップにもなっております。

 ガートチェイサーはガイア連合が生産予定の対悪魔用バイク『トライチェイサー』、

 その白バイモデルで、操作性と強度を重視したカスタマイズが施されてます」

 

 

「なるほど……使いこなせれば戦車でも倒せそうな武装が揃っているな。

 

 それでは、バージョンアップに従い追加された機能を……ホッパー君」

 

「警視総監、保葉です。保葉一朗(ほっぱ いちろう)」

 

保葉一朗……本郷警視総監と同じ城南大学出身であり、こちらは物理学を専攻。

 

水素エネルギーに関する論文で在学中ながらに注目を浴びたが、大学院ではなく警察官に。

 

城南大学からはこういう生徒が出まくったため、実質的に警察官の青田刈り先みたいな評価を受けつつある。

 

 

「まず、G3の頃から搭載されていた悪魔の有無を確かめる『エネミーソナー』や、

 周辺の建物の構造、異界か否か、おおよその危険度を確かめる『マッパー』、

 ある意味最も重要な、悪魔を視認し解析する『アナライズ』、

 悪魔との会話・交渉が可能になる『悪魔会話』。

 

 これらに加え、新たに『悪魔召喚プログラム』という新機能を搭載予定です」

 

「ふむ……すまないが、その悪魔召喚プログラム、というのは?」

 

「財樹警部補が使っている『封魔管』の機械化バージョン、といったところでしょうか。

 このプログラムをDLした機械をCOMPといい、これを使って悪魔の使役が可能です。

 LV10以下の悪魔を3体まで召喚・使役可能で、控えに悪魔をストックすることも可能。

 デモニカとの接続も当然可能なので、デモニカ側から思考操作で召喚・帰還もできます。

 予定ではPDAのようなモノに入れて、G3のアタッチメントに装着する形になるかと」

 

 

LV10の悪魔を使役できる、という言葉に会議室がざわめく。

 

この場にいる面々はLV5以上の覚醒者、デモニカ込みとはいえ悪魔との戦闘も経験済みだ。

 

とはいえ、全国各地から集めた精鋭といえど才能的な限界はどうにもならない。

 

そんな彼らにとってLV10の悪魔というのは、1匹出ただけでも要警戒対象。

 

数で上回る状況を必ず作り、先手を取って火力で圧殺せねば危険な悪魔である。

 

単独で倒せるのは、各県警のエースである警察俺達ぐらいだろう。

 

 

「……すさまじい性能だが、デメリットは?」

 

「MAGの消費ですね。悪魔を呼び出しているだけで装着者のMAGを悪魔が持っていきます。

 3体呼び出せば当然3倍、なおかつ安全装置があるので使用者以下のLVの悪魔しか使役できません」

 

「ふぅむ、やはりこの手の技術は使用者によって利便性が上下するな」

 

「ガイア連合の協力者である探偵の渥池に、COMP単独での実験も依頼しています。

 データが集まれば、より高性能な悪魔召喚プログラムも作成可能かと」

 

「うむ、アンク君にもよくお礼を言っておいてくれ」

 

「警視総監、渥池です。渥池小五郎(あくち こごろう」

 

 

何度目かもわからない天丼を挟んた後、本郷警視総監がゆっくりと立ち上がった。

 

 

「聞いての通り、デモニカスーツ『G3マイルド』の生産・配備は順調だ。

 

 近いうちに各県警に相応の数が配られ、今のように1機を複数人で使い回すことは無くなる。

 

 だが……それで終わりではない。それが始まりだ」

 

 

ぐるり、と会議室の面々を見回す。

 

先程までの朗らかさすら感じる気配は引っ込み、ちりちりと肌を焦がす威厳が部屋を満たす。

 

これが本郷 猛警視総監の、警視庁のトップとしてのカリスマだ。

 

 

「我々は正義の味方ではない。我々は秩序と、市民の味方だ。

 

 市民が今と同じ、道を歩くだけで通り魔や悪魔に襲われる恐怖を感じない日々の為にいる。

 

 諸君らは無辜な市民の盾になるべく、こうして様々な力を与えられてきた。

 

 ……それに恥じない活躍をしてくれることを、切に願う」

 

 

すっ、と敬礼をした警視総監に、またも会議室の一同が揃って敬礼を返した。

 

 

「それでは、解散。今回配られた資料と報告の内容を元に、各県警で引き続き対策を練ってくれ」

 

「「「了解っ!!」」」

 

 

各自があわただしく席を立ち、各県警へ戻るために歩き出す。

 

オンライン会議を使わないのはハッキング対策だ。

 

急ぎならトラポートで戻れる者もいるので、態々こうして本庁まできて会議しているのである。

 

網戸もまた、途中まで帰り道が一緒で、大学の同期である悠木と共に部屋を出てきた。

 

 

「しかし、相変わらずの威厳だったよな、本郷警視総監」

 

「ああ……俺腰抜けたかと思ったよ。さすがオカルト対策班と日本警察のトップ」

 

 

今の会議の感想を漏らしながら、特別区画を出る前にぽつりと二人が呟き、同意を重ねる。

 

 

「……あれで転生者でもなんでもない金札一般人だもんな」

 

「……デモニカで覚醒したのつい最近だから、それより前の逸話、未覚醒の頃だよな」

 

 

 

 

『人間 ホンゴウ タケシ LV1』

 

 

知能指数200以上。

 

学生時代からオートレースで様々な記録を残す一流レーサー。

 

専門外のスポーツも万能なスポーツマン。

 

生化学に関しては博士号クラスの知識量を持つインテリ。

 

何故かガイア連合技術部からワンオフデモニカ『技の1号』を贈られた。

 

そんな経歴を持つだけの……ただの警視総監である。

 

 

「……ただの警視総監ってなんだ……???」

 

 

思わず網戸が呟いたそれは、きっと哲学とかに類する疑問であった。

 





なお、このオカルト対策班の黒札は全員……。

生前の仮面ライダー知識は『ああ、そんな特撮あったよね』ぐらいのモノとする。
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